出生率や少子化対策に関する話をまとめ。<出生率が低いのは必然 少子化対策と言いつつお金を出さない日本>、<少子化対策にお金使わない日本政府、AI婚活には20億円かける>、<野党時代に罵詈雑言反対の少子化対策、何年も遅れて開始へ>、<女性の就業率が上昇すると出生率が高まる理由 子育て支援の拡充>などの話をまとめています。
2023/05/19追記:
●野党時代に罵詈雑言反対の少子化対策、何年も遅れて開始へ
2023/08/22追記:
●「反省すべきは反省すべきだ」…謝罪しているとは思えぬ発言連発 【NEW】
2022/07/11まとめ:
●女性の就業率が上昇すると出生率が高まる理由 子育て支援の拡充
【クイズ】待機児童問題について問題提起した「保育園落ちた日本死ね!!!」について批判した自民党の田中裕太郎区議は、1億6000万円の助成金を得て新設された保育園の理事(母が理事長)でした。この田中裕太郎区議はどこの区議だったでしょう?
(1)杉並区
(2)千代田区
(3)港区
●出生率が低いのは必然 少子化対策と言いつつお金を出さない日本
2016/6/26:今後インドが伸びることがわかっていますが、これは人口増加の影響が大きいです。それもただ人口が増えるだけではなく、生産年齢人口が増えるというのが大事。
世界の人口動態予測・主要国の将来の人口ランキング 地球は100億突破・中国激減でやっている話です。
こういった人口の予測から、中国や韓国がつまずくことも予め予想されていましたし、日本の経済が低迷し始めた時期も説明できます。こちらは、:
予測されていた中国・韓国経済の崩壊 日本の未来も人口動態でわかるでやったもの。これらの理由で、私は日本が最優先すべきなのは少子化対策だと考えています。
で、ここからは
実質賃金は過去数十年間最低 法人税減税分を庶民が消費税で肩代わりの続きで、
Twitter「#自民党に質問」がたいへんな事になってる… - NAVER まとめで出てきた質問について。自民党は結局募集しますと言っただけで、ろくに質問には回答しなかったそうですが、子育てに関する質問も出ていました。
以下は「保育所等の支出」というもので見ていますが、うちでは以前<女性の就業率が上昇すると出生率が高まる理由 子育て支援の拡充>(同じページの後半にまとめ)で「家族社会支出」で見ています。これでもやはり日本の予算は圧倒的に少なく、出生率に響いていることがわかりました。日本の出生率が低いのは当たり前なのです。だって、ろくに対策取ってないんですから…。
●重要論文が低下しているのも当然…教育予算にも消極的な日本
また、教育予算も重要です。
日本凋落は国のせい アジア大学ランキング、東大が一気に7位に低下などでやっているように、日本の研究機関で重要論文が激減しているのも、国の選択であり、偶然ではありません。海外では先進国でも日本と違う方向性だそうです。(関連:
文系縮小は非常識 教育予算が少なすぎる日本、海外はさらに増額)
また、教育関連のお金というのも、これまた少子化対策と関係しそうです。どうも子どもの教育費用はある程度所得が高い家庭でも気にしているようで、「子どもが少ない方が一人の子どもにかけられる教育費用が大きくなる」という考え方をする人がいるようです。もちろん貧しい家庭の方が教育費用の不安が大きいわけですから、少子化対策としてもその不安を払拭することは大切でしょう。
【クイズ】待機児童問題について問題提起した「保育園落ちた日本死ね!!!」について批判した自民党の田中裕太郎区議は、1億6000万円の助成金を得て新設された保育園の理事(母が理事長)でした。この田中裕太郎区議はどこの区議だったでしょう?
