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研究で判明!フェイスブックとツイッターは人をうつ病にし不幸にする


 <研究で判明!フェイスブックとツイッターは人をうつ病にする>の他、<SNS疲れ?Twitter Facebook mixi LINEユーザーで一番不幸なのは?>、<定期的に自慢写真を投稿!SNSはリア充じゃないと楽しめない説…>、<Facebookがついに「SNSに時間を費やすのは悪い」と認める投稿>などの話をやっています。

 その後、<Twitter買収のマスク氏も承認欲求で不幸に?閲覧数低下でクビ宣告>なども追記しました

冒頭に追記
2023/02/28追記:
●Twitter買収のマスク氏も承認欲求で不幸に?閲覧数低下でクビ宣告
2023/06/19追記:
●Twitterの閲覧数表示で「承認欲求モンスター」がトレンド入り
2023/10/09追記:
●いいね廃止は承認欲求問題解決どころかデマと炎上を増やす? 【NEW】


【クイズ】英国のウォーリック大学のAndrew J. Oswaldらの研究によると、生活満足度1位であるユタ州の自殺率は、全米で何番目に高かったでしょう?

(1)9位
(2)27位
(3)45位


●Twitter買収のマスク氏も承認欲求で不幸に?閲覧数低下でクビ宣告

2023/02/28追記:<イーロンのツイートが伸びないのは人気が落ちたから。説明したエンジニアがクビに>(23/2/16(木) 19:00配信 ギズモード・ジャパン)という記事の反応では、イーロン・マスクさんの横暴ぶりを指摘するものが多かったです。ただ、私が思い出したのは、ツイッターで不幸になるという研究のことでした。

<このところツイートがさっぱり読まれなくなったと感じているイーロン・マスク。とあるインフルエンサーが「アカウントを非公開にしたら5倍伸びた」とつぶやいているのを見て「へー!」と反応して先週は自分でもちょこっと非公開にしたりしていましたが効果がなかったんでしょう。とうとうエンジニアとアドバイザーを火曜、本社に召集して原因を聞いてみることにしました。
 ところが会社に残った数少ない主幹エンジニア2人のうち1人から返ってきた答えは「人気がなくなったから」という、にべもないものでした。>
<その裏付けとしてアカウントの社内データやGoogle Trendのグラフを見せながら…
「昨年4月の人気のピークの検索ランキングスコアが100だったのに対し今は9です」
「氏のリーチが意図的に操作されているか調査したこともあるが、アルゴリズムのバイアスを示す証拠は見つからなかった」
…と具体的に説明していったのですが、それがイーロンの逆鱗に触れたのか…
「おまえはクビだ」
とその場で言われてしまったのだとThe Platformerが報じています>
https://news.yahoo.co.jp/articles/8394a828db1dd9fffb034d03018c7914b8655cbe

 最近、ツイッターでは、「いいね」と「リツイート」の横に「閲覧数」の項目が出ていて邪魔だと不満の声が出ています。記事ではこの「閲覧数」の新機能について、<「こんなに大勢読んでる!」というアピールのはずだったのに、閑古鳥になると、逆にそれが気になって夜も明けません>と書いていたんですよ。

 これは記事作者の憶測ではあるのでしょうが、イーロン・マスクさんが閲覧数を気にしている…ということからして、あり得なくはない話。SNSで迷惑行為を晒して承認欲求を満たそうとする一般人と同様に、ツイッターを買収するほどの金持ちであるイーロン・マスクさんの承認欲求も満たされず、不幸になっているのかもしません。


●Twitterの閲覧数表示で「承認欲求モンスター」がトレンド入り

2023/06/19追記:ツイッターの「閲覧数」表示の新機能と承認欲求…という話を前回書いています。書き終えてから検索してみると、やはり似たようなことを連想した人がいるようで、「承認欲求モンスターになってしまう」 Twitterの閲覧数表示で波乱 広告・宣伝に影響も? - ITmedia NEWS(2022年12月23日 12時36分 公開 [吉川大貴,ITmedia])という記事が出ていました。

