2016/6/10:
●高所得者と低所得者で差が出るもの・出ないもの
●おもしろかったところは、交際費と家賃・住宅ローン
●数少ない所得で差が出なかった項目とは?
2018/12/04:
●年収による意外な違い 高所得者はスポーツ、「低所得者」は読書が趣味
●高所得者と「低所得者」では「読書」の中身が異なっている
【クイズ】『週刊ダイヤモンド』が行った年収300万円未満から1500万円未満までの5000人に対して意識調査において、高所得者層と低所得者層で差が出なかった項目は以下のうちどれでしょう?
(1)アベノミクスでの恩恵
(2)携帯電話料金の高さ
(3)資産の増やし方


●高所得者と低所得者で差が出るもの・出ないもの
2016/6/10:ダイヤモンド・オンラインでやっていた高所得者層と低所得者層で差が出るもの・出ないものという記事がなかなかおもしろいです。
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年収や資産額でこんなに違う「お金の使い方5000人大調査」|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン(『週刊ダイヤモンド』データ分析担当 小島健志 2016年5月2日)
まずは当たり前に差が出たものから。そりゃそうだろうというものが多くなっています。
【教育費】
(質問) あなたは子ども1人あたりの教育費(留学等含む)にどの程度まで費用をかけてもいいと思いますか。
(結果) 年収が高いほどかける教育費も高い。
【買い物】
(質問) あなたは、自動車、カメラ、時計など高額商品を購入する際、新品と中古品にどうこだわりますか。
(結果) 高年収は新品好き、低年収は中古もOK。
【老後の不安】
(質問) あなたは老後の生活に不安を感じますか。
(結果) 年収が低いほど不安が強い。
●おもしろかったところは、交際費と家賃・住宅ローン
【家計】
(質問) あなたの毎月の家計に占める以下の項目について、あてはまるものをお選びください。
(結果) お金持ちは飲み会が好き。1500万円以上では月の交際費は4.1万円、300万円未満は1.5万円。
家計で差が出るのが交際費というのはおもしろいですね。収入レベルが違う人たちと付き合うのがたいへんだというのもよくわかります。
また、記事では指摘がありませんでしたが、保険料ではもっと大きな差が出ています。1500万円以上では月の交際費は9.5万円、300万円未満は0.9万円でした。私は貧しい人ほど保険が必要で、お金持ちはむしろ必要のない種類の保険が増えていくと思うのですが、どうなのでしょう? ああ、でも、お金持ちは住宅や自動車などの保険がかかりそうです。
逆に差が少ないのは、食費や家賃・住宅ローン。家賃・住宅ローンは本当差がなくて予想外。気軽にローンを組んで住宅を買う人が多いのですけど、低所得者層では大きな負担になっていることがわかります。
一方、食費の差が少ないのは想定通りであり、だから消費税は悪い税金だという話にもなってきます。ただし、その対策として軽減税率というのは、非常に効率は悪い最悪の選択。これについては、
メリット薄い軽減税率、5つの問題点 逆進性対策として効果が低いなどで書いています。
●数少ない所得で差が出なかった項目とは?
この調査では、所得で差が出なかった項目はほとんどありませんでした。その数少ないものの一つが、電力自由化への関心です。
【電力自由化】
(質問) あなたは4月から始まる電力自由化において、地元の電力会社から他に乗り換えを考えていますか。
(結果) どの層でも興味が高い。
企業側からしてみれば電力の使用量が多い層ほど狙い目なのは当然です。したがって、低所得者層はあまり恩恵がないんですけどね。
そして、電力自由化の他にもう一つ差が出なかったのが、クイズの回答。携帯電話料金でした。
【携帯電話料金】
(質問) あなたは日本の携帯電話料金は高いと思いますか。
(結果) 年収が高くても、携帯電話料金には不満が高い。
【クイズ】『週刊ダイヤモンド』が行った年収300万円未満から1500万円未満までの5000人に対して意識調査において、高所得者層と低所得者層で差が出なかった項目は以下のうちどれでしょう?
