2016/6/23:
●日本企業は劣化などしていない 昔から悪かったのが今目立っているだけ
●人間は放っておくと悪いことをする生き物だと考えるのは妥当
●悪いことをする生き物である人間…対策は「厳罰主義」か「教育」か?
2021/01/05:
●顧客からの19億円詐取事件の被害額弁済で第一生命が驚くべき発表
●傲慢・過信・鈍感など…日本企業が不祥事を起こす七つの原因とは?
●日本企業は劣化などしていない 昔から悪かったのが今目立っているだけ
2016/6/23:経団連会長を出した「名門」東電や東芝が原発事故や不適切会計をし、シャープも買収、三菱商事と三井物産は資源を高値買いして大幅な黒字予想から一転して赤字、三菱重工はMRJや豪華客船の納期遅れで大損…と、最近の日本企業はだらしないです。
ただ、[経済評論家の山崎元さんは「日本企業はもともとひどかったのだが、それが近年、見つかりやすくなっただけではないか」としていました。また、この主張は日本企業だけが…という意味でもありません。
「日本企業」が特に悪かったり、劣化したりしたわけではなく、そもそも、「企業」というものは、世界的にいい加減なものなのなのだと考えることが妥当なのではないかとされていました。日本企業も海外企業もどっちもダメってことですね。日本企業が特段優れていないということにはなりますが、これはまだ受け入れられる主張かもしれません。
海外企業の悪さについては、ガバナンスが進んでいたはずのアメリカの企業にあっても、共に意図的な巨大粉飾事件と言うべき、エンロン事件もあればワールドコムの問題があったという例を挙げていました。また、ネットバブルの時代も、サブプライム問題から金融危機に至る時期も多くの大手金融機関でガバナンスがまともに機能していたとは言い難いとしています。
(
日本企業は劣化したのではなく、もともといい加減だった|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員] 2016年4月6日 より)
●人間は放っておくと悪いことをする生き物だと考えるのは妥当
これはなかなか私的には納得でした。劣化日本企業の例は不正じゃないものも含まれており、それは違うものの、不正に関して言うと、これは俗に言う性悪説の考え方に似ていると思いました。
性悪説の「悪」は「悪い」という意味ではなく、「人間の弱さ」という意味だそうですが、今回の場合どちらの解釈でも意味が通じるでしょう。人間もその人間がやっている企業も、絶えず方向性を正してやらないと、不正を犯してしまうのだと考えられます。
<性悪説(せいあくせつ)とは、紀元前3世紀ごろの中国の思想家荀子が、孟子の性善説に反対して唱えた人間の本性に対する主張。「人の性は悪なり、その善なるものは偽(ぎ)なり」(『荀子』性悪篇より)から来ている。
ここで言う悪とは、「(人間は様々な意味で)弱い存在」という程度の意味であり、「悪=罪(犯罪あるいは悪事)」という意味では無い(「弱い存在」である人間が、犯罪や悪事に手を染めずに一生を終える、という事もありうる)>(
性悪説 - Wikipediaより)
●悪いことをする生き物である人間…対策は「厳罰主義」か「教育」か?
上記のWikipediaは参考文献なしのために信頼性が低いのですが、荀子は、これによって「厳罰主義」や「厳罰化」を推奨しているか?となると、そうではないとしていました。
荀子は、人間の本性はこのように欲望的存在にすぎないものの、後天的努力(すなわち学問を修めること)により公共善を知り、(人間の本性は根本的に変えられないとしても)礼儀を正すことができるとして、(性善説同様に)教育の重要性を説いた、とあります。教育が大事という話ですね。
私も単純に「厳罰主義」を推奨するわけではありませんが、荀子の言う「教育」だけでは防ぎきれないとも思います。厳罰かどうかは別として、人は必ず不正をするという前提において制度設計すべきだという考え方です。
よく書いているように、これは私が工事現場の安全管理の考え方を学んだせいでもあります。あのマーフィーの法則なんかもそういう考え方ですね。
<マーフィーの法則(マーフィーのほうそく、英: Murphy's law)とは、「失敗する余地があるなら、失敗する」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」をはじめとする、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである(それが事実かどうかは別)。多くはユーモアの類で笑えるものであるが、中には重要な教訓を含むものもある。(中略)
一面では「高価なもの程よく壊れる」に代表されるような自虐的悲観論を具現化したものと捉えることができるが、その一方で「
常に最悪の状況を想定すべし」という観念は今日、システム開発、労働災害予防、危機管理、フェイルセーフなどの分野で現実問題として重要視される考えとなっている>(
マーフィーの法則 - Wikipediaより)
厳罰を課してもやる奴はやりますし、教育してもやる奴はやります。人間は必ずやらかす生き物だと考えて、できる限りの対策を講じるというのがより賢いやり方でしょう。
●顧客からの19億円詐取事件の被害額弁済で第一生命が驚くべき発表
2021/01/05: 89歳という極めて高齢の第一生命保険のセールスレディーが、約19億円もの顧客資金を詐取した事件が発生しました。第一生命は、不正の予兆を感知することはできなかったと説明。被害者には全額ではなく、被害額の30%を弁済すると言っているそうです。
ただ、「予見できなかった」というのはかなり怪しいでしょう。彼女が「アンタッチャブル」で「タブー」な存在だったことは事実のようで、見て見ぬ振りをしていた…という方が正解な感じ。そもそも89歳のセールスレディーというのがかなり特殊。社内でただ一人という「特別調査役」の肩書を与えられ、定年退職後も復帰していました。
さらに、報道では、3年前にも外部から問題を指摘する情報が上げられていたというものも…。怪しい、おかしいなどという声が現場から上がってきていたにもかかわらず、上層部は、それを深く追及しなかったのではないか?と、第一勧銀勤務時代に総会屋事件のの処理を直接担当した作家の江上 剛さんは書いていました。
●傲慢・過信・鈍感など…日本企業が不祥事を起こす七つの原因とは?
このことが書かれた記事は、
日本企業が不祥事を起こす七つの原因 ~いつまでこんなことが続くんだ!~【怒れるガバナンス】:時事ドットコムというもの。多くの企業経営者の失敗を分析した「名経営者が、なぜ失敗するのか?」(シドニー・フィンケルシュタイン著)では、以下の7つが失敗の原因として挙げられていたそうです。
(1) 傲慢(ごうまん)=自分と会社が市場や環境を支配していると思い込む
(2) 私物化=自分と会社の境を見失い、公器であることを忘れ、公私混同する
(3) 過信=自分を全知全能だと勘違いする
(4) 排斥=自分を100%支持する人間以外を排斥する
(5) 空虚化=会社の理想像にとらわれ、現実を見なくなる。現場を忘れる
(6) 鈍感=ビジネス上の大きな障害を過小評価して見くびる
(7) 執着=かつての成功体験にしがみつく
最初のときに書いたように、私は日本企業だけがダメなのでなく、どこの国もひどいだろうというもの。上記も海外の分析のようです。ただ、とりあえず、日本企業がひどいのは事実であり、上記の失敗の原因にもよく当てはまってる…というのが作家の江上 剛さんの見方でした。
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