露中央銀行総裁のエリビラ・ナビウリナ(エリヴィラ・ナビウリナ)さんに関する話をいくつか。<ナビウリナ総裁はプーチンの右腕・大統領側近との評価>、<何にも考えていなかったプーチン大統領を救ったナビウリナ総裁>などの話をやっています。
【クイズ】男女平等ランキング2012(男女格差報告)におけるロシアの順位は?
(1)59位
(2)69位
(3)101位
冒頭に追記
2022/03/14追記:
●ウクライナ侵攻でロシアに経済制裁 ナビウリナ総裁は対策してた 【NEW】
●プーチンも誤算だった厳しい制裁 一方制裁に乗り遅れた国も… 【NEW】
●ウクライナ侵攻でロシアに経済制裁 ナビウリナ総裁は対策してた
2022/03/14追記:ロシアの二度目のウクライナ侵攻があったので、過去のロシア関連の投稿をいくつか見直して再投稿中。ここのエリヴィラ・ナビウリナさんの投稿については追記もしようと思いましたが、相変わらず、地味な話しかありません。ただ、露中央銀行総裁という仕事は、今回の問題と密接に関係します。
なぜか?と言うと、欧米はウクライナ侵攻の制裁として露中央銀行に対しても厳しい制裁を加えているため。
ロシア大手銀行を国際決済網から排除 米欧、中銀も制裁: 日本経済新聞(2022年2月27日 7:12 (2022年2月27日 22:40更新))などの記事が出ています。
<米欧カナダの6カ国と欧州連合(EU)は26日、ロシアに追加制裁する方針を表明した。ロシアの中央銀行に初めて制裁を科し、ロシアの外貨準備を使えなくして通貨ルーブルの防衛を困難にする狙いだ>
<ロシアの持つ外貨準備は6300億ドル(約73兆円)で、うちドルやユーロなど外貨が5000億ドル分あり、資産凍結などの制裁対象になる。(中略)
中銀への制裁はロシアの意表をつく形で米欧が打ち出した。市場にとってもサプライズで、ルーブルが急落する可能性がある。(引用者注:その後、実際考えられないほど大きく暴落しています)>
実を言うと、ロシアは制裁を考慮していて、準備はしていました。2019年6月5日に
ロシア「ドル資産を縮小」 中銀総裁インタビュー: 日本経済新聞によると、ロシア中央銀行のエリビラ・ナビウリナ総裁は、外貨準備で米ドル建て資産を圧縮する「脱ドル」政策を進めていると説明。米国が経済制裁を強化した場合に備える狙いだと解説されています。
なので、ある程度予測して防衛の準備は進めていたものの、記事で「サプライズ」とあったように、欧米の制裁は事前の予想をはるかに超えるものであり、対応しきれず、ルーブルの歴史的な暴落を引き起こしました。例えば、
コラム:ロシア中銀制裁とルーブル暴落、日本企業にも大打撃の構図 | ロイター(田巻一彦 2022年3月4日)では、以下のように書いています。
<ロシアのウクライナ侵攻を受け、主要7カ国(G7)など西側諸国による対ロシア制裁の中で国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークからのロシアの銀行排除が注目されているが、もっと大きな損害をロシアに与える制裁が発動されている。ロシア中銀を対象にした制裁だ。この制裁によってルーブル防衛のためのドル買いができなくなり、ルーブルがどこまで下がるのか見えなくなってしまった>
<ルーブルは3日、対ドルレートで一時、118.35ルーブルまで急落した。これはロシアのウクライナ侵攻直前から約30%、今年1月初めから約60%下落した水準だ。
通常ならロシア中銀がドル売り/ルーブル買いの介入を実施して暴落を止めに入るが、今回はそれができない。米国はじめ西側諸国がロシア中銀を制裁対象にし、NY連銀や欧州中銀(ECB)、日銀などが保有するロシアの外貨準備が凍結され、使用できないからだ>
●プーチンも誤算だった厳しい制裁 一方制裁に乗り遅れた国も…
上記で出てきたもう一つの制裁である、国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からの締め出し。このSWIFTは世界の1万超の金融機関が参加する国際決済インフラだと日経新聞では説明。排除されると国際送金が事実上できなくなるといいます。記事についた専門家コメントを見ると、より予想外の制裁だったみたいですね。
・小山堅 日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
<ついに米欧はSWIFTからのロシア排除に踏みきった。欧州がこれに2の足を踏んでいたのはロシアとのエネルギー貿易に大きな影響が出るのでは無いかとの不安に苛まれていたからだろう。しかしウクライナの現状を見て、プーチン大統領を制裁対象としたことに加え経済制裁の圧力をギリギリまで高めざるを得ないと欧州も腹を括ったのだろう>
・菅野幹雄 日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
