2016/8/3:
●あんなに困っていたのが嘘のよう!東京都のカラス数激減していた
●カラスが減った理由は3つ カラス対策は捕獲が有効だった?
●暮らしやすいから増える…本当の問題はカラスではなく人間!
●日本野鳥の会も「都市におけるカラス問題はカラスのせいじゃない」
●ゴミ収集を深夜にやっている自治体が多いことで有名な県は?
2020/07/19:
●東京都のカラスが減った一方で、地方都市で激増し数万の群れ!
【クイズ】ゴミ収集を深夜にやっている自治体が多いことで有名な県は?
(1)福井県
(2)福岡県
(3)福島県
●あんなに困っていたのが嘘のよう!東京都のカラス数激減していた
2016/8/3:
都心のカラス減っている 15年前ピーク時の4分の1に:朝日新聞デジタル(小堀龍之 2016年8月2日18時26分)という記事がありました。他にもカラスが暮らすのに適した場所があった場合、単純に移動しただけという可能性もありそうですけど、とりあえず、定点観測している地点は激減しているといいます。
東京都心で生ごみを食い荒らすなど、一時は社会問題になっていたカラスが、ピーク時の約4分の1となり、30年前より少ない水準まで減った。(中略)
カラスは1970年代には山手線の内側で繁殖がほとんど確認されなかったが、残飯などが増えるにつれ急増した。都内に多いハシブトガラスは冬季に集まってねぐらをつくる習性があり、同研究会が85年から明治神宮(渋谷区)、豊島岡墓地(文京区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)の3地点のねぐらで5年ごとに定点観測をして、数を追ってきた。
初回調査の85年は6727羽だったのが、2000年には1万8664羽にまで増えた。だが、その後は減少に転じ、15年調査では4816羽まで減った。
●カラスが減った理由は3つ カラス対策は捕獲が有効だった?
カラスが減った理由として挙げられたいたのは3つ。1つは、オオタカやノスリなどカラスの天敵の猛禽類(もうきんるい)が増えたというもの。オオタカみたいな猛禽類が増えているっていうのは、ちょっとびっくりですね。
カラスが多ければ当然カラスを食べる動物の個体数も増えやすくなります。ただ、カラスを食べる動物が増えすぎると今度は彼らが食べるものがなくて困ってしまいますからね。このバランスが崩れてある種が全滅することもありますが、根本的な原因ではないのではないか?と思いました。
今回の場合おそらく人為的なものでもないんでしょうが、天敵を増やすという対策は生態系を壊すので望ましくありません。それによって、別の不都合が生じることも多くあります。カラス対策で猛禽類を飛ばそう!みたいなのは、やめてほしいですね。
したがって、別の理由の方を注目したいのですが、「ワナによる捕獲」というのもありました。ただ、これまた私は根本的な対策にならないと思っていました。もしこれが効いていたなら予想外です。
人間の乱獲によって全滅した生き物というのもいますけど、それはその生き物を捕獲する価値が高く、儲けが大きかったため。都の予算でやる場合はそこまで異常な駆除は行うことは難しいでしょうし、費用対効果からしても良いとは思えません。
●暮らしやすいから増える…本当の問題はカラスではなく人間!
