一日三食と言われていましたが、日本ではすでにかなり崩壊している状態。一日四食、あるいは、もう一日五食という人もいるようです。また、これは、アメリカでも同じような傾向が出ているため、日本だけの問題ではないかもしれません。あと、日本の場合は、朝食だけでなく、メインであった夕食が衰退。きちんと食べるのは昼食だけ…といった状態になっているようです。これには説得力ある理由がありました。
2023/08/22まとめ:
●1日2食だったのが1日3食に増えた理由は油…なぜ関係する? 【NEW】
【クイズ】英語の「snack」の意味として、最も適切なものはどれでしょう?
(1)軽食、ひと口、少量
(2)スナック、バー、酒場
(3)(特に食用油で揚げた)菓子、おつまみ

●一日三食はもう崩壊状態で一日四食~五食時代へ
2016/4/23:
進む「1日5食化」と新たな商機 :日経ビジネスオンライン(日野 なおみ 2016年1月20日)というタイトルを見て、正直胡散臭いと思って読み始めました。
ところが、実際に読んでみると、味香り戦略研究所味覚コンサルタント・菅慎太郎・口福ラボ代表の「1日5食化」の説明は、意外にも説得力あるものでした。
「これまで一般的な食生活は朝昼晩の1日3食でした。ところが実態を調べてみると、1日3回、きっちりとした食事の機会を持っている消費者は少なくなっています。
朝食では、これまでのような一汁三菜の食事を出す家庭が少なくなっています。朝はがっつりしたものを食べないで、ヨーグルトやゼリーといった、軽く胃袋を満たすものが主流になりつつあります。これを私は朝食の液状化と呼んでいます」(菅慎太郎・口福ラボ代表)
●夕食が脇役化、代わりに現在では昼食が主役になっている!
液状化した朝食の後の昼食が、実は唯一、"きちんとした食事をする機会になってい"ると言います。三食の中では最後に登場した昼食が今は主役みたいです。
じゃあ、以前は主役だった夕食はどうなったのか?と言うと、これが脇役化してしまっているのだそうです。ディナーと言うと一番豪華なイメージだったんですけどね。これが意外でした。ただ、この理由に説得力があったんですよ。晩ごはんの時間が遅くなることによって、夜の食事を軽くせざるを得ないという話です。
<晩ご飯は、最近では共働き世帯が増え、家族で食卓を囲む時間が遅くなっています。多くの共働き世帯で、晩ご飯を食べるのは午後7時や8時頃。子供にしてみれば、正午に昼食を食べて、晩ご飯までの間に7~8時間もあるわけです。当然、お腹が空きます。
晩ご飯まで待てないのでおやつを食べる。最近では保育園のおやつでも、お菓子を出すのではなく、おにぎりやピザ、うどんを出しています。親の迎えが遅いから、夕食までの間に空腹を満たす軽食を出すんですね。「おやつ」というよりは「補食」の側面が強い。
こうして夜ご飯前に軽食を食べると、実際の晩ご飯は、そんなにボリュームのあるものを食べられなくなります。お腹が空いていないから軽めのもので済む。そうなると晩ご飯の軽食化が進みます。そして夜更かしをするので寝る前にデザートやパンなどをつまむ>
●日本だけじゃない!似たような傾向はアメリカでも起きていた
スナックと言うと日本人はスナック菓子だけを思い出すでしょうが、軽食という意味であり、もう少し広いです。ちなみにお酒を飲むスナックの場合は、「snack bar」もしくは「bar」が適切であり、「snack」だけの意味としては、「軽食、ひと口、少量」がベストでした。
【クイズ】英語の「snack」の意味として、最も適切なものはどれでしょう?
(1)軽食、ひと口、少量
(2)スナック、バー、酒場
(3)(特に食用油で揚げた)菓子、おつまみ
【答え】(1)軽食、ひと口、少量
2014年にアメリカで食事がスナック化しているという記事を読んだことがあったものの、当時は本当かいな?といった感じでピンと来ませんでした。
しかし、今回の話を読んだことで、十分にあり得ることだと感じることができました。検索すると、当時読んだのは、
軽食で済ます米国人が増加―隅に追いやられる従来型の食事 - WSJ(By MIKE ESTERL 2014 年 7 月 2 日 12:40 JST)という記事みたいですね。
<米国人は常習的なスナック(軽食)族になりつつある。30年以上前により頻繁な軽食として始まったこの習慣が否応なしの消費パターンに変わり、1日3回という米国人の食習慣を揺るがしている>
当時は感覚的にわからないと思ったものの、ちゃんとデータがある話でした。政府の直近のデータによると、1日に3回ないしそれ以上の頻度でスナックを食べる米国人の比率は10年までに56%にまで上昇しています。この割合は1990年代には約20%、1970年代末には10%に過ぎなかったそうです。
消費者動向を追跡するハートマン・グループのローリー・デメリットCEOは、「スナックを食べるのはかつてたまに起こることだったが、今ではある種、日常的になっている」と述べています。また、スナックに関しては、計画的な食事ではないことも特徴となっています。
<ハートマンの13年の調査によると、1週間に少なくとも3回、ちゃんとした食事を抜くと答えた米国人は全体の48%だった。また食べる直前(1時間未満)に何を食べるかを決めると回答したのは63%に達した。(中略)
朝食はある意味、最も大きく変化した。IRIの今年の調査によれば、朝早くスナックを食べる米国人は全体の約3分の1(約33%)で、2010年の14%から急増した。そして午前半ばにスナックを食べるのは55%で、4年前の45%をから上昇した>
●外食産業が衰退し、コンビニが栄えるのも軽食化の影響か?
