普段ダジャレはしないんですが、思いついてしまったのでつい…。まあ、倒産というのはまだ気が早いものの、黒字予想を下方修正、一転して大赤字というちょっとヤバそうなことになっていました。(2016/6/5)
2017/03/24:この翌年の株主総会の話があったので、最後に"株主から「責任を取るのか」「説得力を感じない」と厳しい声"を追加しています。
2017/07/30追加:2017年も黒字宣言から一転「やっぱり赤字です」
●大塚家具は父さんじゃなくて娘で倒産? 大塚久美子社長路線で大赤字
2016/6/5:大塚家具は2016年6月3日、2016年12月期の業績見通しを下方修正し、単独最終損益が16億円の赤字になりそうだと発表しましたた。従来予想では、前期比3%増の3億6800万円の黒字だったのが一転して、6年ぶりの赤字となる見込みです。
創業家の大塚久美子社長は父・勝久氏がこだわった会員制を廃止し、品ぞろえも20万円前後のソファや持ち帰れるインテリア雑貨を増やしています。
しかし、5月までの店舗売上高は4月を除く全ての月で前年割れ。売上高見通しは、7%減の538億円と従来予想から47億円引き下げ…とさんざんです。
(
大塚家具6年ぶり赤字に 16年12月期見通し下方修正 :日本経済新聞 2016/6/3 23:23より)
●大塚久美子社長「下期は予定通りだから!」
"7~12月期(下期)の業績予想は据え置いた"そうなんですが、これ甘々じゃないですかね? さらに下方修正するかも。
以下の記事では、会社側のリリースも載せていましたので、業績予想を据え置いたことについての大塚家具の言い分がわかりますが、怪しい感じ…。
大塚家具【8186】、今期経常を一転赤字に下方修正 | 決算速報 - 株探ニュース
なお、通期業績予想につきましては、新たな顧客対応オペレーションの熟練度の向上や消費環境の見通しなどを総合的に勘案した上で第3四半期以降の予想を合理的に変更するには至らないと判断し、第2四半期累計期間での修正額のみを反映させ、売上高を538億51百万円(前回予想比8.0%減)、営業損失は15億49百万円(前回予想は5億円の利益)、経常損失は13億95百万円(前回予想は6億36百万円の利益)、当期純損失は16億61百万円(前回予想は3億68百万円の利益)へ修正いたします。業績の総合的な状況を踏まえ、業績予想の変更が必要となる場合には改めてお知らせいたします。
ここは日経新聞で取り上げていない数字も出していました。いずれも赤字ですね。
大塚家具 <8186> [JQ] が6月3日大引け後(17:00)に業績修正を発表。16年12月期の経常損益(非連結)を従来予想の6.3億円の黒字→13.9億円の赤字(前期は6.3億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。
同時に、1-6月期(上期)の経常損益も従来予想の1.9億円の黒字→18.3億円の赤字(前年同期は6.1億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。
●父大塚勝久路線にも未来はなかった
大塚家具の問題では違和感を覚えるコメントが以前から多かったです。今回のニュースでも、親父が正しかった!という反応があったものの、これは間違いでしょう。というのも、お父さんの大塚勝久さんのときも業績は全く良くなかったためです。
今回の反応で妥当だと思えたのは、父の路線の方がマシだったといったもの。従来路線であっても衰退は免れなかったものの、じわじわと首を絞められる感じで急速な悪化ではなかったかもしれません。
私が以前読んだ解説で最も納得したのは、大塚家具は店舗が多すぎるというものでした。何度も過去に書いたように、高級家具店でも成功しいている会社があるのですが、そこは店舗数が大塚家具よりかなり少ないです。
そもそも現在のように日本経済が弱まった中では高級家具を買う人は少なく、従来路線を続けるのであれば店舗数を絞り込む必要があったのでしょう。単純に父が正しかった、というのとは異なります。
●大塚家具ブランドをぶち壊した大塚久美子社長
それから、ニトリはただ単に安いというわけではなく、そもそもやり方が全然違う会社だというのも誤解があるところなのですが、大塚家具の場合は高価格帯から中価格帯へということで安くもなく中途半端でした。
また、大塚家具は、炎上商法のような形の親子喧嘩で注目を集めたこともポイントかもしれません。短期的にはこれが効果があるように見えた時期もあり、炎上商法嫌いの私は嫌だなぁと思っていのたですが、どうやらこれも大した効果はなかったようです。
高価格帯だけでなく中価格帯であっても、こういったブランドを毀損するような注目の集め方はきついでしょうね。大塚家具の看板が汚れてしまったために、高価格帯に再び路線変更したとしても戻らない人が多いかもしれません。
大塚久美子社長としては、店舗数は維持して中価格帯を買う顧客に客層を総入れ替えするさせるということを考えているのだと思われます。
ところが、従来の顧客を切り捨てたのに新規顧客をつかめない…という最悪の方向に向かっているようにも見えます。大丈夫なんでしょうか?
