2021/06/12;
●世界一のスーパーなのに!ウォルマートの本社はど田舎で簡素なビル 【NEW】
●企業の本社は東京より地方の方がメリットが大きい…本当なのか?
2016/6/4:アイリスオーヤマ大山健太郎社長の話でおもしろい!と思ったのが、「企業の本社は東京より地方の方がメリットが大きい」という本社所在地の話です。ただし、「地方再生についての考えを教えてほしい」という質問に回答した以下の部分は特に大きなメリットだとは思えず、正直説得力を感じませんでした。
大山健太郎社長 <僕は、「少子化と人手不足が地方を元気にする」と考えているのです。成熟した社会に生まれた人たちが多くなり、豊かさについての考え方が変わる。つまり豊かさは金ではない、と考える人が増える。情報化も進み、自分の人生を豊かに暮らしたいと考えれば地方に住むようになります。
一人っ子の長男や長女が東京に出て行くのは仕事や、やりたい業種が地方にはないからです。給料も東京の方が少し高い。
だが一方で、通勤に片道1時間半、つまり、1日3時間もかかる。一番しんどいのはこれです。地方ならば4~5万円で家を借りてクルマで20分もあれば通えるのに、東京ではそうはいかない。
だから東京では、子どもを一人産むのさえ大変です。これは夫婦の問題ではなく、置かれている状況の問題です>
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アイリスオーヤマが東京に本社を置かず、株式上場もしない理由|アイリスオーヤマ社長 大山健太郎|ダイヤモンド・オンライン 大山健太郎 [アイリスオーヤマ社長] 2016年4月25日 (構成/ライター 船木春仁)より)
●アマゾンやスターバックスなど…アメリカでは大都会以外に本社がある
ただ、この考え方もバッサリ切り捨てることもできないかも…と思ったのが、アメリカの例を出していたことです。アメリカでは、実際、大都会以外に本社があるらしいとのこと。日本では考えられませんね。これを考えると、「もう少し長期的に考えてみると、企業の本社なども東京である必要はなくなると思う」としていました。
大山健太郎社長 <例えばアメリカを考えてみてください。金融機関などの本社は確かにニューヨークにあるけれど、現在のアメリカ経済を牽引しているアマゾンやスターバックス、コストコ、そしてボーイングなどは全部、本社はシアトルにあります。なぜかと言えば、シアトルは気候や都市機能などでアメリカのなかで最も住みやすい町だからなのです。
つまり人が住みやすい町に本社が移されている。企業が主語なのではなく、働く人が主語になっている。日本とは真逆です。アメリカでは働き方ですでに「主語の逆転」が起きているし、それが成熟した社会の豊かさや価値観の変化そのものなのです>
●シリコンバレーなんかは特別…アメリカの特殊性ゆえで一般論にできない?
ただ、上記には別の理由があるかもしれません。例えば、シアトルに本社が多い時点で、それは大きなメリットになっています。シリコンバレーなんかもそうですね。過ごしやすい気候の田舎ならどこでも…とはならなそうです。また、アメリカはもともと日本とは全く違う地方の独立性が高い国だというのもあるかもしれません。
このようなことを考えると、たとえ日本で地方が活性化したとしても、一部の中核都市に限られるのでは?と思いました。大山健太郎社長も「それは飽くまで地方の拠点都市の活性化に限られるのでは?」という趣旨の質問に対して、
過疎地域が衰退するのは変わらないと答えています。
大山健太郎社長 <限界集落や過疎地はなくならないし、より過疎化するでしょう。(中略)仙台や札幌などの拠点都市を整備して中枢都市にしていけば東京一極集中ではなく、地方分散型の一極集中に変わり、働く場も生まれます>
あと、東京都などの都会での暮らしづらさの問題はある程度今後緩和される可能性もあるんですよね。もちろん人口減は過疎地の方でダメージが大きいのですが、都会でもある程度影響が出てきます。
マイホーム・住宅を買うなら都心か郊外か?通勤時間だけが問題じゃないでやったように、ベッドタウンでは既に寂れてきているところがありました。
大山社長の話に関しては、後半いろいろと文句をつけてしまうような形になっちゃいましたが、シアトルの例そのものはおもしろく、調べてみる価値があると思います。
●世界一のスーパーなのに!ウォルマートの本社はど田舎で簡素なビル
2021/06/12;別の投稿で使った話なのですが、世界一のスーパーであるウォルマートはなんとめちゃくちゃ田舎に本社があり、なおかつ建物も大したことがないというのです。これは、ウォルマートに買収されたスーパーの西友の平林浩美執行役員SVP(シニアバイスプレジデント)が買収されて驚いたことを聞かれて、答えたものでした。
平林浩美執行役員 <本社があるベントンビルに行ったら何もなかったことです(笑)。2002年12月に、初めてベントンビルに行ったのです。私たちがテレビで見るのはもっぱらニューヨークやサンフランシスコで立派な街がありますよね。ベントンビルにはダラス経由で行くのですが、ローカル線に乗り換えたとき、飛行機が小さいのにまずびっくりしました。
その飛行機が空港に降りていくのですが街なんて何も見えなくて牛しかいない(笑)。10年ちょっと前のベントンビルは本当に田舎の村でした。さらにその田舎にあるウォルマート本社の簡素さにも驚かされました。天下のウォルマートのヘッドクォーターなんだから、どんなビルが建っているのかと思っていたら普通の平屋だったのですよね。「ここが本当にあのウォルマートの本社なの」みたいな>
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西友とウォルマートが“融和”できた理由:日経ビジネスオンライン(谷島 宣之 中村 建助 2016年5月2日(月))より)
こうなると、シリコンバレーやシアトルみたいな特殊事情とは言えなくなってしまいます。おもしろいですね。なぜ地方都市が良いのか?といったところはテーマではないために全然なかった話なのですが、とりあえず、アメリカではマジで何もない地方都市に超巨大企業の本社がある…ということがわかった例でした。
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