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日本野球はブラック 阪神金本監督、懲罰的に藤浪投手に161球投げさせて大量失点


冒頭に追記
2022/04/20追記:
●球数を気にして2戦連続完全試合達成目前の投手を交代…反応は? 【NEW】


【クイズ】>高校野球において投手の球数の多さが問題になったとき、「それが日本のスポーツの良さでもある」などと反対していた議員は?

(1)小泉進次郎
(2)馳浩
(3)義家弘介


●球数を気にして2戦連続完全試合達成目前の投手を交代…反応は?

2022/04/20追記:日本では投手にめちゃくちゃ投げさせる…という話題ばかり紹介していましたが、今回は逆のエピソード。史上初となる2戦連続完全試合達成目前の投手を交代して記録が作れなかった…という話です。おまけに投手を交代した後にチームも負けてしまう…というさんざんな結果になっていました。

<ロッテの佐々木朗希投手は17日、ZOZOマリンスタジアムで行われた日本ハム戦に先発し、8回まで走者を1人も出さない完全投球を続けながら降板。史上初の2戦連続完全試合まであと3人に迫りながら達成できなかった。(中略)試合は両軍無得点のまま延長に突入、10回に3番手の西野勇士投手が万波中正外野手に決勝ソロを浴び、ロッテが0-1で敗れた>
<史上初の2試合連続完全試合に期待が高まる中、両チーム無得点で最終回へ。スタンドが盛り上がりを見せる中で、井口資仁監督がベンチから出て、投手交代を審判に告げた。9回は守護神の益田がマウンドに上がり、佐々木朗は完全投球を続けたまま、まさかの降板となった>
(佐々木朗希、8回完全投球もまさかの降板 初の2戦連続完全試合ならずチームも敗戦 4/17(日) 16:12配信 Full-Count より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d4c7b3c4f28b2018a367ee62986ebe3dd6bdd9f

 球数は102球。ロッテ井口資仁監督は試合後の囲み取材で以下のような説明をしていました。また、「やっぱりチームが勝つっていうか、1年間ローテで、朗希がローテーションでしっかり回ることが大事なんで、いろいろ加味してですね」とも説明していたそうです。

「球数? まあ、そうですね。今日は100球…、100球弱と思ってたんですけどね。本当に素晴らしいピッチングで、できれば我々も最後まで見たかったし、ファンの方も見たかったと思いますけど。いろいろ先々考えると、ちょっとあそこが、今日は限界だったのかなと思います。もし(味方が)点を取っていても8回で代わってました。7回終わった時点で朗希がね、ちょっとへばりつつあったんで。何とか8回までと思ってました」
(【ロッテ】井口監督が佐々木朗希の降板理由明かす「味方が点を取っていても8回で代わっていた」 - プロ野球 : 日刊スポーツより)

 野球の監督コーチだけでなく、マスコミやファンにもブラック思想が多い日本。なので、この交代に関して批判が出ている可能性も心配したのですが、以下のようなヤフーニュースのコメント欄を見る限り、専門家もファンも好意的でした。むしろ監督を褒めるということをすれば、良い循環も生まれます。日本にとって良いことですね。

西尾典文 野球ライター/野球ジャーナリスト
<8回には三者三振は奪ったものの、明らかにストレートがシュート回転していて捕手の構えたところから外れるなど、思ったところに投げられていないように見えました。(中略)疲れは確実にあったように思います。長いシーズン、そして今後の野球人生を考えても、同点のまま8回で降板というのは英断だったのではないでしょうか>

阿波野秀幸 プロ野球解説者
<マウンド上ではリラックスした表情を見せていましたが、ベンチ内では時折疲れた様子が見えました。(中略)何年もローテーションを守っている投手なら続投でしょう。しかし、佐々木はまだ20歳という若さで160キロ以上のボールを投げる体への負担は相当なものです。
 今シーズン、1番大切な事は大記録よりローテーションの一角を守り、成績を残す事です。選手のコンディションも重視するメジャーリーグで経験を積んだ井口監督の決断でした>

<ここで無理をさせるのは本人は元より日本球界にとっても大きなマイナスになる可能性があった。だからここでの降板は仕方ないと思います。(中略)批判される事も当然覚悟の上で交代を決めた監督も称賛に値する英断だったと思います>

<これは井口監督の決断を自分は讃えたいと思います。2試合連続完全試合なんて記録は前代未聞だし、プロ野球界の歴史が動く場面。それでも井口監督は、記録よりも今シーズンや今後の未来を選んだ。この判断を下すには相当な覚悟がいるし、批判も避けられないのは間違いない。しかし選手の将来を取った決断は素晴らしいと思います>


●阪神金本監督、懲罰的に藤浪投手に161球投げさせて大量失点!

