人種差別関連の話をまとめ。<劇的ビフォーアフターで黒人が白人に!中国やDoveが人種差別広告>、<通訳がアフリカ選手をチンパンジー呼ばわり…悪気なかったと弁解>、<大坂なおみに必要なものは漂白剤、あの人日焼けしすぎやろ!>などをまとめています。
冒頭に追記
2022/08/29追記:
●先生が突如中国・韓国批判!大学の人種差別・レイハラが増加中 【NEW】
【クイズ】Doveなどのブランドを持つユニリーバに関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)紅茶のブランド「リプトン」を所有していたが、ブランド数を絞り込むため2011年に手放した。
(2)商号の「ユニリーバ」は合併した二社の社名の一部を合わせたもの。
(3)本拠地は以前オランダにあったが、現在はイギリスにある。
●先生が突如中国・韓国批判!大学の人種差別・レイハラが増加中
2022/08/29追記:「レイシャルハラスメント」「レイハラ」というものがあるそうです。人種や国籍の違いを理由とした嫌がらせという意味。そもそも「レイシャル」というのが、英語の授業でも習った覚えがない単語ですね。辞書を見ると、「racial」というつづりで、「人種の、民族の、人種間の」といった意味だそうです。
このレイハラを知ったのは、
大学にも潜む「レイハラ」 京都の外国籍学生が受けた嫌がらせとは|京都新聞(2022年5月29日 7:00 中塩路良平)という記事でした。タイトルでは「大学にも」とあるものの、むしろ大学の方が外国人と接する機会が多いため、レイハラも発生しやすい可能性を感じます。
<(引用者注:京都は)1万人以上(2020年時点)の外国人が学ぶ「大学の街」だが、被害当事者は「よそ者を受け入れない空気が一部にある」と感じるという>
外国人差別問題に詳しい同志社大の板垣竜太教授(文化人類学)によると、大学内でのレイハラを多く耳にするようになったのは10年ほど前からで、最近の現象という説明。教員が授業のテーマとは無関係に韓国や中国を批判したり、在日コリアンに対する差別的な意見を授業で紹介したりする例があったそうです。
ということで、これは教員が加害者の例。また、内容的にはいわゆるネトウヨさんの典型的な主張ですので、こうなると、やはりネトウヨが活発になりだした最近の傾向という感じですかね。うちでやったものでは、
蓮舫は華僑で女工作員ツイートの琉球大准教授は近藤了嗣 経歴・学歴は?や
伊藤隆太・広島大特任助教、人種差別投稿繰り返し解雇求められるが近い話です。
Chinese detergent brand Qiaobi ad - YouTube (2019/02/16:削除されました)
●劇的ビフォーアフターで黒人が白人に!中国やDoveが人種差別広告
2016/6/4:中国のCMが信じられないほど差別的だと話題になっていました(2019/02/16:動画が削除されちゃったのですけど、確か黒人が洗濯されて、別の人種に変わるといったコマーシャルだったと思います)。
「中国、これはマジなのか?」洗剤CMが人種差別だと批判を浴びる…海外の反応:らばQ(2016年05月28日 20:16)によると、海外では似たネタのコマーシャルをいろいろと貼っていました。中国以外でもあるようです。
Arijec - YouTube (2019/02/16:こちらも削除されました)
ただ、チェコのものだという上記のコマーシャルも90年代のもの。欧米もいつか来た道ではあるものの、さすがに最近はありません。…と思っていたら、あのユニリーバのダヴ (Dove) が比較的最近(おそらく2011年)でもやっていました。
中国などの発展途上国はよく叩かれているものの、先進国と比較するのはアンフェアなところがあります。先進国の場合はさっきの動画などの失敗を積み重ねてやっと今の姿になりました。正当化してしまうのもマズイものの、中国のような国のこのような失敗はあり得るだろうと容易に想像できます。
一方、ユニリーバのような代表的なグローバル企業がやらかすってのは、それこそ本当に信じられません。なぜこの広告が通ったのか?と、ちょっと考えられない感じがあります。
このダヴ (Dove) の件は、
5大有名「人種差別CM」に学ぶ:日経ビジネスオンライン(坂口 孝則 2016年6月1日)という記事で知りました。
<これは、今回の中国企業ともっとも近いものかもしれない。詳しくは、「Dove before/after racist」とでも検索すればよい。Doveは説明するまでもなく、ボディウォッシュ等で有名なユニリーバのブランドで、私も愛用している。
どのような広告かというと、左にbeforeと右にafterなる文字がポスター上に書かれており、その下に3人のバスタオルを巻きつけた女性が立つ。そして、左から右になるにつれて、黒人女性から、白人女性へと変わっていく。まるで、ボディウォッシュで肌まで白くなるかのようだ。
さらに「more beautiful skin」とも書かれているから、まるで白人女性の方が美しいかのような書き方だ。しかも、これは意図的かどうかわからないものの、左から右に移るにつれて、女性の体形もスリムになっている。
しばらく考え、これを善意的に解釈しようとしても、やはり人種差別的なニュアンスしか感じられなかった>
●有名ブランド多数!差別広告のユニリーバとはどういう会社か?
