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地域活性化を促進するとされるITの発展、実は地方の過疎化の原因だった


 ITの発展で地域活性化が楽になると思いきや、実際には全く逆でITの発展がむしろ都会に人を集めて、過疎化を進行させてしまうのではないかという説について。予想外すぎてびっくりなものでした。これは簡単に言うと、今まで以上に直接人と会わないと達成できないことの価値が上がるためということ。同様に、直接その場に行かないと体験できないサービス業の発展もまた、都市に人を集中させて、地方を衰えさせるものだとされていました。

2011/4/3:
●地域活性化を促進するとされるITの発展、実は地方の過疎化の原因だった
●人間が直接会わないと得られない知識の価値が余計増す
●サービス業もバラマけないから過疎化を進行する要因に
2018/02/23:
●ITの発展によって近くの国との貿易量の割合が増える現象も確認
2019/01/17:
●日本でもアメリカでも「モノより体験」の大きな流れがある!
2020/12/16:
●ITによる地域活性化策で地方が逆に疲弊!税金が無駄になる理由


●地域活性化を促進するとされるITの発展、実は地方の過疎化の原因だった

2011/4/3:地域活性化では、ITを活用した事例が紹介されているなど、結構注目されています。「IT革命が進めば、遠隔地でも同じ情報を同じコストで得ることができるようになるから、経済活動や人口の分散が促進されるだろう」といった見方もあるようです。私もそうなんじゃないかと思っていました。

 ところが、空振り」「ただ乗り」「横取り」(2011年2月8日 小峰隆夫 日経ビジネスオンライン)によると、事実は「全く逆」なんだそうです。

 つまり、むしろITの発展が地方の過疎化を進ませるというのです。


●人間が直接会わないと得られない知識の価値が余計増す

 この主張を知るには、まず「形式知」と「暗黙知」いう概念を知る必要があります。これは、以下のような意味だそうです。

形式知……本を読んだり映像を見たりすれば得られるような知識。
暗黙知……人間同士が対面で情報交換することによって得られるような知識・ノウハウ。

 例えば映画監督になりたい人で言うと、本を読む(形式知)だけでは監督になれず、実際に現場で監督の下で仕事をする(暗黙知)で監督を目指すといった具合とのこと。

 そして、IT革命が進行するということをこれで説明すると、むしろ対面での重要性が増してしまうというのです。

「形式知の方は、安くかつ容易に入手できるようになるから、相対的に価値が下がる。逆に、暗黙知の価値は高まる。すると人々は暗黙知を求めてますます集まるようになるのである」


●サービス業もバラマけないから過疎化を進行する要因に

 ITとは離れますが、もう一つ過疎化の促進の原因として、サービス産業のウエイトが次第に大きくなっていることだと書かれていました。ただ、過疎化の促進というよりは、都会に人が集まる理由といった方が良さそうなものではあります。作者は、都市部への人口移動が特に加速しているのは、単に『便利だから』というだけではない何か他の理由がありそうだ」と述べ、それは産業構造の変化ではないかと考えているそうです。

 先のIT化はその一つなのですが、もう一つが「産業構造のサービス化」です。サービス産業も製造業も、付加価値(所得)を生み、雇用機会を生み出すという点では製造業と同じであるものの、製造業と比較して以下のような重要な違いがあることを指摘しています。

製造業……自動車であれば、九州でまとめて作り、全国にばらまくということができる。
サービス産業……理髪店というサービスをまとめて生産してばらまくことはできない。たとえば、理髪店のサービスを買いたい人は理髪店に行かなければならない。

 だから、サービス産業は、需要者が供給者の存在するところに行く必要がある、人が集まれば集まるほど多様なサービス産業が成立するということになるというわけです。

 また、高級フランス料理店のように食べる人が多くないものは、よほど人口が多い地域でないと採算が取れないなど、「集積の利益」が強く作用するため、人口が多い地域ほどサービス産業が立地し、それがまた雇用機会を生んで人を集めるというメカニズムが発生すると書かれていました。

 これらはITの話に比べると理解しやすいですが、根が深いものでもあり、過疎化および都市周辺への人口集中は逃れることが難しいということを示しています。

 では、過疎地域はどうすれば良いのでしょう? こちらの話については、出生率高い地域で過疎化 原因は別なので少子化対策では地域活性化しないでやっています。


●ITの発展によって近くの国との貿易量の割合が増える現象も確認

2018/02/23:ITの発展が思っていたのと全く逆の働きをするということでは、後にやった情報技術の進展で、中国・韓国と日本の関係はますます重要になるも予想外すぎてすごい話でした。

