当初のタイトルは、"ハウステンボスに二つ目の変な施設「変なレストラン」 効率性より人間味重視"(2016/7/31)でした。これにアメリカの事例を加えて、"ロボットの接客は愛される 日本の変なホテル以外に米国でも成功"にタイトル変更しています。
2017/07/09:
●ホテルでロボットの使用実験…アメリカ企業が一番心配したのは?
●ロボットの接客は愛される 日本の変なホテル以外に米国でも成功
【クイズ】人工知能のアルファ碁について、杉沼浩司さんはどのように評価していたでしょう?
(1)アルファ碁は筋道だって論理を立てる。
(2)アルファ碁は直観で反応する。
(3)アルファ碁はまだ凡ミスが多い。
●ハウステンボスに二つ目の変な施設「変なレストラン」
2016/7/31:
ハウステンボスの「変なホテル」がすごい 人の代わりにロボットが仕事でやったハウステンボスの「変なホテル」。このコンセプトがお気に入りだったのですが、"変なホテルは成功を収め、ロボットが従業員としてうまく機能している"とのことでした。
そして、今回二つ目の変な施設が登場。今度は「変なレストラン」です。"ハウステンボスには「ゲームの王国」などいくつかの王国が存在"しており、6番目の王国として誕生したのが「ロボットの王国」。「変なレストラン」もここにあります。
<同王国には、ロボットとの触れ合いが楽しめる体験型ミュージアム「ロボットの館」、200年後のレストランがテーマでロボットが調理を担当する「変なレストランROBOT」などの施設がある。すでに7月9日に先行して開業した「こどもロボット館」と併せて、7月16日に本格開業となったわけだ>
(
異空間! ハウステンボス「変なレストラン」:日経ビジネスオンライン 2016年7月29日 渡貫幹彦=日経トレンディネットより)
●人工知能ワトソンも使用 ただロボットなのに効率性より人間味重視
"ロボットが調理を担当する"とあったので、接待はどうなのだろう?と不思議に思ったら最初からちゃんとロボットが登場していました。
人間を超えるIBMの人工知能ワトソンのできること、さらに増える)などで書いている、人工知能のワトソンを使っています。
<変なレストランがある建物(1階がレストラン「ソーセージワーフ」)に足を踏み入れると、まずハウステンボス内にあるすべてのレストランのコンシェルジュを担当するロボット「ベイカーズ」がお出迎え。(中略)彼はIBMの有名な人工知能「ワトソン」と連携し、利用者の話し言葉を理解して返事をする。試しに「肉を食べたい」と聞いてみたところ、場内にある佐世保バーガーのレストランを推薦してくれた>
ただ、ロボットの調理は効率性重視というよりは、見た目的なパフォーマンス重視かもしれません。性能という意味のパフォーマンスではなく、派手なアクション的な意味のパフォーマンスの方です。ペラペラ喋ったり、無駄な動きをしたりといった動きをするとのこと。記者はそもそも擬人化を重視しているのではないか?としており、アトラクション的な要素が強く、変なホテルとのコンセプトの違いを感じました。
<調理を担当するロボットは、全部で5体。その中でも注目されていたのがお好み焼きを作るロボット「アンドリュー」だ。(中略)面白いのはアンドリューがペラペラと話すこと。自分がなぜお好み焼きを担当することになったのかなどを話してくれる>
<それにしてもなぜ、ロボットの動きに目を奪われてしまうのだろうか? 変なレストランの演出のポイントはどこにあるのだろうか?おそらく徹底した擬人化が演出のポイントだ。実は調理を担当するロボットは、元々は工場などで働く産業用ロボットだったケースが多い。無機質な産業用ロボットに顔を付けて、しゃべらせることで人間味を出しているのだ。(中略)ハウステンボスの考える200年後のレストランは、ロボットがものすごい速さで正確に調理するというよりも、ロボットが人間のように調理するレストランのようだ>
だいぶタイプの違う話ですが、これで思い出したのが世界トップのプロに勝ったアルファ碁のことです。アルファ碁は論理的ではなく、むしろ直感で勝負するタイプだとされていました。
【クイズ】人工知能のアルファ碁について、杉沼浩司さんはどのように評価していたでしょう?
