EU離脱派がクズすぎてすごいです。EU離脱で3億5000万ポンドが浮く!という主張をしておきながら、投票が終わった途端に、デマだったと公約を引っ込めてしまいました。(2016/6/27)
2016/6/27:
●EU離脱で480億円浮く!というデマ、離脱派が拡散
●離脱派の急先鋒が投票が終わった途端に公約を撤回
●他国の国籍取得の申請など、イギリス脱出を検討する人も増加
●EUにいると難民を拒否できないというのもデマだった
2016/08/29:
●やっぱりEU離脱派の政治家はクズ?離脱3人組は権力闘争に明け暮れる
2018/02/02:
●イギリスの経済の中心ロンドン・シティから離脱の動き
2019/02/27:
●デマCMを繰り返し流して「洗脳」していたEU離脱派
●EU離脱で480億円浮く!というデマ、離脱派が拡散
2016/6/27:BBCの「離脱派が勝った8つの理由」を読んでいて一番ひどいと思ったのが、3億5000万ポンド(約480億円)の話でした。
【英国民投票】 離脱派が勝った8つの理由 - BBCニュース 2016年06月25日
2. 「NHSに3億5000万ポンド」の公約が広く伝わった
EUを離脱すればEUに払っていた週あたり3億5000万ポンドの予算が浮くので、これをNHSに回せる――というのはまさに、各種の政治運動が夢見る主張だ。印象的で分かりやすく、色々な年齢や政治指向の有権者を惹き付ける。
離脱派がこれを、広報バスに大きく掲げたのも当然だろう。
詳しく精査すればそんなことはありえないのだが、それでもメッセージは力を失わなかった。3億5000万ポンドという額の根拠に使われた数字に、財務省特別委員会が異論を唱え、英統計局がミスリーディングな数字かもしれないと指摘したのだが。
(中略)世論調査によると、この公約はかなり支持され、広まり、国民投票の運動で取り上げられた様々な数字の中で一番印象に残るものとなった。このスローガンの結果、この額をEUに加盟費として払うよりは英国内で使うべきだと多くの人が考えるようになったのだ。
そういう意味では、「英国はEUの外にいた方がいい」という主張を強力に支えるメッセージだった。
●離脱派の急先鋒が投票が終わった途端に公約を撤回
上記の時点で十二分にひどく、これ以上ひどい話になるとは思わなかったのですが、何と国民投票が終わった途端に離脱派がこれを嘘だと認めたそうです。陥落早いな、おい。
英国民、EU離脱で戸惑い 「投票を後悔」続出 2016/6/27 10:28 日本経済新聞 電子版
離脱派の急先鋒(せんぽう)だった英国独立党(UKIP)のファラージュ党首はテレビ番組で、EUに払ってきた拠出金を国営医療制度(NHS)に充てる公約を「間違いだった」と撤回。同公約は離脱派のキャンペーンの目玉だっただけに「無責任」との批判が出始めている。
●他国の国籍取得の申請など、イギリス脱出を検討する人も増加
同じ記事によると、イギリス脱出を検討する人も増加しているとのこと。
伊ANSA通信によると離脱が決まった24日、在ロンドンのイタリア領事館は、伊国籍の取得を求める英国人からの申請が31件あった。スコットランド東部のエディンバラにある伊領事館にも4件の申請があった。
米グーグルによると同社の英国サイトでは、離脱決定後にアイルランドのパスポート取得に関する検索が急増。残留派が多かった北アイルランドからのアクセスが大半だったという。ロンドンからのアクセスでは残留派が96%を占めた英領ジブラルタルへの転居についても検索が伸びた。
●EUにいると難民を拒否できないというのもデマだった
また、
EU離脱決定のイギリスの末路 移民に見限られ農作物収穫できず大損失でも少し紹介したように、投票後に後悔している人たちの話も記事ではありました。これまた前回も書いたように、離脱決定後に「EUとは?」「EUの加盟国は?」「EUを離脱したら、なにが起きる?」といったキーワードが急増したこともわかっています。
それから、離脱派のミスリードとしては、
移民・難民を拒否できないからイギリスはEU離脱…はデマ? シェンゲン協定やユーロの誤解で書いたものもありました。
EU離脱に投票した人たちは考えの足りない人たちだ…といった論調を激しく批判する人もいるのですが、正直熟慮した結果だとは言えないでしょう。やはり浅はかなものがあったことは認めねばいけません。
ただ、こいつら馬鹿だ…で終わってはいけないってのも本当でしょうね。今アメリカでもドナルド・トランプさんが大統領になりそうなことでもわかるように、デマの威力というのを軽視してはいけません。デマ対策として何ができるか?を、真剣に検討する必要があるでしょう。
●やっぱりEU離脱派の政治家はクズ?離脱3人組は権力闘争に明け暮れる
2016/08/29:やっぱりEU離脱で扇動した人はどうしようもないのかな?と思う記事が出ていたので追記。
"7月13日に発足したメイ政権で最大のサプライズとなったのが「離脱3人組」と呼ばれるジョンソン氏、フォックス氏、デービス氏の起用だ"だったのですが、彼らが離脱準備そっちのけで、縄張り争いしているのだそうです。
英EU離脱、3閣僚が縄張り争い 交渉遅れも 2016/8/20 21:28 日本経済新聞 電子版
