クイズは昔使ったものの使い回しです。
【クイズ】2016年1月22日にイギリスメディアは、イギリス内務省がホームページに掲載した文書が訂正されたと報じました。この文書については、批判も出ています。批判された理由は、以下のうちどれでしょう?
(1)移民がみなまるで犯罪者であるかのような偏見に満ちた内容だったため。
(2)移民の英語力不足指摘をきっかけに出された文書なのに、英語の綴りを間違えていたため。
(3)移民を対象にした文書なのに、英語ネイティブですらわらかない難解な用語を多用していたため。
●イギリスのEU離脱、ユーロに関する誤解
国民投票により、イギリスのEU離脱が決定しました。
これに絡むニコニコ動画のニュースのコメントで、「それでもユーロに残りたいって言い出すんじゃねーか?」という趣旨のものがありましたが、これはかなりひどい誤解です。
もともとイギリスはユーロを導入しておらず、ポンドをそのまま使い続けています。
ユーロ圏 - Wikipedia
以下の9箇国は欧州連合に加盟しているが、ユーロを導入していない。
デンマーク スウェーデン イギリス ブルガリア チェコ ハンガリー ポーランド ルーマニア クロアチア
デンマークとイギリスは欧州連合条約における例外規定の対象となっている。両国は政府決定、あるいは議会の議決または国民投票を実施することとされており、これらなしではユーロの導入を求められることはない。
●移民・難民を拒否できないからイギリスはEU離脱…はデマ?
これはニコニコ動画らしい誤解で一目でわかったものの、スルーしてしまっていて指摘されるまで気にしていなかったのが、シェンゲン協定の誤解です。
「移民・難民を拒否できないからEU離脱」というのは、離脱派のデマだという指摘がありました。そもそもイギリスはシェンゲン協定を適用していないと言うのです。
シェンゲン協定 - Wikipedia
シェンゲン協定(シェンゲンきょうてい)は、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定である。
●元から難民危機とは無縁だったイギリス
離脱で移民・難民政策の自由度が増すのは嘘じゃないかもしれませんが、かなり誇張がありそうですね。シェンゲン協定とイギリスに関しては、ウォール・ストリート・ジャーナルがやはり以下のように書いていました。むしろ現時点でも十分に難民の到来を防げているという見方です。
【社説】英国が握る欧州の運命 - WSJ 2016 年 6 月 21 日 18:05 JST
海峡の向こうからこれを見ている多くの英国人が、自分たちは単独のほうがうまくやれると考えても無理はない。実際、多くの面でそうだった。英国は破滅を予想されながらもユーロ不採用を貫き、成功している。金融危機以降の成長率は欧州で有数の高い水準にある。パスポートなしに自由に国境を越えることを認めたシェンゲン協定は適用除外されており、難民危機を逃れている。
●移民を拒否したら日本みたいになっちゃうぞ!
なお、ウォール・ストリート・ジャーナルは、"移民をブロックすれば競争上の優位が得られると離脱派が考えているのなら、高齢化する日本の停滞ぶりをみるといい"として、移民を拒否して停滞する例として日本を挙げていました。
日本の保守派とドナルド・トランプ支持者の違う点 ナショナリズム・外国人排斥・懐古趣味などを比較で、ドナルド・トランプ支持者とEU離脱派と日本の保守派の共通点として外国人嫌いを挙げましたが、日本は既にそのせいで十二分に損失を出しているという見方でした。
●英語も話せない奴がイギリスに来るな!
イギリスでは、英語を話すことができない移民がいることも不満だったようです。で、思い出した話があったので、これをクイズにしました。
【クイズ】2016年1月22日にイギリスメディアは、イギリス内務省がホームページに掲載した文書が訂正されたと報じました。この文書については、批判も出ています。批判された理由は、以下のうちどれでしょう?
(1)移民がみなまるで犯罪者であるかのような偏見に満ちた内容だったため。
(2)移民の英語力不足指摘をきっかけに出された文書なのに、英語の綴りを間違えていたため。
(3)移民を対象にした文書なのに、英語ネイティブですらわらかない難解な用語を多用していたため。
【答え】(2)移民の英語力不足指摘をきっかけに出された文書なのに、英語の綴りを間違えていたため。
英政府職員も英語下手? - 移民への試験通知で誤り [2016/01/23]
英内務省がホームページに掲載した文書で「language(言語)」のつづりを「langauge」と誤った。移民向けの英語テストについての文書だっただけに、ネット上で「内務省職員も落第だ」と失笑が広がり、同省は慌てて訂正した。(中略)
キャメロン首相は18日、英紙への寄稿で、英国社会の統合が進まない背景の一つに移民の英語力不足を指摘し「移民にも責任がある。今後は上達しなければ在留資格にも影響する」と迫った。文書はこの発言を受けて出された。
本当かいな?という話ですが、イギリスでは英語を話せない人に通訳も用意してくれている話を最近目にしました。別にEUから離脱しなくても、こういうのをやめるだけで移民は減りそうですね。
ただ、ウォール・ストリート・ジャーナルは、"欧州の若者は経済的機会を求めてロンドンに殺到しており、英国経済も彼らを必要としている"ため、"全ての社会保障給付を止めても若者は来るだろう"とも書いていました。
私は良くも悪くも劇的には変わらないと思っているものの、この後イギリスがどうなっていくか?というのは注目です。
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