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スズキ日産スバルの燃費CO2完成検査不正が三菱自と同じく問題な理由


 自動車不正の話をいろいろまとめ。<スズキ日産スバルの燃費CO2完成検査不正が三菱自と同じく問題な理由>ということで、例えば、<日産、国の不正指摘・社長会見後も無資格検査を続けていた>、<むしろ一番悪質だったスズキ 証拠を破棄し隠蔽・組織的な改竄など>、<トヨタ系の日野自動車が意図的な排ガス不正・燃費不正、11万台以上>などの話をやっています。

冒頭に追記
2022/03/10追記:
●トヨタ系の日野自動車が意図的な排ガス不正・燃費不正、11万台以上 【NEW】


●トヨタ系の日野自動車が意図的な排ガス不正・燃費不正、11万台以上

2022/03/10追記:トラック・バス・商用車大手の日野自動車が、エンジンが保安基準に合っているかどうかを調べる「型式指定」の検査で、排ガスや燃費について性能を偽る不正をしていた件をこちらに追記。なぜか触れていない記事が多いんですけど、日野自動車はトヨタ自動車グループなんですよ。最近のトヨタは車検不正などで不祥事続きですね。

 日野自動車、エンジンの排ガス・燃費性能偽る 搭載車は計11万台超:朝日新聞デジタル(神山純一、近藤郷平、磯部征紀、構成・三浦惇平、松本真弥2022年3月4日 22時00分)によると、不正のあったエンジンの搭載車は累計で11万台以上もあるそうです。意図的で法令に違反するような事例で、国土交通省が調べています。

 「意図的」だとわかりやすいのは、、排ガス性能の耐久試験で、基準を満たすために処理装置のマフラーを途中で交換していた事例。小木曽聡社長も「性能を満たさないことを知っていた。意図があったと理解している」と認めています。燃費不正だけならまだしも、排ガスでの不正は擁護しようがないでしょうね。


●三菱自動車だけじゃなかった!スズキも燃費データで違反?

2016/5/18:三菱自動車の燃費不正に関する投稿のどこかで、三菱自動車にとっては他社でも違反が出てくると良いという話を書きました。日本の自動車メーカー全体の問題となれば批判が分散して、相対的に三菱自動車への批判が減るためです。で、軽自動車での三菱自動車のライバルであるスズキのニュースが入ってきました。

 スズキも燃費データで違反か=国規定と異なる方法、午後報告・発表へ:時事ドットコムによると、スズキが燃費試験のデータ測定過程で国の規定と異なる方法を用いていた可能性があることが判明。鈴木修会長が国土交通省に報告するとともに、記者会見し発表するとのことで、この時点では以下のように報じていました。

<三菱自動車の燃費試験データ不正操作問題を受け、国土交通省は他の自動車メーカー各社に対し、同様の不正がないか調査し、同日を期限に報告するよう求めていた。三菱自に続く問題行為の発覚で、日本車の信頼に傷が付く恐れがある。(2016/05/18-13:21)>

 一方、別記事スズキ、燃費データで不正な算出の可能性 国交省に報告へ  :日本経済新聞 2016/5/18 12:23 (2016/5/18 13:16更新)では、改ざんはなかったと否定していました。ただ、この報告だけだと、改ざんではないと言える根拠はよくわからないですね。

<スズキは燃費の改ざんはなかったとしている。
 スズキによると、三菱自動車の燃費データ不正問題を受けて、社内で燃費改ざんの有無や、燃費性能を算出する際の基となるデータの測定方法が国の定める方法に適合するか調査してきた。調査の過程で測定方法に関して不備がある可能性があるとしている。(中略)
 スズキによると、燃費の「水増し」につながる改ざんはしていないとしている。対象車種やいつから国が定める方法と異なるやり方でデータを測定していたかはまだわかっていない>


●燃費の改ざんは否定 正しい燃費と差なしでも批判的な反応が大勢

 さらに詳しそうだったのが、スズキ 燃費データ測定 国の方法と異なる形で | NHKニュース(5月18日 12時13分)。ここでやっと「正しい燃費とのかい離はほどんどなし」という説明があり、意図的ではないと主張したい気持ちがわかりました。(2022/03/10追記:ただ、後になってむしろ悪質だったことが判明しています)

