Appendix

広告

Entries

フナはクローンだらけ


 ギンブナ Wikipediaによると、ギンブナはマブナとも呼ばれ、一般的にフナといえばキンブナとともにこの種を指すことが多いそうです。

 そして、キンブナの方には「東北地方と関東地方に分布する日本固有亜種。特に関東地方では普通に見られる。ただし、ギンブナ、ゲンゴロウブナに比べれば数が少ない」と書かれていますので、要するにギンブナが一番普通のフナなわけです。


 ところが、この普通のフナが「無性生殖の一種である雌性発生をする」という実に変わった魚だったのです。

 無性生殖と対応するのは有性生殖で、子どもを作るのにオスとメスがいるという、お馴染みの生殖です。無性生殖となると、普通は細胞分裂のようなもので、特に脊椎動物では非常に珍しいようです。


 このギンブナの無性生殖である雌性発生ではオスが全くいらないかと言うとそういうわけではなく、「オスの精子が(メスがクローンの子供の?)発生を開始するのに必要である」んだそうです。

 繁殖期(4月~6月)になると浅瀬の水草等に産卵するが、その際には同所的に生息している有性生殖を行なうフナ類(キンブナ・ナガブナ・ニゴロブナ等)のオスと繁殖行動を行ない、精子を得ます。しかし、オスの精子は発生の刺激となるだけで、遺伝的に貢献しないそうで、やっぱりクローンなわけです。

 ギンブナと言えるフナ類はほとんどがメスという記述もありましたから、オスは基本的に別のフナと考えて良いんでしょうね。


 そういう理解で読み進めますが、「共存の不思議」というところには、

 無性生殖個体(ギンブナ)はメスしか生まない為、有性生殖個体(キンブナ等)と比べるとオスを作らない分だけ増殖率が高い(有性生殖のコスト)。一方、雌性発生では有性生殖のオスが繁殖に必要であるから、性以外の条件が同一であれば、有性型と無性型のフナは共存できない。無性型のメスの数が増えるとともにオスが足りなくなり、両者ともに滅びるはずだが、フナ類は不思議なことに日本中ほとんどの場所で無性型と有性型が同所的に共存している。

 とあります。

 正直パッと読んでも意味がわからなかったのですけど、メスばかりのギンブナが増えてしまうと、オスが足りなくなってしまうというのはわかります。奇妙なことです。


 これに関しては箱山 洋さんという方がよく研究されているようで、有性生殖・無性生殖の共存:10年スケールでの有性型・無性型フナの個体群構造の変化 日本生態学会に一般講演(口頭発表)の概要が載っていました。(Wikipediaもこの方を参考にしたもののようです)

 ここでは、共存を説明する二つのモデルについて、検証されていました。


1.病気モデル(無性型が高い死亡率であると仮定)

 諏訪湖のフナ類について年齢査定を行い、安定齢分布を仮定して、有性型・無性型の各年級群の死亡率を比較したが、差はなかった。


2.中立仮説(何らかの理由で有性・無性で適応度の違いがない場合、個体数が多ければ、絶滅に長い時間を要するため共存が観察される)

 仮説が正しければ、有性無性型の比率に大規模な時間変化は観察されないはずだが、1997・1998年の諏訪湖の有性無性比を2006-2008年のそれと比較したところ、10年前に多数派であった有性型が、現在では少数派になっており、モデルの予測は支持されなかった。


 ということで、結局謎のようです。


 フナに学ぶ 小野里 坦 (信州大学教授)は、フナに学びフナ以外の魚のクローンづくりを目指した話が載っていますが、実際に自然のフナのクローンがどれだけ存在するのかという話も出てきます。

 小野里教授が函館の大沼のフナを8匹もらってきて調べてみると、そのうちの「3匹と2匹がそれぞれクローン」でした。

 次に、大沼湖沼群の一つ蓴採沼から大量のフナを集め、3倍体のフナを選びだし、クローンの家系調査をしました。これは両性発生によって生殖するフナは2倍体(染色体の数が2セットある)なのですが、雌性発生するフナは、3倍体と4倍体であることがわかっていたためです。

 すると、雌性発生するものがフナ全体の6割、うち9割がたった5つのクローン家系で占められていることがわかりました。

 さらに、調査を北海道全域に広げてみると、どの湖でも両性発生より雌性発生のほうが多いことが判明します。奥尻島のある沼にいたっては、両性発生しているフナはわずかに0.8%で残り99.2%が雌性発生をしており、しかもたった一つのクローンで占められていたということです。

 小野里教授は、「一つの湖の魚のほとんどが同じゲノムをもつなんて、予想もしませんでした」と書いています。


 なんでこれで絶滅しないんでしょうね。不思議です。


 関連
  ■その他の動物について書いた記事
  ■共食いはよくあること
  ■さまざまな動物の可聴域
  ■草食動物のタンパク質の摂り方
  ■子供の嫌いな動物ランキング
  ■大人の嫌いな動物ランキング

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由