最初の2016年8月8日の投稿時点で、「冷や麦とそうめんときしめんとうどんとそばの違い」というタイトルであり、いろいろな話を入れた欲張った内容の投稿でした。ところが、2017年04月23日になって、さらに「ざるそば」と「もりそば」の違いを加えたので、さらに盛りだくさんになっています。
【クイズ】2016/08/07に調べた際に、食べログで最も得点の高いお店は「薮蕎麦 宮本」というお店でした。このお店があるのはどこの都道府県でしょう?
(1)埼玉県
(2)静岡県
(3)東京都
●「なめらかでコシが強いそうめん」と「コシが強くなめらかなひやむぎ」?
2016/8/8:
「そうめん」と「冷や麦」、違いは何なのか |働き方・社会貢献|NIKKEI STYLE(2014/7/23 神宮佳江)は、昨年気づいた記事なんですが、夏まで待っていました。記事そのものは2年前ですのでだいぶ古いです。
記者は、セブン-イレブンのプライベートブランドの商品のキャッチコピーが、<「そうめん」=「なめらかでコシが強い」>と<「ひやむぎ」=「コシが強くなめらかな」>となっていることに気づきました。「同じじゃねーか!?」とツッコミを入れたくなります。いい加減ですね。
私ならツッコむだけで終わりなのですが、日経新聞記者はさすが。わざわざセブン―イレブン・ジャパンに聞いてみたところ、"商品の違いを前面に打ち出そうという狙いはなく、むしろ「PB商品としての統一感を持たせるようなパッケージにしています」(セブン&アイ・ホールディングス広報センター)"という意味不明の回答。じゃあ、全くいっしょにしろよ!という話です。
●冷や麦とそうめんとうどんときしめんの違いは単なる太さの違い?
これがきっかけで、記者はそもそも冷や麦とそうめんって何が違うの?と思ったそうです。で、全国乾麺協同組合連合会の安藤剛久専務理事に尋ねると、あっさり判明。「現在では、単純に『麺の太さ』だけで区別している」とのことでした。ただ、「現在では」とあるように昔は違ったわけです。「もともとは製法が違った」ということで、そうめんは手で延ばしてつくり、冷や麦は延ばした生地を切って作っていたという違いがあったそうです。
現在の話の場合は、日本農林規格(JAS)を見るとわかりやすい感じ。ここの記述では、主原料に小麦粉と塩を使い乾燥させた「乾めん類」について「機械製麺の場合、長径1.3ミリメートル未満が『そうめん』、1.3ミリメートル以上1.7ミリメートル未満が『冷や麦』」など規定しています。この分類では、うどんやきしめんもいっしょに網羅。以下のようになります。
【太さによる機械製麺の分類】
そうめん 長径1.3mm未満
冷や麦 長径1.3mm以上、1.7mm未満
うどん 長径1.7mm以上
きしめん 幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満
●なぜこんな変な基準に?手延べだと再び分類不能になる冷や麦とそうめん
このまま終わるとたいへんわかりやすいです。ところが、上記の太さによるわかりやすい分類は、困ったことに、飽くまで機械製麺の場合に限った話だといいます。機械製麺ではない、手延べの場合だとまたわけがわからなくなるんですよ。そうめんと冷や麦が同じ定義なのです。
【太さによる手延べの「乾めん類」の分類】
そうめん
長径1.7mm未満冷や麦
長径1.7mm未満うどん 長径1.7mm以上
きしめん 幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満
何でこんなわけわからんことになっているのか?と言うと、「半田そうめん」のせいでした。200年の歴史をもつ徳島県名産の手延べ「半田そうめん」は、太さが1.7ミリメートル前後で他のそうめんより太いため、JASにそのままあてはめると、「半田冷や麦」になってしまうのです。
この「半田そうめん」のために融通したというのが、どうもややこしくなった理由みたいです。しかも、これは比較的最近の話。わざわざ2004年にJASが改定されたのだそうな。半田そうめん」の伝統を守るために、JASが定義を変更、しかも、わかりづらいものに変更しているのですから、すごい特別待遇ですね。
●うどんとそばの違い うどんはそばより太い…は間違いだった!
なお、記事ではうどんとそばの違いにもさらっと触れていました。「そば」の場合は太さによる定義はなく、JASでは「重量比でそば粉の配合率が30%以上」なら分類上は「そば」、生めん類の表示に関する公正競争規約でも「そば」は「そば粉が3割以上」となっているといいます。
クイズはこのそばに関して。以前、
ラーメン・うどん・そば日本一のお店はどこ?うどんは香川県?で見たときは長野県のお店がトップでしたが、1位が入れ替わっていました。
【クイズ】2016/08/07に調べた際に、食べログで最も得点の高いお店は「薮蕎麦 宮本」というお店でした。このお店があるのはどこの都道府県でしょう?
(1)埼玉県
(2)静岡県
(3)東京都
【答え】(2)静岡県
静岡県って有名なそばあるんですかね?と検索すると、「茶そば」 というのが出てきました。
ただ、これは特殊なものでしょう。「薮蕎麦 宮本」の場合はレビューで江戸前蕎麦って書いていましたから、違うと思われます。でも、こういう変わり種のそばってのもおもしろいですね。一度食べてみたいです。
●実は意外にいい加減だった…「ざるそば」と「もりそば」の違い
2017/04/23:さらに欲張って、「ざるそば」と「もりそば」の違いも知っておきましょう。そばの業界団体「日本麺類業団体連合会」の野澤功(いさお)専務理事は、 「少し前までは、『もり』と『ざる』には明確な違いがありました」とおっしゃっています。この言い方でわかるように、「現在では、海苔の有無やそばの量で差別化することが一般的になってきています」とのことで、明確な違いはなくなってしまいました。
なぜこうなったのか? 以前は『もり』と『ざる』では使うつゆの種類を分けていました。どのお店でも「ざるそば」の方が高いことでわかるように、『ざる』用のつゆは質の良いかつお節で出汁をとり、『もり』のつゆでは質の落ちるかつお節を使う店が多かったのだそうです。
ただ、かつお節の質が全体的に上がったおかげで、「わざわざ『もり』と『ざる』でつゆを分ける必要がなくなった」と言います。で、今は海苔の有無やそばの量で差別化しているってことみたいですね。た、そば粉生産で国内最大手の老舗製粉メーカー・日穀製粉(長野市)の担当者は、「もり」と「ざる」の成り立ちについて説明してくれていました。
「江戸時代にそばに直接つゆをかける『ぶっかけそば』が流行したことで、それとの差別化をはかるために『もりそば』という言葉が生まれたようです。また、『ざるそば』は江戸の深川にあったそばの名店『伊勢屋』が竹ざるでそばを提供したのが始まりで、それを他の店がマネしたことで広まったと言われています」
「ざるそば」は名店の出すそばをまねたものでしたから、高級感を出すことが重要でした。そこで、「ざる」では質の良いかつお節を使って出汁をとるようになったとのこと。ただ、このざるそばの経緯を見ると、結局「高級感を出したかった」というだけで、もともと明確な違いがあったわけじゃないという感じ。じゃあ、「私は安いもりそばでいいや」と思ってしまった話でした。
(
そばの「ざる」と「もり」の違いは? 老舗や専門家に「変遷」聞くと... 2017年 04月22日 11時00分 提供元:J-CASTニュースより)
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