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返品大国アメリカのクレージーな返品事情で、ユニクロが失敗?


 ユニクロはアメリカで大苦戦しているそうです。その理由として、日本とアメリカでの返品事情の違いがあるのでは?という分析がありました。アメリカ人はガンガン返品しまくるのですが、ユニクロはアメリカ式の返品基準を採用しておらず、「アメリカでも最悪の返品条件」などと口コミに書かれてしまっているそうです。

2017/12/25追記:
●ユニクロ以外のアメリカのアパレル企業も大苦戦、大量閉店も
●中国製のメリットのおかげで、中国では絶好調のユニクロ


【クイズ】NHKスペシャル「密着!ユニクロ」 バングラデシュ進出では、ユニクロがバングラデシュでうまく行かなかった理由についてどのように見ていたでしょう?

(1)現地の女性が民族衣装を来て、カジュアルウェアをほとんど着ないから。
(2)最貧国バングラデシュにとっては、ユニクロの服は高すぎたため。
(3)バングラデシュは服は小規模店舗で買うのが普通であり、ユニクロの大型店舗が受け入れられなかったため。


●返品大国アメリカのクレージーな返品事情で、ユニクロが失敗?

2016/5/21:ユニクロは結構よく失敗していて、失敗せずに成功してきた会社では全然ありません。失敗しながら成功してきたという会社です。なので、全戦全勝でないというのは別に良いと思うのですけど、アメリカでも苦しんでいるという話がありました。

 アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊さんは、アメリカに行ったときにユニクロでヒートテックを何枚か購入しました。その際に、レシートをもらって気づいたのが返品条件の厳しさです。「すべての商品はタグ(商品札など)が付いたままのオリジナルの状態での返品でなければならない」とあります。日本人ならこれで何とも思わないでしょうが、こんな厳しい返品条件では、アメリカで認知度が低いユニクロは売れないといいます。

 実際、レビューサイトのイエルプでは、ユニクロ・サンフランシスコ店でのレビューに「返品条件に注意してください。ユニクロはアメリカでも最悪の返品条件となっています」と書かれています。作者は最悪とまでは言っていないものの、メイシーズや競合店に比べて厳しいのは確かだとしていました。
(アメリカで苦戦するユニクロ、原因は返品条件の厳しさか? | Fashionsnap.com 2016年02月01日 10:00 JST 後藤文俊より)


●着用した下着まで返品!アメリカのクレージーな返品事情

 アメリカでのトンデモ返品ってのは、結構有名です。後藤文俊さんは、「アメリカでは着古した下着でも返品してくるのです。日本では考えられないような返品もアメリカでは常識です」と書いていました。これを日本で「それはおかしい!」と叫んでもアメリカでは常識なんで、仕方ありません。

 アメリカの消費者としての経験法則から、返品条件が厳しすぎるお店の売上が上がらないことがわかったといいます。一方で「もったいない」を美徳とする日本人には寛大な返品条件は理解できないことだというのも確かでしょう。

 アメリカの返品事情は本当ひどいです。私は以前アメリカで起業した人の話を読んで、唖然としたことがあります。はてなブックマークでも、<アメリカでは12月頭にクリスマスツリー買って年始に返品しにくるやついるからな>(cyciatrist 2016/02/01)といったコメントがありました。


●日本の返品事情がおかしいと批判しているわけではない

 ただし、アメリカがおかしい!と日本で叫んでも、ユニクロが売れるようになるわけではありません。はてなブックマークで以下のコメントが一番人気になっていたのは、ちょっと頭が痛いです。アメリカが非常識であったとしても、ユニクロがアメリカでうまくいかない理由の説明なのですから関係ありません。

“『アメリカでは着古した下着でも返品してくるのです。日本では考えられないような返品もアメリカでは常識です。日本で「それはおかしい!」と叫んでもアメリカでは常識』←アメリカの常識が世界の非常識なのでは。”(kaitoster 2016/02/01)

