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日産、検査員試験で不正と隠蔽工作 スズキ燃費不正も三菱自動車同様に問題な理由


 同じ燃費不正でも、マスコミはスズキと三菱自動車で扱いに差があるという話。スズキは三菱自動車と違って、不正によって得していないという見方もあるのですが、これは誤解です。本来の検査方法を行わないことで、その検査方法に必要な設備投資を免れており、実はスズキもしっかり不正によって稼いでいました。(2016/5/24)

 スズキ以上に話題になっていないものの、この本来必要な正しい検査を行わなかったというケースが、燃費不正後に三菱自動車に出資した日産自動車でもありました。この話も追記しています。(2017/10/03)

2017/10/20:
日産、国の不正指摘・社長会見後も無資格検査を続けていた
2017/11/08追記:
スバルも無資格検査 でもそもそも制度がおかしい?
日産、完成検査員試験で不正と隠蔽工作


●マスコミはスズキと三菱自動車で扱いに差

2016/5/24:スズキも燃費データで違反?正しい燃費と差なしでも批判的な反応が大勢を書いたときにネットの反応を見たら概ね批判的な感じでしたので、そういう流れかと思いました。

 ところが、その後のマスメディアの記事を見ていると、スズキの言い分をそのまま転載したものか、スズキは悪くないといった論調が大半でした。かなり扱いが異なります。

 無論三菱自動車の方が悪質なのは間違いないのですが、スズキの測定部分での違法行為そのものは三菱自動車のやった間違いの一つとよく似ています。

 そして、三菱自動車の燃費測定、ほぼすべての車種で法令違反 「惰行法」ではなく「高速惰行法」で測定で書いたように、三菱自動車でも測定方法の違いによる燃費への影響は軽微でした。

 なので、私は測定方法の違いでも三菱自動車が叩かれたのだから、スズキだって問題なしとは言えないという立場だったのですが、そうでもないみたいですね。ダブルスタンダード的でイマイチすっきりしません。


●スズキは三菱自動車と違って不正ではない?

 そもそも三菱自動車の複数ある不正とスズキの不正に関しては、整理できていない人が多いのかもしれません。ここらへんをわかりやすく書いている記事がありましたので、ご紹介。
三菱自・スズキと国で「不正」の認識が食い違う理由|エコカー大戦争!|ダイヤモンド・オンライン  桃田健史 [ジャーナリスト] 2016年5月23日

 三菱自工は軽自動車4車種については「不正事案」と呼ぶが、それ以外で現在発売されている9車種に関する「事案」については「不正」という言葉を使わないようにしている。

 一方、国土交通省の「不正」に関する解釈は違う。

 三菱自工については、(1)燃費を実際よりよく見せるためのデータの改ざん、(2)机上計算によるデータの補正、そして(3)惰行法による計測を行っていないことの3点が「不正」で、その中でも(1)が一番の問題だと指摘。

 また、スズキについては、(1) 机上計算によるデータの補正、(2) 惰行法による計測を行っていないことの2点が「不正」にあたると説明した。(引用者注:後述の2記事では(2) のみの不正と説明)

 これは、スズキが同日に配布した「国土交通省への報告について」というプレスリリースのなかで、「社内にて測定したデータについて調査したところ、燃費性能を偽る不正行為はございませんでしたが、四輪車の排出ガス・燃費試験業務について、国土交通省が定める規定と一部異なる取扱いがございました」という内容と食い違う。国土交通省の判断では、スズキが呼ぶ「同省が定める規定と一部異なる取扱い」、つまり先述の(2)を、「不正」と呼んでいる。

 結局、一連の事案において、三菱自工とスズキそれぞれが考える「不正」とは、型式認証を取り消す必要があるほどの「誤差の範囲を超えた、はっきりとした燃費の差が出る行為」だ。しかし、これはあくまでも両社それぞれが「勝手に設定した基準」に過ぎない。

●国も問題収束を急ぐ?

 ただし、同じダイヤモンド・オンラインの記事でも、国はスズキについては大きな問題ではないとして決着させようとしているという見方のものもありました。

 スズキ燃費不正、悪意は否定の“苦しい言い訳”|ダイヤモンド・オンライン(週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子、山本 輝 2016年5月23日)という記事ですが、タイトルに反してスズキのことはそれほど責めていない本文でした。
 自動車産業を所管する国土交通省の姿勢も、対スズキと対三菱自とではまったく異なる。「三菱自の不正は、燃費の改ざん、机上計算、国のルールから外れた高速惰行法の3点セット。そのうち一番良くないのが燃費の改ざん。スズキの場合、高速惰行法のように方法が違っていたレベルに近い」(国交省自動車局)。三菱自が犯した三つの不正のうち、最も軽い罪に近いとでも言いたげだ。燃費不正問題を、三菱自固有の問題で収束させようとしているようにも見える。

●悪意がなければ問題ない?