<関係者によりますと、スズキは、これまでの社内調査で平成22年ごろから国が定める方法とは異なる形でデータの測定を行っていましたが、正しい測定方法で算出した燃費とのかい離はほどんどなかったということです。
自動車の燃費測定を巡っては三菱自動車も燃費に影響を与えるタイヤと路面の摩擦などの走行抵抗のデータについて、平成3年からの25年間、国が定める方法に従わずに測定を続けていたことが明らかになっています>

 しかし、ツイッターの反応はそんなことお構いなく、「日本メーカーは終わっている」といった調子のものが多めであまり擁護はありません。比較的冷静なことが多いはてなブックマークも見ましたが、それほど温度差はありませんでした。

“あー、やっぱりでてきちゃったか...つか、もうカタログ理論数値とか何の参考にならないもの書くのやめません?”(guriuripop 2016/05/18)
“燃費だけあって炎上しやすいなw”(h20p 2016/05/18)
“スズキは、まだカタログ値と実燃費の差が少ない印象/ダイハツも”(kaiton 2016/05/18)
“もうどの会社の燃費も信用ならんから、新車買った時は1万キロくらいオーバルコースを走って燃費が正しいかチェックする必要があるな”(shinagaki 2016/05/18)
)はてなブックマーク - スズキ 燃費データ測定 国の方法と異なる形で | NHKニュース)


●三菱自動車の違反も燃費への影響は小さかった 日産にも不正疑惑

 また、実を言うと、叩かれた三菱自動車の場合も測定方法の間違いは燃費の影響は軽微という話だったんですよね。 三菱自動車の燃費測定、ほぼすべての車種で法令違反 「惰行法」ではなく「高速惰行法」で測定で書いたように、「この方法で測定しても、燃費が大きく改善するわけではない」というのが当時の報道です。

 結果的に大きな違いではなかったから良かったものの、そもそも測定方法を守っていないということ自体が問題です。一歩間違えれば、大幅な偽装になっていたおそれがありますからね。故意じゃないから問題ないとは言いづらいです。

 あと、最初に書いた、他の日本の自動車メーカーが違反しまくれば三菱自動車はありがたいという意味では、三菱自動車への出資が決まった日産自動車でも、韓国で排ガス不正ソフトを使った疑惑も登場。これらは 三菱自動車にとっては良いことでも、自動車産業は衰退する日本の最後の砦みたいなところですので、日本にとってはありがたいとは言えない話なのですが、これで出し尽くしとはならない予感がします。

 ただ、これは違法行為を見て見ぬふりすれ!って意味じゃないですよ。この気に膿を出しきらないと、また後で危機が訪れます。そもそも三菱自動車の危機というのが、リコール問題のときに膿を出しきれなかったから起きたものです。日本に不利なことを言うと「日本叩き」などと言う人がいますが、そういった身内の論理の優先が結果的に衰退を招くのです。

 遠慮無くどんどん「日本叩き」と呼ばれるようなことをした方が、よっぽど愛国的でしょう。


●不正ではない?マスコミはスズキと三菱自動車で扱いに差がある

2016/5/24:上記の話を書いたときにネットの反応を見たら概ね批判的な感じでしたので、そういう流れかと思いました。ところが、その後のマスメディアの記事を見ていると、スズキの言い分をそのまま転載したものか、スズキは悪くないといった論調が大半でした。かなり扱いが異なります。

 無論三菱自動車の方が悪質なのは間違いないのですが、スズキの測定部分での違法行為そのものは三菱自動車のやった間違いの一つとよく似ています。そして、三菱自動車の燃費測定、ほぼすべての車種で法令違反 「惰行法」ではなく「高速惰行法」で測定で書いたように、三菱自動車でも測定方法の違いによる燃費への影響は軽微でした。

 なので、私は測定方法の違いでも三菱自動車が叩かれたのだから、スズキだって問題なしとは言えないという立場だったのですが、そうでもないみたいですね。ダブルスタンダード的でイマイチすっきりしません。そもそも三菱自動車の複数ある不正とスズキの不正に関しては、整理できていない人が多いのかもしれません。ここらへんをわかりやすく書いている記事がありました。

