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日本企業では二度と働きたくない!近年急激に人気低下した理由は?


2016/5/12:
●アジアの意識調査で近年急激に日本企業の人気が低下
●「無関心」ではなく「嫌い」…日本企業では二度と働きたくない!
●中国企業よりは人気だけど…日本企業が嫌われている理由は?
●日本製品には良い印象があるが企業は「クール」ではない
2019/03/12:
●多くの国が力を入れるIT先進国インドでも日本企業は魅力なし
●日本企業「インドの人にとって日本はブランドのはず。おかしい」
●そもそも日本人にとっても日本企業って働きづらくない?


●アジアの意識調査で近年急激に日本企業の人気が低下

2016/5/12:アジアの人材に対する日本企業の関心が高まっていると言われています。一方で、アジアの若者たちは日本企業をどのように思っているのでしょうか。

 大滝令嗣・早稲田大学ビジネススクール教授の研究室とジョブストリートドットコム(アジア最大のオンライン・ジョブマッチングサイト)が2008年から2014年まで隔年で「出身地域別の企業人気度調査」(対象は大卒以上、20−30代が8割以上、調査対象人数は毎回異なる)は、こうした疑問に対しての回答となりそうです。

 調査対象国をしっかり書いておらず、大丈夫なのか?という感じですけど、結果はおもしろいですね。グラフがあったのは、日本以外だとアメリカ、ヨーロッパ、中国。他の国は際立った傾向がないのに、日本だけがきれいに傾向が出ていたというのが特徴的でした。

 その傾向というのはネガティブなものです。グラフなので大雑把な読み取りですが、「あまり働きたくない」「働きたくない」が2008年に5%、2010年に8%、2012年に13%、2014年に24%くらいと近年急激に増えています。特に2014年の伸び方がすごいですね。

 「是非働きたい」「機会があれば」はこれに比べると顕著ではないのですが、やはり悪化傾向。2008年に73%、2010年に60%くらいと悪くなります。2012年には横ばいで踏みとどまっているのが、「働きたくない」と異なりますが、2014年には再び52%くらいまで下がっていました。
(アジアのエリートは、なぜ日本企業で働きたくないのか? | DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2016年03月15日)より)


●「無関心」ではなく「嫌い」…日本企業では二度と働きたくない!

 この結果は、日本企業に魅力がない、あまり働きたいと思わないだけでなく、むしろ日本企業では働きたくないと嫌がっている人が増えていることがわかります。「好きの反対は無関心」って言いますが、「無関心」ではなく「嫌い」な人が増えている感じです。

 日本企業のイメージ悪化は「失われた20年」などもありますので、以前からのことのはずです。ここに来てなぜ急に?というのは、不思議に思いました。

 ただ、これは近年の日本企業の海外進出が、むしろ日本企業の評判を下げているということかもしれません。日本企業の実態がわかることで、日本企業に抱いていた期待を裏切っているという可能性です。

 日本国内で外国人が働く場合でも、実際に国内で働いてみるとがっくりすると言われていますが、実を言うと、この調査でも日本企業で働いた経験がある人ほど日本企業を嫌うという傾向がはっきり出ていました。

 分析を進めると、日本企業に勤めた経験がある人ほど、日本企業への勤務を望まない人の割合が増え、勤めた経験のない人に比べ4倍近く高くなるということがわかったとのこと。一度勤めた人の約15%が二度と勤めたくないと思うというので、結構な割合です。


●中国企業よりは人気だけど…日本企業が嫌われている理由は?

 中国企業は最新調査で急激に人気をあげていたものの、他と比較した人気としてはまだまだで、日本はまだ貯金があります。ただ既に「タイを除く8カ国で地元企業の方が日本企業より人気は高い」というところまで、日本企業への評価は明らかに落ちています。

 この理由は何かと言うと、日本企業による現地人労働者への差別みたいですね。「二度と働きたくない!」と思うのも無理はありません。日本は女性登用も遅れた国だとされていますが、こういうのはたいへん弱いようです。
 日本企業の多くが、海外現地法人の現地社員を未だにナショナルスタッフと呼び、ローテーションスタッフと呼ばれる日本人社員とはキャリアパス上、明確な区別を行っている。このような状況下ではナショナルスタッフには現地法人内のキャリアの機会しかない。それだけではなく、現地法人の上位のマネジメント職には日本人赴任者が就いているので、零細企業と同じ程度の昇進の機会しかないのである。現地スタッフはこれを「グラスシーリング(ガラスの天井)」(キャリアの限界の意)をもじって「バンブーシーリング(竹の天井)」と呼んでいる。

●日本製品には良い印象があるが企業は「クール」ではない

 なお、これらの結果は、日本企業の製品に魅力がないということは示していません。作者である大滝令嗣教授の"研究室が2012年アジア7カ国で行った「最も称賛に価する企業」調査"でトップ100入りした日本企業の選定理由では、「競争力のある製品とサービス」が最も大きくなっていました。

 そのため、大滝教授は、"品質の高い製品やサービスの提供にこだわりも持ち、それを他社との差別化要因として位置付けている点がアジアの人たちにもよく理解されている"と判断しています。

