●「サソリの便秘の交尾に対する影響」がイグノーベル賞を受賞
2022/09/23:本家ノーベル賞より日本人の受賞率が高いイグノーベル賞。2022年も受賞があり、千葉工業大学のチームによる「つまみを回す際の最も効率的な指の使い方の解明」が工学賞となりました。この記事を読むと、他の受賞の紹介もあったのですが、紹介されていない中にまだおもしろい研究が複数あったんですよね。
そのひとつが、<サソリの便秘の交尾に対する影響>です。
イグノーベル賞2022が発表:化学賞は無かったけどユニークな研究が盛りだくさん | Chem-Station (ケムステ)(2022/9/17)では、以下のような研究内容だと説明されています。ただ、結論は不明だったので、ここらへんについては後で別記事を探してみる予定です。
<サソリは敵から逃れるために自発的に尾を切断することがありますが、これを行うと肛門を含む消化管の一部を失うことになり、再生もされないため便秘になってしまいます。そこで、本研究では便秘になった状態がサソリにどう影響があるのかを調べました>
●天敵に捕まったときに自分で切り離すサソリ、発見は最近の話
トカゲだけでなくサソリも尻尾切りするという時点で驚きでした。実際、検索してみると、尻尾を切るサソリがいるということ自体、以前は知られていなかったようです。動物が天敵に捕まったときに自分の器官を自分で切り離すことを「自切(じせつ)」 というそうですが、これについて詳しく書いたページがありました。
この
サソリの「自切(じせつ)」 - サソリの情報Webのブログによると、2011年に初めて、キョクトウサソリ科のAnanteris mauryi という種で自切が報告されたそうで、かなり最近の話ですね。 15個体をもちいて終体をピンセットでつかむ実験をしたところ、全個体で自切が起きたそうで、ガンガン切れてしまいます。
自切は効果的な防御法である反面、脚などを失うと、歩行や繁殖行為、種内競争などに支障をきたすというマイナス面があると指摘。この点で、サソリは特に深刻なようです。というのも、正確に言うとサソリが切るのは単なる尻尾ではなく、消化管がある部分のため。まさにイグノーベル賞の研究材料となったようなリスクがあるのです。
●トカゲだけでなくサソリも尻尾切り ただし便秘で死んでしまう
さて、ここから今回のイグノーベル賞の話に戻ります。詳しく書いているところはないか?と探すと、
イグノーベル賞のサソリの便秘の話がすごい|石コロ|note(2022年9月21日)が出てきました。トカゲだけでなくサソリも尻尾切りという時点で驚きだったのですが、それで死んでしまう…と知ってさらに驚き。サクサク切るわりに、自殺行為で禁断の技のようです。
<サソリが危険を感じて尻尾を切ると、肛門も失って、しかも再生しないので、死ぬまでずっと便秘で、多くはそのせいで死んでしまうそうです>
<この研究では、体の重さの変化と走る速さ(運動能力)を主に調べています。便秘は体重変化に影響があるから利用されていますが、そこがメインではありません>
死んじゃうのになぜ切るの?という話なのですが、デメリットよりメリットが大きいのです。「便秘で死ぬまでに数か月かかるので、子孫を残せる時間があるんじゃないか?」という推測。生殖器はお腹の辺りのため、交尾はまだ可能。メスは自切で繁殖能力が低下するものの、繁殖の可能性が残るということでした。
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