【クイズ】「鍋焼うどん」で有名な株式会社 キンレイの本社はどこにある?
(1)大阪市
(2)京都市
(3)神戸市
●鍋焼きうどんでお馴染みのキンレイの自信作、全く売れず…
2016/7/4:ロングセラーのアルミ製容器入り鍋焼きうどんを売っている「キンレイ」は、2005年に期待の新商品を投入しました。「アルミ製の容器に入っていなくてもいい」という客の声に答えて、うどんとスープと具だけを袋に入れ、「料亭の匠」という名で販売したそうです。これは高級路線で500円、「この自信作が売れないはずがない!」と思ったものの、年間1万食程度しか売れず、3年で発売中止が検討されるようになります。
<売れない理由は、単純に認知度が低かったからだ。「アルミ製の容器に入った冷凍うどん」はすでにカテゴリーを形成していたが、具入りの冷凍袋麺は、新商品だけに馴染みがなく、ユーザーの選択肢にあがることがなかった。
また、戦略もちぐはぐだった。キンレイの営業は、スーパーのバイヤーから「なまじ味に自信があるから高級イメージで売ったのだろうが、高級品を求めて冷凍食品のコーナーに来る人はいない」と助言された。味で売るなら、百貨店などで販売すべきだったのだ>
(
“奇跡の冷凍うどん”が中身を変えずに売上100倍にできた理由|ヒット商品開発の舞台裏|ダイヤモンド・オンライン 経済ジャーナリスト・夏目幸明 2016年5月25日 より)
●アルミ製鍋焼きうどんは皆知っててもキンレイは誰も知らなかった
ここでキンレイは路線変更。10倍売れるようにしました。2008年、有名店に監修してもらった『ラーメン横綱』を200円台で発売、あえて安価な商品としたため年間販売数約10万食と、そこそこの結果が出ました。最初の失敗からスルと、成功と言えるでしょう。しかし、テコ入れ策はこれに留まりません。
<まず、具を見直して価格を300円台に下げた。同時に、簡便なイメージを打ち出すべく名前を『おうちで簡単!鍋焼うどん』として再度販売したのだ。こちらも年間販売数が約10万食に近づき、なんとか販売は続けられる程度の売上が確保できた>
そして、本当にすごくなるのがこの後です。"きっかけはオリックスがキンレイに資本参加し、経営に加わったこと"でした。専門家じゃない素人に何がわかる!という考え方は多くの方に支持されますが、そんなことはないんですね。似たような話だと、
田崎真珠(TASAKI)復活は品質のこだわりではなくファンド出資のおかげを思い出しました。
いい商品を作れば売れるというのは大間違いだというのも、TASAKIのケースと似ていますが、やり方は違います。キンレイの場合、オリックスが何をしようとしたか?と言うと、企業価値を高めるためブランディングでした。私も知らなかった名前ですが、アルミ製容器入り鍋焼きうどんはみんな知っていても、「キンレイ」は誰も知らなかったのです。
●中身はほとんどいっしょなのに「お水がいらない」で販売数は100倍に
そこで、「キンレイ」のアイデンティティとして、「冷凍鍋焼きうどんの会社」と決定、「なべやき屋キンレイ」の名前を他の商品を入れたところ、それだけで売上が伸びました。また、会社の価値を上げようとする中で、商品の袋入り冷凍麺についても価値を上げようとしました。
で、冷凍麺のメリットをいろいろ書きたいと思ったみたいですね。ストレートスープであること、スープと麺を別々で凍らせ、スープの上に麺を置いているからゆでたての食感が楽しめること、原材料も具も厳選していること…。ただ、お客さんはそんなにごちゃごちゃ書かれても読みません。で、違う路線を考えました。
「そこで、何かをアピールするなら、まず、興味を持ってもらわなければいけない、と考えたのです。当社はお客様に技術力の高さやおいしさを訴求すれば売れる、と考えていました。しかし、商品や企業がお客様の目からどう見えるか、まだまだ考える余地があったのです」(福田氏)
「おうちで簡単!」ではカップ麺でも乾燥麺と同じなのでボツに。また、前述の通り、具材がたっぷり入った高級感は、冷凍食品売り場では求められていないとわかりました。で、どうするか?といった議論の中で『お水がいらない』というワードが生まれたそうです。当初売りとしたかって点とは全然違うものなのですが、これが良かったんですね。
「そもそも『鍋があるなら、たいてい水もあるはず』という議論もありました。しかし『これは気になる』という意見が大勢を占めたのです。また『お水がいらない』であれば、スープがストレートであることも伝えられるかもしれません」(福田氏)
「結果、すごいことが起きました。販売量がぐんぐんと伸びて行き、現在は年間100万食を優に超えました。製法はまったく変えず、売上が100倍にまで伸びたのです。その後、小売店の方からたびたび『お水がいらないシリーズは新商品出さないの?』などとお問い合わせをいただきます。商品名より『お水がいらない』のほうが、インパクトがあるんでしょうか(笑)」(福田氏)
●優良企業が多いというイメージの京都…キンレイも京都企業の一つ
【クイズ】「鍋焼うどん」で有名な株式会社 キンレイの本社はどこにある?
(1)大阪市
(2)京都市
(3)神戸市
【答え】(2)京都市
ちなみにキンレイは今、月桂冠株式会社の100%子会社です。オリックスの手を離れたみたいですね。じゃあ、オリックスが持つ前…最初は?と、
キンレイ - Wikipediaを見てみました。こちらによると、大阪ガス系列の「近畿冷熱」(1974年創設)の元で運営されていたとのこと。全然畑違いのところが始めた企業だったんですね。
<2005年(平成17年)に大阪ガスの経営見直しに伴い、キャス・キャピタル・ホールディングス・ワン株式会社の公開買付けによる全株式の譲渡・売却[3]が成立。
2012年(平成24年)4月にはオリックスが全株式を取得し、同社の子会社となった[4][5]。
2014年(平成26年)4月1日付けで食品事業会社と外食事業会社に分割し、新設する食品事業会社の全株式を月桂冠株式会社へ譲渡[6]。並びに外食事業会社の社名を「キンレイ」から「KRフードサービス」へ変更した(事業はオリックスが継続後、2015年6月にクリエイト・レストランツ・ホールディングスへ譲渡)[6][7]>
ブランド力が高まったことで、結構個性的なところが多い印象のある京都の代表的な企業の一つに、キンレイも加わった感じです。
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