2016/7/11:阪神の金本監督が藤浪投手を懲罰的に161球投げさせて大量失点を招く…ということが起きました。
ブラック企業みたいだって感想があったように、異常です。ただ、これを紹介した記事初回四球で鬼に…金本監督 藤浪に“懲罰”続投161球 2016年7月9日 6時3分 スポニチアネックスはこれに好意的なんですよ。狂っています。

◇セ・リーグ 阪神2―8広島(2016年7月8日 甲子園)

<鬼になった。阪神は8日の広島戦(甲子園)に敗れ、今季初めて自力優勝の可能性が消滅した。大事な首位チームとの3連戦初戦でも立ち上がりから精彩を欠いた先発の藤浪晋太郎投手(22)に対し、金本知憲監督(48)は怒り心頭。「10点取られても(最後まで)投げさせるつもりだった」と8回161球を投じるまで“懲罰続投”させた。(中略)
 懲罰の意味が込められた続投に終わりは見えない。131球を投じていた7回に打順が回っても代打を送らない。8回無死一塁でプロ初ボークを犯すなど背番号19は気力、体力ともに限界に近付いた。スタンドがどよめいても指揮官は不動。「責任を持って、何球投げようが何点取られようが。10点取られても本当に投げさせるつもりだった」。さすがに160球を超えた8回で替えたが、本気で“懲罰完投”させる予定だった。
 もっとやれるはず―。期待の裏返しだ>


●他球団から疑問の声も、阪神チーム内では「もっとやれ」と歓迎

 十分に狂って見える上記記事でも、実はまだマシというのが今の日本。もっと露骨だったのは、東スポです。藤浪に懲罰投161球 金本監督の鬼采配に「もっとやれ」の声(東スポ 2016年07月09日 16時30分)では、以下のように書いていました。

<“大戦犯”は8回8失点で今季5敗目を喫した藤浪晋太郎投手(22)。3回までに5点を失う内容に怒り心頭の金本知憲監督(48)から続投を命じられ、自身最多の161球を投げ込むハメになったが、この“鬼采配”を球団内は大歓迎した。(中略)
 他球団スコアラーは今回の“懲罰続投指令”について「普通はありえない。監督が試合を投げ出した感じがした。いくら怒ったとしてもあれだけ投げさせては本人がどう思うか」と話したが、チーム内では金本監督の鬼采配を歓迎する声がほとんど。あるフロント幹部は「もっと厳しくやってもいいかもしれない。藤浪は過去3年、怒られもせず、コーチも含めて周囲が甘やかしてきた部分がある。早くから個人調整を認められたり、特別扱いされてきた。それは他の投手も感じていること。それで結果が出ないなら厳しい見方をされるのは当然。金本監督は大事なことを教えていると思う」と絶賛した>


●メジャーリーグならクレイジー アメリカマスコミが批判的に紹介

 ただ、やっぱり日本の野球界が異常なんだと思いますよ。アメリカではちゃんと非難されています。藤浪161球課した金本采配が米メディアで話題。「メジャーリーグなら即座に『クレイジー』」 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)( 2016/07/10)という記事が出ていました。

<ひっそりと海の向こう側でも米スポーツ専門局の『ESPN』が着目していた。8日(日本時間9日)の深夜に放送された情報番組「スポーツセンター」の中で、日本プロ野球において波紋を呼んだ「ホット・トピックス」として取り上げられたのである。
 この放送では時間にしてわずか2分程度の短い内容だったが、番組アンカーは次のように意味深なことを口にしていた>
「日本の人気球団のタイガースで若いエース級の先発投手が大量失点しているにも関わらず、161球も投げた。この決断を下した監督は現役時代にカル・リプケン(元メジャーリーガー)を抜いて連続試合全イニング出場(1492試合)の世界記録を持つ金本。投手に対し、自らの現役時のような強い気持ちを注入する意味で断行した彼の采配は是が非か。これはメジャーリーグであれば、即座に『クレイジー』とみなされるだろう。日本では昔から練習でも試合でも、多くの球数を投げることが比較的に許される『ナゲコミ(投げ込み)』という文化があったが、近年はそれが崩壊しつつあるようだ。事実、日本ではこの采配に多くの批判が集まっている」


●日本野球はブラック 体育会系の問題を象徴

 この事件は日本のブラック企業文化を考える上で象徴的なものです。体育会系の方には申し訳ないのですが、ブラック企業向きな体育会系は就活有利 人事「会社は部活だ」などでやっているように、日本特有のブラック企業が跋扈するのは、体育会文化との関連があると見ています。

 他球団スコアラーはは批判的でしたし、アメリカでも「日本ではこの采配に多くの批判が集まっている」としていたように、国内でも一応批判があります。日本も変わりつつあるようです。

 ただ、それでも、アメリカのマスコミにはクレイジーだとみなされているのに、阪神の球団内では歓迎された、スポーツ新聞は好意的だったというのは、日米の違いがよく出ています。同様の投球数の問題では、高校野球の球数制限 アメリカ「過酷な負担」日本「日本の良さ」がやはり同じ構図になっていました。


●ブラック企業文化と相性が良い保守派・右派思想

 今回もう一つ指摘したいのが、保守派思想との相性の良さです。上記の投球数の問題では、自民党の小泉進次郎議員が「それが日本のスポーツの良さでもある」などと高校野球の過酷な投球数を正当化していました。他に、投球制限すると熱戦がなくなってしまうという旨の発言もしています。つまり、好試合>選手というわけで、仕事>社員というブラック企業思想と瓜二つです。


【クイズ】>高校野球において投手の球数の多さが問題になったとき、「それが日本のスポーツの良さでもある」などと反対していた議員は?

