【クイズ】ドイツの統計調査会社Statista調べの、2015年3月時点でのメッセンジャーアプリランキングで、LINEは何位?
(1)2位
(2)4位
(3)8位
●「最初から誰もLINEを日本製だなんて思っていないでしょ?」って本当?
2016/6/30:話題になっている記事は先に反応を見てから読むかどうか決めるのですが、今回の記事の反応では「最初から誰も日本製だなんて思っていないでしょ?」「記者がそう思っていただけ」といったものが結構ありました。私もLINEが日本製とは言い難いところがあると知っていたものの、この「みんな知ってた」というのも「本人がそう思っているだけ」じゃないかと思います。
たぶんそもそも日本製かどうか気にしていない人が大半だろうと思いますが、メディアでは日本製のような書き方をしていましたので、日本製だと思っていた人はいるはずです。さらに、東日本大震災を契機に作られたというエピソードが強調されていました。誤解する人が多かったとしても全く不思議はありません。
例えば、日経新聞は2012/2/13 7:00に
スマホが拓く世界市場 和製「LINE」ヒットの裏側"という記事を書いています。さらに本文では「純国産」と言い切っている部分もありました。なので、「最初から誰も日本製だなんて思っていないでしょ?」は事実ではありませんでした。こうやって証拠を探すのが大事ですね。
<パソコン向けのサイトは、なかなか海外からユーザーが来てくれない。でも、スマホでは楽に国境を越えられる」――。LINEを開発したNHN Japan(東京・品川、引用者注:後にLINEに名称変更)でLINE事業を統括する執行役員の舛田淳は、今となってはそう語る。(中略)
もともとLINEは、NHN Japan傘下のネイバージャパンで企画・開発されたサービス。NHN、ネイバーは今年1月に事業統合したため、現在の運営企業はNHNとなる。ともに韓国ネット企業の日本法人。そのため、LINEは「韓国産」と勘違いされることもあるというが、日本で企画され、日本で作られた「純国産」である。「韓国本社が“逆輸入”を決めた時は『よしっ』と思った」。舛田はそう笑う。このLINE、「何か新しいSNSができないか」という素朴なエンジニアの欲求が起点だった。
「もっとパーソナルで細かいグループ性をもったコミュニケーションツールが必要なんじゃないか」。11年の年明け、ネイバージャパンの社内では、人間関係を分析していたチームのレポートを基に、そんな議論がなされていた。そこへ3月11日の東日本大震災。身近な人とのコミュニケーション手段の重要性に焦点が当たり、「やるべきだ」と結論付けた>
●LINEは日本製でも日本人が作ったものでもない韓国製アプリか?
で、反応を見てから今回の記事
「LINEは日本製」って言い出したのは誰か? | 東洋経済オンライン(大西 康之 :フリージャーナリスト 2016年06月30日)を読んだら、記事でもマスコミが誤解するような書き方をしていたという話をしていました。なんだ、本文でも指摘していたんですね。本文を読ままない(あるいは読解力がない)人が多くて困ります。
<誰もが知っているのに、わからない。そこから様々な都市伝説が生まれくる。曰く「親会社は韓国だが、アプリが開発されたのは日本」「開発チームを支えているのは旧ライブドアのエンジニア」「LINEは東日本大震災をきっかけに作られたサービスである」――。
かくして、日経を始めとする日本のメディアも「日本生まれのネットサービス」と書くようになった>
あと、こうした報道は日本すごい!系の話ではないかという指摘も記事ではありました。『
韓流経営 LINE (扶桑社新書)
』(ちなみに扶桑社は右派系です)のエピローグで、以下のようにあったそうですが、これを読んで新聞記者時代の自分が無意識のうちに抱いていた「愛国心」のようなものを、ズバリと指摘された思いがしたなどの話がありました。
”世界的な成長を収めているLINEが日本で生まれた、という物語は日本人にとって耳あたりが良い。そのため日本経済新聞を始めとする大手メディアも『純和製』『日本発』という枕詞を使ってラインを紹介してきた。とりわけグーグルやアップル、フェイスブックなど米国発のサービスが世界中を席巻しているIT業界にあって、自分の国から、こうした素晴らしいサービスが生まれたのであれば、日本人としては大いに勇気付けられる”(『
韓流経営 LINE (扶桑社新書)
』より)
<告白しよう。この本を読むまで、私自身もLINEを開発したのは日本人だと思い込んでいた。コニー、ムーン、ジェームズといったお馴染みのスタンプ・キャラクターは「日本の漫画文化が生んだハイテキストなコミュニケーション」などと得々と語っていた。しかし本書を読み進むと、キャラクターを考案したのは韓国人イラストレーターであることがわかる。知らないというのは恐ろしい。
「日本製品は素晴らしい。日本人は優れている」
ロンドンに4年間駐在したこともあり、「グローバルに」「客観的に」と自分に言い聞かせながら記事を書いてきたつもりだが、子供の頃から刷り込まれた価値観が消えることはなかった>(記事より)
●日本人にとってもLINEにとっても都合が良い「日本製」神話
見方を変えると、こうした誤解があったことはは日本人だけでなく、LINEにとっても都合が良いとも言えます。
<付け加えるなら、我々が「LINEは日本生まれ」と思い込んでいる裏には緻密な計算がある。本書は「そこには『LINEが日本発のオリジナルアプリという"物語"』にとって、韓国という存在はできる限り消したほうが都合が良い、という経営判断があったからだ」と謎解きをしてみせる>
あと、細かい内容は「本書で」と紹介とされていて、書籍で言及があるかどうかは不明ですが、そもそもLINEは同じ韓国のカカオのカカオトークのパクリではないか?とも韓国の方では言われています。うちでは、
LINEは韓国カカオトークのパクリ NHN JAPANが事業モデルをすべて真似たで書きました。
●結局世界を取れなかったLINE…メッセンジャーアプリで何位?
日本すごい系の話に関しては、久しぶりに日本発(「日本製」ではなく「日本発」という言い方を私はしています)で世界を取れるサービスではないか?という期待もありました。最初の記事の「パソコン向けのサイトは、なかなか海外からユーザーが来てくれない。でも、スマホでは楽に国境を越えられる」というのがそういう話です。ところが、これも期待はずれに終わったと言って良いでしょう。近年の日本関連にしては珍しい大ヒットではありますけどね。
【クイズ】ドイツの統計調査会社Statista調べの、2015年3月時点でのメッセンジャーアプリランキングで、LINEは何位?
(1)2位
(2)4位
(3)8位
【答え】(3)8位
【アクティブユーザー数ランキング(2015年3月時点)】
1 WhatsApp 7億
2 FacebookMessenger 6億
3 QQモバイル 5億7600万
4 Wechat 5億
5 Skype 3億
6 Viber 2億3600万
7 kik 2億
8 LINE 1億8100万
9 BlackberryMessenger 9100万
10 カカオトーク 4800万
LINEはアジアだけのヒットであり、欧米では無名なので、LINE社のアメリカ上場は現地だと酷評されているという記事も最近読みました。何だか残念な話ばかりになってしまいましたね…。
【本文中でリンクした投稿】
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