三菱自・スズキと国で「不正」の認識が食い違う理由|エコカー大戦争!|ダイヤモンド・オンライン(桃田健史 [ジャーナリスト] 2016年5月23日 )
<三菱自工は軽自動車4車種については「不正事案」と呼ぶが、それ以外で現在発売されている9車種に関する「事案」については「不正」という言葉を使わないようにしている。
 一方、国土交通省の「不正」に関する解釈は違う。三菱自工については、(1)燃費を実際よりよく見せるためのデータの改ざん、(2)机上計算によるデータの補正、そして(3)惰行法による計測を行っていないことの3点が「不正」で、その中でも(1)が一番の問題だと指摘。
 また、スズキについては、(1) 机上計算によるデータの補正、(2) 惰行法による計測を行っていないことの2点が「不正」にあたると説明した。(引用者注:後述の2記事では(2) のみの不正と説明)
 これは、スズキが同日に配布した「国土交通省への報告について」というプレスリリースのなかで、「社内にて測定したデータについて調査したところ、燃費性能を偽る不正行為はございませんでしたが、四輪車の排出ガス・燃費試験業務について、国土交通省が定める規定と一部異なる取扱いがございました」という内容と食い違う。国土交通省の判断では、スズキが呼ぶ「同省が定める規定と一部異なる取扱い」、つまり先述の(2)を、「不正」と呼んでいる。
 結局、一連の事案において、三菱自工とスズキそれぞれが考える「不正」とは、型式認証を取り消す必要があるほどの「誤差の範囲を超えた、はっきりとした燃費の差が出る行為」だ。しかし、これはあくまでも両社それぞれが「勝手に設定した基準」に過ぎない>


●国もスズキには甘い?「悪意がなければ問題ない」論法で良いのか…

 ただし、同じダイヤモンド・オンラインの記事でも、国はスズキについては大きな問題ではないとして決着させようとしているという見方のものもありました。スズキ燃費不正、悪意は否定の“苦しい言い訳”|ダイヤモンド・オンライン(週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子、山本 輝 2016年5月23日)という記事ですが、タイトルに反してスズキのことはそれほど責めていない本文なんですよ。

<自動車産業を所管する国土交通省の姿勢も、対スズキと対三菱自とではまったく異なる。「三菱自の不正は、燃費の改ざん、机上計算、国のルールから外れた高速惰行法の3点セット。そのうち一番良くないのが燃費の改ざん。スズキの場合、高速惰行法のように方法が違っていたレベルに近い」(国交省自動車局)。三菱自が犯した三つの不正のうち、最も軽い罪に近いとでも言いたげだ。燃費不正問題を、三菱自固有の問題で収束させようとしているようにも見える>

 それから、日経ビジネスオンラインでスズキ謝罪会見、悪意も善意も不正は不正だ:日経ビジネスオンライン(島津 翔 2016年5月23日)という記事を見つけました。不正は不正でしょ?というタイトルの記事です。

<会見では、「燃費操作の意図はなかった」(本田治副社長)という動機面での釈明を繰り返したほか、対象者の処罰に関しては「燃費を良くしようと手を抜いたら問題。善意でやったというなら人情的に考える必要がある」(鈴木修会長)とした。まるで、「燃費操作という悪意」がなければ問題は小さいと言わんばかりである>


●研究不正問題と似ている正当化 同じ基準で比較しないことの問題も

 こういった悪意があるかないかを問題視するというのは、STAP細胞問題で有名になった研究不正問題とよく似ています。これについての私の考え方は、悪意あるなしを問題にすると不正の決定が曖昧になりいくらでも甘くできてしまうので、悪意の有無は一切考慮せず結果のみで判断すべきというもの。

 私は自動車の問題も同様のスタンスであり、悪意の有無は関係ないと思いますし、関係させてはいけないと思います。

 また、他社と違う測定方法を用いるということは、燃費比較の際に問題が生じるおそれがあります。同じ基準でやってくれないと、消費者は比較できません。記事では、スズキが他の企業と比べて得しているという指摘もありました。

