グランピングというものを知って、おもしろい!と思いました。豪華なキャンプといった感じなのですが、通常のキャンプで面倒くさいといった部分をなくしてしまって、普通の宿泊に近づけています。キャンプの醍醐味をある意味否定してしまっているのですけど、これは従来型のキャンプを嫌う人も取り込める上に、利益が大きくできる可能性もあり、たいへん興味深いです。
冒頭に追記
2022/07/30追記:
●ブームでも閉鎖するキャンプ場の理由でわかるキャンプの人工性 【NEW】

●ブームでも閉鎖するキャンプ場の理由でわかるキャンプの人工性
2022/07/30追記:
キャンプブームの裏で閉鎖したキャンプ場 その理由は?:あさってキャンプ(22/04/21 05:00)という記事を読んでいていて、普通のキャンプではなく、むしろグランピングのことを思い出しました。ここで出ているキャンプ場閉鎖の理由を見ると、普通のキャンプもかなり人工的だと思わせるものだったのです。
例えば、2021年度限りで営業を終了し、施設を廃止する方針を決めた占冠村の「ニニウキャンプ場」。ここは、水道設備がないため、キャンプ場も井戸水を使っていました。ところが、井戸水は枯れるときもあり、給水車で対応するなど不安定。キャンプブームで水不足が深刻化し対応を検討した末、無理だと判断されています。
<村役場が安定的に水を供給するための取水施設の整備費用を試算したところ、2億円近く掛かると算出されたそうです。村役場の担当者は「キャンプ場は観光資源としても貴重だったのですが、限られた村の財源の中で費用負担が大きく、閉鎖する決断に至りました」と説明しています>
水まで現地調達すると本格的な感じなのですが、普通のキャンプもそこまで野性味あふれていません。水は手軽に調達したいという需要があるんですね。また、野生動物がいるというのも「自然」なことではあるのですが、キャンプでは歓迎されないことがある…というのが、以下のケースです。
<道南の日本海側にある、せたな町の大成野営場も2021年度限りで営業を終了し、施設を廃止する方針を決めました。落石とクマ出没などが理由です。
近年は周辺の山の斜面から落石が相次ぎ、野営場内にまで石が入ってくることもありました。また、近隣でクマの出没も続き、たびたび休業していました。1984年に開業してから40年近くが経過し、施設全般の老朽化も課題でした。
せたな町役場の担当者は「落石を防ぐには斜面全体の工事が必要で、施設の老朽化も含めて対応が難しい現状がありました。キャンプブームの中で営業を続けたい思いもありましたが、安全確保のために廃止を決めました」と説明します>
一方で、「キャンプブームで地方活性化は無理…」という教訓を感じたのは、2021年度に施設を廃止する方針を決定した、空知管内の滝川市にある「丸加高原オートキャンプ場」のケース。中国と似て日本は公的機関がいろいろやりたがりますが、民間に任せた方が良い…という話でもあるかもしれません。
<第一次キャンプブームの真っただ中の1996年度に開業した高規格サイトでした。家族連れらに人気の施設でしたが、ブームが去って以降は客足が伸び悩み、近年は施設の老朽化も重い課題となっていました。
滝川市役所の担当者は「電源設備や管理棟などの傷みが激しく、キャンプ場の利用料金も安価に設定している中で収益性が高い事業でもないため、改修の難しさがありました」と話します。また、近年は滝川市内に民間キャンプ場が誕生し、キャンプ客の受け皿ができたこともあり、丸加高原オートキャンプ場は再開せず、廃止する方針となりました>
●そもそもグランピングとは何か?