(1)杉並区
(2)千代田区
(3)港区
【答え】(1)杉並区 (
「日本死ね」批判の田中裕太郎、幼稚園理事で補助金得ていた 杉並区議で「便所の落書き」などとの批判より)
●「ウソつかない自民党、ブレない自民党」どころか何もかもウソ
あと、最後のオチ的な感じで、いつものTPPのポスターを。
私はTPPは全面反対ではなく、自由貿易部分は賛成なのですけど、嘘は嘘ですからね。…そういえば、「新しい判断」による消費税増税延期もそんな感じで、延期は賛成するけど嘘は嘘というものでした。どっちも最初から十二分に予見できた話、つまり、わかっていてついた嘘だと思われます。
●少子化対策にお金使わない日本政府、AI婚活には20億円かける
2020/12/09:最近、自民党の広報紙的な情報を発信している読売新聞ですが、<【独自】政府がAI婚活を後押し、希望合わなくても「自分に好意抱く可能性ある人」提案>(12/7(月) 15:04)という記事がネットで話題に。「独自」とあるので、読売新聞のスクープ。おそらく政府側がリークして、読売新聞に流させたのでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/78dd17187e3606f50a44c728516505004fab6a81
内容としては、政府が、少子化対策の一環として、AI(人工知能)を活用した自治体の婚活支援事業を後押しするというもの。年齢や年収などの希望条件に合わなくても、相性の良い見合い相手をAIで選び出すことで、婚姻数を増やし、少子化を食い止める狙いがあるといいます。
すでに多くの県で男女を仲介する「マッチングサービス」が導入されているそうなのですが、AIシステムを導入・運用する自治体に、必要経費の3分の2を補助するとされていました。内閣府は来年度予算の概算要求に20億円を計上したともされています。アピールしたいところなのでしょう。
●なぜまっとうな少子化対策にお金はかけない?民業圧迫とも指摘
これに賛同する声はありました。ただ、否定的な声の方が多かったですね。「相変わらず明後日な方向を向いてますなぁ」「にじみ出るディストピア感」「そこじゃないw」「こんな事にお金使うなよって話」「ああ日本終わったなって感じ…」などといったもの。また、結婚=出産ではなく、出産しない夫婦もいることが指摘されていました。
最も多かったのはこうした批判ではなく、AI婚活にお金を使うよりも、まっとうな少子化対策にお金を使うべき!といった方向性の批判。これに対しては「お金は関係ない」的な反論も結構多く出ていたのですけど、最初のときに書いていたように、日本の少子化対策予算は圧倒的に少なすぎるというのが無視できない事実。不思議なほど必要な対策にはお金をかけたくないようです。
さらに、そもそもこのAI婚活が有効だったとして、政府や自治体がやるべきものなのか?という疑問も出ていました。民業圧迫だろう…というものですね。婚活は民間企業でやるべきで、政府は政府にしかできない対策に力を入れるべきでしょう。この民業圧迫という批判も、至極もっともな指摘です。
●野党時代に罵詈雑言反対の少子化対策、何年も遅れて開始へ
2023/05/19追記:自民党政権のときだと「野党は反対ばかり」と野党が叩かれがちですが、実を言うと、民主党政権時代に野党だった自民党も「反対ばかり」でした。しかも、「よりによってそれに反対しちゃうの?」という重要法案の邪魔をしていたんですよね。日本にとってプラスになることを妨害しており、反日売国奴のようです。
例えば、感染症対策の法案がそういったもの。新型コロナウイルス問題は自民党政権で起きた問題でしたが、この対策に使われた法律は民主党時代の成立。自民党議員は当時全議員が反対しており、この法案が成立していなった場合、新型コロナウイルス対策はさらに苦労させられたことは間違いないと思われます。
少子化対策は経済的にも重要なのですけど、自民党はこれも大嫌い。自民党政権時代には対策に消極的であり、なおかつ民主党時代には野党として妨害。2023年になってやっと少子化対策を頑張ると言い出したのですが、これで日本は何年遅れたのか?という話。野党時代の民主党批判も悪い意味で話題になっていました。
