【クイズ】戦国武将らが使用していた手書きのサインである「花押」は、何と読むでしょう?
(1)かいん
(2)かおう
(3)はなおし
2016/9/3:
●中国・韓国・台湾でも衰退のはんこ文化 なぜ日本だけなくならないのか?
●日本ではサインがはんこに取って代わらない理由
●日本には「花押」という伝統文化もある
2018/10/23:
●茨城県庁がはんこ文化撲滅、ほぼ100%電子決裁に
●電子決済はメリットだらけ…なぜしない?
2021/09/01追記:
●中国でもはんこ文化は健在だった?印鑑を使って会社乗っ取り! 【NEW】
●印鑑文化はリスクで海外の評判を下げる…日本も是正すべき? 【NEW】
●中国・韓国・台湾でも衰退のはんこ文化 なぜ日本だけなくならないのか?
2016/9/3:
時に面倒もある日本の「ハンコ文化」はなぜなくならない?│NEWSポストセブン(2016.07.20 11:00 週刊ポスト2016年7月22・29日号)で出ていた全日本印章業協会の中島正一・会長は、「10年ほど前までは中国や韓国、台湾にも印鑑登録制度がありましたが、今も続くのは世界で日本だけ」としていました。
ただ、そもそも日本以外の国ではそれほど普及していなかったのかもしれません。
印章 - Wikipediaを見ると名前が出ていたのは中国のみであり、しかも、浸透しなかったという書き方でした。
<一方、隋・唐の時代には書道の発展を背景として署名が用いられるようになり、公文書や書状に私印が使われることは少なくなっていった[37]。その一方、この頃から書画などに用いる趣味・芸術のための印章が使われ始めるようになり[38]、印影そのものを芸術とする、書道としての篆刻へと発展していく。
中国の印章は芸術として独自の発展を遂げたものの、その後も民間に浸透することはなく、識字率の低い時代にも署名や押印の代わりには他のさまざまな手段が使われており、印章が実用的な日用品として用いられることはなかった[21]。>
日本でも「当協会に所属する会員は1200ほど。30年前は約4500でしたから減少の一途にあります」とのこと。"加えて、銀行や役所などでの“脱ハンコ”の流れもある"そうです。とはいえ、中島会長ははんこは必要だと力説していました。
「そうした動きはもちろん把握しているが、ハンコをなくすと不便があるのも事実です。平日の日中、銀行の窓口に行けないサラリーマンが妻に代わりに行ってもらう時、静脈認証ではどうしようもない。
会社印にしても、社長の静脈を登録して手続きのたびに社長が銀行や役所に出向くのは現実的でない。ハンコにはハンコの利便性があるんです」
でも、これはじゃあ、日本以外の海外ではどうなっているの?銀行側のサービス不足じゃないの?といった疑問があります。所詮この方は全日本印章業協会会長。ポジショントークにしか見えません。
●日本ではサインがはんこに取って代わらない理由
同じく1971年に創刊された日本で唯一の印章業界誌『月刊現代印章』の真子茂・編集長も「日本でハンコがなくなる事態は考えにくい」としていましたが、この方も業界人。信頼できる立ち位置ではないでしょう。ただ、真子茂・編集長の挙げた理由はなかなか説得力がありました。はんこを失くすのは手間である上に、既得権益を持つ団体に反対されるので政治家は積極的に法改正しないだろうという予測です。
「意思表示の証拠として代わりうるのは『サイン』ですが、法改正など膨大な手間をかけてすべてサインに変えても、印章業界が損をして、得する業界はない。だから、誰もハンコをなくそうと本気では動かない」
はんこが消えてなくなるとすれば、お上が変える形ではなく、民間が変わっていって自然と…という形かもしれません。
●日本には「花押」という伝統文化もある
最初に書いたように、はんこは日本独特な文化になっている感じですが、そういえば、日本には花押という文化もありました。
【クイズ】戦国武将らが使用していた手書きのサインである「花押」は、何と読むでしょう?