<米Twitterが、投稿が見られた回数を表示する「View Count」機能を実装した。UIが変わり、ツイートの左端で表示回数が確認できるように。一方、日本のユーザーの反応はさまざまだ。「承認欲求モンスターが生まれてしまう」「広告価値が丸裸に」などの声が上がり、12月23日午前には「表示回数」「インプレッション」が日本のトレンドに入った。>
<新機能に対する日本ユーザーの反応はやや冷たい。「UIが見にくくなった」「モーメントやフリートの復活を優先してほしい」「どうしても自分と同じくらいの人と表示回数を比べてしまうので、息抜きのはずのインターネットの世界が、新たな地獄みたいな状態になりそう」など、あまり好意的には受け止められていないようだ。>

 本文にはないものの、画像を見ると「承認欲求モンスター」という単語がトレンド入りしていた模様。トレンド入りしたということは、かなり広く言及されたみたいですね。一方、イーロン・マスクCEOは以下のような説明。ただ、閲覧数は以前からアナリティクスでインプレッションとして表示できていたので、しっくり来ない説明でした。

<Twitterのイーロン・マスクCEOは「Twitterユーザーの90%以上は、投稿を読んでいるものの、いいねやツイート、リプライをしていない。これでTwitterが見かけよりにぎわっていることが分かる」「Twitterはいいねされた回数の約100倍読まれている」などと投稿している。つまりはTwitterの広告価値をより分かりやすくする施策のようだ。>


●いいね廃止は承認欲求問題解決どころかデマと炎上を増やす?

2023/10/09追記:イーロン・マスクさんが今度は、X(旧ツイッター)のタイムライン上の投稿から返信とリポスト(リツイート)、いいねの数表示を削除し、自身が追加した無意味な指標である「表示」回数だけを残すつもりだと宣言したとのこと。思いつきでいろいろやる一方で撤回も早いので、まだどうなるかわからないと思いますけどね…。

 もともとツイッターではデマが問題になっており、いいねの回数を制限すべきでは?といった声が出ていました。深く考えずに「いいね」することにより、根拠がないデマが瞬く間に拡散。一歩立ち止まって考えることにより、デマの広がりを防止できるのでは?といったアイデアです。

 これは本当に効果あるのかな?と思わなくもない話ですが、ツイッターにとっては別の問題もありました。ツイッターを熱狂させている要素のひとつがいいねであり、それを制限するとツイッター社が儲からなくなるのです。で、この話でわかるように、いいね制限は承認欲求とも関係ある話なんですね。

 これを最近の金儲け至上主義的な変更を行ってきたイーロン・マスクさんが廃止というのは、意外でした。ただ、矛盾しないかもしれません。というのも、結局、いいねより問題のある「表示回数」だけを残すため。「表示回数」の場合、炎上など閲覧者が批判的であっても増えます。デマ・炎上を余計増やすかもしれません。

 金儲け至上主義的にも、矛盾はなさげ。良い反応も悪い反応も全部良いものとして大きく数字を見せることで「ツイッターはこんなに影響力が大きい」と…ということで、X(旧ツイッター)の広告価値を水増しして、広告主やアカウントを持つ企業などに提示できます。悪質なやり方ですけどね。

 上記までの話はX「返信・リポスト・いいね」の数を非表示に マスクが宣言 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)(2023.10.07 Paul Tassi)の冒頭だけを読んで書き始めた話でした。ただ、その後、続きを読んでみると、やはり炎上の話など、私と似たようなことを書いています。

<削除するのが数字だけなのか、数字とボタンの両方なのかは定かではないが、いずれにせよサイトの改悪となる。見ている投稿が大きくバズっているものなのか「いいね」が3つしかついていないものなのかが、まったくわからなくなるのだ。
 またこれは、炎上している投稿をわかりにくくするための新たな試みだとも、私は確信している。こうした投稿は「いいね」よりも返信や引用ポスト(引用ツイート)の数が圧倒的に多いことから「ratio(レシオ=比率)」と呼ばれる。>

 ratio投稿をする人は、マスクの熱烈な支持者や、保守的なコメンテーターが多いとのこと。また、サイト上での「インタラクション」や「エンゲージメント」を人為的に増やすことが目的である可能性も高い、ともしていました。狙ったかどうかは不明ですけど、閲覧数そのものを水増しする効果があるようです。

<仕様変更後には、タイムラインに出てきた投稿の背景情報や返信・リポスト・いいねのデータを確認するためには、その投稿をクリックしなければならなくなる。つまり、以前は1回だけだったインプレッションが2回になり、さらに実際のインタラクションが加わることになる。
 これにより、サイトのビューなどの数字や、マスクが繰り返し言及する「表示」回数は増加するだろう。>


●SNS疲れ?Twitter Facebook mixi LINEユーザーで一番不幸なのは?

