デマだらけの百田尚樹氏、最高裁で『殉愛』が嘘であることが確定する

　百田尚樹さんが書いたやしきたかじんさんの本『殉愛』で、やしきたかじんさんの長女への名誉毀損の賠償命令が出ていました。裁判の中では、記述の内容が「真実とは認められない」とも指摘。百田尚樹さんが主張していた「何一つウソは書いていない」をあっさり否定してしまいました。(2016/7/29)

　その後、本を出していた幻冬舎が、最高裁まで争おうとしたものの、上告を受理せず二審東京高裁の判決が無事確定しています。(2017/12/23)


【クイズ】東京、名古屋、大阪高裁の判事で構成される「損害賠償実務研究会」で決められた名誉毀損の賠償額の目安で一番金額が少ないのは？

(1)一般人
(2)芸能人
(3)政治家


●やしきたかじん長女への名誉毀損で幻冬舎に賠償命令

2016/7/29：出版差し止めになりませんでしたし、損害賠償の金額も微々たるもの。この程度の金額なら、一般人を攻撃する嘘の本を書く抑止力になりませんね。それより儲けの方がずっと多いです。

　NHKによると、やしきたかじんの長女が「自分や父親についてうそを書かれ、名誉を傷つけられた」などとして、幻冬舎に対して、出版の差し止めと賠償を求める訴えを起こしていた、やしきたかじんさんの闘病生活を描いた作家の百田尚樹さんの著書「殉愛」。

　2016年7月29日の判決で、東京地方裁判所の松村徹裁判長は「本の内容は再婚した妻などへの取材に基づくもので、一部は真実と認められない。原告に取材したり、承諾を得たりすることもなかった」などと指摘。名誉毀損やプライバシーの侵害に当たるとして、幻冬舎に３３０万円の賠償を命じました。

　一方、「出版が続いた場合に原告が被る損失は回復するのが著しく困難なほど重大ではない」として、出版の差し止めを求める訴えは退けています。

　この判決について、やしきたかじんさんの長女の弁護士は「名誉毀損やプライバシーに関する主張はほぼ認められ、正当な判決だ。幻冬舎が自主的に書籍の発行をやめ、回収するよう強く求めたい」とするコメントを出しました。
(たかじん氏描いた本で幻冬舎に賠償命令 | NHKニュースより)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160729/k10010614001000.html


●百田尚樹氏「『殉愛』に嘘ない」 → 裁判所「真実と認められない」

　一方で、百田尚樹さんの以下の主張は否定されたことになります。

Amazonの『大放言』の星１つレビュアーたちは「殉愛について書いてない！」と、バカの一つ覚えみたいに言っている。まるで「狂信的・殉愛アンチ」。普通に考えて裁判中のことを本にできるわけがない。『殉愛』には何一つウソは書いていない。裁判が終わったら全部書くから、それまで待ってろ！

— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2015年8月16日

　もう少し具体的な記述がある記事もありました。

幻冬舎に賠償命令　「殉愛」で名誉毀損認める　東京地裁：朝日新聞デジタル　2016年7月29日19時23分

　判決は、たかじんさんをしのぶ会で長女らしき人物がヤジを飛ばしたとする記述を「真実とは認められない」と判断するなど、計６カ所でプライバシー侵害や名誉毀損にあたると判断。

●一般人に冷淡な名誉毀損の賠償金額

　ただ、幻冬舎は「判決を精査し、対応を検討する」としていますので、裁判はこれで終わらない可能性があるので注意が必要です。

　あと、やはり賠償金額が軽いのは気に食わないですね。名誉毀損の慰謝料の金額、政治家・芸能人を優遇・一般人を冷遇でやったように、これ、一般人相手は軽くなるように決められているんですよ。
(なお、この金額の決定には自民党・公明党の圧力があったという話もあります)


【クイズ】東京、名古屋、大阪高裁の判事で構成される「損害賠償実務研究会」で決められた名誉毀損の賠償額の目安で一番金額が少ないのは？

(1)一般人
(2)芸能人
(3)政治家

【答え】(1)一般人


　本来報道の必要性が高いのは政治家や芸能人なのですが、彼らは名誉毀損の賠償金額が高く設定されているがために、報道が躊躇されやすくなります。

　一方、本当ならよっぽどの事情がない限りわざわざ報道される必要がない一般人の賠償金額が軽いので、抑止効果は低いです。相対的に賠償金額が軽いがために、一般人の記事をより書きやすくする力が働くとも言えますね。

　これは相当おかしいなことじゃないかと思うんですけど…。


●デマだらけの百田尚樹氏、最高裁で『殉愛』が嘘であることが確定する

2017/12/23：最高裁判決が出ました。最高裁第一小法廷（山口厚裁判長）が２１日付の決定で、百田尚樹さんの本を出した幻冬舎の上告を退けました。これにより、幻冬舎に３６５万円の賠償を命じた二審判決が確定しています。

　２０１６年７月の一審・東京地裁判決は、記述のうち６カ所は「事実とは認められない」「（長女が）非情という印象を与える」などとしてプライバシー侵害や名誉毀損（きそん）を認めていました。

　さらに、今年２月の二審・東京高裁判決は、別の１カ所も「（長女が）非常識な人間との印象を与える」と判断し、賠償額を３０万円増やした３６５万円にしていました。前述の通り、軽すぎると思いますけどね。
(百田尚樹氏の「殉愛」で名誉毀損、幻冬舎の敗訴が確定：朝日新聞デジタル　岡本玄　2017年12月22日20時19分より)

　また、別記事では、百田尚樹さんの嘘の例として別とのところを挙げていました。真実ではなく名誉毀損に当たると認定した箇所の一つは、やしきさんをしのぶ会で、長女らしき人物がやじを飛ばしたとする記載だったとのことです。
(百田氏の書籍「殉愛」、賠償命令確定　毎日新聞2017年12月22日 17時53分(最終更新 12月22日 17時58分
　百田尚樹さんは『殉愛』以外のところでも、真実ではないことを言っています。

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　はてなブックマークでは、「これを機にあのクソ野郎が箸にも棒にもかからん手の施しようのない嘘つきだということが世間に広まりますように」(jaikel)とあったように、嘘つきだってことが知れ渡ってほしいですね。保守の常識すら知らない人なのです。


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