(1)かいん
(2)かおう
(3)はなおし
【答え】(2)かおう
これに関して、この前裁判があったのを思い出しました。
遺言書「花押」は無効=初判断、「慣行ない」-最高裁:時事ドットコム
印章や指による印の代わりに、戦国武将らが使用していた手書きのサイン「花押」を記した遺言書が有効か争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は3日、「花押は押印の要件を満たさない」と指摘し、無効とする初判断を示した。
民法は、自分で遺言を書く場合は押印が必要と規定している。第2小法廷は、その理由を「重要な文書は署名し、押印することで完結させる慣行がわが国にはある」と説明。その上で「花押を書く慣行はなく、印章による押印と同視することはできない」と指摘した。(2016/06/03-15:41)
この件自体は遺産問題があり、微妙な問題です。とはいえ、サインそのものを否定するような判決はどうなんだろう?と思った裁判です。しかも、別記事によると、男性は花押を長く使ってきたそうです。日本がはんこ文化から脱するのは、こりゃ絶対無理だろうなと感じる判決でした。
なお、上記の花押のニュース記事を検索していたら、実ははんこは日本の伝統文化ではなく非伝統的であるという主張を見かけてびっくり。興味あるので、これはこれでまた別に書きますね。 →
花押は重要文書で現役! 印鑑は日本の伝統文化ではない新しい慣習●茨城県庁がはんこ文化撲滅、ほぼ100%電子決裁に
2018/10/23:変わるなら民間主導ではないかと書いたのですけど、
ハンコよさらば! 茨城県庁の決裁、ほぼ100%電子化:朝日新聞デジタル(重政紀元 2018年9月24日05時24分)によると、茨城県庁の決裁はほぼ100%となる99・1%電子化されたといいます。
県庁では年間26万~27万件の決裁事務があり、昨年度の電子決裁率は11・8%。実を言うと、電子決裁のシステムは以前からあったものの、全然使っていなかったようです。もったいないですね。実施率が低かったのは、「公務員特有の文書主義が原因」(担当者)とされていました。
しかし、IT企業出身の大井川和彦知事が2017年9月に就任して、4月から電子決裁による作業効率化を高めるよう指示すると、途端にこの数字に。やればできるのです。
●電子決済はメリットだらけ…なぜしない?
大井川和彦知事は、
大井川和彦茨城県知事無能?年度末引越し業者に断られ、自力作業に 茨城県庁組織改正のための方。なので、評価はもう少し見極めたいのですけど、この件はネットで拍手喝采。電子決済はメリットが多いのです。
・文書ファイルの検索・再利用が容易となる
・ペーパーレス化で書棚スペースを削減できる
・出張先など庁外でも決裁作業ができるため在宅勤務を進められる
私が見ている普段ネトウヨ的な発言をするサイトでも、遅れた日本文化と今回のはんこ消滅を歓迎していたことを言っていました。これにはちょっと驚き。ただ、彼は「特に期待されているのが、文書保管後の書き換えができなくなり、改ざんを防げることだ」というメリットについてはスルー。安倍政権にとっては、耳に痛い部分なのです。
itochan 一方国は、改ざんがバレるので、文書を保管せず廃棄する方向性。
kowyoshi 首相官邸筋から「困るなあ、総理の意向を無視する動きは」とか言われたら(マジありそうで)
TakamoriTarou 例の総理大臣”御意向”文章改竄事件の時、ほとんどの所で電子決済システムはすでにあると言う話が出てたな。でも使われてないと言う。つまり、使われないのもトップの”御意向”の影響が大きくて、ここまで変わると
(
はてなブックマークより)
そういう政治的な話は別として、労働生産性向上のためにも一般人としては歓迎して良いところではないかと思います。
●中国でもはんこ文化は健在だった?印鑑を使って会社乗っ取り!
