冒頭に追記
2022/05/12追記:
●議長「議長でも月100万円しかもらってない」「議員増やしていい」 【NEW】
●議員報酬だけでも高いのに手当てや特別待遇もあるんですけど… 【NEW】
●エクストリーム擁護も出ているが国際比較を見ると明らかに高い 【NEW】
●議長「議長でも月100万円しかもらってない」「議員増やしていい」
2022/05/12追記:いずれまとめたいと考えている別の歳費に関する投稿で紹介した話をこちらでも。<衆院議長「給料月100万円しか」議員の増員に言及 批判相次ぐ>(22/5/11(水) 19:39配信
8415 FNN)によると、東京都内で開かれたパーティーで、細田博之衆院議長(78)が、国会議員の給料にあたる歳費について、次のように発言したとのこと。記事では所属が書いてませんが、自民党議員ですね。
「いったい、いくら歳費をもらっていると思いますか。議長になってもね、毎月もらう歳費は100万円しかない。“しか”というと怒られちゃうけど、そんなにもらってるのかと言うけど、会社の社長は、1億円は必ずもらうんですよ、上場の会社は(引用者注:過去のデータでは平均5000万円未満なのでこれもたぶん嘘)」
https://news.yahoo.co.jp/articles/feb87d1a6418992f6eb5c11ef7183ed08d78efa5
「議長でも100万円しかもらっていない」という趣旨の発言ですが、細田博之さん自身が議長ですので自分の給料が安いという主張になります。国会議員の歳費は、新型コロナウイルス問題にともない2割カットされ、現在103万2,000円とのことで、この削減が特に気に食わないのかもしれません。
また、議論が続いている「議員の数を減らすべきだ」という問題でも反対意見を表明。「1人あたり月給で100万円未満であるような手取りの議員を多少増やしたって罰は当たらないと私は思ってるんです」「議員の数を増やしても罰は当たらない」などと主張していたそうです。
●議員報酬だけでも高いのに手当てや特別待遇もあるんですけど…
これに対し、野党からは「民間感覚で照らし合わせて、ちょっとあり得ないと思う」と批判。また、与党内でも「常軌を逸している」、「考えられない。早く辞めてほしい」などと批判する声が上がったとのこと。ネトウヨそっ閉じ案件でもあり、ヤフーニュースコメント欄は批判意見ばかりでした。
<衆議院議長が、自身が務める衆議院議長と民間企業の社長の報酬を比較している価値観にも驚かされました。現職の政治業を営む国会議員たちも、文通費を領収書による1円単位の精算すら実現しようしません。(中略)衆議院議長ですらこれですから。要するに、国民のためにではなく政治業を営む人自身の暮らしを守るために国会議員をしているということだと思います。だから、いつまで経っても格差だけが広がり、社会も暮らしも全く良くならないのだと思います>
<歳費ばかりを取り上げていますが、その他にも先生方には毎月使おうが使うまいが使途不明であっても支給される文書交通費なるものがありますよね。その上議員一人当たりいくらと定められて式有される政党補助金や、JRグリーン車乗り放題などの特別待遇もありますよ>
<世間一般の常識からすれば相当に懸け離れた発言ですね。しかも上場企業会社の社長を比較対照に挙げている点もずれていますね>
<歳費が少ない事を百歩譲ったとして、だから議員定数を増やしてもバチはあたらないとの発想がズレています。人口が減っていて今後益々加速するだろう中で議員ばかり増やすのは違うと思います>
●エクストリーム擁護も出ているが国際比較を見ると明らかに高い
ただ、ヤフーニュースのコメントでは、専門家コメントで「エクストリーム擁護」があってびっくり。選挙区ごとに議員一人当りの有権者数が異なることから、一票の重みに不平等が生じる「一票の格差」問題(違憲あるいは違憲状態の判決)を軽視する意見でもあります。自民党自体が一票の格差軽視ですので近いです。
高野龍昭 認証済み | 東洋大学ライフデザイン学部准教授/介護支援専門員
<細田氏のこの発言は衆議院議員定数の「10増10減」案による地方選挙区の定数削減を念頭に置いたものと理解できます。
衆議院議員である細田氏の選挙区は島根1区であり、人口の過度な過疎化と高齢化が進んだ広大な山間地域と、人口流出の激しい島嶼部を抱えています。
人口の増減だけに着目してそうした地域の議員定数を削減する現行の仕組みは、過疎地域の高齢者の暮らしの支援や社会資本の整備の必要性といった地方固有の住民の福祉などに関し、国政における代弁者がいなくなるという問題が生じることになります。
この記事はそれを懸念した発言を報じたものだと思われます。私には「地方選出議員はそのままの定数で」「都市部から選出される議員は定数を増やして」「結果的に定数は増やすことになるが」どうだろうか、という細田氏の問題提起のひとつだと読み取れます。
