【クイズ】「人として守るべき道」という意味の「人道」と同様の意味を持つ言葉は?
(1)人義
(2)人徳
(3)人倫
●徳川康久宮司が靖国神社の意義を自己否定 明治維新の評価に批判的な発言
NEWSポストセブンは保守派雑誌のSAPIOも載せているのでそこだとおもしろいなと思ったら週刊ポスト2016年7月1日号だったのですが、靖国神社に関する記事がありました。
問題となったのは、"徳川康久宮司が語ったインタビュー記事の発言"。"記事は共同通信社から配信され、加盟する一部の地方紙(静岡新聞6月9日付、中国新聞6月10日付)に掲載された"ものだそうです。
靖国神社の徳川宮司「明治維新という過ち」発言の波紋 2016年6月20日 11時0分 NEWSポストセブン
自らの「明治維新史観」を開陳した。以下が宮司の発言だ。
〈文明開化という言葉があるが、明治維新前は文明がない遅れた国だったという認識は間違いだということを言っている。江戸時代はハイテクで、エコでもあった〉
〈私は賊軍、官軍ではなく、東軍、西軍と言っている。幕府軍や会津軍も日本のことを考えていた。ただ、価値観が違って戦争になってしまった。向こう(明治政府軍)が錦の御旗を掲げたことで、こちら(幕府軍)が賊軍になった〉
別にどうってことないんじゃないの?と思うのですが、以下のような経緯があるそうです。
一連の発言が波紋を呼んだのは、靖国神社創建の「原点」に関わるからだ。靖国神社のルーツは明治2年(1869年)に建てられた東京招魂社に遡る。
明治維新に際して、薩摩藩・長州藩中心の後の「明治政府軍」と徳川家や会津藩が中心の「幕府軍」が争う「戊辰戦争」が勃発。勝利を収めた明治政府軍が“官軍”、敗北した幕府軍は“賊軍”とされた。
この時、明治維新を偉業として後世に伝え、近代国家建設のために命を捧げた官軍側犠牲者を慰霊顕彰するため、明治天皇が創建したのが東京招魂社だ。明治12年に社号が「靖国神社」と改められて現在に至る。 それゆえに、「賊軍vs官軍ではなく、東軍vs西軍」とする発言は、靖国神社の歴史観を揺るがしかねないと受け止められたのだ。
靖国神社にある遊就館に展示されている「錦の御旗」には、「戊辰戦争で官軍の象徴として使用された」との解説があるように、靖国神社の見解はあくまで、「明治政府軍=官軍」だ。
●徳川家の子孫である徳川康久宮司がなぜか靖国神社に
徳川という苗字と、官軍ではなく幕府軍の方を「こちら」と呼んだところで、あれ?と思ったのですが、徳川宮司は幕府側である徳川家の子孫でした。そもそもこの人事が理解できませんね。
徳川宮司は徳川家の末裔であり、“賊軍”の長であった15代将軍・徳川慶喜を曾祖父に持つ。徳川家康を祀った芝東照宮に奉職した後、靖国神社の宮司になった。「賊軍の末裔」が「官軍を祀る神社のトップ」に立ったわけである。
調べて家系図を見てみると、宗家ではないですが、分家で血のつながりもある感じです。(参考:
徳川慶喜家 - Wikipedia)
●まず靖国神社の持つ歴史観を見直すべき
この見方について、著書で「薩長史観」を鋭く否定した原田伊織さんに話を聞いたところ、"同調するかと思いきや、意外にも「発言は中途半端」と手厳しい"反応でした。
「明治維新当時、東軍・西軍という言葉はほぼ使われていません」ということで、東軍・西軍という言葉を持ち出すのは変なようです。
また、「靖国の持つ歴史観を見直さないのは欺瞞」として、まず靖国神社の境内にある大村益次郎(官軍側の司令官)の銅像を撤去すべき」としていました。
【クイズ】「人として守るべき道」という意味の「人道」と同様の意味を持つ言葉は?
(1)人義
(2)人徳
(3)人倫
【答え】(3)人倫 (人義という言葉はなし。人徳は「その人の身についている徳」)
●非人道的な行為ばかりやっていた明治維新
書くことに困ったので、この原田伊織さんの著書の話でも。えらい過激なタイトルで『
明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
』というものでした。
タイトルからしてダメっぽいと思いましたし、実際アマゾンも 3.7 と低めの点数。ただ、トップレビューになっていたのは、意外にも評価するものでした。
以下はトップレビュー(改行は変更)ですが、これ以外にも上位の参考になるレビューは好意的なものが多かったです。話題的に繊細なものですので、総合で点数が良くないのは工作的なところもあるのかもしれません。
5つ星のうち 5.0 歴史は疑ってかかるべき。
投稿者 バグ 投稿日 2015/10/29
幕末からいわゆる明治維新の歴史において、「義の長州、薩摩」と「無能な売国奴、江戸幕府」という子供にも分かりやすいステレオタイプな歴史観も、長州や薩摩、それに加担する下級公家が京や江戸で行った犯罪行為、すなわち偽勅や殺人、強盗、放火、更には攘夷佐幕派の孝明天皇の暗殺、御所への砲撃等を知ると途端に信じられなくなり、本当に明治維新という一連の動きに正義はあったのかと疑問は常に持っていた。
そんな疑問に答えるような本書は目の前の霧を払ってくれるような爽快な内容だった。特に奇兵隊が会津でしてきた人倫に反する犯罪行為は筆舌に尽くしがたく、これまで見てきた幕末物が一気に嘘くさく見えてくる。我々は知らない内に「明治維新=絶対善」という洗脳を子供のころから受けてきたのかもしれない。
思えば、今世界で称賛される日本人の美徳はほぼ全て江戸時代に完成されたものであって、江戸時代という文化的に成熟した社会を一気に否定して武力で政権を己がものにしたのが明治新政府であり、自分たちの価値観のみを強要して他者への理解を拒み、全てを武力で解決しようとした結果が日清日露から太平洋戦争に続く歴史に反映されたと考えることができる。
本書の内容が全て正しいというつもりは毛頭ないが、「歴史は勝者によって作られる」のは歴史を学ぶ上で常識であるが、太平洋戦争の反省をするとしたら明治維新まで遡って検証する必要はあるように思う。
徳川宮司の主張について特に感想を書いていませんでしたが、幕軍=賊軍というのは明らかに間違っていると思い、賛成します。片側を一方的な悪としちゃうのは問題ですね。
そういう意味では上記の見方もかなり偏っていてオススメできないのですが、薩長側の犯した罪にも目が行くこと自体は良いことですし、明治政府が自分らの都合で結構捏造や伝統文化破壊をやっていることももう少し知られても良いと思います。
(関連:
多くの神社を廃止、明治政府の伝統文化破壊と国家神道の捏造 あの南方熊楠も「神社合祀」に猛反対)
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