2021/09/01追記:全日本印章業協会の中島正一・会長は、中国のはんこ文化は廃れたようなことを言っていたのですが、どうも企業に関する書類では残っていた模様。さらにこの「はんこ」のせいで「企業乗っ取り」というえらいことになっていたといいます。はんこ文化のヤバでしょうね。日本でも似たような問題が起きており、今度紹介したいですが、今回は中国の話だけです。
半導体企業・Armはイギリスの超優良企業でしたが、2016年にソフトバンクが買収して驚きました。その後、NVIDIAへ売却されることが発表されたものの、中国国内でのライセンス権を持っていた中国合弁企業が一方的に独立を宣言し、知的財産権(IP)のライセンス権を横取りしたまま暴走を続けているといいます。
<2018年6月にソフトバンクは、ArmのIP事業を中国で行うことを目的として、中国子会社であるArm Technologyの持ち株の51%を中国投資コンソーシアムに売却し、「安谋科技(Arm China)」として合弁企業化しました。Arm Chinaは中国国内でArmのIPをライセンス管理する独占権を持つこととなりました。
しかしその後、Arm Chinaのアレン・ウーCEOがArm Chinaの顧客に対してライセンス料の割引を持ちかけ、それと引き換えに自分の会社への投資を誘致していたことが発覚。2020年にArmと株主はウーCEOを追放することに合意し、Arm Chinaの取締役会は利益相反を理由に、賛成7:反対1でウーCEOの解任を可決しました。
しかし、社印をウーCEOが保持していたため、解雇を法的に実行することができなかったとのこと。中国は日本と同じく印鑑に法的な効力を持たせる実印社会で、会社で行われるさまざまな手続きは社印がなければ実行に移すことができません。つまり、取締役会がウーCEOの解任を決議したにもかかわらず、ウーCEOは解任を拒否しながら、会社を実質的に支配したままとなっているわけです>
(
Armの中国合弁企業がArmからの独立を宣言、一部ライセンスや中国市場の顧客をそのまま横取り - GIGAZINE 2021年08月31日 05時00分より)
●印鑑文化はリスクで海外の評判を下げる…日本も是正すべき?
Arm側は新規IPのライセンス委託を停止する形で対抗。主要な技術はArm Chinaに渡らなくしました。ただ、Arm ChinaはArmからの独立を正式に宣言するイベントを開催し、「Arm Chinaこそ中国最大の半導体IPサプライヤーである」とアピール。さらに、Arm Chinaは独自に開発したIPを発表するなどし、新しいIPでシェア確保を狙っていくようです。
こうした解説をした半導体関連ブロガーのディラン・パテルさんは「ソフトバンクの近視眼的な利益追求がこのような大規模な問題を引き起こしたことは明らか」と痛烈批判。私はソフトバンクを普段批判していますが、今回の批判につていは意味がよくわからず。そもそもリスクある中国で合弁したこと自体が間違いという意味ですかね。
とりあえず、このような乗っ取りが中国の評判を下げるのは確か。これでは海外企業が中国に進出しようという気をなくしてしまいます。ただし、先程ちょっと書いたように、日本でも印鑑を使った乗っ取り事件は起きているみたいですので、本来なら日本もこうした問題が起きないよう、今のうちに是正しておいた方が良いでしょう。
また、会社乗っ取りでは政府が主導したという、より悪質な
外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失が起きていたことも思い出します。これは第1次安倍政権時の事件でしたが、第2次安倍政権ではむしろロシアに接近し日本企業の進出を促しました。なので、リスクがあっても企業進出しよう…という動きは中国でも止まらないかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
■
花押は重要文書で現役! 印鑑は日本の伝統文化ではない新しい慣習 ■
外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失 ■
大井川和彦茨城県知事無能?年度末引越し業者に断られ、自力作業に 茨城県庁組織改正のため【その他関連投稿】
■
未だに多い小学校の和式トイレに小学生困惑 ネットは「甘えだ」といった反応も ■
長財布が人気なのは日本だけ?使わない理由は不便だからではない ■
小学校中退のネジロウ道脇裕社長 母学者・祖父教授・父大手企業役員だった ■
伝線しないストッキングがあるのに売らない…の噂にメーカー激怒 ■
日本で流通の抗菌せっけん(薬用石鹸)、科学的根拠なく米で販売禁止 トリクロサン、トリクロカルバンなどの殺菌剤 ■
商品・サービス・技術についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|