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台湾は親日国?沖ノ鳥島は岩と広告 南シナ海判決で中国より激怒し軍艦まで派遣


 南シナ海問題と南シナ海判決の話をまとめ。南シナ海判決では、台湾は中国以上とも思えるほど反発し、軍隊派遣までしていました。さらに飛び火で日本批判も出ています。中国批判であるはずの南シナ海判決で、これほど台湾が激怒したことを不思議に思う人は多いでしょう。「南シナ海問題は中国だけが悪い」とする日本の偏向報道のせいで、台湾激怒の理由がわかりづらくなっていました。

冒頭にまとめ
2022/05/10:
●南シナ海問題で経済支援を餌にカンボジアを使おうとする極悪国

【クイズ】馳文科相がユネスコ総会演説で記憶遺産について「透明性向上を」と演説した際に「ユネスコは政治問題を避けるようにしないと。ここは教育・科学・文化の場なんだから」と語ったのはどこの国の代表?

(1)韓国
(2)カンボジア
(3)タイ


●南シナ海問題で経済支援を餌にカンボジアを使おうとする極悪国

2016/7/12:「南シナ海問題で経済支援を餌にカンボジアを使おうとする極悪国」というタイトルを見て、「中国許すまじ!:と思ったかもしれませんが、この極悪国って中国じゃなくて日本なんです。中国、南シナ海問題での意外な思考原理と日本への本音|ダイヤモンド・オンライン(陳言 [在北京ジャーナリスト] 2016年7月7日)によると、カンボジアの首相がそう言っていたそうです。

<国連の安全保障理事会は1ヵ月ごとに議長国が入れ替わるが、7月1日から日本が議長国になった。別所浩郎・国連大使は、さっそく記者会見を開き、中国が領有権を主張している南シナ海問題について「強い関心を持っており、要望があれば、国連安保理では同議題を討論する用意がある」と述べた。中国のテレビではその会見の映像を繰り返し放映している。
 同時に、カンボジアのフン・セン首相が現地のイベントで「日本大使が経済支援を餌にして南シナ海問題について日本の主張を支持してもらいたがっている」と語った映像も放送されている>


●中国以外の国が大暴れ!中国はむしろ優等生すぎた南シナ海問題

 記事では、日本の報道は「中国だけ独善的に埋め立ている」とするものが多いとしていましたが、どうなんでしょうね? もし本当にそうであれば、捏造的なところがあります。中国の場合は島ではなく岩礁という問題があるものの、あそこらへんは他の国もガンガン進出しているんですよ。

 これは、台湾も南沙諸島に滑走路建設 太平島をベトナム・フィリピン・中国と係争などで書いた話。なので、"中国メディアは、「米日欧のメディアが中国だけを指弾するのは公平とはいえない」と心の中では思っている"としていました。

 そこらへんは知っていたのですが、中国はむしろ優等生的な態度を取っていたために出遅れているという思いがあり、今挽回しようとしているという見方だとは知りませんでした。

<暗礁埋め立ては、ベトナム、マレーシア、フィリピンと台湾はいずれもきわめて早い時期からやっており、それぞれ、空港も作っている。それに対し中国は、国力の増大に伴い、遅ればせながら動き始めた。(中略)
 そもそも中国は、当事国同士で問題を解決するという原則を1982年以降、ずっと堅持している。2002年、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は「南シナ海における関係国の行動規範に関する宣言 (DOC)」に調印し、領有権を巡る紛争の平和的解決を目指し、敵対的行動を自制することを確認している。その後、各権利主張国が、新たな油田、天然ガス田の開発、新たな建築物の修築、開発のための移民、埋め立ての継続など、現状を変えるような新しい行動を取った際も、中国は比較的抑制的だった。中国は2013年までいかなる石油、天然ガスの採掘も行わず、埋め立ても行わなかったのである。
 しかし、こうした状況が長続きすることは不可能であり、不公平であるし、南シナ海紛争の解決にも不利なものであるということで、ここ数年になって中国も行動を取るようになった>

 なお、意外なことに、"中国と周辺14ヵ国中、12ヵ国との国境線は既に確定している"とのこと。しかも、"その過程において、中国側もある程度譲歩し、先方に対して配慮もしてきた"といいます。中国は今までも話し合いで国境線を確定させてきた国だったんですね!