今、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を読み返してみると、"朝食はベーコンエッグなどというお決まりの食事スタイルは過去のものとなり、食品業界は対応に苦戦している"という企業側の対応に関する話が多かったです。
最初の日経ビジネスオンラインもビジネスサイトなので、当然そういうビジネスの話が多いです。その中であっ!と思ったのが、コンビニの話。現時点でも既にコンビニが外食産業を脅かしているわけですが、食事スタイルの変化がさらにこれを加速するのではないか?とされていました。
また、しっかりとした食事をするというニーズそのものが減っているわけですから、既に軽食化の進行が外食産業の苦戦につながっているとも考えられます。
<食品スーパー側も少しずつ変わってきています。これまで、食品スーパーは晩ご飯の需要に合わせて、夕方6時に「できたて総菜」を売り場に並べていました。けれど、今や夕方の6時に総菜売り場に足を運べるのは、一部の消費者だけでしょう。
そこで成城石井は、午後8時にも「できたて総菜」を並べるようにしています。(中略)こうした変化は今後、コンビニにも広がるはずです>
インタビューアーは、1日に何度も商品を補充していることから、コンビニの方がより時間帯別のニーズに合わせた売り場を作りやすいのでは?といったことを指摘。菅慎太郎・口福ラボ代表もあり得る話ではないかとしていて、今度軽食を充実させてくる可能性にも言及しています。
実を言うと、私自身は従来型の一日三食という生活であり、なおかつ食事内容も従来型のガッツリ系。ですので、今回の話は驚きましたし、以前読んだウォール・ストリート・ジャーナルの話に現実味を覚えなかったのものそのせいでしょう。なかなか自分と違う生活スタイルってのは、想像するのが難しいですね。
●1日2食だったのが1日3食に増えた理由は油…なぜ関係する?
2023/08/22まとめ:どこかに以前は1日2食だった…という話を書いていた記憶があるのですけど、見つからないのでとりあえずこちらに追記。別の投稿で使った1日2食から3食に増えた時期の話を転載しておきます。
昔の食事はどんな感じだったのか?ということで検索。
江戸時代の食事情/江戸庶民のおかず|日本食文化の醤油を知るというページが出てきましたので読んでみることにしました。いきなり食事と直接関係ない話なんですが、当時は「ろうぞく」の方が贅沢だったという話に驚きます。
<当時の庶民はほとんど行灯(あんどん)を使用していた。(中略)蝋燭(引用者注:ろうそく)は、ごく限られたところ、大店、遊郭、大きな料理屋などでしか使えなかった。一般庶民が使っていた行灯の火種は、ほとんどが「菜種(なたね)油」である。他には「ごま油」や「くじら油」、臭いがきついが「いわし油」などもあった。
江戸時代中頃、振売り(ふりうり)の「油売り」から油を買い、庶民にも夜の照明用の行灯に菜種油(1合40文)が広く出回るようになった。(中略)
(当時の中流階級である大工の日当が500文くらいの時代に、夜の照明用に使う「百日蝋燭」は一本200文であった)>
なぜ食事の話で菜種油の話なのか?と言うと、これは当時、公家・庶民に関わらず1日2食だったのが1日3食へ変化した理由の補足説明。物流の発展で高価な菜種油の値下がりにより、夜なべ仕事や夜遊びなどが増加。活動時間が長くなるとエネルギーがどうしても必要なため、1日3食の食事習慣が定着した一因だと説明されていました。
一方、本来知りたかった当時の食事の話としては、以下のような話がありました。江戸時代の人はみんな肉はほとんど食べていなかったのは知っていましたが、それどころか魚もほぼ食べなかったようです。これには驚きましたわ。
・江戸の庶民のご飯時間は、朝食は7:00(明け六つ)、昼食は12:00(昼九つ)、夕飯は19:00(暮れ六つ)ごろ。
・1日3食となっても、あいかわらずの粗食。庶民の食卓は、ご飯に、味噌汁、漬物である。漬物には、たくあん、梅干し、ぬか味噌漬け、なすび漬け、らっきょう等で、今でも食しているものが多かった。少し裕福な家庭では、煮豆などの副菜(おかず)がついた。
・奉公人を抱える町人でも、せいぜい、ご飯と味噌汁に、漬物、おかずの鰯(いわし)一皿といった「一汁一菜」。しかし、主食は徐々に白米が普及するようになっていった。
・江戸の商家の丁稚(でっち)は、朝はご飯に味噌汁、漬物。昼はヒジキに少しばかりの油揚げの煮付け。夜はご飯と漬物であった。丁稚だけではなく手代や番頭も同じであった。
・武士の中でも下級武士の人々の食生活は、庶民の食事とほとんど変わらず、白米を中心とした食生活であった。魚を口にするのは月に3回程度で、納豆や豆の煮物などをおかずとすることもあった。
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