2014/2/12:「SNS疲れ」という言葉があります。 英語だと「SNS tired」と言うらしいですね。コトバンク デジタル大辞泉の解説では、<ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)内でのコミュニケーションによる気疲れ>といった説明の他、以下のように書いています。

<SNSの長時間の利用に伴う精神的・身体的疲労のほか、自身の発言に対する反応を過剰に気にしたり、知人の発言に返答することに義務感を感じたり、企業などのSNSで見られる不特定多数の利用者からの否定的な発言や暴言に気を病んだりすることを指す。代表的なSNSの名称を用いて、ツイッター疲れ、ミクシィ疲れ、フェースブック疲れなどともいう>

 こうした「SNS疲れ」うんぬんの問題ではなく、単純に利用者のもともとのタイプによるのかもしれませんが、「現在、不幸だと感じるか」という質問への答えと各ソーシャルメディア利用者との関係を見たアンケートがあったんですよ。リブセンスが設立した「リブセンス あたりまえ研究所」の第1回調査として、「今の日本人の幸せは?」をテーマに実施されたものだそうです。

 タイトルでネタバレしてしまうのですが、Twitterユーザーは不幸!? 不幸な人の特徴…「あたりまえ研究所」設立 | RBB TODAY(2013年12月11日(水) 18時00分 )という記事でこれを知りました。一番不幸だったのはツイッターユーザーのようです。しかも、"「不幸」との回答が、「幸せ」を上回ったのはTwitterのみ"という、ツイッターユーザーが圧倒的に不幸という悲惨な結果になっています。


●定期的に自慢写真を投稿!SNSはリア充じゃないと楽しめない説…

 リブセンスの「あたりまえ研究所」ではこの結果について、Twitterの匿名性による影響を指摘するとともに、常に情報がタイムラインに流れ、何もしなくても多量の情報が集まってくるというTwitterの特徴から、「『情報』を追いすぎてしまうことから『身の回りの幸せ』を感じられなくなってしまっているのかもしれない」と推察していたそうです。

 私がツイッター不幸説の説明を試みるなら、もっと身も蓋もない話にしますね。SNSとリア充との関係です。【知ってた】10人に1人はただ単純に“リア充感”を見せつけたくてSNSに写真をアップしている - IRORIO(イロリオ)(吉住 沙羅 公開日時:2013年11月22日 18時00分 更新日時:2013年12月17日 13時24分)なんて記事も出ているんですよ。

<SNSを利用するほぼすべての人がとっくに気づいていることだとは思うが、フェイスブックやTwitter、Instagramなどに投稿される画像のほとんどは、いかに自分がリア充かをアピールするための自慢写真であることが、調査により明らかになった。
 イギリスのSNSユーザー2000人を対象におこなわれたHotels.comの調査によると、10人に1人のユーザーは、友だちに羨ましがられたいだけの理由で定期的に自慢写真をSNS上にアップロードしていることがわかったそう。こういった写真の種類として最も多いのはプールやビーチなどで撮られたもの(43%)で、“サングラスをかけた自分”や“水着姿の自分”などが代表的。その次がバーやレストランでカクテルなどを飲んでいるもの(12%)、次いでアヒル口の自分撮り(3%)だった>

 もともとSNSは結局リア充じゃないと楽しめない…と言っている人がおり、匿名性が低いSNSほどリアルが充実していない人が使う可能性が下がると考えられます。この考え方を採用すると、最も匿名性が高いとされたツイッターは、幸せを感じていない非リア充の参加者が最も多いと言えてしまいます。ひどい説明ですけどね。ちなみに私は全くSNSを使っていません。繋がる人なんかいませんわ!