人間が生き物を全滅させる場合、乱獲以外にも環境の変化というものがあります。カラスがそもそも都会で増えたというのも、都会の環境がカラスに最適であるためです。なので、環境を変化させるというカラス対策が最も効果的だと思われます。
…とは言っても、明治神宮などねぐらとなる森を伐採したり、餌探しに便利な高い建物を壊したりというのは、非現実的です。現実的に対策が可能なのは豊富なエサの問題、要するにゴミ問題でしょう。3つ目のカラスが減った理由というのがこれで、"都は01年度からごみの深夜・早朝回収"を進めたという記述がありました。
研究者らでつくる都市鳥(としちょう)研究会事務局の川内博さんのコメントで、カラスの減った理由に関係していたのも、このゴミ問題だけでした。「ここまで減るとは予想していなかった。生ごみを人がコントロールすればカラスとのトラブルを減らせる」というものです。
●日本野鳥の会も「都市におけるカラス問題はカラスのせいじゃない」
日本野鳥の会も同様に捕獲よりもゴミの問題という意見書を過去に出していたようです。人々はカラスを目の敵にしていますが、増やしたのは人間なのですから、勝手なものですね。
東京都「カラス対策プロジェクトチーム」に対する意見書 2001年10月24日 財団法人 日本野鳥の会 会 長 小杉 隆
1.都市のカラス対策に関する(財)日本野鳥の会の基本的な視点
(中略)「カラス対策プロジェクトチーム報告書」でも指摘されているとおり、私たちも、東京都においてカラスが増加したのは、人の出す大量の生ごみが路上等に放置され、カラスがこれを食物として十分な栄養を得て多くのひなを育てて数を増やした結果ではないかと考えています。そして、その増加したカラスが人との間で軋轢を起こしているのです。つまりカラスが増えたのは人の振る舞いの結果です。都市におけるカラス問題とは、都市問題の結果であって原因ではありません。(中略)
2.捕獲策を優先させないほうがよい理由
カラス対策について同報告書で緊急対策として「トラップによる捕獲」によって半年程度でカラスを数千羽減少させるとされている部分は、その効果において大いに疑問があります。
●ゴミ収集を深夜にやっている自治体が多いことで有名な県は?
ただ、「ごみの深夜・早朝回収」という説明も不思議でした。というのも、
ゴミ出しは朝より夜が良い7割 福岡市民「えっ、普通夜じゃないの?」をやったときに、東京都はほとんど早い時間の回収ではないという話だったためです。
【クイズ】ゴミ収集を深夜にやっている自治体が多いことで有名な県は?
(1)福井県
(2)福岡県
(3)福島県
【答え】(2)福岡県 (
ゴミ出しは朝より夜が良い7割 福岡市民「えっ、普通夜じゃないの?」)
試しにいくつかの区のサイトを確かめたものの、普通に「朝8時までに出してください」というもの。この場合、最速でも8時の回収でしょうから、到底早朝とは呼べません。
不思議に思って検索してみると、一部地域で実施…という感じなのかもという記述が見つかりました。これなら矛盾なく、説明可能です。(以下の場合は午前8時までに回収ですので、これまた早朝ではなさそうですが…)
いきもの通信 Vol.13[今日の事件]東京都、ゴミの早朝回収を試行/都会のカラス退治は成功するのか?
東京都は8月から繁華街をモデル地区に指定し、ゴミを午前8時までに回収する「早朝収集」を試行する方針を固めた。街の美観、交通渋滞の緩和、カラス対策が主な目的となる。
(SOURCE:朝日新聞夕刊(東京版)1999年7月30日)
似たような話で、
夜のゴミ出し・ゴミ回収のメリットとデメリット カラスや騒音の問題というのも書いています。日本は都市景観に関する意識が低すぎるとも言われており、ゴミの深夜回収はカラス対策以外でもメリットが大きいんじゃないかと。広く浸透して欲しいですね。
●東京都のカラスが減った一方で、地方都市で激増し数万の群れ!
2020/07/19:
カラスの死骸を見ないのは共食いをするから…はデマ?杉田昭栄名誉教授によると…で使ったカラスの記事。この本文ではなく、冒頭の説明部分なのですけど、都市のカラスが減った一方で地方で増えているという意外な話がありました。ちなみにここの場合、カラスが減った理由は私が推していたゴミ問題一択となっています。
<ゴミの回収や管理の徹底で、近年都心のカラスは減っている。一方、増えているのが地方都市。繁華街の電線に数千~数万羽単位で現れ、糞(ふん)害、騒音をまき散らす>
(
あんないるのに「カラス」の死骸を見ないワケ | 東洋経済オンライン(中村 陽子 : 東洋経済 記者 2018/08/12 15:00)より)
ただし、本文ではなぜ地方都市で増えているのかといった理由どころか、地方都市という話題すら出ていませんでした。なので、理由は不明ですけど、上記まで書いてきたように、カラスが増えるのは都市環境が暮らすのに最適なため。だんだん都心に環境が似てきた結果、遅れて同じような問題が起きたのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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ゴミ出しは朝より夜が良い7割 福岡市民「えっ、普通夜じゃないの?」 ■
夜のゴミ出し・ゴミ回収のメリットとデメリット カラスや騒音の問題【その他関連投稿】
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