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岸田首相、子ども手当批判を「反省」 住宅支援を検討―衆院予算委:時事ドットコム(2023年01月31日)
<首相は旧民主党政権の看板政策だった「子ども手当」を当時野党の自民党が激しく批判したことについて、「反省すべきは反省しないといけない」と述べた>
<自民党は当時、子ども手当で所得制限を設けないことなどに猛反発した。立憲民主党の長妻昭政調会長が「自民党議員から『愚か者めが、ばか者ども』などと罵詈(ばり)雑言をかけられた」とただしたのに対し、首相は「節度あるものだったのか、改めて振り返らないといけない」と語った>
記事に「反省だけなら、サルでもできる」というコメントがついていましたが、「節度あるものだったのか、改めて振り返らないといけない」という言い方だと微妙。罵詈雑言についてのみの「反省」で、法案反対については反省していないという言い方にも見えます。謝罪に見せかけて謝罪しないテクニックだけは一流の政治家が多く、麻生太郎さんなんかは特にうまいですね。
なお、1番人気のコメントとしては、<少子化問題解決のために所得制限廃止にするって言ってるわけだから、過去に所得制限を設けさせた自民党が少子化問題を深刻化させていたってことだよね>というものでした。これはそのとおりですね。効果があると思ったから今始めるわけで、実施していなかった期間は日本にとって損失だったと考えざるを得ません。
●「反省すべきは反省すべきだ」…謝罪しているとは思えぬ発言連発
2023/08/22追記:自民党による民主党の子ども手当批判に関して補足。
丸川氏、「愚か者」やじ反省 子ども手当巡り、民主批判|秋田魁新報電子版(2023年1月31日 掲載 2023年1月31日 更新)という記事が出ていました。ただ、これも反省しているのかよくわからない言い方です。
<自民党の丸川珠代元五輪相は31日、民主党政権時代の2010年に参院厚生労働委員会で子ども手当法案が採決された際、「愚か者」とやじを飛ばし批判した過去について「反省すべきは反省したい」と述べた。
自らのやじを巡る岸田文雄首相の国会答弁を真摯に受け止めると強調。「当時は私の発言を取り上げ、党もTシャツを作り販売した。私を含め、党が反省すべきは反省すべきだ」とも語った。>
Tシャツまで作ってはしゃいでいたというのも驚きですが、誤ったら死んじゃう病的な謝り方が気になるところ。大人に叱られた子供が「反省すべきは反省したい」「私を含め、反省すべきは反省すべきだ」などと言った場合に「うん、ちゃんと反省してるね」と思います? 実質、謝ってないでしょう、これ…。
●女性の就業率が上昇すると出生率が高まる理由 子育て支援の拡充
2014/8/21:
男性(夫)の家事・育児時間と少子化の相関関係 第二子が生まれる割合を書いた後に見つけた記事で、重なるところもあるかもしれませんが紹介。今回のグラフはどれも「出所:内閣府HP 人の活動ワーキンググループ」での一橋大学の小塩隆士さんの資料だそうです。
検索すると、
(PDF)資料3 小塩委員提出資料(PDF形式:371KB)のことみたいですね。まず、各国の女性の就業率(%)と合計特殊出生率(2009年)のグラフ。結構バラつきがあるものの、右肩上がりの方向性だということはわかります。
<女性が働くと赤ちゃんが増える!|ダイヤモンド・オンライン 2014年5月13日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]
2009年のOECD諸国の女性の就業率と出生率の相関関係を見たものであるが、これを見る限り、確かにプラスの相関が確認される>
http://diamond.jp/articles/-/52842 右肩上がり、プラスの相関というのはつまり、女性の就業率が高い国ほど合計特殊出生率も高い傾向があるということです。たとえば、最も女性の就業率が高い国は75%ほどですが、合計特殊出生率は2.0程度です。一方、最も女性の就業率が低い国は45%程度で合計特殊出生率も1.4程度と低くなっています。