●SNS疲れしそうなSNSの方が匿名性が高いツイッターより良い結果に

 とりあえず、アンケートによれば、ツイッターが唯一不幸だということでした。とはいえ、実際の数字は誤差範囲ということもあり得ます。データをよく見てみましょう。

Twitter
 幸せ 40% 不幸 42%
Facebook
 幸せ 45% 不幸 36%
mixi
 幸せ 48% 不幸 30%
LINE
 幸せ 48% 不幸 32%

 mixiはLINEと幸せは同点であるものの、不幸がわずかに少なくなっています。何とSNSとしては落ちぶれたmixiの幸せが最も多く、不幸が最も少ないという結果になりました。ただ、やはり差は微妙な感じです。Twitterが圧倒的に不幸だと書いてしまったものの、調査時期によってひっくり返りそうな数字に見えました。

 あと、結局最初に持ち出したSNS疲れの話とは逆になりましたね。匿名性が高く、繋がることを強いられていないTwitterの方がやや不幸な人が多いということになっています。Facebookなんかは半数以上の人が嫌々やっているという調査すらったのですけど、こうしたSNSのユーザーの方が幸福度が高そうな感じになってしまいました。


●研究で判明!フェイスブックとツイッターは人をうつ病にする

2016/5/22:フェイスブックは「人生の幸福度を下げる」 米研究結果 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)(Amit Chowdhry ,CONTRIBUTOR)という記事から、まず、うつ病の話を。これはフェイスブックやツイッターだけでなく、いくつかのSNSを含めた調査。YouTubeも調査対象に入っていますね。日本で言うと、ニコニコ動画みたいなのもそうでしょうか? 私は唯一このジャンルだけはよく利用しています。

<博士(引用者注:ピッツバーグ大学医学部のブライアン・A・プリマック(Brian A. Primack)博士)と研究チームは、米国に住む19歳から32歳までの1,787名を対象にアンケート調査を実施。その回答をうつ病の評価法に組み込んだ。対象となったSNSはフェイスブック、ユーチューブ、ツイッター、Google+、インスタグラム、スナップチャット、Reddit、タンブラー、ピンタレスト、Vine、リンクトインなどだ。(中略)
 アンケートの結果、SNSの利用時間は1日平均61分で、利用回数(複数のSNS)は週平均30回だった。(中略)SNSの利用頻度が低い人と比べ、頻度が高い人がうつ病になるリスクは2.7倍だ。また、利用時間が短い人と比べ、1日中SNSを利用していると答えた人は、うつ病になるリスクが1.7倍だった>

 この結果だけだと、ただちにSNSでうつ病になったと言えません。例えば、うつ病の人やうつ病予備軍の人がSNSをやりたがる…といった場合は、SNSの利用はうつ病の原因ではなく結果に近いものです。ところが、<論文の筆頭著者、Luiyi Linによれば、うつ病の人がSNSで喪失感を埋めている可能性もあるが、それがSNSのさらなる利用を促進し、依存症を発生させていると>説明されていました。やはりSNSが原因のようです。


●他人の不幸は蜜の味の逆パターン?フェイスブックで不幸という研究も

 このうつ病になるシステムはある程度想像できますよね。簡単に言うと、他人の幸福な姿ばかり見ていると、自分が惨めに思えてきてしまうというものです。論文では、「SNS上で友人らの投稿を目にすることで、自分以外の人たちは幸せで充実した人生を送っているという歪んだ認識と、うらやむ気持ちが生じる」と指摘していました。

 SNS上でただ見ている傍観者でいると、自分は時間を無駄にしていると感じるようになるのだそうです。みんなキラキラしているのに自分だけ…って感じなのでしょう。その結果として、うつ病になるのだと、説明されていました。このようにうつ病になる時点で不幸だと言って良さそうですが、もう一つの研究は幸福度だけを調査したものもあります。こちらはフェイスブック限定です。

<昨年、ヒューストン大学の研究チームは『Journal of Social and Clinical Psychology』で、フェイスブックの利用増加は、うつ症状と密接な関係にあり、「社会的比較」として知られる心理現象を引き起こすという研究結果を発表した。2013年8月には、ミシガン大学の研究チームが、「フェイスブックの利用が若者の主観的幸福感を低下させる」という研究論文を発表した。それによれば、フェイスブックの利用が増えれば増えるほど、幸福感は低下したというのだ>