<「悪意もない。燃費も正しいので消費者のデメリットもない。何が問題なのか」との意見もあるだろう。しかし、ルール違反の問題点は消費者への影響だけにあるのではない。
 理由は「ビジネスとしてフェアではない」ということに尽きる。スズキによれば、惰行法はばらつきの多い測定法で時間が掛かるから、安定したデータを取るために部品ごとに測定していたという。しかし、この条件は他の自動車メーカーも同じはずだ。スズキだけが計測時間の短縮につながる方法を選択しているのは、当たり前だが不公平で、値が正しいかどうかは関係ないのだ>

 さらに、これに関しては、そもそも日本の規定がおかしいがために、スズキは法令違反の測定をしたのでは?といった擁護もあります。スズキの不正を正当化するわけではありませんが、どうも日本の燃費測定の制度はいろいろと変なところがあるようです。この制度の不備については3記事とも共通して指摘していました。

 寝た子を起こすような真似をしたくない国は三菱自動車をスケープゴートにして終わらせたいようですが、国にも問題があるということを自覚して改善してもらいたいです。


●日産自動車は完成検査で不正

2017/10/03:最初目にしたときはスルーしていた、日産、無資格従業員が完成検査「自分は検査できると…」:朝日新聞デジタル(岡戸佑樹 2017年9月30日05時02分)というニュース。ただ、よくよく考えると、スズキと同じ種類の不正であり、良くないよなということで、ここにまとめました。

 記事によると、新車の出荷前に必要な完成検査を、無資格の従業員がしていたと発表。完成検査はブレーキの掛かり具合などを最終的に確認するもので、法律に基づき、各メーカーの認定を受けた検査員がしなければならないとなっていました。自動車の安全性に関わるものですので、これは当然必要でしょう。不要な制度とは思えません。

 日産自動車は、「検査自体はしているので安全性に問題はないと思う」という甘いことを言っていましたが、これは他社がやっていることをやらずに済んで儲けているとともに、安全軽視という意味でも問題があります。

 この記事の時点で対象は6万台でしたが、後に過去3年間に販売した約121万台に増加。国内全工場において、完成検査が資格を持たない者によって行われていたようです。関係者によると、資格を持つ正規の従業員が検査をしたように書類上、装っていた疑いがあるとのことで、悪気もあったかもしれません。

 なお、今回の問題は、国交省の抜き打ち検査で発覚しました。ただ、不正があったのが3年分だったことを考えると、検査が甘いか、検査の頻度が少ないという問題がありそうです。
(日産、121万台リコール=社長「心からおわび」-無資格検査、書類偽装の疑い:時事ドットコム(2017/10/03-00:39)より)


●日産、国の不正指摘・社長会見後も無資格検査を続けていた

2017/10/20:日産は前述の通り、「安全性に問題はないと思う」という安全軽視で反省のない発言をしていました。また、謝罪らしい謝罪をしなかったとも言われています。で、それに加えて、国の不正指摘のあり、社長が会見を行った後も、無資格検査を続けていたことが判明。国、社会、消費者を舐めきった態度です。完全にバカにされてますよ。

 朝日新聞によると、日産自動車が無資格の従業員に新車の検査をさせていた問題で、9月に国から指摘を受けた後も国内の完成車工場全6工場のうち4工場で、検査に無資格者が関わっていたとのこと。
(日産、全車両の出荷停止 国の不正指摘後も無資格検査:朝日新聞デジタル 伊藤嘉孝、青山直篤 2017年10月19日21時03分より)

 さらに、TBSPによれば、不正な検査は今月11日まで行われていました。日産は先月29日に不正検査の件を発表しており、会見後もやっていたということになります。また、「9月20日以降は全て登録して認定した検査員が行うという形になっている。100%そういう形」(日産自動車 西川廣人 社長、今月2日)と発表していたので、これも嘘だったということです。

 また、日産は18日時点では、事実を把握していながら公表していなかったということで、隠蔽も疑われます。とんでもないクズ企業ですね。
(日産 無資格検査、問題指摘後も“不正”続ける TBS NEWS 18日16時11分より)

 ただ、そういう話をしだすと、三菱自動車やスズキも良くないわけで、他に、日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正という話もやっています。ひどい企業で世の中はあふれているようです。


●スバルも無資格検査 でもそもそも制度がおかしい?