(1)小泉進次郎
(2)馳浩
(3)義家弘介

【答え】(1)小泉進次郎 (他の議員は体罰に肯定的な発言をしたことのある議員です)


 また、過酷な懲罰を与えるというのでは、やはり自民党の渡邉美樹議員が民間のときに高校でやっています。(関連:渡邉美樹会長の学校郁文館 反省文100枚・退学多数・教師も退職)

 さらに、罰を与えることを重視する話ですと、体罰に好意的な発言をする人というのも保守思想を持った人が多いことが挙げられます。体罰死があったときですら、産経新聞は体罰擁護の論陣を張っていました。かなり賛同的な人が多いのです。

 こうしたブラック企業に親和性の高い思想の蔓延が、他の国にない深刻なブラック企業文化を生んでいる要因になっていると思われます。


●生意気若手投手に懲罰?ケガして降板訴えるも、さらに投げさせ大量失点

2021/09/13追記:ちょっと似た話があったので追記。<4回13失点、指の皮が剥けた20歳の投手に「投げろ」…巨人二軍選手が恐れる阿部慎之助の“アベのムチ”>(8/23(月) 6:12配信 文春オンライン)という記事です。「アベ」という表記だとアベノミクスの安倍前首相を思い出しちゃいますが、安倍前首相も「怪我を押して出場」を美談として官僚に見習うように言っていたので似たタイプだと思われます。

 2021年8月9日のイースタン・リーグ、対ヤクルト戦で、阿部慎之助二軍監督(42)は、横川凱(20)を先発起用。前日に読売新聞社の職域接種で新型コロナウイルスワクチンを打っていたため、一部の選手は試合の関係で日をずらしており、コーチ陣に「今日は接種翌日で登板できる人数が少ないから、長いイニングを投げてくれ」と言われていました。

 ただ、初回からヤクルト打線につかまり、6安打でいきなり4失点。2回は無失点で切り抜けるも、力みからか3回の投球中に左手中指のマメが潰れ、皮が剥けてしまうという事態に。こうなると、新型コロナウイルスワクチンを打っていた選手と同様に、今度は横川凱投手を労らなくてはいけません。ところが、この後の対応がひどかったんですね。

<ベンチに戻った横川は、激痛が走る指を見せながら降板を訴えたが、阿部監督は首を縦に振らず、命じたのは「5回まで投げろ」。
 迎えた4回。120キロ台の棒球をミットめがけて投げ込むしかない(引用者注:怪我しているために良い投球ができないという意味?)横川は、打者12人に8本の長短打を浴びて9失点を喫した。4回で126球を投げて被安打17の13失点。何とか投げ終え、ベンチで目に涙を溜めながら阿部監督の様子を窺った後、杉内俊哉二軍投手コーチに「もう無理です」と再度ギブアップ。杉内コーチも「もう交代させましょう」と監督に懇願し、ようやく降板が許されたが、ブルペンでさらに投球練習が課された。
「昨季一軍デビューを果たした横川は今季もそれまで二軍で6勝2敗、防御率2点台と好調だった。半泣きで投げる姿を見て、選手たちは『潰されるぞ』と怯えてましたね」(前出・記者)>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4d6bb10989495acd3dd9fe2544f8beaa92a1b14

 当然ながら試合は2対17で大敗したのですが、翌日も1対16で惨敗。すると、試合後には投手陣に両翼ポール間を往復する“罰走”が命じられたそうで、もろに体罰系の監督みたいですね。上記であった、指の皮が剥けた横川凱投手に、降板後、ブルペンでさらに投球練習が課されたという話は、さらにひどいです。

 一方、ヤフーニュースのコメント欄では、「横川投手がコーチの指導を無視して勝手に新フォームで投げはじめて、ボカスカ打たれるハメになったから、コーチの指導無視と勝手な行動に対して罰を食らった」という擁護がありました。この擁護はほとんどの部分は事実であるものの、横川投手に罰を与えたものだったという解説になっています。

 ただ、そもそも一番の問題である虐待的な「体罰」は否定されずむしろ肯定するコメントであり、擁護になっていません。「愛のムチ」という考え方そのものが倫理的に問題ですし、非科学的でもあります。悪いことする子になら過酷な体罰をしても良いというのは、虐待死の親と同じ発想であり、野球ファンの方たちもできれば考え方を変えていってほしいですね…。


【本文中でリンクした投稿】
  ■高校野球の球数制限 アメリカ「過酷な負担」日本「日本の良さ」
  ■ブラック企業向きな体育会系は就活有利 人事「会社は部活だ」
  ■渡邉美樹会長の学校郁文館 反省文100枚・退学多数・教師も退職

【その他関連投稿】
  ■人格者ではないイチローとピート・ローズより汚かった日本野球
  ■プロ野球腐りすぎ…同じ野球賭博でも高木京介投手だけ軽い処分 福田聡志投手・笠原将生投手・松本竜也投手は無期失格処分だったのに
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