 ただ、これが全体の魅力に繋がっているか?となると、別の話になってきます。「最も称賛に価する企業」の"トップ30に入った企業の半数がアメリカ企業で、日本企業はトヨタとソニーのみ"と、日本企業はあまり目立ちませんでした。

 そして、このランキングで圧倒的だったアメリカ企業とについて前述と同じ分析をすると、「優れたコーポレートブランディング」で評価されていることがわかりました。「コーポレートブランディング」というのは、企業のイメージや価値を向上させるといった意味。"「競争力のある製品とサービス」に至っては理由の3位でしか"なく、ここはそれほど評価されていないんですね。

  大滝令嗣教授は以下のような解説をしていました。
 これは何を意味するのであろうか。推測するに、友人に『グーグルからジョブオファーをもらったよ』と伝えた時の友人の反応が十中八九『Wow!』であるのに対し、『トヨタからオファーをもらったよ』と話した時の友人の反応は、おそらく『Wow!』ではないという違いなのではないだろうか。アジアの若者にとって、アメリカ企業に勤めることが「クール」なのに対して、日本企業に勤めることは「クール」ではないのかもしれない。

 製品やサービスはよく「クールだ」という海外の反応を日本のネットでは拾っています。仮にこういった反応が本当に多かったとしても、それが企業やブランドとしてのイメージには直結していないことを窺わせる調査結果となりました。


●多くの国が力を入れるIT先進国インドでも日本企業は魅力なし

2019/03/12:インド人観光客が日本に来ない理由 危険な食べ物と取りづらいビザに追記できそうだ、とブックマークしていたインド人もガッカリ「普通、日本には行かない」 :日経ビジネス電子版(繁田 奈歩 2018年12月10日)という記事。実際に読んでみると、ビジネスオンリーでこちらのページに近い内容でした。

 まず、他の地域で成功したモデルをインドに横展開するというモデルはすでに通用しなくなっているとのこと。新興国のほうが一足飛びのリープフロッグイノベーションが起きやすい中では、イノベーションは新興国のほうが生まれやすいのかもしれないし、新しいテクノロジーやサービスの需要度は新興国のほうが高いともいえる、とされていました。

 そのようなインドに対し、海外企業は積極的。ただ、日本はかなりの出遅れ。加えて、このページのメインの話であったのと同じで、日本企業は他の国の企業と比べて魅力が乏しいという話が出てきました。


●日本企業「インドの人にとって日本はブランドのはず。おかしい」

 まず、ブラックとまで言えるかどうかはわかりませんが、日本のエンジニア給与水準は低いとのこと。日本では年収1500万円まで行くITエンジニアはあまり見ないのに対し、インドのエンジニアでそれを超える人たちはいくらでもいるといいます。

 一方、作者のお客さんとなっている日本企業は、「インドの人にとって日本はブランドだし、品質は高いという印象があるから、日本への関心は高いはずだ」とよく言っています。実際、インド人でもそういうことを言ってくれる人がいるとのこと。ここだけ切り取ると「日本すごい」系の話ができあがります。

 ただ、日本企業とのビジネスのしづらさ、コミュニケーションの取りづらさを指摘する人や、そもそも日本企業と働くということを考えたこともない人たちも多いというのが現実だとのこと。日本・アメリカ両方で働いた経験のあるインドの友人に言わせると、よほどのきっかけやモチベーションがなければ正直日本へは行かない、と断言。日本人の思い違いがあるようです。

 また、最初の投稿であった、日本企業がやる差別の話もやはり出てきました。日本の企業にはガラスの天井があり、外国人は出世が限られるということ。英語を公用語化した日本企業が猛バッシングを受けていましたが、日本の企業で働こうと思えば日本語の壁も問題になってきます。


●そもそも日本人にとっても日本企業って働きづらくない?

 さらに、日本の企業文化やプロジェクトの進め方の違いなどの指摘もありました。これについては、日本側で「インド人なんか使えない」という声が出ている理由かもしれませんね。ただ、日本ではエンジニアが不足しており、優秀な外国人人材が必要でしょう。外国人なんかいらないでやっていける時代なら、それでも良かったんでしょうけど、すでにわがままを言える時代は終わったのかもしれません。

 作者のお客さん企業は、「3年で会社をやめてほしくない」とも言っているとのこと。ただ、これも結局逆で、3年以上も満足して働ける価値を、日本企業側が作り出せていないのではないかといったことも指摘されていました。

 この部分はそのまま日本人社員と日本企業の関係でも言えそうですね。魅力ある職場ではないのに、辞める社員ばかりを叩くのですから、いつまで経っても魅力がない…という困ったことになっています。

 私は「外国人人材をどんどん入れろ!」って主張を実は支持しておらず、「その前に日本人にとって働きやすい社会を作っていこう」という考え方。そもそも日本企業って、当の日本人にとって良い会社になっているかどうか?とよく考えてみるべきです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■インド人観光客が日本に来ない理由 危険な食べ物と取りづらいビザ

【関連投稿】
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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