【ロンドン=小滝麻理子】欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、その準備を担う省庁間に不協和音が生じている。国民投票で離脱派を率いたジョンソン外相と、新設ポストに就いたデービスEU離脱担当相、フォックス国際貿易相が外交権限などを巡って縄張り争いを繰り広げている。(中略)
「外務省の抜本的なリストラが必要だ」――。8月中旬、英紙テレグラフは、フォックス氏がこうした趣旨のメールをジョンソン氏に送付したと報じた。フォックス氏はメールの宛先にメイ氏も加え、外務省の経済外交担当チームを自分の傘下に引き渡すよう要求したとされる。
外務省に対しては、デービス氏も新設の離脱担当省を強化するために欧州外交に強い人材の提供を求めたが、ジョンソン氏は少人数しか応じなかったという。ある主要官庁の職員は「3閣僚に振り回されて、離脱に向けた仕事にちっとも着手できない」とぼやく。
●イギリスの経済の中心ロンドン・シティから離脱の動き
2018/02/02:EU離脱派は嘘ばかりであり、離脱で劇的にイギリスが良くなるとは思えません。一方で、残留派の意見も極端なところがあるにはあり、言うほど悪くもならないのではないかと思っていました。今のところ、EUはかなりイギリスに甘い対応を見せています。
ただ、
「BREXIT」はこれからが難交渉になる:日経ビジネスオンライン(岡部 直明 2017年12月12日)という記事は、そういう甘い対応はこの先望めないというもの。離脱の弊害が出てくるだろうという予想でした。
また、私が知らなくて驚いたのが、ロンドン・シティからの撤退の動きが既に出ているということ。
世界最大のタックスヘイヴンはイギリス(ロンドンのシティ)とアメリカでやったように、ロンドンは世界的に重要な金融都市であり、当然イギリスにもたらす利益は大きなものがあります。今回の記事では、英国の国内総生産(GDP)や雇用のかなりの部分を占めると説明していました。
ところが、EU域内の銀行監督当局を束ねる欧州銀行監督機構(EBA)はロンドンからパリに移転することが決定。ユーロの決済センターとしての機能もロンドンから移転することになるそうです。
また、金融機関は脱シティーの動き。米ゴールドマン・サックスがドイツのフランクフルトへの分散を検討している他、パリ、アムステルダム、ダブリンなどがロンドン・シティーからの分散先として金融機関誘致を競っている状態だと書かれていました。
●デマCMを繰り返し流して「洗脳」していたEU離脱派
2019/02/27:国民投票の際、当時開催されていた、サッカー欧州選手権をパブで観戦している労働者階級の白人男性2人のCMが流れていました。試合結果を全て正確に当てれば、5000万ポンドもの賞金を得られる、と言うキャンペーンです。スポーツくじのCMのように見えます。
ただ、このCMをSNSなどを流していたのは、離脱派公式団体「Vote Leave」。一見スポーツくじのCMにも見える動画の内容なのですが、労働者の2人はサッカーの話をしていると装いつつ、EU批判を展開しているのです。
「5000万ポンド?それは毎日英国がEUに渡している金額と同じだ」
「トルコやアルバニアもEUに入るんだろう?」
「欧州議員は年間、7万5000ポンドも稼ぎ、4万5000ポンドも経費が使えるんだ」
離脱派はこのキャンペーンで、まずCMの出演者たちと同じ「白人・労働者階級の男性有権者」を特定。そして、国民投票でどちらの陣営に投票するかも答えさせることで、通常は政治に関心を示さず、投票させることが難しい層の情報を得て、働きかけることができたといいます。
また、そもそもCMであった「トルコのEU加盟」は完全なデマ。「繰り返しこのCMを流された有権者のどれだけが、真偽のほどを確認しただろうか」と記事であったように、政治に関心を示さない人たちはそもそも事実確認をしないでしょう。デマ情報を繰り返し流して洗脳のようなことをしていたわけです。
(
フェイスブックが「偽情報拡散」のツケを払う日:日経ビジネス電子版 2018年11月2日より)
2019/03/01:最初は書いていませんでしたが、「5000万ポンド?それは毎日英国がEUに渡している金額と同じだ」は、最初に書いていた「EUを離脱すればEUに払っていた週あたり3億5000万ポンドの予算が浮く」と同じもの。つまり、これもデマです。
あと、5000万ポンドもの賞金を得られるキャンペーンというのは、実際に賞金が出たってことですかね? 5000万ポンドは日本円でおよそ70億円であり、それだけのお金が保守派に集まって洗脳工作資金として使われていたというのは、非常に恐ろしいことなんですけど…。
【本文中でリンクした投稿】
■
EU離脱決定のイギリスの末路 移民に見限られ農作物収穫できず大損失 ■
移民・難民を拒否できないからイギリスはEU離脱…はデマ? シェンゲン協定やユーロの誤解 ■
世界最大のタックスヘイヴンはイギリス(ロンドンのシティ)とアメリカ【その他関連投稿】
■
イギリスニュース集 イギリスの料理は本当にまずいのか?など ■
サッチャー元首相イギリス人に嫌われ、死を祝う歌が全英1位に ■
イギリスの学生ビザ申請でTOEIC・TOEFLが使えない 組織的不正のため ■
海外・世界・国際についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|