4月から就任した日銀審議委員の経歴疑惑に東大困惑 NEWSポストセブン5月9日(月)7時0分 ※週刊ポスト2016年5月20日号
本誌記者が東京大学経済学部の資料室で、ある人物の博士論文の閲覧を申請すると、担当の助教が青ざめた顔で上司の室長代理を連れてきた。
「実は……」。室長代理は言いにくそうに切り出した。
「目録に該当論文がないんです。本学の資料室にも、図書館にも見当たらない。念のため、国内の博士論文をすべて所蔵している国会図書館のシステムでも検索しましたが、やはりありませんでした」
そのうえで、こう続けた。
「結論を言えば、恐らくこの方は博士号を持っていないことになります」
その人物とは、4月から日本銀行政策委員会の審議委員に就任したばかりの櫻井眞氏(70)である。日銀のホームページに掲載された櫻井氏のプロフィールには、中央大学経済学部を卒業後、〈昭和51年3月 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了〉とある。
にもかかわらず、博士論文は東大になかった。東大資料室は「櫻井氏は博士号を持っていない」と結論づけたのである。
同氏の公式の経歴書には、成蹊大学を卒業後、南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学したとされているが、USC広報者担当者によると、安倍氏が政治学部に在籍したことはなく、78年の春期、夏期、秋期にのみ在籍し、取得した6コースのうち、3つは外国人のための英語コースであり、そこには政治学は含まれていない。しかも安倍氏は、2年間留学といいながら、実際には1年間にも満たないことがこれで判明した。
安倍事務所は「南カリフォルニア大には78年1月から79年3月まで在籍しています。政治学は履修したが、途中でドロップアウトしたため、記録が残っていないだけで、留学の実態はあったと考えています」と答えている。(週刊ポスト 2004/02/13号)
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2012/11/18 13:10 『TOEICでるでる単』
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念のため東大経済学部資料室の担当者が、博士課程にかかわる経歴の記載方法について、担当する同研究科庶務係に照会したところ、やはり「『博士課程修了』は、博士号取得済(博士論文が審査を通った)を意味する」とのことだった。東大資料室の室長代理は、こうも説明した。
「博士号を取得できなかった場合は、『単位取得退学』や『満期退学』といった言い方をします。櫻井さんはそれにあたるのでしょう(中略)」
(中略)一連の問題について日銀広報課に質問すると、こんな答えだった。
「櫻井委員は東大博士課程を単位取得退学したと聞いています。HPにも『博士号取得』とは書いていない」
櫻井氏の来歴には、その他にも不可解な点がある。日銀HPによれば、櫻井氏は大学院を出た後、1976年に政府系の日本輸出入銀行(現国際協力銀行)に入行、1984年から「大蔵省財政金融研究室特別研究員」を務めたとされている。
しかし、大蔵省(財務省)の1984年の職員録を調べても同研究室の職員に櫻井氏の名前は見当たらなかった。
政府、日銀委員候補に桜井真氏を提示 政権に近いとの見方も | ロイター 2016年 03月 4日 17:40 JST
桜井氏は1976年に東京大学大学院・博士課程修了し、日本輸出入銀行(現国際協力銀行)に入行。大蔵省、経済企画庁などで研究員を務めた。92年4月MSK基礎研究所(現MS&AD基礎研究所)国際金融研究センター長、同年6月三井海上投資顧問取締役を経て、2007年4月にサクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表となった。
BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は、桜井氏について「自民党の勉強会などでも講演をしており、アベノミクスにもポジティブで政権と距離が近いとみられる」とし、「極めて積極的な金融緩和論者と感じられる。もし円高圧力がかかった際に黒田東彦日銀総裁が付利引き下げを決断した場合、賛成する可能性が高い」とみている。
日銀審議委員に桜井真氏、白井氏後任で政府案-黒田支持の見方 - Bloomberg 日高正裕、下土井京子 2016年3月4日 11:36 JST 更新日時 2016年3月4日 15:23 JST
市場での知名度は高くないが、桜井氏は黒田東彦日銀総裁の路線を支持するとの見方が出ている。日銀は1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利による追加緩和を5対4の賛成多数で決めたが、この時に白井氏は反対したうちの1人だった。この白井氏が桜井氏に入れ替わる。白井氏の前任、前々任は女性だった。(中略)
