2018/05/16:
●スチュワード・スチュワーデスを言い換えるのは語源が差別用語だから?
●「スチュワード」の語源は「豚小屋の番人」という意味?
●かつて日本では「エアホステス」と呼ばれていた客室乗務員
2020/05/03:
●スチュワードが少ない日本、ANAは女性しか採用したことがない
●意外!国営企業だったJALの方が日本人男性客室乗務員を採用
●機内の保安と権威を保つために男性を採用すべき…も差別的?
●スチュワード・スチュワーデスを言い換えるのは語源が差別用語だから?
2018/05/16:
客室乗務員 - Wikipediaでは、「スチュワーデス」と呼ばなくなったのは、1980年代以降、アメリカにおける「ポリティカル・コレクトネス」の浸透のせいだとしていました。
私の読んだ乗りものニュースの記事でも一応この理由は書いていました。"「スチュワーデス」はその女性形で「性差別用語」でもあるとして、差別の是正が世界的に叫ばれるなかで使われなくなっていきました"としています。
ただ、これは2番目の理由であり、1番目は別のもの。かつて男性客室乗務員の総称だった「スチュワード」という言葉が、"語源に差別的な要素が含まれるとする見方があること(諸説あり)"とされていたのです。
("飛行機の客室乗務員、「スチュワーデス」と呼ばなくなったワケ 外国では「CA」通じない場合も 乗りものニュース / 2018年5月15日 16時10分"より)
https://news.infoseek.co.jp/article/trafficnews_80311/
●「スチュワード」の語源は「豚小屋の番人」という意味?
じゃあ、その差別的な意味でどんなのなの?と気になって検索。
steward - ウィクショナリー日本語版では、語源として以下のようなものを載せていますが、細かい意味までは書いていません。
中英語 steward < 古英語 stīweard, stigweard < stīġ + weard
しかし、「スチュワーデスになる!」というサイトによると、古代の英語「stigweard」は、stigが「豚小屋」、weardが「番人」で、「豚小屋の番人」を意味していたとしていました。ただし、家畜が大切な財産であった封建時代にはその管理が非常に重要な責務であり、悪い役職ではなかったようです。差別的だってのは、誤解かもしれません。
(
スチュワーデス、言葉の由来 スチュワーデスになる!より)
●かつて日本では「エアホステス」と呼ばれていた客室乗務員
ウィキペディアによると、初期には、男性乗務員は「スチュワード」「パーサー」、女性乗務員は「エアホステス」「エアガール」、最近まで「スチュワーデス」と呼ばれていたとのこと。「エアホステス」ってのは、びっくりですね。
先の「スチュワーデスになる!」というサイトによると、フランス語でスチュワードはそのままstewardなのに、スチュワーデス(hotesse de l'air)は、(Hを発音しないので)オテスと呼ばれています。つまり、「エアホステス」と同じ「空のホステス」です。
ただし、フランスでホステスというと、日本のように水商売を指さず、むしろ「お客様を迎え、感じよくもてなす女主人」という良い意味しかないと説明されていました。
ただ、日本の場合ホステスは水商売なイメージが定着していますからね。
ホステス - Wikipediaによると、1964年にはバー、クラブ、キャバレーの女性従業員のことをホステスと呼ぶ事が定着するようになっていたとのことで結構歴史が古いので、エアホステス使用時代にもそういうイメージがあったのかもしれません。
●スチュワードが少ない日本、ANAは女性しか採用したことがない
2020/05/03:差別用語という話じゃないんですけど、男性乗務員と女性乗務員で呼び方が違うことに関連して、日本では女性乗務員が多いという話を。私はANAを中心に年2往復ほど飛行機に乗っていましたが、いまだかつて男性乗務員に出会ったことがありません。
それもそのはずANAは、前身の日ペリ航空が1955年に女性CA6人を初採用して以来、合併(58年)で全日空となってからも、男性をCAとして採用したことは1度もないといいます。そもそもANAの歴史の中で一度たりとも男性を採用していないんですね。そりゃ出会わないはずですわ!
ANAもJALも、採用の段階で「女性のみ」という項目はなし。実際に最終面接を受けた学生によると、志望する男性もいるそうです。ANAでは男子は最終面接の段階で全滅していたものの、2次のときは2人いたとのこと。また、JALは最終面接でも2人残っています。国営由来のJALより「民間」なANAの方が保守的なんでしょうか。
●意外!国営企業だったJALの方が日本人男性客室乗務員を採用
ただし、ANAには現在、約7800人いる客室乗務員のうち数十人が男性。採用したことがないのにどういうこと?と言うと、採用したことがないのは飽くまで日本国内の話。海外拠点の外国人男性がいるとのこと。また、総合職(現グローバルスタッフ職)で採用された社員が経験を積むために配置転換される…といった例もあるそうです。
それから、さっきちょっと書いた「意外なことに国営だったJALの方が保守的ではない」という印象を強くする話もありました。JALには以前から日本人の男性CAがいるとのこと。なんとCA採用を始めた1951年の2年後にはすぐに男性CAを10人採用。記事の年も採用者がいるなど、その後も採用を続けているといいます。意外ですね。
とはいえ、世界にいる約5500人のうち、男性は外国人約60人を含め約70人。結局、JALでも少ないんですね。反発強い話でしょうが、これらを紹介した記事は、
航空会社のCA、日本は女性ばかり 専門家「ここまで男性なしは異常」(2017/08/09)というもの。ジェンダー法学が専門の三成美保・奈良女子大副学長は「男性がここまでいないのは異常」とおっしゃっていました。
●機内の保安と権威を保つために男性を採用すべき…も差別的?
なお、実際のところ、海外でも女性は少ない模様。ただ、記事で出ていたエールフランスは3人に1人が男性ということで、日本により多いのが一般的なのかもしれません。
あと、元JALの国際線チーフパーサーで航空評論家の秀島一生さんは「機内の保安と権威を保つためには男女両方いた方がいい」としていましたが、これはこれでちょっと差別的かもしれません。保安というのは客が暴れたときの保安業務などを想定。ただ、保安だから男性…というのもやや偏見に思えます。男性の方が身体的に強い人が多いのはデータ的には確かですけどね。
また、女性だけだと権威がないというのも、偏見だと思われそうなところ。ただし、こちら側に関しても一応データ的には事実。女性名か男性名かだけで評価が変わってしまう、客の横柄さが変わってしまう…といった事例や研究が多数あり、男性を入れた方が権威が上がるというのは、残念ながら本当だとは思われます。
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