(1)アルファ碁は筋道だって論理を立てる。
(2)アルファ碁は直観で反応する。
(3)アルファ碁はまだ凡ミスが多い。
【答え】(2)アルファ碁は直観で反応する。
この話は、
マイクロソフトの人工知能Tay、ネットで真実に目覚めヒトラー礼賛し僅か1日で実験中止にで紹介したものでした。そういえば、人間に邪魔されても仕事を続けようとするロボットに同情が集まっていたってこともありましたし、ロボットへ感情移入してしまうというケースは今後頻繁に出てきそうです。
●ホテルでロボットの使用実験…アメリカ企業が一番心配したのは?
2017/07/09:日本人は人型ロボットへの抵抗がないものの、欧米はキリスト教的倫理観のために受け入れづらく、だから日本のロボット研究が進んでいるのだというもっともらしい解説が以前結構言われていました。ただ、日本のロボット研究が進んでいるというのが本当か?というのは、再検証が必要そうです。
また、海外の人がロボットを好まないというのも誤解かもしれません。人型ロボットではないのですが、海外でもホテルで働くロボットが嫌がられないどころか、めっちゃ喜ばれたという話があっておもしろいと思いました。ホテルでロボットに客室まで歯ブラシを届けるという仕事をやらせようとしていた、アメリカのサヴィオークという企業の話です。
サヴィオークが悩んでいたのは、「ロボットに人前でどんなふるまいをさせるべきか?」というものでした。この言い方だとわかりづらいものの、要するに不快感を与えずに、喜んでほしいということです。また、彼らが最も心配していたのは、ロボットが実際以上にかしこく見えてしまうことです。
『 スター・ウォーズ』シリーズのC‐3POのような優秀なロボットに慣れちゃってる宿泊客が、期待して失望されることを恐れていました。「ロボットには感情や計画、希望、夢があると思い込んでいる。うちのロボットはそこまで進んでいない。ゲストが話しかけても返事は返せない。がっかりさせたらおしまいだ」と言っています。
そこで、サヴィオークはGV(グーグルベンチャー)とともに、宿泊客に受け入れられるかどうかをテストすることに。この際には、当初はなかった大胆なアイデアもテストされることになりました。これは、サヴィオークのリレイというロボットに顔をつくり、ビープ音とチャイムを鳴らすというもの。人型ではないものの、人に近づける試みです。また、おもしろそうではあるものの、異論の多かった"ロボットが嬉しいときに小躍りする"というトリッキーなアイデアも実験されることになりました。
●"ロボットの接客は愛される 日本の変なホテル以外に米国でも成功
最初のテストは、女性。何の気なしに部屋を横切り、ハンドルを回してドアを開けたところにロボットがいて、「うそでしょ」「ロボットじゃないの!」と驚きます。これは良い意味での驚きでした。彼女がこの体験に5つ星の評価を与えると、小さなマシンは前後に体を揺らしてハッピーダンス。これも心配とは正反対。 「まあカワイイ!」と大成功で、「ロボットに会えるなら、もうここにしか泊まらないわ」とまで言っていました。
これがお世辞でなかったことは、満面の笑顔が物語っています。また、サヴィオークのメンバーは、「彼女がやらなかったこと」にも大喜びしました。女性はロボットとのやりとりで、ぎこちないためらいや苛立ちを見せることはなかったのです。不快にさせるのでは?という懸念は杞憂でした。しかも、他の宿泊客でもことごとく成功。もう一度ロボットを見たいがために、二度めのお届けを頼みたがった人や、ロボットと自撮りをする人までいたそうです。
また、彼らが最も心配していた「ロボットと会話しようとした人」とした人も、1人もいませんでした。サヴィオークはロボットの能力について過大な期待をもたれないよう、神経をとがらせていたものの、ロボットに愛嬌のある個性を与えることが、ゲストの満足度を高める秘訣だとわかったのです。
(
5日でコレを全部やる!?グーグル発「超合理的」な仕事術 | SPRINT 最速仕事術 | ダイヤモンド・オンライン 2017年5月3日 ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー,ブレイデン・コウィッツ,櫻井祐子 より)
変なホテルや変なレストランが、効率性より人間味を重視しているというのも、この実験の話を見ると正しい方向性だとわかります。やり方を間違えなければ、ロボットの接客が嫌われるということはあまりなさそうです。非常に有望だと言って良いでしょう。ロボット導入を検討する企業の後押しになるような話でした。
【本文中でリンクした投稿】
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