正直このユニリーバは私にとって印象が薄い会社だったのですが、今回の件でWikipediaを見るとかなりユニークでした。Wikipedia自体も内容は薄いのですが、それでもいろいろとおもしろいところがあるのです。まず、知らなかったのは2社が合併してできた会社であるということでした。
ユニリーバ - Wikipedia<1890年代、イギリスのウィリアム・ヘスケス・リーバ卿が始めた、石けん会社「リーバ・ブラザーズ (Lever Brothers)」と、オランダのマーガリン会社「マーガリン・ユニ (Margarine Unie)」が、1900年代初頭のパーム油不足を背景に、1930年経営統合(商号を「ユニリーバ」に統一し、蘭英両本社の取締役会を同一人物で構成)して発足した>
蘭英両本社という話があるように、おもしろいのが両方同格だということです。こういう形態もあるんですね。
<ユニリーバ(Unilever N.V./Unilever PLC、蘭/英)は、食品、洗剤、ヘアケア、トイレタリーなど家庭用品メーカーであり、オランダとイギリスに本拠を置く多国籍企業。ダヴやリプトンなとの著名なブランド日用品を世界的に製造・販売するグローバル企業である。 一般消費財メーカーとしては、プロクター・アンド・ギャンブル、ネスレにつぎ世界3位。
二元上場会社であり、ロッテルダムにユニリーバNV、ロンドンにユニリーバPLCの2つの法人がある>
【クイズ】Doveなどのブランドを持つユニリーバに関する説明で正しいものはどれでしょう?
(1)紅茶のブランド「リプトン」を所有していたが、ブランド数を絞り込むため2011年に手放した。
(2)商号の「ユニリーバ」は合併した二社の社名の一部を合わせたもの。
(3)本拠地は以前オランダにあったが、現在はイギリスにある。
【答え】(2)商号の「ユニリーバ」は合併した二社の社名の一部を合わせたもの。
クイズの選択肢で出てきたブランド数を絞り込んでいるという話も本当ですが、リプトンは健在。また、Dove(ダヴ)以外に、LUX(ラックス)、モッズ・ヘア、ティモテといった私でも聞いたことのある有名ブランドを所有しています。2011年の売上高は、約464億6700万ユーロというちょっとイメージできない大きさの金額。今のレートなら5.6兆円だそうです。
でも、こういう先進的な感じの企業が前述のようなことをやっちゃうんですからね。何度も言いますが、本当信じられません。
●変わるユニリーバ…消費者の好みの変化を反映して完全撤退へ
2022/01/29追記:「変わるユニリーバ」と書くと、人種差別意識が変わったのかな?と思ったかもしれませんけど、そうではなく事業内容が変化するという話。当初、クイズの選択肢にしていた<紅茶のブランド「リプトン」を所有していたが、ブランド数を絞り込むため手放した>が現実になるみたいですね。
英ユニリーバ、「リプトン」売却 紅茶から撤退:時事ドットコム(2021年11月19日)によると、ユニリーバは2021年11月18日、「リプトン」などのブランドで世界展開する紅茶事業を英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに45億ユーロ(約5800億円)で売却すると発表していたそうです。
この件は私は2022年1月末のツイッターの「リプトンのミルクティーがなくなる」という騒ぎで知ったのですが、前年11月の報道を見る限り、ブランドそのものは継続する可能性が高そう。おそらく投資ファンドがブランドをしばらく保持して価値を高めるか、他の食品会社などに転売するかするのだと思われます。
また、撤退理由なのですが、紅茶需要は伸び悩んでおり、今後も収益の大幅な拡大を見込めないと判断したためとの説明。さらに1年ほど前の2020年1月31日にも、
「リプトン」売却も、ユニリーバが紅茶人気衰退で検討 - Bloombergという記事が出ており、以前から検討されていてついに…ということだったようです。
<ユニリーバは年間30億ユーロ(約3600億円)前後の売上高を稼ぐグローバル紅茶事業の見直しに着手した。この対象には一世紀余りの歴史を持つリプトンも含まれる。ユニリーバは2019年10-12月(第4四半期)の中核事業売上高が10年ぶりの低い伸びにとどまっていた。
消費者の好みがコーヒーに移っていることも背景にある。(中略)
食品販売業界の専門誌、英グローサーによると、2018年5月までの12カ月間に英国で飲まれた紅茶は前年に比べ約9億杯減少した。コーヒー党でない人々ですらも、イングリッシュブレックファストやアールグレイなど伝統的な紅茶ではなくハーブティーをより好むようになっている。
ユニリーバのグレーム・ピットケスリー最高財務責任者(CFO)は、紅茶需要は「消費者志向の変化により、先進国市場では数年にわたり減速を続けている」と電話会議で説明。戦略の見直しでは「完全売却や部分売却などあらゆる選択肢を含めた可能性」を検討すると語った>
●通訳がアフリカ選手をチンパンジー呼ばわり…悪気なかったと弁解
2019/02/16:どこに追記するか迷ってこちらに。別府大分毎日マラソン大会で通訳を務めた50代の女性ボランティアが、アフリカからの招待選手についてブログで「チンパンジー」などと表現していたことがわかりました。