2017/11/08:同じ投稿に短期間で何度も追記はしたくないのですが、またすごい話があったので。でもその前に、面倒で追記しなかった話。例えば、スバルも無資格検査をやっていたというニュースがありました。

 また、無資格検査でも安全性は問題ないという指摘が結構出ていました。ガラパゴスで無駄な制度になっているってことですね。同様に、燃費不正のときにも、そもそも日本のおかしい燃費の計測方法が悪いという指摘がありました。

 制度の問題というのはその通りであれば、日本政府を大いに叩くべきだと思います。ただし、政府が悪いからと言って、日産やスバルが悪くないとは言えません。日本政府も日産もスバルもみな悪いというのはあり得る話なのに、どちらか片方だけ悪いという話になりやすいですね。

 なぜ日産やスバルも悪いかと言うと、何度も書いているように、不正によって他社より儲けることができました。不正を行う企業が儲けて、ルールを守る企業が苦しむとなると、悪徳企業ばかり生き残ることになります。まあ、最近の各業界での不正連発やブラック企業の多さを見ると、すでにそうなっちゃっている感じもあるんですが…。
(関連:日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正)


●日産、完成検査員試験で不正と隠蔽工作

 で、書きたかった話なのですが、日産が完成検査員になるための試験でも不正を行っていたということ。講師が試験内容を事前にもらしたり、解答案を事前に示したりするケースが見つかってしまいました。日産の無法っぷりがすごいですね。
(日産、検査員試験で不正 試験内容漏洩、解答案の提示も:朝日新聞デジタル 石山英明 2017年11月7日07時22分より)

 さらに日産がすごいのは、こうした不正の隠蔽のために「一部はわざと間違えろ」と指示していたということ。満点続出だとまずいと考えたのでしょう。工作を行っていました。
(日産、検査員試験でも不正 「一部はわざと間違えろ」:朝日新聞デジタル(青山直篤、伊藤嘉孝 2017年11月8日05時11分)より)

 無駄な検査だから不正でもOK…がまずそうなのは、そのような不正を行う企業は他の本当に必要なところでも不正を行っている可能性が高いのではないかと想像されることです。これは、小さな嘘・不正が大きな嘘・不正に繋がる、研究で確かめられるでやっています。

 なので、今後、日産でより大きな問題が見つかったとしても、不思議ではないと考えられます。


●燃費不正・排ガス不正が連続で判明のスバル、「企業風土根っこ」と吉永泰之社長

2018/06/07:スバル、新たな不正を発表 出荷前の排ガスと燃費で:朝日新聞デジタル(高橋克典 2018年6月6日01時00分)というタイトルを見てあれ?と思いました。私はその前の不正というのも知りませんでした。

 記事によると、2018年3月に排ガス・燃費データの改ざんを公表し、4月に国土交通省に再発防止策を報告していました。ところが、その後新たな不正が見つかります。排ガスや燃費のデータを測定する部屋の湿度が同法が定める基準外だったのに、有効な測定値と処理した不正も見つかったそうです。

 別記事によると、3月のときの会見では、改ざんの疑いがあった燃費に加え排ガスの測定値も書き換えていたことが判明したことについて、吉永泰之社長は「大きな問題。根っこは企業風土にある」と話していたとのこと。これはその前に書いた不正をやっている企業は、他でもやっている可能性が高いという話に繋がるものでした。
(スバル、排ガス測定値も改ざん 社長「企業風土根っこ」:朝日新聞デジタル 木村聡史、森田岳穂 2018年3月2日23時03分より)


●スズキがCO2排出量を小さくする改ざん、全く叩かれず

2018/10/08:スズキは悪くないみたいな話が多かったものの、ボロクソですね。今度は、スズキの自動車の燃費や排ガスの測定検査で、二酸化炭素(CO2)の排出量を意図的に小さくするなどの不正な改ざんが2737台で新たに見つかっていました。これははっきりと性能を良く見せかけるものであり、燃費や完成検査より悪質な不正でした。間違いなく悪でしょう。
(スズキ、改ざん新たに2737台 国交省批判、再発防止指示 | 共同通信 - This kiji is 2018/9/26 20:32より)