 現在は過去と比べると、国際間の輸送コストは低下しており、情報技術の進展で国同士の情報のやりとりも飛躍的にスムーズになっています。であるのなら、以前と比べて遠くの国との貿易量が増えて、近い地域間での貿易量の比率が下がっているだろうと予想されます。

 ところが、現実には全く逆。輸送コストが低下したにも関わらず、ますます近い国同士での貿易量が増加するという現象が見られていました。直感と異なり、不思議に思うのですけど、これが現実でした。


●日本でもアメリカでも「モノより体験」の大きな流れがある!

2019/01/17:ITの発展ではなく、サービス・体験の重要性が増して過疎化が進行…という話の方で追記。売れる商品はモノではなく「体験」を売る 高くすれば簡単に売れるように?でやった話を、ここでいっしょに紹介しておくと良いかなと思いました。

 バルミューダという個性派家電メーカーの寺尾玄社長は、なかなかモノが売れない時代にあって売れる商品について分析していくと、「体験」や「五感で感じられるもの」がポイントではないかとされていたのです。

 また、アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観では、アメリカでもモノより体験を重視する新しい世代が増えているといった話が出ていました。

 各国で体験を重視する流れが来ており、いっそうの地方の過疎化・都市への集中が今後進行するかもしれません。


●ITによる地域活性化策で地方が逆に疲弊!税金が無駄になる理由

2020/12/16:(PDF)「情報化による地域活性化の可能」という高崎経済大学大学院。地域政策研究科博士後期課程の人による論文(研究ノートとの記載あり)というものがありました。長かったので、初めと最後のところをちょこちょこっと読んだだけですが、まとめでは「地域情報化には地域利益に対して正の効果と負の影響がある」と指摘しています。

 もちろんIT化が地域活性化にプラスに働くこともあるわけですが、この方もやはりマイナスの影響の方を強調。というのも、おそらくそもそもマイナスの影響があることを想定していない人が大半のためでしょう。なので、プラスマイナス両方を考慮し、負の影響についても充分に検討しておくことが重要であるとされていました。

 また、最初のところでは、「実効的な地域活性化を達成できた例は少ない」「ITによる地域活性化策が、有効に機能している例はほとんど見られない。むしろ、ITの普及が、ITの普及がかえって地域の疲弊を促すような場面も見られるようになってきた」としており、やはりうちで紹介していたのと似たような見方がされています。

 今回なるほど!と思ったのは、Tインフラは、一般にソフトウェアの占める比率が高く、これらはあっという間に陳腐化しやすいという問題点があるということ。すぐ古くなるため、投資が無駄になりやすいのです。さらに、税金が無駄になりやすいということは、地域情報化に対してその効果を評価することが、他の政策よりもむしろ重要であるとも言えてきます。

 ただ、そうした検証が十分かというとそうではなく、むしろダメダメでしょう。国も自治体もいろいろな政策をやるのですが、「検証はしない」というのが悪いところ。検証せずに成功だけを喧伝していることが多いので、さらに悪いですね。民間なら完全にダメ社長…なわけですが、政治家としてはそういう人の方が人気に…。国民の皆さんにはそこらへんをよく見ていてほしいところです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■出生率高い地域で過疎化 原因は別なので少子化対策では地域活性化しない
  ■情報技術の進展で、中国・韓国と日本の関係はますます重要になる
  ■アメリカでは高所得な若者もクルマ離れ・マイホーム離れ ミレニアル世代の新しい価値観
  ■売れる商品はモノではなく「体験」を売る 高くすれば簡単に売れるように?

【関連投稿】
  ■町おこし・地域活性化が失敗する理由 成功事例は真似できない…紫波町「オガールアリーナ」と日向市塩見小原地区「へべす」
  ■伝統を守るべきという無意味で非論理的な主張 なぜと聞かれて説明できない暗黙のルール
  ■伝統とは変わらないことではない 虎屋黒川光博社長は「伝統は変化の連続」と理解
  ■日本の古き良き伝統 年功序列と自治会(町内会)で移住者を村八分
  ■雑学・歴史についての投稿まとめ

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