 ただ、"これらはすべて双方の関係が良好な時に話し合ったもの"でした。「そりゃそうだろう」と思うかもしれませんが、この中国のやり方が普通だと思ったということは、今の日米のやり方が間違っているということになります。日米は関係悪化を促す方向性ですからね。


●二国間で話し合うことでしょ…日本に巻き込まれる第三国は大迷惑

 それから、途中で出てきた「当事国同士で問題を解決するという原則」に関して中国の報道では、フィリピンに対しても批判するよりも、「南シナ海問題は当事者同士の交渉によって解決すべき」という主張が多いようです。また、この二国間で解決すべき問題というのが、日米の態度に中国が苛立っている理由でもありますし、巻き込まれる第三国が戸惑っているところでもあります。

 冒頭のカンボジアの「日本大使が経済支援を餌にして南シナ海問題について日本の主張を支持してもらいたがっている」がそういった戸惑いのひとつ。カンボジアはもともと中国寄りの国なので不思議ないかもしれませんが、そうじゃない国でも日本の外交はたいへん不評なのです。クイズにしたのも似たような話でした。


【クイズ】馳文科相がユネスコ総会演説で記憶遺産について「透明性向上を」と演説した際に「ユネスコは政治問題を避けるようにしないと。ここは教育・科学・文化の場なんだから」と語ったのはどこの国の代表?

(1)韓国
(2)カンボジア
(3)タイ

【答え】(3)タイ (日本と中国がユネスコを政治利用 インドネシア・タイなどが困惑より)


 実を言うと、私は第三国の理解を得て味方につけるというやり方は良いと以前書いていたんですよね。むしろ迷惑がられて嫌われてしまう…というのは予想外でした。考えてみると、第三国が利益のない争いに加わっても損なだけですものね。日米はやり方をもう少し考えないといけなそうです。


●南沙諸島に島はなく岩礁と主張のフィリピンに台湾が抗議していた

2016/7/13:台湾が2016年1月にフィリピン批判していたみたいですね。これを読んだのは別記事で、“太平島は島だ”台湾の主張が中国を利する可能性も!? 国際世界が注目する理由とは | ニュースフィア(2016年3月25日)では抗議の話は載っていませんが、台湾が焦っているという話が出ています。

<南シナ海問題では、中国の主張が、その範囲の広さや強引さから目立っているが、他にベトナム、フィリピン、台湾、ブルネイ、マレーシアなども権利を主張している。中国は「九段線」なるものを盾に、南シナ海の大部分についての権利を主張しているが、フィリピンは、中国の主張は国連海洋法条約上、無効であるとして、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に調停を申し立てた。同裁判所は、今夏にも司法判断を下すと一部メディアは予測している。あおりを受けて、慌てさせられているのが台湾だ。
 台湾は、南沙(スプラトリー)諸島の太平島を1956年より60年間、実効支配している。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)によれば、太平島は南沙諸島では最大の天然地形だ。台湾が南シナ海で実効支配しているのはここだけだという。台湾以外にも、中国、フィリピン、ベトナムがこの島の領有権を主張している>

 この太平島が、海洋法条約で「島」と認められるものかどうかをめぐって、台湾とフィリピンで意見が対立しているそうです。この記事では、「将来的に太平島の周囲にEEZを設定したい台湾としては、このフィリピンの主張に対抗していく必要がある」と指摘していました。


●まさかの展開!台湾の行動が結果として中国援護になってしまう

 注目すべきんあおは、こうした台湾の抗議が、結果的に中国を利する形になっているということ。領土問題ってこういう複雑なところがありますね。このために、ダブルスタンダードな主張にもなりがちです。

<歴史的な理由から、台湾と中国の南シナ海での権利主張の全体図は似通ったものとなっている。また、中国政府は「一つの中国」政策を堅持し、台湾を自国の一部とみなしている。そこで、例えば太平島の領有権が台湾に認められるのであれば、それは結果的に中国のものだ、という論理が、中国の観点からは成り立つことになる。
 太平島にEEZが認められればそこに人工島を建設することができるようになるが、このことが中国に(すでに行った)埋め立てを正当化する口実を与えるかもしれない、と海洋問題専門家が主張している(WSJ)。中国は南沙諸島全部の領有権を主張しており、中国の南沙諸島の人工島は皆、太平島から200カイリ以内に位置するからだ>

