宗教と人気投票と乞食…という全然関係なさげな3つの話をまとめ。<一番慈悲深い宗教はどれ?煽って寄付金額を競わせる天才乞食現る>、<寄附金額ランキング上位が予想外…一番目と二番目の宗教は何?>、<物乞いの方が儲かるのに、敢えて儲からない仕事をする理由>などをまとめています。
2023/06/17追記:
●物乞いの方が儲かるのに、敢えて儲からない仕事をする理由 【NEW】
【クイズ】アメリカのミネソタ大学の調査(記事は2009年で調査年は不明)によると、アメリカ人にとって最もアメリカの社会に受け容れがたいグループはどれだったでしょう?
(1)イスラム教徒
(2)ホモセクシャル
(3)無神論者
●選挙の投票率は低いけど、投票やランキングならみんな大好き!
2016/7/9:ブックマークのストックを見ていてたら、ちょうど選挙の時期に良いものがありました。日本の選挙の投票率は低いですけど、基本的に人は投票やランキングが好きだというのがわかる話を二つ紹介します。そういや日本でも以前、政治への注目度は低いのにAKB総選挙なら注目度高いよねって、誰かが嘆いていました。
まず、ユーモア抜群の戦略でロンドンの街からタバコのポイ捨てをなくそうとしている、環境問題に取り組むイギリスのNPO団体「Hubbub」の話を先に紹介します。この団体「Hubbub」は、地面に捨てられる吸い殻、これを有効活用させるために、それ自体に意味を持たせることにしたのです。
上記のようなまどろっこしい言い方だとさっぱりわからないと思うので、具体的な話を。「Hubbub」は吸い殻を投票券として使ったのです。例えば、「現在、世界最高のプレイヤーと言ったら?」として、世界を代表する2人のサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシのどちらかに投票させます。
吸い殻入れは透明にしており、積み上がっていく様が見えるように工夫。見える投票箱にして、高さが高い方が高い支持があるということで、これなら捨てるのも楽しいですよね。ちなみにサッカー通のロンドンっ子の意見はロナウドがやや優勢だったそうです。そういや彼はイングランドでブレイクした選手でしたね。
(
タバコのポイ捨てを、劇的に減らした「看板」。その斬新すぎる仕掛けとは? | TABI LABO 平野星良 TABI LABO ライター 2015/09/09より)
●一番慈悲深い宗教はどれ?煽って寄付金額を競わせる天才乞食現る
これともう一つ似たような心理を利用したものを紹介します。最初の「タバコの吸い殻で人気投票させるポイ捨て軽減活動」と、どちらがすごいと感じるかは人によって異なるでしょうけど、ひょっとしたらさらに発展したものと言えるかもしれません。
どういうものか?と言うと、ホームレスの方がただ恵みを乞うのではなく、選択肢を作り、そこに入金(?)してもらうというもの。キリスト教徒、ムスリム、仏教徒などのいくつかの宗教の信者の呼称を書いた紙を置いて、それぞれの場所に皿を置いていたんですよ。これはサッカー選手投票ではなく、宗教というのがポイントですね。
こうすることで、宗教ごとにどこが一番心が広いか?といった競争心を煽るものになっています。基本的に私は寄付みたいなものは好きではなく、それはこういった寄付する側の心の汚さもあるんですが、とりあえず、うまいことそういった寄付したがる人の心理を利用していると思います。
●寄附金額ランキング上位が予想外…一番目と二番目の宗教は何?