 それから、日経ビジネスオンラインで以下のような記事を見つけました。不正は不正でしょ?というタイトルの記事です。
スズキ謝罪会見、悪意も善意も不正は不正だ:日経ビジネスオンライン 島津 翔 2016年5月23日(月)

 会見では、「燃費操作の意図はなかった」(本田治副社長)という動機面での釈明を繰り返したほか、対象者の処罰に関しては「燃費を良くしようと手を抜いたら問題。善意でやったというなら人情的に考える必要がある」(鈴木修会長)とした。

 まるで、「燃費操作という悪意」がなければ問題は小さいと言わんばかりである。

●研究不正問題と似ている悪意の有無の強調

 こういった悪意があるかないかを問題視するというのは、STAP細胞問題で有名になった研究不正問題とよく似ています。

 これについての私の考え方は、悪意あるなしを問題にすると不正の決定が曖昧になりいくらでも甘くできてしまうので、悪意の有無は一切考慮せず結果のみで判断すべきというもの。

 私は自動車の問題も同様のスタンスであり、悪意の有無は関係ないと思いますし、関係させてはいけないと思います。


●同じ基準で比較しないことの問題

 また、他社と違う測定方法を用いるということは、燃費比較の際に問題が生じるおそれがあります。同じ基準でやってくれないと、消費者は比較できません。

 記事では、スズキが他の企業と比べて得しているという指摘もありました。
 「悪意もない。燃費も正しいので消費者のデメリットもない。何が問題なのか」との意見もあるだろう。しかし、ルール違反の問題点は消費者への影響だけにあるのではない。

 理由は「ビジネスとしてフェアではない」ということに尽きる。スズキによれば、惰行法はばらつきの多い測定法で時間が掛かるから、安定したデータを取るために部品ごとに測定していたという。しかし、この条件は他の自動車メーカーも同じはずだ。スズキだけが計測時間の短縮につながる方法を選択しているのは、当たり前だが不公平で、値が正しいかどうかは関係ないのだ。

 さらに、これに関しては、そもそも日本の規定がおかしいがために、スズキは法令違反の測定をしたのでは?とも考えられます。

 スズキの不正を正当化するわけではありませんが、どうも日本の燃費測定の制度はいろいろと変なところがあるようです。この制度の不備については3記事とも共通して指摘していました。

 寝た子を起こすような真似をしたくない国は三菱自動車をスケープゴートにして終わらせたいようですが、国にも問題があるということを自覚して改善してもらいたいです。


●日産自動車は完成検査で不正

2017/10/03:最初目にしたときはスルーしていた、日産、無資格従業員が完成検査「自分は検査できると…」:朝日新聞デジタル(岡戸佑樹 2017年9月30日05時02分)というニュース。ただ、よくよく考えると、スズキと同じ種類の不正であり、良くないよなということで、ここにまとめました。

 記事によると、新車の出荷前に必要な完成検査を、無資格の従業員がしていたと発表。完成検査はブレーキの掛かり具合などを最終的に確認するもので、法律に基づき、各メーカーの認定を受けた検査員がしなければならないとなっていました。自動車の安全性に関わるものですので、これは当然必要でしょう。不要な制度とは思えません。

 日産自動車は、「検査自体はしているので安全性に問題はないと思う」という甘いことを言っていましたが、これは他社がやっていることをやらずに済んで儲けているとともに、安全軽視という意味でも問題があります。

 この記事の時点で対象は6万台でしたが、後に過去3年間に販売した約121万台に増加。国内全工場において、完成検査が資格を持たない者によって行われていたようです。関係者によると、資格を持つ正規の従業員が検査をしたように書類上、装っていた疑いがあるとのことで、悪気もあったかもしれません。

 なお、今回の問題は、国交省の抜き打ち検査で発覚しました。ただ、不正があったのが3年分だったことを考えると、検査が甘いか、検査の頻度が少ないという問題がありそうです。
(日産、121万台リコール=社長「心からおわび」-無資格検査、書類偽装の疑い:時事ドットコム(2017/10/03-00:39)より)


●日産、国の不正指摘・社長会見後も無資格検査を続けていた

2017/10/20:日産は前述の通り、「安全性に問題はないと思う」という安全軽視で反省のない発言をしていました。また、謝罪らしい謝罪をしなかったとも言われています。で、それに加えて、国の不正指摘のあり、社長が会見を行った後も、無資格検査を続けていたことが判明。国、社会、消費者を舐めきった態度です。完全にバカにされてますよ。