・「原始人とコミュニケーションをしている感覚でした」
・「最初はシャイだったチンパンジー達も、だんだんと心を開いてくれました」
・選手と一緒に写っている画像には「かわいいチンパンジー達」と説明。
(アフリカ選手を「チンパンジー」呼ばわり 通訳がブログで 2019年2月15日 18時36分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190215/k10011816071000.html
女性は「差別的な気持ちも悪気もなかった」と説明。セクハラなどもそうなのですけど、こういうのは本人が意図してやっていることはあまりありません。ナチュラルに差別しているので、差別だと気づかないのです。「私は差別はしない。ただ、(ある人種を差す侮辱用語)の問題は深刻だ」などと、真顔で人種差別用語を使う人もしばしばいます。
renu “差別的な気持ちも悪気もなかった” そうそう、差別ってだいたいは悪意なしに使われる。それが差別だと理解してないから。
dollarss 差別意識も悪気もなく“「原始人とコミュニケーションをしている感覚でした」とか「最初はシャイだったチンパンジー達も、だんだんと心を開いてくれました」”と言えるのはネイティヴレイシストってことだ。すごい。
(
はてなブックマークより)
あと、ここではなかったものの、ヤフーコメントだったかな、東京オリンピックもヤバイんじゃないか?というコメントもちらほら見られました。
●アフリカに興味あって言葉覚えたんじゃないの?なぜ?という不思議
はてなブックマークでは、アフリカに興味あると予想されるのになぜ?という反応がありました。確かに言われてみれば不思議です。
Polyhymnia アフリカ諸語を通訳できるレベルに勉強するって相当アフリカに対する興味も理解も深くないとできないことだと思うんだけど、この人の脳内がどうなってるのか全くわからない。
別記事によると、女競技役員の紹介で大会運営に加わった人で、前年に続き2回目。しかも、大分国際車いすマラソン大会でも10年以上前から外国人選手の通訳をしているという経験ある人でした。なのに…とも思います。
(
選手を「チンパンジー」 別大マラソン 通訳の女性が投稿 事務局、研修見直しへ - 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate 2019/02/15 03:01より)
ただ、「アフリカに興味あって」に関しては、はてなブックマークで以下のような指摘。
mosimosihtnsan アフリカ母語の通訳と解釈してるらしきブコメが見られるけど、アフリカでは植民地支配時代の言語が公用語として使われることも多いらしいので、そっちの方の通訳者では? だから余計に馬鹿にしたのかもと思った。
そういえば、そうですね。アフリカ諸国は植民地だった歴史から、ヨーロッパの言語が公用語となっていることが多いです。そちらの言語の方が日本人話者が多く、複数の国の人と通訳できて効率的でしょう。その可能性に思い至らなかったのは失敗でした。
●大坂なおみに必要なものは漂白剤、あの人日焼けしすぎやろ!
2019/10/28:お笑いコンビAマッソが、ライブイベントで配慮に欠く発言をしたとして、お詫びのコメントを発表。参加者によると、ネタ中に「大坂なおみに必要なものは?」「漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ!」というやりとりをした差別的発言があったといいます。一応補足しておくと、大阪さんの肌が黒いのはもちろん日焼けしているわけではなく生まれつきです。
(
「大坂なおみに必要なものは?」「漂白剤」人気芸人のネタに批判殺到 事務所は「配慮に欠く」と謝罪より)
過去に大坂なおみさんが日清食品のCMで白い肌で描かれて海外で批判されたときは、ポリコレにうんざりといった感じで日本では多く擁護の声が上がりました。さすがに今回の「漂白剤」発言については、直接的な擁護はなかったようです。
ただ、
お笑い芸人が差別ネタで炎上 ポリコレにうんざりする人々もで書いたように、この流れからお笑い芸人の差別やセクハラネタ全般の話になって、この全体のものとしては「ポリコレが厳しくなって息苦しい、とがったネタを披露できないお笑い芸人がかわいそう」といった擁護が出ていたそうです。
漂白剤の件に直接反論ではないものの、発端であるこの事件のことを考えると、こういった声が出てくるというのは、かなり予想外の展開。最初の投稿に「中国がやらかすのはわかるが、先進国ではあり得ない」といったことを書いたのですけど、日本と中国の差は意外にあまりないのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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お笑い芸人が差別ネタで炎上 ポリコレにうんざりする人々も ■
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