 当時の台湾・馬英九総統が南沙諸島の太平島に上陸してアピールしていたという別の記事も読みました。アメリカから止められたにも関わらず、これを無視しての行動です。一方、このときに次期総統の蔡英文さんらは同乗を断っていたそうです。

 馬英九総統は中国との会談を強行するなどしていたので、中国援護だと思うかもしれません。ただ、前述の通り、もともと台湾が領土だと主張。他の投稿でも書いているように、そもそも中国以外の国がここらへんで好き勝手やっていました。日本人は中国さえ叩ければダブルスタンダードでも構わないと思っているかもしれませんが、中国だけを非難する日米のやり方はかなり無理があります。

 中国の場合は島ではなく岩礁という違いがありますが、その説明で明確に線引きできるのであれば台湾は放っておいても良いでしょう。アメリカがわざわざ台湾を止めようとしたという最初の話も、中国はダメで台湾は良いと明確に線引きができるわけではないためだと思われます。台湾に目立たれると、アメリカの矛盾が露呈すると考えたのかもしれません。


●5月には南シナ海仲裁裁判に台湾が横やり

 台湾の行動に関しては、この後の5月にも以下のような記事が出ていました。
南シナ海仲裁裁判に台湾が横やり、裁定遅延の恐れも | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 2016年5月11日(水)11時04分

 台湾の当局に近い団体が、南シナ海の領有権をめぐりフィリピンが中国を相手取って起こした国際仲裁手続きに対して、横やりを入れている。台湾にも主張する権利があるとの政府見解を強調する陳述書をオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提出したためだ。(中略)

 フィリピン政府は、実質的に南シナ海全域に関する権利を主張する中国に対し、南沙(英語名スプラトリー)諸島は島ではなく「岩礁」や「環礁」などであり、故に200カイリの排他的経済水域(EEZ)は当てはまらないなどと反論している。

 台湾が実効支配する太平島はスプラトリー諸島最大で、一部の専門家は島としての地位と経済水域を同島が最も主張できると考えている。ブルネイが付近の海域を主張する一方、スプラトリー諸島は中国、ベトナム、マレーシアも権利を主張している。

 台湾当局者は、太平島は自然に人が居住できない「岩礁」であり、故に島の地位もEEZも主張できないとしたフィリピンの陳述書にいら立っている。 (Greg Torode記者、J.R. Wu記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

 これもまだ蔡英文総統が就任する直前であり、このスタンスは受け継がれない可能性があります。ただ、いずれにせよフィリピンの主張が台湾にとって不利なことは間違いありません。


●南シナ海の仲裁判決に、中国ではなく台湾が激怒

 上記までの話は早くから用意していた内容であり、今回の仲裁判断の中身は踏まえていませんでした。で、さらっと記事を読んだときにも台湾の件は触れていなかったので今回の判決とは関係なかったのかな?とそのまま投稿していたら、マスコミが中国を強調しただけだったみたいですね。結局、台湾が実効支配の島も中国と同じで岩礁と判断されていました!

 そして、台湾は何と軍艦まで派遣しています。
南シナ海判決に不満、台湾が軍艦派遣 「権利を損ねた」:朝日新聞デジタル 台北=鵜飼啓 2016年7月13日11時20分

 南シナ海をめぐる常設仲裁裁判所の判決を「受け入れられない」としている台湾は13日、南部・高雄の海軍基地から南シナ海に軍艦1隻を派遣した。蔡英文(ツァイインウェン)総統は同日、派遣する軍艦を視察し、「判決は南シナ海の島々や海域における台湾の権利を損ねた」とし、主権を守る決意を訴えた。

 (中略)台湾は南シナ海の太平島を実効支配しているが、判決は同島を「岩」と位置づけ、反発が出ている。(台北=鵜飼啓)

●台湾は新政権でも強硬なスタンスを維持 中国叩きの愛国(?)報道の弊害が出る

 前回、新政権ではスタンスを受け継ぐかわからないとしていたのですが、今回はもちろん新政権の判断です。蔡総統も乗組員を激励しています。
仲裁裁判「権利損なう」=蔡総統、軍艦乗組員を激励-台湾:時事ドットコム

 【台北時事】台湾の蔡英文総統は13日、南部・高雄の軍港を訪れ、南シナ海の太平島周辺海域に派遣する軍艦の乗組員を激励した。蔡総統は(中略)仲裁裁判所の判決について「われわれの南シナ海の島々と関連海域の権利を大きく損なった」と批判した。(2016/07/13-12:30)

