糖質制限ダイエットの話をまとめ。<医者のくせにバカじゃないの?糖質制限ダイエットで右半身麻痺>、<海外でも糖質制限にリスクとの研究 脳卒中などで死亡率上昇>、<糖質制限ダイエット失敗で死亡 そんな危険を冒してまで痩せたいの?>などをまとめています。
その後、<糖質制限の売りである急激な体重減少で尿酸値上昇リスク>を追記しました。
2023/07/25追記:
●糖質制限の売りである急激な体重減少で尿酸値上昇リスク 【NEW】
【クイズ】肉の食べ過ぎでリスクが高まるとされている病気はどれでしょう?
(1)脳溢血
(2)脳梗塞
(3)脳出血
●医者のくせにバカじゃないの?糖質制限ダイエットで右半身麻痺
2016/5/5:
「糖質制限ダイエット」のリスクは本当?専門家が明かす知られざる現実|ダイヤモンド・オンライン(青柳直弥 2016年3月10日)という記事で、糖質制限ダイエットで右半身麻痺になってしまったお医者さんの話が出ていました。こんなダイエットをやってしまう時点で医師としておかしいと思いますけど、実際、そういうレベルのお医者さんも多数いらっしゃるのでしょう。
<炭水化物を摂らない代わりに、タンパク質(肉類)はどんどん食べてOK。もはや、そんな基本ルールの説明すら必要ないほど、日本人の間に浸透した「糖質制限ダイエット」。肉や魚ならどれだけ食べてもいい、というハードルの低さに加え、きちんと取り組めば短期間で結果が出るので、痩せたい人にとっては確かに実践しやすいダイエット法なのだろう。
そもそも、この糖質制限ダイエットのルーツは、アメリカ人医師のロバート・アトキンス博士が考案した炭水化物の摂取を制限する「アトキンスダイエット」にある。炭水化物の摂取量を20~40gまで減らす代わりに、肉類はいくら食べてもいいという点が肉好きのアメリカ人に大ウケし、2002年にアメリカで大ブレイクしたダイエット法だ>
上記は、「糖質制限ダイエット」の説明部分。「このダイエット法で失敗し、危険な状態に陥った医師」の話はこの後から出てきます。アトキンスダイエットのブレイクを当時、現地アメリカで目の当たりにし、自ら実践したという東京都港区にある病院の院長先生がその被害者でした。
<「糖質制限を始めてからは、朝昼晩と炭水化物を一切摂らないことを徹底していたのですが、夜は毎日のように焼肉をがっつり。食べるのは肉と、サンチュとキムチのみ。そんな生活をしていたら、あっという間に15キロ痩せたんです」
糖質制限を続けることで頭がぼーっとする自覚症状はあったが、そのままの食生活を3年続けたところ、思わぬ形でリスクが現れた。ある朝、目覚めると右半身が麻痺して動かなくなっていたのだ。
「(中略)病院でMRIを撮ったら、脳梗塞の一歩手前の『一過性脳虚血発作』を発症していたんです。ゾッとしましたね。一過性で済んだのが不幸中の幸いでしたが、短時間とはいえ、完全に右半身は麻痺していましたから」>
●肉の食べすぎで動脈硬化が起きるのは当たり前 なぜ知らない?
糖質制限がただちに悪いというわけではないでしょう。これまで多く摂取しすぎていた糖質を控える程度であれば、問題ありません。ところが、炭水化物以外なら何を食べても良いとなると、バランスが悪くなりがち。ただ、人間ってこういう極端でわかりやすいものを好むんですよね。逆に「バランスよく食べる」といった頭を使う方法は好まれません。
魚ばっかり食べても健康に悪影響が出るものの、現代人の食生活としてなりやすいのは、今回の医師と同じような肉の食べ過ぎでしょう。肉ばかり食べると、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞が多くなるのは当たり前です。なぜこのようなバランスの悪い食べ方で問題ないと言えるのか、逆に聞きたいですね。
【クイズ】肉の食べ過ぎでリスクが高まるとされている病気はどれでしょう?
(1)脳溢血
(2)脳梗塞
(3)脳出血
【答え】(2)脳梗塞
肉と魚をバランス良く食べるべきですし、もっと言うのなら、タンパク質は肉・魚・大豆・卵などをバランス良く食べるというのが理想です。以前も健康体なのにわざわざ糖質制限ダイエットをして、体を壊した方も出てきましたが、そもそもこういうダイエットをしたがる人ってもともと食生活に問題があるんじゃないでしょうか?
