2021/10/08追記:
●知事が身振り手振りで「自分はADHDみたいにキョドらなかった」 【NEW】
【クイズ】一寸法師が住んでいた津の國難波の里として有力な地は、現在はどこの市に含まれているでしょう?
(1)大阪市
(2)京都市
(3)神戸市
●乞食をダマして殺す笑い…一寸法師の類話に見る日本人の障害者観
2016/8/28:最初、同時投稿の
見て!あの外人、指4本しかないよ! 日本人の障害者・外国人観といっしょにするつもりだったのを、長くなりそうなので別にした話。昔の日本人の障害者観についてです。
一寸法師 - Wikipediaでは、一寸法師の類話についても載せています。
<「小さな子」のモチーフは、日本においては日本神話のスクナヒコナ(少・大地男神、スク=少・ナ=大地・ヒコ=男神・ナ=接尾辞)がその源流と考えられる。(中略)
大国主命(オホナムチ・大大地尊、オホ=大、ナ=大地、ムチ=尊い方)がスクナヒコナの助力により国づくりをしたように小人は巨人とペアになって英雄の属性たる力と知恵をそれぞれ分け持つことが多い[3]。
巨人が知恵の欠落により鬼や笑われ者へと転落するのに対し、小人は悪知恵を働かせて最後は成人の姿になりめでたく家に帰還する。社会層にとっては力よりも現実的な困難をするりとかわして行く狡知のほうが求められたのだろう。小童だからこそ悪質ないたずらも許される>
小人は悪知恵を働かせる、小童だからこそ悪質ないたずらも許される…といった話はあるものの、ここまでの話はまだそんなに驚く部分ではありません。衝撃的なのは、この後からでした。
<昔話の狡猾者譚『俵薬師』には英雄にあるべき正義のかけらもないような狡猾な悪者としての主人公のわらしが登場し、雇い主の金持ちを徹底的にやっつけ殺すその手口は一寸法師に似ているものの悪質である。わらしは次々と嘘をついて主人を騙し、ついには堤に突き落とし殺し、おかみさんと無理やり夫婦になってしまう。「嫌がるおかみ様と無理やり夫婦になったどさ。どっとはらい。」と語り収めるその語り口はどこかユーモラスでありパロディとブラックユーモアに満ち満ちている[3]。
嘘と虐殺によって富と女を手にする俵薬師の少年は知恵によって鬼の宝と女を手にする一寸法師の裏の姿であり「小さ子」神の末裔に他ならない[3]。
俵薬師の少年の残虐性は罪もない異人に向けられている。ただ通りがかっただけの座頭・眼病病みの乞食といった弱者でさえ騙し身代わりとして殺してしまう。 ここに異人達を撲殺し代償として成り立つ村の暗い一面が照らし出されている。悪質な知恵の働きを笑いとユーモアの中に語るところに、知恵の破壊的な超秩序な側面が示されるとともに、村の共同体の複雑さがある。知恵は正義や潔さを無意味化し権力の維持にとって重要な安定した秩序を笑い飛ばす危険なパワーをはらみもつのだという。スクナヒコナが国土創造神であり実は薬作り酒造りなどの化学技術の創造神であったのも「知恵」が単純に文化秩序を象徴するわけではないことを物語っている、と共立女子短期大学講師・猪股ときわは分析する>
【クイズ】一寸法師が住んでいた津の國難波の里として有力な地は、現在はどこの市に含まれているでしょう?
