2017/02/28:
●幼児教育のススメの理由がおかしい 「行かせないと後悔するから」
●絶対儲かるうまい話に迷っている人になんてアドバイスする?
2016/6/19:
●読み聞かせが子どもの知能を高めるのに有効…実は遺伝のせいだった
●遺伝を考慮した結果…読み聞かせなどのしつけは子どものIQに影響せず
●IQは上げられないが下げるのは簡単!読み聞かせやめる必要がない理由
●幼児教育のススメの理由がおかしい 「行かせないと後悔するから」
2017/02/28:当初書いていた「読み聞かせなどのしつけは子どものIQに影響せず 遺伝の方が重要」に…という話の前に早期教育の宣伝記事の話を追加。早期教育をオススメする記事ってひどいのが多いのですが、今回読んだ記事もまた変なものでした。
作者は、「幼児教室に行った方がイイですか?」と、母親らによく聞かれるとしていました。そんな母親らに対して、作者は全面的に勧めているわけではなく、一応、以下の場合は行かない方が良いとしています。
・「幼児教室」の効果がいまいちわからない
・「ママ友とそのお子様が通っているから」と気になる程度
・他人の子の成長が気になる(つい比較してしまう)
逆に、"親自身が、その幼児教室を理解し、ほれ込み、効果を信じられるのであれば、行かせてよい"としていました。でも、その理由がひどかったのです。
親が幼児教室の効果を信じているなら行った方が良い理由は、"行かせないことで、後々「あの時、行かせておけばよかった」と後悔しかねないから"というもの。そんなアホな!というアドバイスです。
(
【3歳児神話#2】「幼児教室」は絶対に行くべきなのか? ItMama 2017年2月20日 21時30分 (2017年2月22日 00時10分 更新)より)
●絶対儲かるうまい話に迷っている人になんてアドバイスする?
例えば、絶対儲かるうまい話があると信じている人に、「やらないと後悔するぞ」ってアドバイスする人をどう思います? 詐欺師の手先にしか見えないでしょう。
大事なのは、後悔するかどうかではなく、投資などを迷っている対象の問題。その対象に信頼性がないのであれば、それを指摘してあげるのが良いアドバイスです。そこらへんに触れずに、ただ「後悔しかねないから」などと言って煽るのは、問題があります。
あと、そもそもこの理由では、結局、「子供のため」という話はどっか飛んでちゃっているために、完全に親のエゴになっています。子供は、親のおもちゃじゃないんですよ!
で、以降はもともとに書いていた話。これ以外にもうちでは、幼児教育がそれほど大きな効果は出ないという話を、繰り返しやっています。
●読み聞かせが子どもの知能を高めるのに有効…実は遺伝のせいだった
2016/6/19:
幼児教育としつけで学歴アップ、IQを高めるのなら生後3ヶ月から? ヘックマン教授のインタビューなどでのヘックマン教授の主張は、幼児教育がIQに影響としているとしているものとしていないというものがあり、結局どっちだかわかりませんでした。ただ、そこでも書いたように、幼児教育は長期的なIQに影響しないという説の方が一般的です。
今回の話は業者が宣伝する幼児教育のようなものではないのですが、幼児教育の効果を調べた例として、心理学の機関誌『Intelligence』に発表された、米フロリダ州立大学で犯罪学を専門にするケビン・ビーバー教授らの研究について紹介します。
「親が子どもに読み聞かせをしたり、家族そろって夕食のテーブルを囲んで会話をしたりするなどの行為は、子どもの知能を高めるのに有効である」という説があるそうです。今回の幼児教育ってのは。こういうものですね。
ただ、こうした読み聞かせなどの有無より、遺伝の方がよっぽど重要だと思われます。ビーバー教授は、次のように述べていました。
「過去の研究結果で、親のしつけが子どもの知能の発達に影響するとされたのは、そもそも読み聞かせなどを行う親には知能の高い人が多く、遺伝的な要素が隠されていたと考えることができます」
●遺伝を考慮した結果…読み聞かせなどのしつけは子どものIQに影響せず
今回の研究では、遺伝について考慮して行ったようです。以下で、養子グループとそうではないグループを比べているというのが、そうした遺伝の影響を除くための措置だと思われます。
ビーバー教授らは、「National Longitudinal Study of Adolescent Health(全米青少年の健康に関する長期的研究)」のデータのうち、全国を代表するサンプル5,500~7000件から選んだ養子ではない若者と、250~300件のサンプルから選んだ養子の若者を対象に、IQテストであるピーボディ絵画語彙検査(PVT/絵や写真を見せながら行う語彙力のテスト)を実施。
同検査の1回目を対象者が中高生(13歳から18歳)のときに、その後2回目は彼らが18歳から26歳になった段階で行った。さらに、調査対象者の両親の育児に関する行動についても分析した。
その結果、親による読み聞かせや積極的な会話などの行為が、子どもの後年のIQに目立った影響を及ぼしたという証拠は見つけられなかったという。
●IQは上げられないが下げるのは簡単!読み聞かせやめる必要がない理由
ただし、「親の行動がIQには影響しない」というのは、あくまでもその親の行動が正常な範囲におさまっている限りにおいて…とされていました。わかりづらい言い方ですが、これはつまり育児放棄のようなものはマイナスになってしまうという意味みたいですね。
一方、教授らが懸念しているのは、IQを高めなくちゃとシャカリキになっている親みたいでした。強迫観念のようにIQを高めようとしても意味ないよ…という話です。他でも書いたように、IQはたとえ数ポイント上がったとしても大した意味がありません。
マイナスにしないことが大事という話だと、一般的な例ではありませんが、
カナダの天才日本人少年大川翔、汚い大人たちに利用される?で出てきたギフテッドのような子のことも思い出しました。ギフテッドは遺伝であり教育によって新たに作り出すことはできませんが、彼らの才能を潰すことはいくらでも可能です。
ところで、
幼児教育としつけで学歴アップ、IQを高めるのなら生後3ヶ月から? ヘックマン教授のインタビューなどで出てきたヘックマン教授の論拠となる実験の一つは、かなり昔の低所得層のアフリカ系米国人の子どもについてのものでした。
今回の親のしつけがプラスではないけどマイナスになるのを防いでいるという説明は、そのままのヘックマン教授の説にも応用できる可能性を感じました。
【本文中でリンクした投稿】
■
カナダの天才日本人少年大川翔、汚い大人たちに利用される?【その他関連投稿】
■
幼児の早期教育は逆効果?思いっきり遊んだ子の方が難関大学合格 ■
子供のIQ・学業成績を向上させる習い事は、音楽・スポーツどっち? ■
早期教育・幼児教育に意味が無いどころか、悪影響である可能性 ■
高IQの子供だけが通う保育園に学ぶ良い幼児教育と悪い幼児教育 ■
学校・教育・子どもについての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|