次はOECD20ヵ国平均での女性の就業率と出生率の関係(時系列)です。これについては、以下のように書かれていました。
<時系列で就業率と出生率の関係を見ると(OECD20ヵ国平均)、 「女性が社会進出すると出生率が落ちる」というこれまでの社会常識が覆り、就業率も出生率もともに上昇するという形に変化していることが分かる>
以上のように書かれていたものの、実際にはやや時間差が見られます。グラフは1980年から始まっており、出生率は右肩下がりでスタート。女性の就業率は数年横ばいの後右肩上がりになっています。時間差というのはすぐに出生率が上がるわけではなく、実際の上昇は2005年頃からになっているためです。
次は同じグラフの日本だけのバージョン。「日本でも、世界の趨勢からは少し遅れているが、世界と同じ方向へと状況が変化してきている」という言い方でした。「世界の趨勢からは少し遅れている」とありますけど、それほど変わらないようにも見えました。日本でもやはり2005年頃から出生率は上昇に転じています。
ただ、これは女性の就業率との関係より、<社会全体で子育て支援を行うという家族支援策の拡充>で見た方が良いかもしれません。OECD諸国の出生率と家族支援策(家族社会支出/GDP)の関係の方が時間差が少なく、より相関性があるように見えました。
こちらと同じグラフの場合、日本は相変わらず時間差が大きくOECD諸国のようなわかりやすい相関性は出ませんでした。"これは家族支援等の水準自体がOECD諸国に比べて低位であることも、おそらく影響しているのであろう"と出口治明さんは書いていましたが、それが妥当そうです。OECD諸国の家族社会支出/GDPが2.4%程度であるのに対し、日本は半分以下で1.0%にも満たない低さです。
女性の就業率より家族支援策の拡充の方が出生率との相関性が高いと書きましたが、出口治明さんは以下のように説明していました。これは筋が通っていると思います。
<女性の社会進出が進むと、ライフワークバランスや家族支援策への社会的要請が高まる。つまり、政治家へのそうした声が大きくなる。そうなると政治は家族支援に関わる施策に取り組まざるを得なくなる。その結果として子育てに対する機会費用が低下するので、結果として出生率が高まる>
国の資料でも「女性の就業率が上昇すると出生率が高まる」という書き方ではなく、「女性の就業率の上昇は、出生率の低下につながりにくくなっている」と書いています。こちらで言っていることをわかりやすくまとめると、以下のような説明ですね。
女性の就業率の上昇 → 家族支援への社会的要請 → 家族支援の拡充 → 機会費用の低下
他にも「家族支援は出生率の引き上げに効果的だが、女性の就業率向上の出生率引き下げ効果を回避するために必要、と解釈すべきかもしれない」という書き方をしています。また、"女性が社会進出を果たす"と"子育ての機会費用を高める方向に働くので、政策効果がだんだんと落ちてく"傾向にはあるようです。
「女性の就業率が上昇すると、出生率は下がる」という批判も、部分的には間違いではないようですね。実際にはここまで書いてきたように、これらの関係は複雑であり、部分的な「女性の就業率が上昇すると、出生率は下がる」だけを切り出して主張しちゃうと、デマになっちゃうんですけど…。
その他に、"家族支援策の中では、さまざまな託児サービスよりも、「出産と育児休暇にどれだけお金をつぎ込んでいるか」(金銭的な手当て)が一番重要になる、という結果が出ている"という話がありました。バラマキの方が良いのであれば、楽なもの。本来なら日本の得意分野でしょう。
具体的には?とこちらも元資料を確認。<家族支援の中で、出生率の引き上げに安定的な効果があるものは、出産・育児休暇に関連する支援(家族手当、デイケア・ホームヘルプ・サービスに比較して)>と書かれています。ただ、これについてはグラフなどが載っておらず結果だけですので、よくわからりません。
とりあえず、「女性の就業率が上昇すると出生率が高まる理由」の方はよくわかりました。
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