(1)大阪市
(2)京都市
(3)神戸市
【答え】(1)大阪市 (そのまんま「難波」でした。現在の三津寺(ミッテラ)から難波付近と言われているそうです。また、椀に乗り京に向って出発した難波の浦は、現在の道頓堀川だと言い伝えられているとのこと)
●障害者をネタに笑いを取るのは日本の伝統?座頭相撲の問題
俵薬師は障害者殺しが主体の話ではありませんし、「小童だからこそ悪質ないたずらも許される」は、逆に言うと、普通は許されないことだという認識があるようにも見えます。ただもう一つ、私が昔の障害者観で思いついた「座頭相撲」の方は言い訳ができないものでした。
座頭相撲 - Wikipedia
座頭相撲(ざとうずもう)とは、盲人同士、また盲目の男性と晴眼の女性との取り組みによる相撲興行である。
概略
上記のいずれもが永享2年、江戸両国で興行されたのが最初である。(中略)座頭(盲人)が土俵上で手探りで取り組むさまがおかしがられ、当時の人々に喜ばれた。また、盲人男性と晴眼女性との取り組みが一部の好色な常連の見物の評判を得て、座頭相撲の単独興行は行なわれなくなり、安永頃からは衆人環視の中で醜態を演じることが再三あり、そのために禁じられた。文政になって盲人と女性との相撲興行の一団が組織され、大坂下り江戸両国広小路における興行が文政9年、引き札に添えて番付を配り、高い評判を博したが、その後、人気は座頭相撲から女相撲に移り、ついに明治5年、男女相撲の見世物が差し止められた。
これは飽くまで昔の価値観ですので、今の価値観で否定しても仕方ありません。もう一つの
見て!あの外人、指4本しかないよ! 日本人の障害者・外国人観の方もそうですが、当時はそういう時代だったという話です。ただ少なくとも、日本の伝統だからと障害者差別を肯定したり、あるいは逆に日本人は昔から差別をしなかったと言って捏造したりするのはやめてくださいね。ここらへんは事実を事実として、そのまま受け止めておきましょう。
●知事が身振り手振りで「自分はADHDみたいにキョドらなかった」
2021/10/08追記:上記までは「昔の話」というものでしたが、もちろん今でも日本には障害者差別的なものが残念ながらあります。
多動性障害を引用し、やゆ 徳島知事「不適切」と撤回:東京新聞 TOKYO Web(2021年10月8日 15時34分)という記事が出ていました。ただ、発言だけ聞いても意味不明なので、後で補足します。
<徳島県の飯泉嘉門知事は8日の記者会見で、次期衆院選で不出馬に追い込まれる形となった際の心境について、注意欠陥多動性障害(ADHD)を引用して、やゆするような発言をした。視線を左右に振り、身ぶり手ぶりを交えながら「普通だったらキョトキョトと多動性症候群ではないですけれど、これが起こらなかった」と語った。事後に不適切だったとして発言を撤回した>
こういうときその場では記者が突っ込まないことが多いのですが、今回は会見の時点で、記者から「ADHDの方をやゆ(引用者注:馬鹿にすること)する発言ではないか」とただされたみたいです。これに対して、「そういう意味ではない。うろたえるといった表現に近く、分かりやすく申し上げた。あえて言う必要はなかった」と弁明していたとのことです。
あえて言う必要がないADHDの人のことをわざわざ言っている時点で悪意が濃厚で、言い訳不能なのですが、どうやら「突然不出馬になったけど、全然うろたえなかった」という意味で「自分はADHDみたいにキョドらなかった」という趣旨の発言をした模様。実際には、徳島県の飯泉嘉門知事の衆院選出馬問題で自民党内が揉めに揉めて大混乱していたんですけどね。
この混乱というのは、自民党県議らが知事に衆院選出馬を求めていたのに、選挙で負けそうになるなどしたため、自民党県議らが一転して不出馬を求め説得して土壇場で不出馬決定…という醜いドタバタ。飯泉嘉門知事が読む出馬表明原稿を、直前に手書きで直すほどの混乱です。たぶん知事はこれらを踏まえて「混乱などしていない」と強弁したかったのでしょう。
<衆院選への出馬意欲をみせていた徳島県の飯泉嘉門知事が1日午後、県議会で一転、知事続投を宣言した。地元テレビが流した映像では、知事が議会の自席で演説原稿を「総選挙に出馬する」から「出馬せず」に書き換える瞬間が捉えられていた>
<衆院選への出馬の意志を固めていた飯泉知事を土壇場で翻意させたのは、自民党県議による膝詰めの説得だった。(中略)実質的な知事与党であり、知事に国政への転身を促してきた自民党県連が態度を一変させた背景は何か。同党の三木亨参院議員がポスト飯泉の知事選に意欲を示したのが大きい。
父親がかつて徳島知事を務めた三木氏は、参院合区の「特定枠」で当選している。その枠を手放すことに党本部や他県連からも反発が出ていた。だが知事選がなければ出馬の機会はなく、混乱を避けられる。
飯泉知事が出馬を予定していた衆院選徳島1区と知事選がともに「厳しい戦いになる」との見方も、ここへ来て県議の間に広がっていた。同区の現職は、飯泉批判を強める自民の後藤田正純氏。ポスト飯泉に女性官僚の名前が急浮上するなか、ダブル選挙になれば、保守系が「後藤田・三木ライン」と「飯泉・女性官僚ライン」に分裂する恐れがあった>
(
徳島知事、衆院選不出馬の波紋 県政弱体化は避けられず: 日本経済新聞 2021年10月4日 23:18 より)
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