<ロシアの銀行を世界から締め出すSWIFTからの遮断は「核兵器オプション」と呼ばれる最終手段と位置付けられてきました。ロシアを追い詰める一方で、天然ガスなどの輸入制約やエネルギー価格の高騰といった返り血も必至な劇薬です>
細谷雄一・慶應義塾大学法学部 教授も「ドイツやイタリアなど、自らにもダメージとなる経済制裁は欧州諸国は行えないと見積もっていたプーチンの誤算の一つでしょう」とコメント。蛯原健・リブライトパートナーズ 代表パートナーも「自らも返り血を浴びる制裁を決めた欧米はひとつ矜持を見せた形である」と評価していました。
蛯原健・リブライトパートナーズ 代表パートナーは、一方で、「G7加盟国たりながら名前を連ねていない我が国は全くもって危機感が欠如しているとの誹りを免れない」と日本政府に批判的でした。以下のように、他にもこうした制裁に日本が乗り遅れたことを非難するコメントが出ていました。
鈴木亘・学習院大学経済学部 教授
<米英独仏イタリア、カナダの6カ国と欧州委員会が行った共同声明に、日本が加わらなかった。なぜ、G7として事に当たれなかったのか。カナダドルのように小さな通貨ですら漏れの無いように参加しているのに、円が抜け穴になっては、世界の裏切り者になってしまう。
これに対して、今日の日曜討論で、林外務大臣がようやく日本も対応を検討すると言ったようだが、あまりに遅い。この後に及んで、これから検討するとは驚きである。この程度の危機対応すらできなくて、これから本当に大丈夫なのだろうか>
●露中央銀行総裁は女性のエリビラ・ナビウリナ氏
2016/6/8:英エコノミストのロシア中央銀行総裁の話を読んでいて、総裁が女性だと初めて知って驚きました。アメリカでも今、ジャネット・イエレンさんがFRB史上初の女性議長になっていますが、米露ともに女性だったようです。
アメリカより早かったので、「G8諸国では初の女性中央銀行総裁である」ともWikipediaでは書いていました。
エリヴィラ・ナビウリナ - Wikipedia 最終更新 2014年9月15日 (月) 00:39
2012年5月22日、プーチン大統領が再登板すると、ロシア連邦大統領補佐官に任命された[7]。 2013年3月12日、ロシア連邦中央銀行総裁に指名された[8]。2013年4月9日、ロシア連邦議会下院国家会議は、ナビウリナの総裁就任を承認、6月24日付けで正式に就任した[9][10]。G8諸国では初の女性中央銀行総裁である[11][12]。
●ナビウリナ総裁はプーチンの右腕・大統領側近との評価
上記に、プーチン大統領の名前が見えます。エコノミストはプーチンの右腕といった書き方もしていました。Wikipediaの記述では、プーチン大統領の影響が強いという書き方で、扱いやすいという理由で選ばれたように見えます。
ナビウリナは銀行、金融政策面での経験が浅く、前任のセルゲイ・イグナチェフに顧問就任を要請した。また同様に経済開発貿易相、経済開発相が長く金融政策の経験の少なさから、経済界やアナリストは、プーチン大統領が金融緩和圧力を強め、ロシア連邦中央銀行の独立性が損なわれるのではないかと指摘する声もある[13][14]。
また、起用当時の記事では「大統領側近」としているものも複数ありました。
ロシア中銀総裁に大統領側近 ナビウリナ氏起用へ 2013/3/14 0:58 日本経済新聞 電子版
【モスクワ=金子夏樹】ロシアのプーチン大統領は12日、ロシア中央銀行の次期総裁に前経済発展相で現大統領補佐官のエリビラ・ナビウリナ氏(49)を起用する意向を示した。
●何にも考えていなかったプーチン大統領を救ったナビウリナ総裁
ただ、「プーチンの右腕」と書いていた
ロシア経済を惨事から救った中銀総裁:プーチンの右腕 2016.4.20(水) The Economist (英エコノミスト誌 2016年4月16日号)という記事は、単にプーチンが経済に弱くてその助けになる人を選んだといった書き方ですね。
記事では、まず、<ウラジーミル・プーチン氏は2000年に大統領に就任した際、1990年代のカオスと決別すると大見得を切った>と指摘。ところが、エフゲニー・ヤシン元経済相によれば、こと経済に関しては「プーチンにこれといったアイデアはなかった」そうです。アホですね。
そのアホのプーチンさんは、オーソドックスなものの見方をするプロ集団に経済政策を一任することにしました。大見得を切ったのはアホですが、餅は餅屋に…、専門家に任せるということ事態は良いことでしょう。ナビウリナさんというのはその集団のメンバーで、2000年には副経済相、2007年には経済相と出世を遂げてきました。
また、<ロシア経済を惨事から救った中銀総裁:プーチンの右腕>というタイトルでわかるように、こちらでは手腕についても評価されていました。ロシア経済は現在ひどい状況にあるものの、エリビラ・ナビウリナはもっとひどい事態になるのを防いだのではないかと、この記事の作者は見ています。
●ロシアの男女平等ランキングは高いのか?