 作者が、日本の慣習がおかしいからアメリカのようにしろ!と批判しているのだとしたら、これでも良いです。しかし、この記事はなぜユニクロがアメリカで売れないのか?という話です。うまい例が思い浮かびませんが、アメリカから来た企業がアメリカルールで日本の慣習を無視していた場合は、たぶんアメリカ企業への批判が向かうでしょう。どっちにせよ日本が正しいというのは、傲慢すぎます。

 なお、これは必ずしも郷に入れば郷に従えという意味ではありません。海外でも日本ルールがうまく受け入れられることもありますし、そこは企業の考え方次第でしょう。


●返品条件の緩い市場の方がそうではない市場より大きい

 また、以下のようなコメントもありました。

“返品ぶんのコストが返品しない消費者に転嫁されていると感じてしまうので、この商慣習にはどうしても馴染めないなあ。”(rajendra 2016/02/01)
“「企業側に甘い日本の商慣習の方が問題」ってブコメがあるけど、これって単に返品しない普通の消費者に要らんコストを負担させてるだけだと思うんだけど(あるいはコストを吸収できる巨大業者に不当に有利な制度だ”(cider_kondo 2016/02/01)

 ただ、これ、意識していないだけで、カスタマーサービスなんかでも同じなんですけどね。カスタマーサービスでも利用する人はごく一部なのに関わらず、全員の負担になっています。こういうときに、カスタマーサービスを一切やっていない企業が顧客に優しい…なんて話も出てきません。

 それから、企業側の利益が大きくなることで還元されている可能性もあります。例外もありますが、小さな市場より大きな市場の方が消費者の得る利益が大きくなることが多いためです。

 アマゾンなどの送料無料、携帯電話の実質0円販売、さらには図書館が本を売れなくしているといった批判などでも見逃されていることが多いのですが、そういった施策を実施したときに今までなかった需要が作り出されることがあります。

 記事では、"なぜ大手チェーンストアは寛大な返品条件にしているかというと、それは顧客の生涯価値を知っているから"としていました。"商品を気軽に返してくるけれども、それ以上に生涯にわたる購入金額は莫大となる"からというしています。返品条件が緩い分、気軽に買ってくれて、市場そのものが拡大しているということで、その結果、消費者にも利益が還元されているところがあるかもしれません。


●実は儲かる可能性…返品期間が長いほど逆に返品されなくなる

 ここらへんの売上の変化を厳密に証明するのは難しいでしょうが、おもしろい知見だと思ったのが、テキサス大学ダラス校のレポートでした。コメントではこの話もガン無視されていました。
 購買と返品についての複数の研究結果を統合し、より高い見地から分析するメタアナリシスを用いた結果では、30日間や90日間などの「返品期間」や、一部もしくは全額などの「返金額」、セール品など除外される「返品対象」、オリジナルの包装やパッケージ、値札の有無などの「商品コンディション」、ストアクレジットや代替商品の取り換えの「交換」の5つの条件で調べた結果、寛大な返品条件であるほど返品は増えるものの売上を増大させているという。返品期間を延ばすほど「保有効果(Endowment effect)」で返品率が下がるのだ。保有効果とは、自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象のことをいう。返品期間2週間では返品しやすいが、90日近くも所有していると保有効果が働き返品しにくくなるのだ。

 返品はお店の最終利益を損なうが、売上を上げるということでは効果があるのだ。

 一見企業側に不利に見えることをやった方が企業に有利になるということはビジネスでは結構あります。ただ、こういうのは大局的な視野がいりますので、なかなか難しいところでもあります。


●バングラデシュの慣習を無視して失敗したユニクロ

 クイズに悩んで、以前書いたユニクロ、民族衣装しか着ないバングラデシュに出店して馬鹿にされるから。失敗ばかりしているユニクロの例の一つですし、現地の慣習を無視した例でもあります。


【クイズ】NHKスペシャル「密着!ユニクロ」 バングラデシュ進出では、ユニクロがバングラデシュでうまく行かなかった理由についてどのように見ていたでしょう?