日銀出身で日本経済研究センターの竹内淳主任研究員は桜井氏について「知らない。全く聞いたことがない」と話した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長も「桜井氏については何も知らない」とした上で「安倍政権による人事の提示なので、黒田東彦総裁をサポートするに違いない」と述べた。
自民党の山本幸三衆院議員は桜井氏について「親友だ。世の中に知られていないけど、経済学の学識といい見識といい日本有数の人だ」と評価した。桜井氏は基本的に黒田日銀の路線と方向が同じだとして「どんどん追加緩和というより、よく見てタイミングが良ければやるべきだ」との考えの持ち主であることを示した。また浜田宏一内閣官房参与と同じ「トービンの愛弟子だ」ともした。
日銀「学歴詐称でない」 審議委員の博士課程修了:経済:中日新聞(CHUNICHI Web) 2016年5月9日 19時51分
日銀は博士号の取得者を「経済学博士」などと明記し、桜井氏の経歴に関しては「一般的に博士課程修了と表記することがあると理解しており、これまでもそうしてきた」とし、学歴詐称ではないと説明している。
日銀によれば、岩田規久男副総裁に関しても同様に記載、2人の学歴はいずれも「東京大学大学院経済学研究科博士課程修了」となっている。博士課程で必要な単位を取得したが、博士論文の審査を経て学位を取ることのないまま退学したという。(共同)
日銀審議委員の修論はペラ4枚で「こんなの見たことない…」│NEWSポストセブン 2016.05.10 07:00 ※週刊ポスト2016年5月20日号
その後、さらに東大で取材を続けると、経済学図書館に収蔵されていた、『ケインズ的経済成長の動学的性格』と題された櫻井氏の修士論文に行き当たった。1972年に提出されたものだ。驚いたのは、その薄さだ。
目次を含めて400字詰め原稿用紙にわずか「4枚」。本文は1258字しかない。他に参考文献リストが1枚ついているだけで付属資料もない。
アブスト(要旨)のみが収蔵されているのではないかと思われたが、経済学図書館に確認すると、これが修士論文のすべてだという。
内容はどうか。財務省出身の小黒一正・法政大学経済学部教授(公共経済学、経済学博士)は、櫻井論文をあっという間に一読すると、「本当に本物ですか? こんな修士論文、見たことありません」と驚愕の声をあげた。
「内容は当時の経済学で示されていた課題を要約しているだけで、どこに筆者の独自の分析があるのかわからない。学部生が書いた簡単なレポートのレベルです。そもそも修士論文は冒頭で筆者の問題意識の提示があり、何に焦点をあてて分析するかの説明、先行研究の要約……といった具合に続くものですが、この論文は分量以前に、修士論文の作法にさえ則っていません。
私が指導教官なら通さない。東大がこんな論文で修士号を与えたこと自体、不思議でなりません。100人の経済学者が読めば、100人とも同じ指摘をすると思います」
安倍官邸が送り込んだ日本銀行審議委員に「ショーンK氏」並みの経歴詐称と「小保方氏」ばりの杜撰論文が発覚|LITERA/リテラ 2016.05.09(野尻民夫)
審議委員になる直前まで「サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表」だったというが、そもそもこの「サクライ・アソシエイト国際金融研究センター」自体がインターネットで検索してもホームページすら出てこない“幽霊団体”だ。櫻井氏個人が投資家向けのリポートを出し、小銭稼ぎをしていたというのが実態らしい。
経歴にある「大蔵省財政金融研究室特別研究員」についても同様で、大蔵省(現・財務省)の1984年の職員録を調べてみても櫻井氏の名前は見当たらず、同省秘書課の説明でも保存されている30年分(86年以降)の行政文書の記録を調べても櫻井氏が(日銀のHPに記載されている時期に)財政金融研究所(85年に改称)に在籍している記録は確認できなかったという。そもそも「特別研究員」という役職自体が存在しなかったようなのだ。ただし、痕跡はあった。
「90〜96年に、同研究所で非常勤、原則無給の特別研究官をされていた記録はありました」(同省秘書課、「週刊ポスト」より)
これがなぜ、〈昭和59年4月/大蔵省財政金融研究室特別研究員〉という日銀HPの記載になるのか、はなはだ疑問だ。
これは細かいことでも、単なるミスでも許されない。ことは、ショーンKのようないちタレントの経歴ではないのである。
(真相深層)黒田総裁、票読みに確信 日銀、マイナス金利「5対4」で決定 政策委の合議制、色あせる? :日本経済新聞 2016/2/5付(石川潤、川手伊織)
