2019/04/01:
●不正をする人は特別ではない むしろ真面目に見える人ほど…?
●いかにも怪しい人は不正をしないのではなくできない可能性
●清楚で控えめな女子行員が横領、現実でも同じらしい…と記載
2020/06/10:
●問題を起こすサイコパスやマキャベリストは「いい人」なのか?
●不正をする人は特別ではない むしろ真面目に見える人ほど…?
2019/04/01:いかにも悪そうな人だけが不正や犯罪をやるのではない…という話を過去に書いているので、それに追記できるかなと思って読んだ
まさか、この人が? 不正会計に手を染める人物像:日経ビジネス電子版(中沢 康彦 日経ビジネス副編集長 2019年2月25日)という記事。ただ、データ的な根拠がなく、これはこれで偏見バリバリ。全然良くないものでしたが、一応紹介。
ある会計士は、不正をするのは「私の実感では、9割は社内で『真面目だ』と思われていた人」として、「ひょっとすると悪いことをするのではないか」と疑われるタイプほど、「シロ」であることが多いとしていました。これが偏見全開ですね。真面目だと思われている人の定義や、母数の違いなど、厳密に調査しないと言えない話で、データ的な根拠が皆無の個人的な見解です。
母数の違いと書いたのは、いかにも怪しいと定義した人が何割いるか?といった問題。例えば、9割が真面目で1割が怪しい人であったなら、不正を行った人の割合と同じになり、差がないということになります。あと、これは不正した後での印象でしょうから、かなり定義に問題があります。
●いかにも怪しい人は不正をしないのではなくできない可能性
また、私は、疑われやすいタイプはそもそもチェックが厳しくなる、信頼の必要な仕事を任されない…など、不正をしづらく、信頼されるタイプは任されてしまうために不正が多くなるという問題もあるのではないかと思っていました。信頼できない人に仕事をノーチェックでやってもらうなんてことは、普通しないでしょう。当たり前の話です。
それから、今回の話では、「不適切な会計・経理の開示企業」調査において、「架空売り上げの計上」や「水増し発注」など「粉飾」が21社、役員や従業員による着服横領が11件を占めているといった話がありました。性質がかなり違うものが混じっているのに、いっしょにされてしまっています。
「着服横領」は明らかに自身のためなのですけど、「架空売り上げの計上」や「水増し発注」などの「粉飾」は上からの圧力など、個人以外の問題であるケースも含まれるでしょう。このパターンでしたら、いかにも真面目そうなタイプがやってしまうというのはむしろイメージ通り。問題ばかり見える記事です。
●清楚で控えめな女子行員が横領、現実でも同じらしい…と記載
問題点ばかり指摘して申し訳ないのですけど、以下の部分も誤解を招きそうなもの。前述の、真面目だと思われていた人ほど不正をやって、ひょっとすると悪いことをするのではないかという人の不正は意外に少ないという話の直前にあったもの。以下を受けて、上記の話に繋がっていました。
<映画「紙の月」。清楚で控えめな女子行員が、勤め先の銀行で横領に手を染める姿を淡々と描いた作品だったが、現実世界でも似たような人が悪事を働いているようだ>
ここで女性の例を出しているので、女性ほど不正をしてしまうと思われてしまいそうなんですが、現実は逆。
女性は男性より低評価な上に不正時は厳罰の傾向 男性の不正が倍以上なのに…でやっているように、男性の不正が圧倒的に多いことがわかっています。より重大な問題である犯罪においても男性の犯罪が圧倒的に多く、このあたりは性別による差が大きいと考えられる部分です。
ただし、これにより「男性は不正を犯しやすい」と考えるのも、偏見差別であり、なおかつ正確性に問題がある理解。そもそも不正を行う人は少なく、ほとんどの男性はほとんどの女性と同じく、不正を行いません。個人差の方が性別の差よりずっと大きいのです。
●問題を起こすサイコパスやマキャベリストは「いい人」なのか?
2020/06/10:いい人に見える人が不正をする…的な話とは違うのですけど、企業で問題を起こすサイコパスやマキャベリストについての話をここに追記。
経営者に多いサイコパスは、仕事ができる望ましい会社員?でやっているように、サイコパスやマキャベリストは不正などの問題を起こすことがあります。これは一見「いい人」ではない人が普通に不正を犯すというケースのように見えます。
ただし、ややこしいのが、サイコパスやマキャベリストが「いい人」に見えてしまう可能性もあるということですね。研究によると、彼らは実際には仕事ができない人たちであるにも関わらず、むしろよく出世することがわかっています。サイコパスなんかは魅力的に見える人も多いとよく言いますよね。人気が大事な政治家にもサイコパスが多いことがわかっています。
サイコパスやマキャベリストがいい人に見えてしまっていた場合は、「いい人に見える人が不正を犯す」という例になるでしょう。ただ、それを理由にサイコパスやマキャベリストではない本当の「いい人」が不正を犯しやすいなんて言われるのは風評被害。単純に見た目じゃ判断できないと考えた方が適切でしょう。
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