興味を持って調べ始めたものの、意外に書くことなくて参りました。クイズにも悩んでいたのですが、そういえば、ロシアの男女平等ランキングって高いんだろうか?と思ったのが、そもそも書こうと思ったきっかけだったんでした。
【クイズ】男女平等ランキング2012(男女格差報告)におけるロシアの順位は?
(1)59位
(2)69位
(3)101位
【答え】(1)59位
これは以前書いた
男女平等ランキング2012(男女格差報告) 日本101位、韓国108位、中国69位からのクイズで、他の選択肢は中国の69位と日本の101位でした。
ロシアは特別高いとは言えないものの、135カ国中の順位ですから中位だと言うことは可能で、半分より上でした。中国もそうですけど、意外に低くないですよね。日本や韓国の方がよっぽど悪いです。
●ナビウリナ総裁、仮想通貨利用のICO規制に尽力
2018/09/14:エリヴィラ・ナビウリナ露中央銀行総裁について、また検索してみたものの、やっぱりあまりおもしろい話はありません。強いて言えば、
プーチン大統領が仮想通貨に関する規制強化を発表 | 仮想通貨ニュース.com(2017/10/29)が、一番興味を持てそうな話ですかね。うちでは、仮想通貨やICOを警告する話をやっています。
(関連:
仮想通貨ブームでブレイクのICOで詐欺 詐欺が起きやすい理由とは?)
この記事によると、プーチン大統領は国内での仮想通貨利用に対する規制案にサインしました。この有価証券の現行法に沿ったICO導入規制の案を任されていたのが、ドミトリー・メドベージェフ首相と中央銀行のエリビラ・ナビウリナさんだったといいます。
仮想通貨に対する警戒は欧米で高まっていますが、ヨーロッパとはやや異なる動きをしがちなロシアでもやはり警戒されている模様。というか、ICOに関する規制はほとんどの国でまだ明確になっていないといいますから、むしろ先鋭的であるようです。
●仮想通貨への投資はカジノみたいに危険なもの?ナビウリナ総裁が比較
2020/08/29:再び検索してみても出てきたのは、仮想通貨関係の話ですね。
ロシア中央銀行、ビットコイン決済の禁止を支持 - モーニングスター 仮想通貨ニュースという記事が、2019/12/02に出ています。ロシア連邦中央銀行が出したレポートでは、ビットコイン決済の禁止を支持しているそうです。
理由は「激しい相場変動の中での取引、犯罪で得た利益の洗浄、テロへの財政支援などに関して仮想通貨は深刻なリスクを伴っていると私達は引き続き考えている」というもの。ロシア連邦中央銀行はもし適切な法案が成立すれば、ビットコイン(BTC)を利用した決済を禁止することを支持するとしていました。
また、全く具体的な話はなかったものの、エリヴィラ・ナビウリナ・ロシア連邦中央銀行総裁はこれより以前、仮想通貨への投資をカジノでのゲームと比較していたといいます。具体的な話がなかったのでわかりませんけど、仮想通貨への投資は、ギャンブルみたいに危険なものみたいなニュアンスだったのでしょうか。
【本文中でリンクした投稿】
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