執行部は(中略)、票読みには自信があった。総裁・副総裁の3票に加え「異次元緩和に理解がある」(政府関係者)として安倍政権が指名した原田泰委員(内閣府出身)、布野幸利委員(トヨタ自動車出身)の2票も確保できる。過半数の5票は堅いとの読みだった。
実際はどうだったか。決定会合2日目の29日、マイナス金利導入の提案は白井委員のほか、金融界出身の石田浩二、佐藤健裕、木内登英の4委員が反対を表明。「マイナス金利は危機時の対応だ」(木内委員)などと抵抗したが、執行部は事前の読み通りの5票の賛成票を確保し押し切った。
マイナス金利政策に対して反対に回った白井委員は今年3月、石田委員は同6月に退任する。安倍政権が積極緩和派を後任に据えれば、総裁は追加緩和にも打って出やすくなるが、政策委員会の議論がますます平板になる恐れはないか。
黒田日銀のマイナス金利政策|データ・マックス NETIB-NEWS 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 2016年02月01日 13:49
賛成したのは黒田総裁、岩田副総裁、曽根副総裁と審議委員の原田泰氏、布野幸利氏である。原田泰氏が審議委員に就任したのは2015年3月、布野幸利氏が審議委員に就任したのは2015年7月だ。原田泰氏は経済企画庁のOB、布野氏はトヨタ自動車の副社長経験者である。日銀の政策決定会合の議決権を有する参加者は9名である。5名を押さえると政策決定できる。原田泰氏は宮尾龍三氏の後任、布野氏は森本宜久氏の後任である。2014年10月31日の追加金融緩和策決定においては、森本氏は反対票を投じた。
何を言っているのかというと、安倍政権は安倍政権の意向に沿う金融政策を遂行するために、日銀政策決定会合の9名の議決権者のうち、5名を支配下に置いているということである。
(中略)これは、政治権力による中央銀行の支配であり、極めて不健全なことである。
日銀審議委員の後任は「円安」派 無難な人選だが官邸サイドの思惑は貫かれた J-CASTニュース5月6日(水)17時30分
政府は衆参両院の議院運営委員会理事会で、2015年6月末に任期が満了する日銀の森本宜久審議委員の後任に、トヨタ自動車元副社長で現相談役の布野幸利氏を充てる人事案を提示した。
大規模な金融緩和を主張する「リフレ派」の抜てきを予想する向きもあったが、東京電力元副社長の森本氏と同じ産業界出身者の枠が維持され、「無難な人選」との見方が多い。ただ、官邸周辺では以前から「円安に肯定的な人材が後任にふさわしい」との声が根強くあり、円安メリットを享受する自動車業界からの起用になったようだ。
(中略)円安の追い風を受け、トヨタ自動車の足元の業績は絶好調だ。布野氏の金融政策に対する考え方は明らかになっていないが、「少なくとも現在の緩和路線を支持するだろう」(アナリスト)との見方が強い。金融緩和の恩恵を最大限に受けているトヨタの関係に白羽の矢が立ったのは自然な成り行きだったといえる。
日銀マイナス金利は「妙薬」か、「劇薬」か 評価めぐって「社説」も分かれる J-CASTニュース2月6日(土)17時30分
市場と同様、大手紙の論調も評価は分かれている。決定翌日、一斉に取り上げた社説(産経は「主張」)を見ると、日経が「デフレ局面に戻る事態は避けなければならない。そのための日銀の対応は理解できる」、読売も「日銀が機動的な対応を取ったことは評価できる」と、日銀の決定をひとまず支持するのに対し、朝日は「内外経済が不安定になるたびに、新たなサプライズを市場に与える今のやり方がいつまでも続けられるとは思えない。その手法はいよいよ限界にきている」、毎日は見出しからして「苦しまぎれの冒険だ」として、「米国よりはるかに大胆な緩和策を続ける黒田日銀はこの先どこまで突き進むのか。不安は募る一方である」と批判。産経は「世界市場の混乱で脱デフレが滞る事態を絶対に避けるという、強い決意の表れである」と、否定はしない表現だった。
マイナス金利導入の背景について、「効果がはっきりしない政策に頼らざるをえなくなっている日銀の苦しい事情が見える」(朝日)、「従来の異次元緩和策が期待した効果を上げずに行き詰まったから、である」(毎日)、「安倍晋三政権が期待するほどには経済再生を果たせていないことを示している」(産経)など、厳しい指摘が並ぶ。
効果についても、「金利はすでに超低水準にあり、わずかな追加的低下が、設備投資や消費を刺激して物価を押し上げるとは思えない」(毎日)、「巨額の内部留保を抱える大企業は、資金不足で投資を控えているわけではない」(読売)、押し並べてマイナス金利で投資などが増えることを疑問視している。
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