 朝日新聞によると、日産自動車が無資格の従業員に新車の検査をさせていた問題で、9月に国から指摘を受けた後も国内の完成車工場全6工場のうち4工場で、検査に無資格者が関わっていたとのこと。
(日産、全車両の出荷停止 国の不正指摘後も無資格検査:朝日新聞デジタル 伊藤嘉孝、青山直篤 2017年10月19日21時03分より)

 さらに、TBSPによれば、不正な検査は今月11日まで行われていました。日産は先月29日に不正検査の件を発表しており、会見後もやっていたということになります。また、「9月20日以降は全て登録して認定した検査員が行うという形になっている。100%そういう形」(日産自動車 西川廣人 社長、今月2日)と発表していたので、これも嘘だったということです。

 また、日産は18日時点では、事実を把握していながら公表していなかったということで、隠蔽も疑われます。とんでもないクズ企業ですね。
(日産 無資格検査、問題指摘後も“不正”続ける TBS NEWS 18日16時11分より)

 ただ、そういう話をしだすと、三菱自動車やスズキも良くないわけで、他に、日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正という話もやっています。ひどい企業で世の中はあふれているようです。


●スバルも無資格検査 でもそもそも制度がおかしい?

2017/11/08:同じ投稿に短期間で何度も追記はしたくないのですが、またすごい話があったので。でもその前に、面倒で追記しなかった話。例えば、スバルも無資格検査をやっていたというニュースがありました。

 また、無資格検査でも安全性は問題ないという指摘が結構出ていました。ガラパゴスで無駄な制度になっているってことですね。同様に、燃費不正のときにも、そもそも日本のおかしい燃費の計測方法が悪いという指摘がありました。

 制度の問題というのはその通りであれば、日本政府を大いに叩くべきだと思います。ただし、政府が悪いからと言って、日産やスバルが悪くないとは言えません。日本政府も日産もスバルもみな悪いというのはあり得る話なのに、どちらか片方だけ悪いという話になりやすいですね。

 なぜ日産やスバルも悪いかと言うと、何度も書いているように、不正によって他社より儲けることができました。不正を行う企業が儲けて、ルールを守る企業が苦しむとなると、悪徳企業ばかり生き残ることになります。まあ、最近の各業界での不正連発やブラック企業の多さを見ると、すでにそうなっちゃっている感じもあるんですが…。
(関連:日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正)


●日産、完成検査員試験で不正と隠蔽工作

 で、書きたかった話なのですが、日産が完成検査員になるための試験でも不正を行っていたということ。講師が試験内容を事前にもらしたり、解答案を事前に示したりするケースが見つかってしまいました。日産の無法っぷりがすごいですね。
(日産、検査員試験で不正 試験内容漏洩、解答案の提示も:朝日新聞デジタル 石山英明 2017年11月7日07時22分より)

 さらに日産がすごいのは、こうした不正の隠蔽のために「一部はわざと間違えろ」と指示していたということ。満点続出だとまずいと考えたのでしょう。工作を行っていました。
(日産、検査員試験でも不正 「一部はわざと間違えろ」:朝日新聞デジタル(青山直篤、伊藤嘉孝 2017年11月8日05時11分)より)

 無駄な検査だから不正でもOK…がまずそうなのは、そのような不正を行う企業は他の本当に必要なところでも不正を行っている可能性が高いのではないかと想像されることです。これは、小さな嘘・不正が大きな嘘・不正に繋がる、研究で確かめられるでやっています。

 なので、今後、日産でより大きな問題が見つかったとしても、不思議ではないと考えられます。


【本文中でリンクした投稿】
  ■スズキも燃費データで違反?正しい燃費と差なしでも批判的な反応が大勢
  ■三菱自動車の燃費測定、ほぼすべての車種で法令違反 「惰行法」ではなく「高速惰行法」で測定
  ■日本企業の不正事件 神戸製鋼データ改ざん、東洋ゴムの免震ゴム不正、日産、三菱自動車やスズキの燃費不正
  ■小さな嘘・不正が大きな嘘・不正に繋がる、研究で確かめられる

【その他関連投稿】
  ■三菱自に続き日産も 韓国で排ガス不正ソフト…も捏造疑う陰謀論
  ■何年経ってもこの恨みは忘れない!トヨタ自動車と住友銀行の因縁
  ■電気自動車に未来はない トヨタMIRAI開発者がテスラなどの急速充電EV批判
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