(1)アベノミクスでの恩恵
(2)携帯電話料金の高さ
(3)資産の増やし方
【答え】(2)携帯電話料金の高さ
安倍首相がパフォーマンスでやった携帯電話料金値下げは逆効果で余計悪くなった感じですが、成功していれば高所得者からも感謝されていたようです。もったいないことをしました。
●年収500万円は「低所得者」…ある雑誌のバカにした調査
2018/12/04:今度は、雑誌「プレジデント」が、"高所得者と低所得者の「時間の使い方」にはどんな違いがあるのか"を調査していたのでここに追加。
資格・スキマ時間・昼休みの勉強…年収が高い人が重視するのは?で使った記事ですが、他にも興味深い違いがあったのです。
ただ、向こうでも書いたように、これは年収2000万円以上と年収500万円未満のビジネスパーソン150人ずつにアンケートを実施したというもので、大きな問題があります。年収500万円が低所得者層というのはあり得ません。
(
年収2000万の人"資格の勉強まずしない" プレジデントオンライン / 2018年11月30日 9時15分より)
現在の日本人は平均年収ですら400万円程度。この平均年収は実態より高く出てしまう数字であり、その影響がない中央値で見ると350万程度。中央値が350万円というのは、日本人の半数の年収が350万円以下であることを示しています。なので、年収500万円未満が低所得者層という定義は、あまりにも人をバカにしたもの。
ただ、「プレジデント」の読者層としては、そこらへんのところを狙っているのかも。また、平均年収が低いのは当然若い人。雑誌メディアは高齢化の傾向がありますし、「プレジデント」の狙う読者層的にもある程度年齢が上でしょう。それにしても年収500万円未満が低所得者層というのは意識高すぎな気がしますが、そういうスタンスの雑誌なのだと思われます。
●年収による意外な違い 高所得者はスポーツ、「低所得者」は読書が趣味
ということで、大きな問題を感じますが、高所得者と中間層以下のイメージでの比較は可能で、おもしろいことはおもしろい調査でした。意外なところが見られます。
どちらの層も趣味の1位は旅行で変わらず。問題は2位以下なのですけど、高所得者は2位が外食。そして、3位にスポーツという健康的なイメージのものが入っています。過去に見たアメリカなどでの調査でも、高所得者ほど運動をするなどアクティブなことがわかっていました。外食を含めて活動的であると今回も説明されています。
もっと意外なのが「低所得者」とされたグループの2位、3位が「読書」「映画鑑賞」であったこと。お金持ちの方が読書をしているイメージなのに予想外でしょう。ただし、実際には高所得者より読書をしているということを意味していませんでした。このことは次で説明します。
●高所得者と「低所得者」では「読書」の中身が異なっている
まず、「高所得者」の方も「読書」が趣味の人が結構いるというのがポイント。なぜかこっちだけ「映画鑑賞」と合わせた集計でおかしいのですけど、前述のスポーツに次ぐ4位でした。そして、より重要なのが、読書量で大きな差が出ていること。「低所得者層」で本を読まないのが半数なのに対し、高所得者は35%程度しかいません。さらに、5冊以上読む人が高所得者で25%近くいるのに対し、「低所得者層」では5%程度でした。
高所得者で「読書」が趣味であると答える人は少ないものの、実際の読書量では大きく逆転。読書量については、漫画と雑誌を除いた数を聞いていますので、ひょっとしたら趣味の「読書」には、これらが含まれているのかもしれませんね。漫画と雑誌が悪い趣味というわけではないのですけど、とにかく差が出ました。高所得者は、趣味ではなく勉強として本を読んでいるといったところもあるかもしれません。
貧しい人は余裕が無いから…といった擁護が出そうですが、これは前述のダイヤモンドの調査でも同様でした。
【読書】
(質問) あなたは書籍を年間どのぐらい読みますか。
(結果) お金持ちには多読家が多い。
【本文中でリンクした投稿】
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