 これはNHKによると、方針転換みたいですね。
南シナ海で中国主張の管轄権認めず 国際仲裁裁判 | NHKニュース 7月12日 18時16分

台湾では、国民党の馬英九前政権が、中国と歩調を合わせる形で仲裁裁判の判断を受け入れない立場を示していましたが、ことし5月に発足した民進党の蔡英文政権は、国際法を重視する姿勢を見せていました。
しかし、実効支配している太平島の権益を認めない判断が出たことを受けて、主権を守る強い立場を明確にした形で、総統府は、南シナ海のパトロールのため、海軍のフリゲート艦を予定を1日早めて、13日出発させることを明らかにしました。

 この台湾の件は日本では結構大きく報道されているんでしょうか。日本では今まで中国だけが悪さしているかのように報じられてきたらしいので、戸惑っている人も多いかもしれません。

 中国憎しの報道じゃないと「売国だ!」と叩く人もいるのですが、そうすると今回のようにニュースが理解できない…ということになってしまいます。偏向報道はやめた方が良いのです。


●南シナ海判決はデタラメと言えてしまう理由 岩礁ではない島まで岩礁扱い

2016/7/14:他の投稿でも書いているように、南シナ海問題では中国はむしろ新参で、今まで悪さしていたのは別の国々です。他にも悪い国がたくさんあるんですね。実は中国だけの特別な問題ではない南シナ海問題をマスコミはスルーしてきました。

 その中で中国だけ叩く日米の主張の矛盾はアメリカも内心わかっているようで、上記で書いたように、アメリカは台湾に「今はおとなしくしているように」とメッセージを出しています。ここで台湾が騒ぐと、台湾も中国同様に叩かないと矛盾してしまうためでしょう。ところが、台湾はアメリカのお願いを無視。これも前述したように、今回の南シナ海での判決にも反発し、軍艦まで用意してきました。

 南シナ海問題で中国が特別悪いと言えそうなところはあります。中国が島だとしているものが岩礁である可能性が高い点です。ところが、今回の判決では中国の支配する「島」だけなく、台湾が実効支配する太平島まで岩礁だとしてしまいました。中国だけが問題ではないというのがはっきりとわかる判決です。

 ただ、太平島が岩礁というのは、いくら何でも無茶ではないかと思います。太平島はそんなに小さいものではありませんからね。今回の判決はフィリピンに寄り過ぎで、中立ではないように見えてしまいます。太平島 - Wikipediaによると、太平島の面積は、約0.51平方キロメートル。サンゴ礁で構成され、海抜が低い平地で、東西全長約1,289.3 メートル・南北全長約 365.7 メートルと東西に細長い島だと説明されています。


●台湾の太平島が岩なら日本の沖ノ鳥島も岩礁になってしまう!

 今回の件についての報道でハッとしたのが、太平島が岩礁とされてしまうと、日本の沖ノ鳥島も問題化してしまうという、日本にとってもかなり困った判決だという指摘です。沖ノ鳥島 - Wikipediaによると、沖ノ鳥島の北小島は面積7.86m²、東小島の面積は1.58m²しかありません。沖ノ鳥島もリーフを入れるともっと広くはなりますが、これらは沈むことがわかっていますので問題外でしょう。
島数 2小島を伴う1つの環礁(準卓礁)
面積 約5.78km2(リーフ内の面積)

 太平洋の絶海に孤立して形成された南北約1.7km、東西約4.5km、周囲約11kmほどのコメ粒形をしたサンゴ礁の島である。(中略)

干潮時には環礁の大部分が海面上に姿を現しているが、満潮時には礁池内の東小島(旧称・東露岩)と北小島(旧称・北露岩)を除いて海面下となる。

 結局自民党はやるやる詐欺で訴えなかったのですが、竹島問題で日本が韓国を訴えるという話がありました。ただ、提訴については、やり方によっては負けてしまうおそれがあるので、十分に準備が必要ではないか?といったことを以前書きました。

 今回の雑な判決を見ると、やはりその懸念は正しかったように思えます。同様の問題で日本が提訴しても、日本の主張が通らない可能性は十分にあるでしょう。日本にとっても対岸の火事ではなさそうな判決でした。