ただ、これはどこの国でやったかで、かなり信者の比率が異なると思うんですよね。極端な話、宗教がほぼひとつだけの国では無意味です。また、この例では、そもそもの宗教比率がわからないために、厳密にどの宗教が一番であるかは特定不可能でした。
ただ、とりあえずおもしろいと思ったのが、一番金額が多い皿がatheist(無神論者)であったこと。数が少ないはず、しかも道徳心などを説かれていないはず…という無神論者が一番という皮肉なことになっています。対抗心を煽るためにホームレス側でも捏造できるので、この金額の分配が本当かどうかわかりませんけどね。
(2023/06/17追記:この話の元ネタのリンクを貼り忘れていたことに今頃気づきました。ブックマークもすでに消してしまったので詳細不明。今後判明したら、リンクします。申し訳ありません)
また、二番目に多いのもagnostic(不可知論者)となっていました。これは難しいですけど、
不可知論 - Wikipediaでは、以下のように説明されています。乱暴に言えば、こちらも結局、無神論者に近いタイプだとは言えるでしょう。したがって、一般的な宗教勢は惨敗だったのです。
<不可知論(ふかちろん、英: agnosticism)は、ものごとの本質は人には認識することが不可能である、とする立場のこと>
<不可知論というのは、事物の本質は認識することができない、とし[1]、人が経験しえないことを問題として扱うことを拒否しようとする立場である[1]。(中略)
宗教的不可知論のひとつのタイプとしては「神は「いる」とも、「いない」とも言えないのだ」とする中立的不可知論がある。他に、
政治的な意図から無神論者であると言明するのがはばかられる場合に用いられる表明が入れられることもあるが、これは政治的な運動であるマルクス・レーニン主義者や科学原理主義者などの無神論者からは "相対主義的だ"などと批判されることがあった>
●予想通り?予想外?アメリカ人にとって最も嫌いな人たちとは…
上記の説明に"無神論者であると言明するのがはばかられる場合"とありましたが、これは理解できない日本人が多いかもしれません。実は無神論者って、欧米だとめっちゃ嫌われているんですよね。最初クイズの答えは以下の通り。今やったらイスラム教徒になるかもしれませんが、当時の調査では無神論者が1位だったんですよ。
【クイズ】アメリカのミネソタ大学の調査(記事は2009年で調査年は不明)によると、アメリカ人にとって最もアメリカの社会に受け容れがたいグループはどれだったでしょう?
(1)イスラム教徒
(2)ホモセクシャル
(3)無神論者
【答え】(3)無神論者 (
アメリカで無神論者はイスラム教徒より嫌われている 同性愛者・黒人などに圧勝で二冠達成より)
これはもちろん良いことだと思えません。差別です。さらに日本人には信じられないことだと思いますが、キリスト教だけでなくイスラム教やユダヤ教なども含めて一神教が主流なために、日本人にとっては何てことない多神教的なものですら、嫌な顔をする人がいるそうです。ここらへんは欧米を見習わない方が良いという点ですね。あまりにも不寛容すぎます。
●物乞いの方が儲かるのに、敢えて儲からない仕事をする理由
2023/06/17追記:
「物乞い」の行為をデザインする - Tomo Kihara - Medium(Tomo Kihara Nov 3, 2017)という変わったタイトルのページ(今見ると、<「物乞い」の代替行為をつくることはできるのか?>にタイトル変更されていました)をブックマークしていました。確か上記のふたつの話とセットでブックマークしていたものです。
作者はアムステルダムの路上で通りすがりの人々にコピーCD を売るスリナム人に出会い、いっしょにCDを売ったそう。ところが、ほとんど売れません。彼によると、実は物乞いの方が簡単に儲かるとのこと。しかし、それはどうしようもないときにしかしません。自尊心が傷つけられてしまうため、儲かるとしてもやりたくないといいます。
私はこれでキリスト教的な思想による「愛」を批判していたニーチェのことを思い出しました。ニーチェは良いことのように言われる「同情」を前述の観点で批判しています。今回紹介のページ冒頭では、こうした尊厳に配慮した代替策というのが、ストリート・ディベートと呼ばれる方法だとされていました。
<ストリート・ディベートは路上で問題提起をし、世論を硬貨で可視化する職業である。これは、路上での「ものごい」に代わる行為でもあり、尊厳を損なわずにお金を稼ぐことができる誰もが出来る方法である。
路上で暮らすことを余儀なくされた人々が、友好的な会話を通して社会へ対等な立場で再接続する最初のステップとなることを目指している。
ロンドンではストリート・ディベートで1時間に平均13.5ポンドを稼ぎ、12.5人を議論に巻き込むことが明らかになっている。>
【本文中でリンクした投稿】
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