(1)現地の女性が民族衣装を来て、カジュアルウェアをほとんど着ないから。
(2)最貧国バングラデシュにとっては、ユニクロの服は高すぎたため。
(3)バングラデシュは服は小規模店舗で買うのが普通であり、ユニクロの大型店舗が受け入れられなかったため。

【答え】(1)現地の女性が民族衣装を来て、カジュアルウェアをほとんど着ないから。


 ただ、さっき必ずしも郷に入れば郷に従えという意味ではないと書いたように、どんな場合でも現地に合わせるべきか?と言うとそう単純ではないでしょう。また、ユニクロはとりあえずチャレンジして失敗していくタイプの企業ですので、ユニクロらしさだとも言えそうです。

 あと、インドは儲からない 嫌われる国で成功したスズキとユニ・チャームみたいに、金にならない国だと嫌われていたところで長くやってやっと黒字転換みたいな例もあります。例えば、バングラデシュ人の将来の西洋化を見越してとか、ターゲットを絞って初めは小さくですとかで、長期的視野で続けてみるという方向性でもアリでしょうね。


●ユニクロ以外のアメリカのアパレル企業も大苦戦、大量閉店も

2017/12/25:最初の投稿が2016/5/21ですので、それから1年半程度しか経っていません。なので、そりゃそうだろうという話ですが、まだユニクロはアメリカで苦戦中。2006年にニューヨークに旗艦店を出してから10年以上が経過し、赤字幅こそ減少しているものの、17年8月期も黒字化はできていないそうです。
(ユニクロの真価試す米国市場:日経ビジネスDigital 2017年10月18日より)

 アメリカ苦戦の理由について、ここではまず現地消費者の好みを捉え切れていないことを挙げていました。ただ、そもそも他のアパレル企業も苦戦しているんですよ。ファーストリテイリングの柳井会長が手本にしてきた元祖SPA(製造小売業)のギャップが大量閉店、アメリカンアパレルなど有力チェーンの破綻も相次ぎ、老舗のラルフ・ローレンがニューヨーク5番街の旗艦店を閉めています。

 私はこの理由として、アマゾンの存在を想定しました。アパレル企業より早く、他の小売業ではアマゾンの影響で大打撃を食らっています。今回の記事でもやはりアマゾンに触れていました。ただ、エバーレーンなどオンラインSPAと呼ばれる新興勢力が台頭したことを第一に挙げていました。本当の試練はこの後来るんでしょうね。


●中国製のメリットのおかげで、中国では絶好調のユニクロ
 
 なお、ファストリのアジア事業で特徴的なのは、その利益率の高さだとしていました。全体の売上高営業利益率が約9.5%なのに対し、中国事業は約14.5%という高収益体質。これは意外でした。新興国市場は高価格商品が売れないがために、てっきり薄利となるものだと思っていたためです。

 記事によると、ユニクロは中国内の工場を主力生産拠点としており、同国内の店は物流コストを低く抑えられるなどのメリットを享受できるからだとしていました。

 そういえば、脱中国はダメでした…アパレル日本企業が中国回帰 人件費より大事な短納期の問題が理由という投稿もしています。中国で作ることは、いろいろと魅力がありますね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ユニクロ、民族衣装しか着ないバングラデシュに出店して馬鹿にされる
  ■脱中国はダメでした…アパレル日本企業が中国回帰 人件費より大事な短納期の問題が理由

【その他関連投稿】
  ■バイトが語るユニクロ=ブラック企業説の真実 体育会系朝礼など
  ■ブラック企業のユニクロが変節 週休3日制導入でホワイト企業に?
  ■ユニクロは最貧国バングラデシュで労働者から搾取しているのか
  ■ブラック企業批判のユニクロを擁護した逸話、弁護士が違法と指摘
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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