表面的な表現の適否だけでなく、その発言の真意を汲みとることも必要でしょう>
他の専門家のコメントはいずれも批判的なものであり、上記のような「エクストリーム擁護」は幸い主流ではありませんでした。その中から、具体的な国際比較をしている他、各種手当がそれに加わることを指摘していて説得力がある門倉貴史さんのコメントを引用しておきます。
門倉貴史 エコノミスト/経済評論家
<英国の「This is what politicians get paid around the world」によると、日本の議員報酬は米国や英国、ドイツ、カナダ、イタリアなど主要国を大きく上回り、比較可能な30カ国中第3位となる。
この調査は2019年に行われており、その後、改正国会議員歳費法が適用されたため現在は2割減となっているが、それでも高水準であることは変わりはない。各種手当を含めると世界有数の高さとなる。
日本の一般労働者の平均賃金が月額30万7400円(賃金構造基本統計)なので、国会議員の給料(歳費は月額130万1000円)は、その4.2倍にもなる>
●擁護は無理…冠婚葬祭は仕事ではないと橋下徹元大阪市長も指摘
2016/5/15:政治家の給与は「歳費」と言います。この日本の政治家の歳費が高い理由として地域活動が挙げられることがあるんですよね。ただ、これは以前書いたように、本来の議員の仕事ではなさそうな内容。あの橋下徹さんも大阪市長時代に、盆踊りや葬儀は議員の仕事ではないといった主張をしていました。
<地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は30日の記者会見で、次期衆院選の公約「維新八策」に盛り込む衆院議員定数(現行480)の半減を巡り、小選挙区(同300)を150、比例選(同180)を90とする考えを表明した。
「現在の選挙区は狭すぎる。国会議員が地元の盆踊りや葬式ばかりに行っている」と述べ、小選挙区の区域の拡大を訴えた。
橋下氏は、衆院定数の半減公約に民主党の輿石幹事長が「定数半減で国民の民意が反映できるか心配」と発言したことに触れ、「議員の数が多いほど民意が反映できると言うが、そんなばかなことはない。今の数の方が、ミクロな声に縛られすぎて、日本全体の国民の声をすくい上げる仕組みになっていない」と反論。「100万人ぐらいのエリアに議員1人の選挙区にして盆踊りや葬式から解放すべきだ」と述べた>
(橋下氏、衆院半減「盆踊りや葬式から議員解放」(2012年8月30日12時49分 読売新聞)より)
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20120830-OYT1T00539.htm
●日本の政治家の給料(歳費)はなぜ高い?冠婚葬祭や事前運動に金
冠婚葬祭に関して検索かけると、一時期橋下徹さんとも手を組んだ元・結いの党の江田憲司さんの
シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・(2)なぜ政治にお金がかかるのか?(中) - 今週の直言(2016年2月22日)というページがヒット。本来、結いの党やみんなの党と、大阪維新の会は政策が近いところが多かったんですよね。
<先週説明した「事前運動」に係るお金に加え大きいのは、「私設秘書」の人件費です。(中略)
自民党の政治家をはじめ、こんな少人数の事務所自体がまれで、選挙区内に何か所か事務所を置いて地域割りをして担当させたり、甘利問題でも露呈されましたが、地元選挙区での口利き・ご用聞き用に私設秘書を何人も雇えば、その分、多額な人件費もかかってしまいます。実態はよくわかりませんが、自民党の大物政治家では、ゆうに私設秘書は10人を超えているのではないでしょうか。
中には、冠婚葬祭専門で一人専任で秘書を置いている政治家もいます。いち早く選挙区内の通夜、告別式や結婚披露宴の情報をキャッチして、政治家本人や秘書が参会したり、祝電、弔電を打ったりするためです。 以上のように「事前運動」や「事務所維持・運営」「私設秘書」に多額なお金がかかる。それを企業団体献金や資金集めパーティーでまかなっているというのが実情なのです。
昔、ある月刊誌で、自民、民主の若手政治家何人かが、政治資金収支の詳しい内訳を公表したことがありました。それによると、少ない人で年間4000万円、多い人で1億円もかかっている。彼らのように、比較的清貧で改革派の政治家でもそうなのです。与党・自民党の幹部クラスの代議士であれば、年間1億円から2億円程度は、ざらにかかっているのではないでしょうか。派閥の長にでもなれば「子分」に配るお金も必要になるでしょうから、さらにかかります>
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