数字のゼロに関する話をまとめ。<ゼロという数字はインドのブラーマグプタが628年に発見って本当?>などをまとめています。
2023/07/25:
一部見直し
【クイズ】億、兆、京などの数字の単位に関する説明で正しいものはどれ?
(1)10^52を示す恒河沙とは、ガンジス川の砂という意味。
(2)10^56を示す阿僧祇とは、アサンソルというインドの地名から来ている。
(3)10^60を示す那由他は元は仏教用語で、「思ったり、議論したりすることが不可なほど大きい数字」という意味。
●ゼロという数字はインドのブラーマグプタが628年に発見って本当?
2016/8/22:ゼロという数字は、インドのブラーマグプタが、西暦628年に発見したという話を聞いて、本当かな?と思って検索。ゼロの発明はインドとはよく言われれているので知っていたものの、人物名や年号まで書かれていたのは初めて見たためです。
で、
0 - Wikipedia見てみると、ゼロという概念はブラーマグプタ以前にもちょこちょこと現れていました。例えば、バビロニア、マヤ文明、古代エジプトなどで「無」を表す「0」を数の対象として考える概念が見られます。この観点で言うと、「インドのブラーマグプタが628年に発見はデマ」と言えなくもありません。
0 の起源
<「無」を表す「0」を数の対象として考える概念の発生は、数学上の飛躍的な進歩の過程の一つと考えられている。
バビロニアとマヤ文明では、位取り記数法で空位を示す記号としての 0 が使われていた。バビロニアを含むメソポタミア文明は六十進法、マヤは二十進法を用いており、それぞれで位が 0 であることを示す独自の記号が発明された。
しかし 0 そのものを数として扱ってはいなかった。 一方、古代エジプトでは 0 の存在を知っていたが
発達せず、それを表す記号もなかった。また、受け入れられなかった理由としては、無理数と似たところがあって、四則演算のうちの除算において、0で割ることができないことが挙げられる。
130年、プトレマイオスがギリシア文字を用いた六十進法の表記において、0 を導入した。記録に残っている最も古い、数としての 0 である。ただし
プトレマイオスが 0 を用いたのは分数部分(分、秒など)だけであり、整数部分(度)には使わなかった。>
●ゼロのインド・ブラーマグプタ発見説が嘘とも言えない理由
では、ゼロはインドで発見説は眉唾か?と言うと、そうとも断定しづらいところがあります。というのも、上記でいちいち太字で強調したように、他の地域でのゼロの扱いは不完全なものであったため。インドのブラーマグプタの場合はもっとしっかりとゼロの地位が確立されており、現在の理解ともほとんど同じ意味を与えています。インドのブラーマグプタがゼロを発見したと言って良さそうです。
<その後、インドの数学で「膨れ上がった」「うつろな」の意 サンスクリット語: शून्य, śūnya (シューニャ 膨れ上がった物は中が空であるとの考え方から来ている。)すなわち数としての 0 の概念が確立された。ブラーマグプタは、628年に著した『ブラーマ・スプタ・シッダーンタ』において、0 と他の整数との加減乗除を論じ、0 / 0 を 0 と定義した以外はすべて現代と同じ定義をしている。そしてこれがアラビア数学に伝わりフワーリズミーの著作のラテン語訳 羅: Algoritmi de numero Indorum により西欧に広まっていった。>
●ゼロ以外にも多くの重要な発見をしたブラーマグプタ
読んでも正直意味がよくわかりませんが、
ブラーマグプタ - Wikipediaによると、ブラーマグプタは他にも重要な発見をたくさんしているそうです。
<ブラーマグプタの問題と呼ばれる二次不定方程式(x2 - 92y2 = 1)の最小整数解(x = 1151, y = 120)も同書で示している。また、665年に著した天文書『カンダ・カードヤカ』(खण्डखाद्यक Khandakadyaka)では、三角法をヴァラーハミヒラの時代からさらに発展させた。
ブラーマグプタが見いだしたものは他にもある。ブラーマグプタの公式と呼ばれる式がその一つである。円の内接四角形の面積を求めるその式は、ヘロンの公式を内包している。2つの公式の関係は、ちょうど余弦定理がピタゴラスの定理を内包しているのに似ている。
同じく円に内接する四角形に関するもので、ブラーマグプタの定理もある。対角線が直交する場合に、その交点から1つの辺への垂線の延長が対辺を二等分するというものである。
ブラーマグプタの二平方恒等式と呼ばれる式もある。2つの平方数の和で表される2つの数の積が、2つの平方数の和で表せる事を示す式である。(a2 + b2)(c2 + d2) = (ac - bd)2 + (ad + bc)2 = (ac + bd)2 + (ad - bc)2 。この等式は、フィボナッチが彼の著書に書いたことでフィボナッチの二平方恒等式とも呼ばれる。3世紀の数学者ディオファントスもこの恒等式を知っていたと見られる。先のブラーマグプタの公式とヘロンの公式の関係のように、このブラーマグプタの二平方恒等式はオイラーの四平方恒等式やデゲンの八平方恒等式に拡張される。>
●仏教の影響が強い日本の数字の単位
以前、
漢字の大きな数の単位が面白い 無量大数,不可思議,那由多の意味でやったように、日本の数字の単位は仏教由来のものばかりです。
【クイズ】億、兆、京などの数字の単位に関する説明で正しいものはどれ?
(1)10^52を示す恒河沙とは、ガンジス川の砂という意味。
(2)10^56を示す阿僧祇とは、アサンソルというインドの地名から来ている。
(3)10^60を示す那由他は元は仏教用語で、「思ったり、議論したりすることが不可なほど大きい数字」という意味。
【答え】(1)10^52を示す恒河沙とは、ガンジス川の砂という意味。
先のゼロのWikipediaでは、"仏教ではシューニャ(漢訳で空)は真に実在するものではなく、その真相は空虚であると説いている"という話もありました。仏教と数学の話が絡んでいるというのも、おもしろいですね。
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