●海外でも糖質制限にリスクとの研究 脳卒中などで死亡率上昇
上記のような愚行を犯してしまったのがお医者さんであり、糖質制限を推奨する商売を大々的にやっているのもお医者さんであり、正直お医者さんのレベルはピンキリ。ただ、私は医師の勧めで糖質制限を行うことまでは批判しません。一方、主治医のアドバイス以外で糖質制限をやること、特に病気でない人が行うのはまずいと思います。
また、糖質制限にリスクがあるという研究も複数出ています。糖質制限を広く勧めている医師は、こういった研究の方を怪しいと攻撃しているようですが、その人が指摘していたのは日本人のメタ解析論文でしたので、以下のすべてを否定しきれていれているわけではないと思われます。
・日本の糖尿病学会では、糖尿病患者以外の健康な人が糖質制限を行なうと、かなりリスクがあると発表している。
・アメリカ国立衛生研究所(NIH)では、低炭水化物食は、死亡率を1.12倍高めると発表している。
・英国の医学雑誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』は2012年に、4万3396人の女性の食生活を対象とした16年間の追跡調査の結果、炭水化物を制限する食事を長期間続けると心筋梗塞や脳卒中になる危険性が最大1.6倍まで高まると発表をしている。
●結局、結論は「バランス」 ただし、いきなりやると挫折するおそれ
私がこの手の話を書くと、バランス、バランスばっかりで嫌われそうな感じなのですが、実際、食事バランスが大事なんですよね。仕方ないんです。記事では、"厚生労働省が推奨している、エネルギーを産生する三大栄養素の理想的なバランスを示す「PFC摂取バランス」は、炭水化物60%、脂質25%、タンパク質15%"という話もありました。これは初めて知った話です。
とはいえ、ここまでカッチカチに制限しちゃうときついでしょう。面倒ですからね。運動もそうであるように、続けられるということも非常に大事。最初は多少心がける程度で、できるところから少しずつ変えていくのが良いと思います。そもそもとりあえずの目標である350gの野菜って、かなりのボリュームなんですよ。私は実際これをやってみたら、糖質制限で禁忌とされるご飯の食べる量が自然と減りました。それだけでもかなり変わるんじゃないかと思います。
あと、運動という話を書きましたが、食事内容より運動の方が大事と言う医師も多いです。運動と言っても激しいスポーツというのではなく、座る時間を減らす、歩く時間を増やすといったことでも効果があります。こちらも無理なく少しずつ増やしていきましょう。
●糖質制限ダイエット失敗で死亡 そんな危険を冒してまで痩せたいの?
2017/04/16:死亡例としては、
糖質制限ダイエットで有名な桐山秀樹氏が急死 心筋梗塞の危険度上昇に注意を既にやっています。ただ、それ以外にも亡くなっている方がいました。マッスル北村(本名、北村克己)というボディビルダーの方です。
ただし、
マッスル北村 - Wikipediaでは、「糖質制限」とは明記されていなかったものの、2000年8月3日、ボディビルの世界選手権に参加するべく脂肪を極限まで落とすために20kgの急な減量を行った結果、
異常な低血糖状態となり、急性心不全を引き起こして亡くなった、としています。享年39歳でした。
亡くなる数日前にも倒れて救急車で運ばれており、この時は処置が間に合い助かっていました。身を心配した実妹が「めまいがしたらアメを舐めて。アメでいいから」と懇願するも、断っていたそうです。ただ、なぜ美談めいた感じで、"「僕はそんなカロリーすら摂取したくない」と断る徹底ぶりであった。が、この熱情が結果的に北村の命を奪った"と書いていました。さらに、この後の話はもっと「いい話」っぽい感じに。いや、このトレーニングを安易に広げちゃダメでしょう…。
<死去から12年が経過した2012年8月31日、現役当時に専門雑誌に掲載されたトレーニング記事を再収録した書籍『マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング』が発売された。
2015年9月23日放送の『この話、凄くないですか?』(フジテレビ)では、秋山竜次(ロバート)による『「伝説のボディビルダー」の凄い話』として生前のエピソードなどが語られた>
上記は直接「糖質制限」と書いていないとしていましたが、これを書いていたのは、
マンガで分かる肉体改造 糖質制限&肉食主義編 (ヤングキングコミックス)
のAmazonレビューでした。
<マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、
低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。
ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります>
この人は、糖質制限は3種類あり、1つは安全としていました。私は下手に興味を持ってほしくないので、これすら紹介したくなかったのですが、一応、そこまで極端な糖質制限ではないようにも見えます。やはりオススメはしませんけどね。
(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)
『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』
『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』
『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』
で、この人がレビューしていた書籍は、安全性だけバーンスタイン式の研究を利用して、やっていることはアトキンス式。しかも、たまにライザップ式が、それに交じるというハチャメチャっぷり。要するに「デタラメだ」という指摘でした。他の糖質制限ダイエットも、ここらへんがごっちゃになっていることが多いんでしょうね。やはり危ないと思われます。
●糖質制限の売りである急激な体重減少で尿酸値上昇リスク
2023/07/25追記:糖質制限で尿酸値が変わるという話を見かけて検索。
(PDF)糖質制限により血清尿酸値が上昇した一例(横関美枝子ほか 痛風と核酸代謝 第 41 巻 第 1 号(平成 29 年))という論文が出てきました。糖質制限が全部ダメってことではないのでしょうが、問題が起きることがあるようです。
冒頭の「背景」によると、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第 2 版では「食事療法の主眼はプリン体の制限からむしろ総エネルギーの制限に移行」と指摘。痛風患者の肥満の改善は必要ではあるものの、急激な体重減少は厳禁。一時的な血清尿酸値の上昇や体重のリバウンドが起きるためだそうです。
<今日減量と言えば「糖質制限」という風潮があり,保険事業の一環で糖質制限に取り組んでいる企業もある.肉はいくらでも食べてよい,カロリーよりもまず炭水化物を減らすという食事は患者にとって受け入れやすいようであり,1 年以上続けている患者も散見される.たんぱく質の多い食品の過剰はプリン体過剰を招き,厳しすぎる糖質制限は体内のケトン体合成を高め,ケトン体の影響により尿酸値が上昇することが考えられる.
今回は厳しい糖質制限を実施し,尿酸値が上昇したと考えられる症例を経験したので報告する>
この「急激な体重減少」というのは、糖質制限ダイエットでは問題視されていないでしょう。むしろ「糖質制限ダイエットは他のダイエット方法と違って結果が出ます!」といった感じで売りとなっている感じ。そう考えると、糖質制限ダイエットの考え方は根本的な部分に問題があるのかもしれません。
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