 フェイスブックのようなSNSはリア充がやるものというイメージがありました。今回の研究でこのイメージが間違っていると言えるか?と言うと、そうとは限らないと思います。実際にリア充が平均より多かったとしても、そういった投稿を見ることでダメージを受ける人も一定数出てくると考えれば両立できます。とても幸福な人ととても不幸な人という両極端になっている可能性があるのです。

 これで思い出したのが、過去の自殺に関する研究結果で、幸福度と自殺率の関係 幸せな国や都道府県ではむしろ自殺が多い?で書いたものでした。タイトルだけで中身がわかるように、かなり残酷な話だったんですよ。冒頭でクイズにしたのは、その一例です。


【クイズ】英国のウォーリック大学のAndrew J. Oswaldらの研究によると、生活満足度1位であるユタ州の自殺率は、全米で何番目に高かったでしょう?

(1)9位
(2)27位
(3)45位

【答え】(1)9位


 こういう研究からすると、SNS利用が人を不幸にするという結果になるというのも十分にあり得るだろうなぁと理解できます。


●「いいね!」を押せば押すほど精神面に問題が起きやすく…

2017/05/28:研究である結果が出たとしても、それが正しいとは限りません。なので、できれば似たような結果になる研究が複数欲しいところ。で、そういう似たような話がありそうな、フェイスブックはわれわれを不幸にするか? - WSJ( By Susan Pinker 2017 年 5 月 26 日 14:35 JST)という記事を見つけました。

 今回の研究は、米国の疫学専門誌「アメリ力ン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」に最近掲載されたもの。カリフォルニア大学サンディエゴ校のホリー・シャキヤ助教(公衆衛生)と、イェール大学ヒューマン・ネイチャー・ラボのニコラス・クリスタキス所長らが著者です。

 研究では、成人5208人を対象に、彼らのメンタルヘルスと社会生活を2年間にわたってモニターしました。そして、その結果、フェイスブックの利用は、社会的、身体的および精神的な健康の低下と密接に関連しているということがわかりました。例えば、"他人の投稿に「いいね!」を押す、他人のリンクをクリックする、あるいは、自分のステータスを更新する回数が多くなると、その後に精神面の問題を経験する可能性が5―8%高くなった"といったことが、わかりました。


●フェイスブックは論文に「生活満足度は高い」と反論!

 一方、フェイスブック社はこれに反論。"同社の研究者とカーネギー・メロン大学のロバート・クラウト教授が発表した論文"では、"フェイスブックで親しい友人から平均より多いコメントを受け取った人の生活満足度は、1~3%高かったとされていた"とのことです。

 でも、こちらは「コメントを受け取る」という別の条件の話ですから、同時に成立する話ですけどね。ある人たちが幸福になっていく一方、別のある人たちが不幸になっていく…といった感じです。また、同種の研究が多くあった方が良いという話では、前述のもの以外にもこの2カ月で、2件のネガティブな研究論文が発表されているとのこと。以下のようなものです。

・米国人1787人を対象にした研究で、ソーシャルメディアが孤独感を募らせることが分かった。
・英国人1500人を対象にしたもので、ウェブサイト、とりわけ画像中心のサイトが、不安感を増幅し、自分にはあまり価値がないという感情を強めることが示された。

 結構注目されている感じですので、この分野の研究は今後もどんどん出てきそうです。


●SNSのデメリットとその反論…もともと不幸な人ほどSNSに熱心になる?

2017/07/22:5月にも追記した投稿であり、なおかつ当時の論文と同じものの話なのですが、補足的に。論文著者ら自身が書いたフェイスブックを使うほど幸福度が下がる? | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2017年06月09日 ホリー B. シャキア,ニコラス A. クリスタキス)に、もう少し詳しい話が載っていました。ここではまず先行研究で、異なる主張が出ていたことを明記しています。

<SNSのデメリット>
・生身の人間関係から関心が逸れて希薄になり、有意義な活動に費やす時間が減少する。
・画面を見て過ごす時間が増えるため、座ってばかりになる。インターネット中毒のもとになる。
・他人と自分を比べて卑下するため自尊心が傷つく。