●やっぱりさらに下方修正
2016/08/21追記:ちょっと前ですが、業績下方修正していたので追記しておきます。見込みが甘々なんじゃないの?って書いてたら、やっぱり甘々でした。
大塚家具【8186】、今期経常を赤字拡大に下方修正 | 決算速報 - 株探ニュース 2016年08月05日15時15分
大塚家具 <8186> [JQ] が8月5日大引け後(15:15)に決算を発表。16年12月期第2四半期累計(1-6月)の経常損益(非連結)は18.6億円の赤字(前年同期は6.1億円の黒字)に転落した。
併せて、通期の同損益を従来予想の13.9億円の赤字→37億円の赤字(前期は6.3億円の黒字)に下方修正し、赤字幅が拡大する見通しとなった。
非連結の経常損益は、下方修正で13.9億円の赤字だったのがさらに下方修正で、37億円の赤字というえらいことに。これ、もともとはプラス予想だったのですから、ひどい詐欺です。
●株主から「責任を取るのか」「説得力を感じない」と厳しい声
2017/03/24:前回の投稿は16年12月期の見込みに関するもので、最終的にも結局、創業以来最大の赤字に陥りました。そして、それ以来初めてとなる定時株主総会が、2017年3月24日に開かれました。
(
大塚家具が株主総会 「再建、説得力ない」厳しい声 :日本経済新聞 2017/3/24 14:55より)
この株主総会で、大塚久美子社長を含む取締役選任などの議案は全て無事承認されました。ただ、この否決はめったにある話ではなく、出席した株主からは「黒字化できなければ責任を取るのか」などの厳しい質問が出たそうです。
日経新聞が話を聞いた人でも、「中古家具の強化など再建策に説得力を感じなかった。本来なら厳しく経営責任が問われるべきだ」と言っている男性会社員(55)がいました。
ただね、この方、「配当目当てで買ったが、株価が回復したらすぐに手放そうと思う」などとおっしゃっていました。ダメな買い方です。
桐谷さんも嵌った優待株のリスク 優待や配当を目的に株は買うなで書いているように、配当を目的とした買い方はよくありません。
バランスを取ったのか、記事ではもう1人好意的な話も載せていました。…が、論理性ゼロで、何の説得力もありません。
「社長が自信を持って説明する姿を見て、大丈夫だと思った。(再建策に)実効性があるかはよく分からないが、あと1年は様子を見たい」(都内の主婦(41))
ただ、「会社を好きになって応援のために株を買う」ってのは、私は一応アリだとは考えています。この方はそんな感じかもしれません。とはいえ、オススメするわけじゃないですよ。男性会社員がそうなっているように、投資というのは損失が出るリスクがあるものです。
大塚家具の話じゃなくてすっかり投資の話になっちゃいましたが、ちゃんと成長する企業の株を買った方が良いことは確かです。
●2017年も黒字宣言から一転「やっぱり赤字です」
2017/07/30:大塚家具がまた黒字と予測しておきながら、赤字に下方修正しました。
大塚家具、通期予想は63億円の最終赤字 特損29億円計上 ITmedia ビジネスオンライン / 2017年7月28日 18時26分によると、2017年12月期第2四半期(4〜6月)に、固定資産の減損損失として9億6200万円、店舗面積の縮小など「事業構造改善引当金」として19億4800万円の特別損失を計上すると発表しています。
これにより、通期の業績予想は以下のように変化。なんかもうお馴染みの詐欺みたいになっています。
売上高 530億1900万円 → 428億1600万円
営業損益 5億円の黒字 → 43億8300円の赤字
純損益 3億6700万円の黒字 → 63億2000万円の赤字
何度も書いているように、私はお父さんの大塚勝久前社長が良かったとは考えていません。前社長の時代も業績が悪かったというのが理由です。なので、大塚家具が変化する必要があったのは確かです。
ただ、大塚久美子社長のやり方がうまく行っていないのも事実。親子喧嘩は話題性よりブランドの毀損となった感じですし、何より小さく賭けて早く小さく失敗するスタイルではなく、大きく賭けて大きく失敗するというやり方は稚拙でした。
社長をコロコロ変えるのは良くないという意見もあるでしょうが、責任を取ってそろそろ辞任した方が良いのではないかと思います。
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