 ただ、なぜか三菱自動車のようには叩かれずひっそりとした感じ。全然話題になっていませんでした。スズキ、CO2関係のはてなブックマークで一番多いのは上記の記事ですけどわずか17。はてなブックマークで1日の上位の記事は数百であり、全く話題になっていないというレベルです。

 私は「三菱自動車はやはり悪かった」と考えていて擁護するつもりはないものの、スズキとの温度差を考えるとかわいそうな気はします。


●むしろ一番悪質だったスズキ 証拠を破棄し隠蔽・組織的な改竄など

2019/04/14:スズキは、出荷前の自動車や二輪車の検査データの改ざんに関する調査報告書を国土交通省に提出しました。報告書では、国の指摘で前年に発覚していた自動車の排ガスや燃費の測定データの改ざんに加え、ブレーキなど安全性能にかかわる検査での不正や、無資格の検査員が単独で最終検査をしていたことが新たに判明。

 初回の車検を受けていない対象車について、今後リコール(回収・無償修理)を国交省に届け出すとのこと。対象は約200万台で、費用は800億円程度にのぼる見通しだといいます。
(スズキ、200万台リコール 費用800億円見込む:朝日新聞デジタル 木村聡史 2019年4月12日17時13分より)

 スズキは国土交通省の調査に対し、無資格検査は「なかった」と当初説明していました。ところが、国内3工場が組んで無資格検査を隠蔽していたことが判明。不正の証拠となる資料を破棄し、改ざんした資料を作っていた他、検査員になるための試験中に試験官が解答を教えていたことも判明しています。先に判明した日産自動車やスバルに比べて悪質性が高い不正だと指摘されています。

 これを含めて、ブレーキなど安全性能にかかわる検査データの改ざんや無資格検査に広がり、組織的な隠蔽や、検査で不合格にすべき車を合格にしていたとも書かれていました。
(不合格でも「これぐらいなら」 スズキ、深刻な不正蔓延:朝日新聞デジタルより)

 今回の件で、「スズキのは不正しててもスペックはカタログ以上とか最初は言ってたのにな。隠蔽体質だっただけか。どこよりも悪質じゃん」という反応もあったのですけど、ニュースの扱いは小さく関心も低め。三菱自動車があれだけ叩かれたのは何だったのか?という…。これじゃ不正を隠したもの勝ちといった感じ。日本企業の不正の隠蔽がますます進んでしまいそうです。


●スズキは本社も不正を把握と国が指摘 制裁金は過去最悪の可能性

2019/07/12:何度も追記して長くなってしまっており申し訳ないんですが、もう一つ重要そうなニュースがあり追記。「スズキ、不正を本社も把握」 国交省指摘  :日本経済新聞(2019/6/7 17:34)という記事についてです。

 国土交通省の再発防止勧告では、無資格者による検査が疑われる内容が現場から本社に報告され把握していたにもかかわらず、現場任せにしていたと指摘。本社が把握していたと判断したのは、完成検査のチェックシートから、工場から本社の製造本部長に報告されていたことがわかるためだそうです。

 一方、スズキの鈴木俊宏社長は、本社が不正の可能性を把握していたということについて「理解が違っている」と反論。そのうえで、「製造本部長まで報告があがっていたかどうか、私は把握していない」としていました。というか、これはこれで未だに調査していないの?という疑問が出てくるんですけど…。

 また、スズキが一番悪質だったかどうかはともかく、悪質性が高いと認定した655台を巡っては道路運送車両法に基づいて過料を適用するよう静岡地裁に通知されており、過料(制裁金)の対象となる台数としては過去最大となる可能性があるとも説明されていました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■三菱自動車の燃費測定、ほぼすべての車種で法令違反 「惰行法」ではなく「高速惰行法」で測定
  ■日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正
  ■小さな嘘・不正が大きな嘘・不正に繋がる、研究で確かめられる

【その他関連投稿】
  ■何年経ってもこの恨みは忘れない!トヨタ自動車と住友銀行の因縁
  ■あのトヨタすら頼ったAI半導体王者エヌビディア、テスラに負けた?
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