 一方、上記への反論もありました。ソーシャルメディアが人を不幸にするのではなく、そもそも幸せをあまり感じていない人がソーシャルメディアに没頭する…といった研究があるんだそうです。ただ、この反論ですらフェイスブックにとっては、あまり良くない内容だと言えるんですよ。

 幸せをあまり感じていない人がハマりやすいのだとすれば、フェイスブックの熱心な利用者は、不幸な人ばかりだってものですからね。フェイスブックにとって良い研究というのは、結局、「ソーシャルメディアの利用によって社会的支援と生身の人間関係が強化され、幸福度を高める」というものだけでした。劣勢です。


●今までの研究は1期間しか見ていないのが良くなかった

 上記のように今までの研究では結論が分かれていたわけですが、今回の研究では先行研究の弱点を克服する工夫をしました。

(1)3期間分のデータがあり、多くの回答は2年間にわたっている。これにより、ソーシャルメディアの利用の変化と幸福度の変化との相関を経時的に追跡できた。
(2)我々はフェイスブックの利用について、回答者の自己申告ではなく、フェイスブックアカウントから直接収集した客観的な指標を用いている。
(3)フェイスブックのデータに加え、回答者の現実の社会的ネットワークに関する情報もある。これにより、2種類のつながり(生身の人間関係とオンライン上の交流)がもたらす影響を直接比べることができた。

 ということで、今までの研究より精度が高いという主張なのですが、この結果が前述の通り、フェイスブックにとって悪いもの。フェイスブックの利用は総合的幸福度を下げる、特に精神の健康において顕著だということがわかったという話でした。

 なお、現実の社会的ネットワークの場合は、総合的幸福度を高めることがわかっています。SNSというのも、有意義な社会的交流をしているという印象を抱いてしまうものの、実際には逆だったという話。残念な結果になってしまいました。


●Facebookの投稿でうつ病患者を発見…その特徴とは?

2019/01/05:SNSで不幸になることへの反論ではありませんけど、一見SNSにとって前向きな話のようにも見えるFacebookの投稿から「うつ病」になる可能性が分かる? 研究結果から明らかに|WIRED.jp(2019.01.03)という記事がありました。SNSでうつ病患者を発見できるかも?という話です。

 ペンシルヴァニア大学の心理学者ヨハネス・アイシュテットさんらは、2018年10月中旬、米国科学アカデミー紀要に掲載された論文を発表。フィラデルフィアの救急医療部の患者1万1,000人以上に接触し、電子カルテと7年分に及ぶFacebookの更新履歴を提供してもらえないか打診して、同意が得られた約1,200人から、うつ病とそうでない人の比率を調整して684人分を研究に用いています。

 彼らはフェイスブックに頻繁に使われる単語やフレーズを分析し、「うつ病関連言語マーカー」と呼ぶ指標を探しました。調査の結果、うつ病を抱える人は診断が下りる数カ月前から、一人称単数形の代名詞である「I(わたし)」や孤独感、他人に対する敵意が読み取れる言葉を多く用いるようになることがわかりました。

 加えて、アルゴリズムをトレーニングしてこれらの言語使用パターンを判別できるようにすることで、この分析方法をさらに強化したそうです。これにより、研究者たちは正式な診断が下される3カ月前の段階で対象の人物が将来的にうつ病と診断されることを予測できるようになったといいます。

 先の投稿部分において、同じような研究があった方が信頼性が高いと書いたのですけど、うつ病患者の「I」の使用が増えるというのは、先行研究の結果と一致しているんだそうです。ただ、Facebookに書き込まれた言葉と電子カルテに記載された正式な診断とを比較検討する研究は今回が初めてだったとのこと。全く実用化レベルではないそうですけど、方向性としては正しそうでした。

 なお、「前向きな話のようにも見える」と書いたものの、前述のようにフェイスブックがうつ病を誘発しているのでしたら、フェイスブックが作り出したうつ病患者をフェイスブックで発見するということで、いわゆるマッチポンプ的なところはあります。うつ病患者を放置するよりはマシなので、是非研究を進めてほしいとは思うのですけど…。