2016/7/29:昨年10月の記事ですが、寒くってキャンプどころじゃない気がしたので、この時期まで取っておきました。
もはや高級ホテル?贅沢キャンプ“グランピング”が人気 Walkerplus / 2015年10月12日 18時4分
グランピングとは、「glamorous(魅惑的な)」と「camping(キャンプ)」を掛け合わせた造語。明確な定義がないためサービス内容はバラバラだが、おおむね大自然の中でハイグレードなテントやコテージに泊まれるのが特徴だ。
料理も用意してくれるので手ぶらでOK。料金は1人あたり2~3万円が相場。通常のキャンプは1万円以下で利用できる施設も多いが、テントや調理器具など快適に過ごすためのアイテムをそろえるとなると思いのほか費用がかさむ。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】
●キャンプの醍醐味を全否定するグランピング
グランピングでは、今まであったキャンプの魅力のようなものを完全否定するような説明も出てきます。野性派じゃない都会派キャンプですね。体育会系の人は嫌いそうなキャンプです。
記事によると、"トイレや風呂に困ったり、BBQで肉が焦げて食糧難に陥ったり"といった、"アウトドア初心者にありがちなストレスとは無縁な点がグランピングの魅力"だと説明していました。そういったトラブルやたいへんさを含めてキャンプの良さ…という人には受け入れられないものでしょう。

●日本にも進出してきたグランピング 冷暖房完備で高級リゾート感
海外では、「広大な砂漠に張られたテントに宿泊」「ジャグジー付きコテージ」「専属シェフがBBQを提供」といったサービスがあるとのこと。そして、日本でもグランピングを楽しめるところが出てきています。以下では、「伊勢志摩エバーグレイズ」と「星のや 富士」という例が出ていました。
<三重県のオートキャンプ場「伊勢志摩エバーグレイズ」が人気。今年4月に新たに加わった施設「グランピング・カリブ」は、国立公園内にあり広大なラグーン(池)に面する。客室の広さは約80平方メートル。冷暖房完備で、室内に天蓋付きベッド、屋外に浴槽があり、まるで海外の高級リゾートのようだ>
<多くの高級リゾートホテルを展開する星野リゾートが、「星のや 富士」をオープンする。(中略)
案内された「Tキャビン(ツインタイプの客室)」に入ると、大きな窓からは河口湖と山麓の美しい風景が!この時点で大満足、というか思わずグランピングをしに来たことを忘れそうに…。(中略)
もちろん、ホテル並みに広いバスルームも完備。(中略)
同施設のコンセプトは「丘陵のグランピング」。起伏のある地形を生かした構造で、キャビンから出て多少息切れしながら森の中の階段を登っていくと、まず専用のレストランが現れる。ディナーで楽しめるのは、センターグリルでシェフが仕立てる熱々のグリル料理のコース。朝食ではスキレット(フライパン)のままで食べるオムレツや、焼きたてのダッチオーブンブレッドが登場。これぞグランピングな、豪華でダイナミックな料理を堪能できるのだ>
●グランピングという画期的なサービス
他におもしろい話…と検索したものの、あまり良い記事はありませんでしたので適当に私の感想を。
「体育会系の人は嫌いそうなキャンプ」と書いたんですが、インドア派の人も含めてネットでは冷笑されそうなものです。ただ、非常におもしろいビジネスモデルだと思います。
まず、記事で「贅沢」と書かれていたように、ただ単にキャンプスペースを貸すよりもずっと売上が大きくなります。今検索してみると、2人で2~5万円なんて書かれていました。もちろん経費もそれだけ掛かっているのでしょうが、普通は価格が高い方が儲けも良いですからね。優良なビジネスモデルに見えます。
また、おそらく多くの方が嫌がるであろうグランピングの特徴であるお手軽さは、今までキャンプを嫌がっていた層もターゲットにできるということです。アウトドアの苦手な女性やお年寄りなど、通常のキャンプになかなか来ない人も取り込める可能性があります。検索していた中では、「虫嫌いの人でも」と書いているところがありました。やはりそういう感じですね。
この話とも繋がりますが、安全性が高いのも魅力です。キャンプでは事故もときどき起きています。素人ならではのミスという場合も多いです。グランピングでも事故はあり得ますが、管理されている分安全性は高いでしょうし、安心感があり、これまた魅力を増すことになります。
キャンプの延長線上というよりは、変わったコンセプトのホテルみたいな雰囲気ですね。おもしろいものを考えたものだと感心しました。
●調査でわかるグランピングの認知度の低さと将来性の高さ
2017/06/16:グランピングはその後もブームといった感じのものは訪れていません。株式会社バルク MR事業部が行った、20代~60代の男女1,000名を対象に行った『グランピング』についてインターネットアンケートによると、『グランピング』を知っている人は、全体の11.9%に過ぎませんでした。
(
知る人ぞ知る「グランピング」。認知者の8割以上が利用したいと回答。女性20代~30代の利用意向が高く、 認知の向上により今後の利用増加が見込まれます。~インターネットアンケートより~ DreamNews / 2016年8月5日 18時0分より)
この『グランピング』を知っているは、「内容を知っている」と「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」を合わせたもの。「内容を知っている」との回答だけ見ると、当然ながらさらに低く、6.0%に過ぎません。名前すら知らない人が9割ですので、認知度はかなり低いと言えます。
ただ、将来性を感じるのが、"グランピングの内容を説明し、評価を聞いたところ、全体では「利用してみたい」が22.8%"であったこと。内容を聞いた時点で、知らなかった人も興味を示しています。さらに、『グランピング』の内容をもともと知っていた人では、81.7%が利用してみたい」になっていますので、内容をもっと具体的に説明すると、利用の意向がより高まるかもしれません。
このアンケートでは、私の予想した従来のキャンプで取り込めなかったであろう層を取り込めそうだというデータも見えます。それは、"「利用してみたい」という回答を性年代別に分析すると、20代~30代の女性で高く、約3割"であったという結果です。キャンプは嫌だけどグランピングなら…という形で、今後少しずつ増加していきそうですし、何かきっかけがあればブームになるのでは?とも思います。
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