●日本の沖ノ鳥島は岩であり島じゃない 台湾系団体が米紙に意見広告

2016/8/17:上記で書いていた懸念そのままの主張を、台湾系団体してきました。
沖ノ鳥島「島と認めず」=台湾系団体、米紙に広告:時事ドットコム

【ワシントン時事】在米の台湾系団体などは15日付の米紙ワシントン・ポストが発行するフリーペーパーに、日本の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)について「人が居住できない岩で、国連海洋法条約が定義した島とは認められない」などと主張する意見広告を掲載した。(2016/08/16-08:16)

●中国の偽装だ!と陰謀論…台湾の気持ちを理解しようとしない日本人

 上記についてのニコニコ動画ユーザーの反応はいくつかに分かれており、その一つは中国系の団体が台湾系団体に偽装しているというもの。ただし、これは台湾の太平島に関する主張を理解できていない人の意見だと思われます。台湾はハーグの仲裁裁判所の判決にたいへん反発しており、判決の無効性を訴えるのは国の方向性と合致するものです。

 記事でも、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、台湾が実効支配する南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島の太平島を「岩礁」と結論付けたことへの反論の一環とみられる、と触れていました。

 前半で書いたように、南シナ海判決で台湾は中国以上と思えるほどの反応を示しています。こうした過去の台湾のリアクションも考慮に入れねばなりません。


●実効支配する島の関係で、中国だけでなく台湾にとっても問題の判決

 以下のように、中国が嫌いな右派の読売新聞や産経新聞も台湾系以外の団体があることを強調していますが、台湾の立ち位置を考えれば、中国による陰謀という説をわざわざ持ちださなくても、十分に理解できる行動でした。
沖ノ鳥島「島と認められず」…中台団体が米紙に : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2016年08月16日 00時28分

南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島などを巡り、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が7月に出した判決に反発する在米中国、台湾系の団体が出したものとみられる。

 広告では、台湾が実効支配する同諸島最大の「太平島」について、「居住が可能で、国連海洋法条約の島の定義を満たしており、島と認めなかった判決はバカげた政治的茶番で受け入れられない」と主張。一方、沖ノ鳥島は「人が住めない岩で、同条約では島とは言えず、排他的経済水域(EEZ)も認められない」と訴えている。


中華系団体、沖ノ鳥島は「島でない」 米紙ワシントン・ポストに意見広告 - 産経ニュース 2016.8.16 09:32

 意見広告には台湾の大学の卒業生が組織したとみられる団体や、日本の戦争責任を追及する中華系の団体など台湾系を中心とするグループや個人が名を連ねた。仲裁判断への不満や、沖ノ鳥島を巡る異論を米国で認知させる狙いとみられる。

 意見広告は、沖ノ鳥島は満潮時に海面から出ているのは二つの岩だけで、人間の生活に適していないと指摘。日本がコンクリートで覆い「人工島を造成した」などとし、排他的経済水域(EEZ)の基点にはならないと主張した。(共同)

●南シナ問題の判決は日本も歓迎しづらいものだった

 ニコニコ動画の他の反応としては、台湾人もしょせん中国人みたいなものといった批判や、無関係のアメリカで訴えるなんて…と韓国を意識したような批判がありました。ただ、これらもやはり理解不足でしょうね。前半で書いたように、南シナ問題の判決は今回のような沖ノ鳥島への疑問を生み出す問題ある判決でした。それなのに日本にとって都合の悪いところを無視して、中国批判としてしか利用していないからこうなるのです。ちゃんと自分たちにとって都合の悪い部分も直視して、対策を考えないといけません。

 また、直接的に関係がないのにしゃしゃり出ているというのは、日本の南シナ問題への口出しそのものに対しても言えてしまいます。実際、中国は二国間問題に干渉するなと牽制しています。

 ここらへん日本の立やり方は矛盾だらけであり、そこを中国などに突かれている感じ。単に中国の悪口言えればそれで良しとするのではなく、論理的で説得力がないと他の国からも理解されませんし、日本へのブーメランにもなってしまいます。


【本文中でリンクした投稿】
  ■台湾も南沙諸島に滑走路建設 太平島をベトナム・フィリピン・中国と係争
  ■日本と中国がユネスコを政治利用 インドネシア・タイなどが困惑

【その他関連投稿】
  ■海外・世界・国際についての投稿まとめ

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