●Facebookがついに「SNSに時間を費やすのは悪い」と認める投稿

2022/03/22追記:研究論文がひとつ出てその結果が正解かというと、そうではなく、間違っていることは珍しくありません。同様に研究によって結論が食い違うというのもよくある話。なので、多数の研究で確認することが大事です。その意味でいうと、SNSで不幸になる…というのは、かなり確からしい感じですね。

 このページでは、フェイスブック不幸説にフェイスブックが反論していたという話も紹介したものの、Facebookが「Facebookは悪影響」と認める…SNSと上手く付き合う方法とは | カミアプ(2019.02.02)という記事が出ていました。ついにフェイスブックもSNSが不幸をもたらすことを認めたようです。

<Facebookは、「SNSに時間を費やすのは私たちにとって悪いことなのか?」という投稿をウェブ上に公開しました。この投稿の執筆者はFacebookの研究チームを率いるDavid Ginsberg氏と、同研究員で社会心理学者のMoira Burke氏。同氏らは「ソーシャルネットワークは特定の使い方によって悪影響を及ぼす」と発言しており、もちろんこの「ソーシャルネットワーク」にFacebookも含まれます>


●仲の良くない友達や仕事関係の人と関わることがSNSを不幸に…

 ここでは、具体的に悪影響を及ぼす使い方を例示。しかし、最初に出ていたのは、「ただ友だちの投稿を読むだけで、自分では投稿しない、コメントも付けない」というもので、これだともっとフェイスブックを使え!みたいな感じでした。思っていた方向性と違っていて、結局、宣伝かよ?と思います。

 ただし、「平均よりも2倍多く投稿する」という行為も精神衛生上、悪影響とされており、たくさん使え!というものでもありませんでした。逆に良いのは、「仲の良い友だちとメッセージや投稿、コメントをシェアすること」「過去のやり取りについて思い起こすこと」だとされていました。

 私は最近、なぜか私の親が集めていた私の学校の同窓会会報や名簿を整理して捨てているのですが、年寄りが昔の思い出に浸る感じで、こうしたものは全く私の趣味に合いません。ただ、こういう同窓会趣味というのが、SNSにも良いんじゃないか?と今回の記事を見て思いました。仲間内で思い出話をする感じが良さそうです。

 一方、SNSが問題なのは、仕事関係の人や大して仲の良くない人の投稿を見たり、関わったりしてしまうということ。これに対し、フェイスブックでは、「Snooze(スヌーズ)」という機能で一時非表示にすることを推奨。要するに、本当に仲が良く、数の少ないリアル友達だけに限ってやり取りし合うのが、ベストなのかもしれません。


●途切れることなく繋がっていたい!SNSで起きるFOMOという恐怖

2022/11/14追記:私が最初に目にした話はSNS関連の話ではなかったのですが、SNSと関係が深いFOMO(英: fear of missing out、フォーモ、取り残されることへの恐れ)という概念があるそうです。このFOMOの説明はなかなかに難しいですね。とりあえず、ウィキペディアでは、以下のような説明でした。

<「自分が居ない間に他人が有益な体験をしているかもしれない」、と言う不安に襲われることを指す言葉である[2]。 また、「自分が知らない間に何か楽しいことがあったのではないか」、「大きなニュースを見逃しているのではないか」と気になって落ち着かない状態も指すことから、 「見逃しの恐怖」とも言う。社会的関係がもたらすこの不安は[3]、「他人がやっている事と絶え間なくつながっていたい欲求」と言う点で特徴づけられる[2]。
 FOMO はまた「後悔に対する恐れ」とも言え[4]、それは社会関係、画期的体験、高収益な投資、その他の満足すべき出来事の機会を逃すかもしれないと言う、やむにやまれぬ心配を引き起こしかねない。言い換えれば、FOMO は「状況がどう変化しうるか想像できる」がゆえに、時間の使い方を間違えることに対する恐れを恒久化する>

 自己決定理論によると、「他者と結びつき、一体になりたい」という感情は真っ当な心理的欲求であり、それ自体は異常ではないそうです。ただ、そうした欲求が満たされていない、という一時的あるいは長期的な認識が引き起こす自己調整状態として FOMO が起きて問題が発生。そして、SNSが典型例のようでした。

