2023/11/19:
一部見直し
【クイズ】以下のうち、2015年時点で世界最大のスーパーマーケットチェーン・ウォルマートグループに入っていたスーパーは?
(1)イズミ
(2)西友
(3)平和堂
●広島のスーパーエブリイ、よだくぼ南部地区の農産物を全量買取
2016/7/30:食品スーパーのエブリイを傘下に持つエブリイホーミイホールディングス(HD)の岡﨑雅廣社長は、「『欠品は悪で、欲しいものを欲しいだけ調達する』という流通企業の論理が生産者に負担を強いて、様々な所でひずみを生んでいる。この延長線上に農業の未来はなく、流通の仕組みを変える必要がある」と記者会見で語っていたそうです。
理想主義や大げさ感があって、どうかな?と思った話。ただ、小規模な全量買取りというのであれば、十分わかる話です。どこで書いたか忘れちゃいましたが、漁船と契約してそこで捕れた魚は無名のものも全部含めてまとめて買い取りという試みの話を過去にやりました。
<今回提携するのはエブリイホーミイグループ、JA信州うえだと、地元で青果物の卸売りを手掛ける長野県連合青果(上田市)。同JA管内の「よだくぼ」南部地区(長和町と上田市)の農家が生産した野菜や果物をエブリイホーミイが全量買い取る。エブリイの店頭で販売するほか、形などが規格外で売り場に並べにくい農産物は、グループの外食や弁当製造・販売事業での食材として活用する>
(
広島スーパーが長野の農協から「全量買取」:日経ビジネスオンライン(須永 太一朗 2016年6月2日)より)
●小規模な全量買取りはアリだけど?
畑も持っている北海道のコンビニのセイコーマートなんかも、自分でやっているんですから全量買取りと同じことでしょうね。ネットで野菜などを売っているオイシックスも、契約農家の農産物を全量買取していたと思います。考えられないことはありません。
また、"長野の農協から「全量買取」"というタイトルに引っ張られてしまったものの、JA信州うえだ管内の「よだくぼ」南部地区ということでかなり限られています。これは読み進めていて気づいたのですが、よだくぼ地区は17人しか生産者がいないそうです。(ちなみに20~40代と若い世代が多く、だからこそ画期的な取引も成立したという説明)
以下のようなメリットもあり、これなら十二分にわかる話です。ただ、日経ビジネスオンラインの記事タイトルになっていた<広島スーパーが長野の農協から「全量買取」>は、ちょっと詐欺っぽさがありますね。このタイトルだと、生産者が17人の買い取りという感じがしません。
<よだくぼ地区は信濃川の上流にある集落で、美ヶ原高原など周囲の山々からの雪解け水や養分が農地に流れる。昼夜で10℃以上と寒暖差が大きいことから、高い糖度の野菜や果物を生産できる。一方で生産量は限られ、大量の農産物を安定的に調達したい大手スーパーのニーズに応えることは難しい。>
●欠品してもいいじゃない、エブリイのやり方
また、エブリイのやり方そのものもおもしろいですね。欠品を出して良いという考え方です。
ウォルマートの在庫管理1~良い欠品、悪い欠品~でやっているように、他で例がないわけではないものの、日本のスーパーの常識からは逸脱しています。
<エブリイは毎朝仕入れた青果、鮮魚など生鮮品の鮮度を最も重視し、その日のうちに売り切る取り組みが特徴的。仕入れは朝のみのため、夕方になると商品によっては欠品が出ることもあるが、欠品を許容することで廃棄が減り、コスト低減にもつながっている。店舗数は34店と食品スーパー業界では中堅で、数百店規模で展開する大手スーパーに比べて購入量が少ない>
【クイズ】以下のうち、2015年時点で世界最大のスーパーマーケットチェーン・ウォルマートグループに入っていたスーパーは?
(1)イズミ
(2)西友
(3)平和堂
【答え】(2)西友 (ちなみにイズミも広島のスーパーです。2015年4月現在、156店舗を営業ってことで、こちらの方がエブリイより大きいですし、進出地域も広いです)
●鮮度重視なはずなのになぜ長野県から?
上記に鮮度という話がありましたが、"1990年代半ばにはティッシュペーパーやトイレットペーパーなど、付加価値を高められない日用雑貨を思い切って棚から外し、農水産物の鮮度を最重視する戦略に転換した"のが、今のやり方の始まりだそうです。
ただ、鮮度という話で言うと、最初から引っかかっていた広島と長野って遠くね?という疑問が湧いてきます。これは前述の買い手がいないよだくぼ地区と、下記のような売り手がいないエブリイの問題があったようです。
<今回のプロジェクトが動き出したのは2015年。背景にあるのはエブリイの地元・中国地方での生産者の減少だ。エブリイは地元の契約農家から青果物を直接購入したり、市場で買い付けたりすることが多い。>
もちろんこれはスーパーや生産者側の勝手な都合であり、消費者の利益になるわけではありません。
<当面の課題は輸送時間の短縮だ。現在は収穫の翌日に配送し2日後にエブリイの店舗に並ぶスケジュール。冷蔵設備をうまく活用しているが、同社が最も重視する「鮮度」の面で、中国地方など近隣から調達する農産物に比べて見劣りする面は否めない。エブリイや長野県連合青果は「朝に収穫した農産物を午後に配送し、翌日には店舗に届けたい」意向。輸送体制の早期の充実が待たれる。>
本来の売りであるはずの鮮度については課題が残りそうでした。
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