<技術の発展に伴ない、人々の社会的コミュニケーションは直の対面からオンライン上のものへと拡張してきた。まず一方で、現代的な技術(例えば携帯電話やスマートフォン)と SNS(例えば Facebook や Twitter)は、安価な「入場料」をもって人々が社会的につながりあうという類まれな機会をもたらした。
 しかしもう一方で、そうして影響を受けたコミュニケーションのありようはインターネットへのさらなる依存を恒久化する。オンラインでいることへの心理的依存は、関係が途切れたと感じた時の不安につながり得るものであり、それにより FOMO やネット依存症が引き起こされる。結果として、FOMO は悲観的な気分や憂鬱な感情を引き起こしかねないために、精神的健康状態に悪影響を与えるものと捉えられる>


●「友達は大事」と思うほど不安になり違法行為に走りやすくなる?

2022/12/22追記:上記で、私がFOMOという言葉を初めて目にした記事は携帯電話関連ではなかった…と書きました。その私が読んだ記事というのは、「FOMO」が大きい大学生は、非適応的行動も多い | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)(2022/11/13)というものでした。SNSというよりは、友達問題全般の話に見えます。

<「取り残されることへの恐怖(Fear of Missing Out:以下、FOMO)」は、周囲の人々と一緒に楽しく満足感が得られる体験をしたいという願望の現れであり、誰もが時々は経験する感情だろう。だが、大学生を対象に最近おこなわれた研究によれば、FOMOをどれだけ経験するかの度合いは、非適応的行動に走るリスクと相関しているという。この研究では、非適応的行動とは、学業上の不正、薬物やアルコールの摂取、違法行為と定義されている>

 優秀な学業成績を修めるためのメンタルヘルスとモチベーションを維持するには、自主性や知的能力のほか、満足感や充足感をもたらす社会とのつながりが必要だと心理学者は指摘しているそうです。このため、大学生と「取り残されることへの恐怖」FOMOの関係について、研究チームは、472人の参加者を対象に調査をおこないました。

<結果、突出して高いFOMOを経験した大学生は、学業上の不正、毎週のアルコールおよび大麻の摂取量の増加、興奮性薬物の摂取、さらには窃盗に走る確率が高いことがわかった。
 研究チームは、こう指摘している。「FOMOを軽減させようとする学生たちは、薬物を使用して「周囲に溶け込む」、あるいは、社会的なつながりへの欲求を満たせる同世代集団に加わるといった方法をとるだろう。したがって、学生のFOMOの水準から、薬物使用リスクが予測できる可能性がある。学生たちは、周囲と自分の比較によって、標準的とされるベースラインを変化させるからだ」
「高いFOMOを示した学生は、総飲酒量を増やしてはいなかったが、一度の飲酒の機会に、より多くアルコールを摂取し、結果としてよりネガティブな体験をしていた」>

 研究チームはFOMOが問題発見のツールになることを指摘し、カウンセラーに定期的な調査を勧めていました。今回の調査では、アルコールおよび薬物の摂取、学業上の不正、違法行為を50%以上で予測できたとのこと。特に学業上の不正に関しては87%という高い確率で予測することが可能だったといいます。

 また、私がこの研究に興味を感じたのは、大人たちが押し付ける「友達は大事」という概念が若者や子供を追い込んでいるのではないか?という以前から感じている疑問との関係です。小見出しにした<「友達は大事」と思うほど不安になり違法行為に走りやすくなる?>はさすがに極端であるものの、問題がないわけではないと思うんですよね。

 というのも、友達の大切さが強調されればされるほどそのハードルは上がり、水準を突破することが難しくなるため。若者に「友達は大事」と強調するのは、当然「今の若者は本当友達を作れていない」と思っているわけですから、こうなることは否定できないでしょう。そして、これにより、前述のしくみで不幸をもたらしかねないと思います。


【本文中でリンクした投稿】
  ■幸福度と自殺率の関係 幸せな国や都道府県ではむしろ自殺が多い?

【その他関連投稿】
  ■ダサい…6割が嫌だと思うフェイスブックをやめられない理由
  ■匿名じゃなくて実名ならひどいコメントしない → むしろ逆効果に
  ■ネット・コンピュータ・ハイテクについての投稿まとめ

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