2011/5/31:
●猫が鼠や鳥を持ってくるのは飼い主へのお土産だから褒めるべき?
●鼠を持ってくる!猫が獲物を飼い主に見せる理由は自慢ではない
●実は親猫が子猫に示す行動と同じ 飼い主が来るだけで満足な理由
●血まみれの動物を足元や布団の上にまで持ってくる飼い猫の悩み
●理由はわかった…それより死骸を持ち込ませない対策はあるの?
●猫の首に鈴をつけていたのは意味があった?昔の人の知恵かも…
●猫が鼠や鳥を持ってくるのは飼い主へのお土産だから褒めるべき?
2011/5/31:猫がねずみ(鼠)、鳥などの獲物を飼い主のところに持ってきて、見せびらかす行為があります。この理由が知りたいなと思って、検索してみました。
まず、最も広く言われているのは、飼い主への贈り物・お土産であるとか、感謝の気持ちを示すものだとかという説です。検索で最も多く出てきたのはこの説でした。
さらに、褒めてほしくて持ってくるのだから、叱らずに褒めてやらねばならないとも、同時によく言われていることです。ただし、引用元がある、獣医師が書いているなど、より信頼性の高そうなページを読んでいると、これらはどうやら俗説のようでした。
●鼠を持ってくる!猫が獲物を飼い主に見せる理由は自慢ではない
このような勘違いが起きてしまう理由は、猫の行動によるのではないかと思われます。
なぜネコは枕元にすずめの死体を並べますカ? 児童小銃というページでは、パウル・ライハウゼン『
ネコの行動学
』では、そういった誤解が起きる原因について推測していました。
猫の行動というのは、飼い主が「しとめられた獲物」を実際によく調べて、ネコをやさしくなでながらほめるまでは、ネコはあとに引かないことが多いということ。ここから、ネコが自分がどんなに勤勉かを飼い主に自慢したいのだと解釈してしまうといったことが、書かれているようです。
しかし、パウル・ライハウゼンさんによると、この解釈は間違い。猫にとって先の飼い主の行動のうち重要であるのは、
持ってきた獲物のところに人間が実際に行くということだけのようです。褒めてもらうかどうかは関係していないんですね。
●実は親猫が子猫に示す行動と同じ 飼い主が来るだけで満足な理由
実はこの行動というのは、
親猫が子猫に対して行うものと同じ。このことから、「世話をすべき子どもがいないために、代わりに、もっとも親しんだ人間」を子猫に見立てていると説明されていました。
そして、先の飼い主が来るだけで満足する理由は、「本物の子ネコなら、母親に誘われたときにそうするから」ということのようです。こうやって見ると、褒めてやることの必然性はないように思われます。
2013/11/4追記:人間はもちろんネズミの死骸を食べませんが、実際の野良猫の親子を見たときに感じたのは、子猫らが実際に食べるかどうかもさほど重要ではなさそうだということ。獲物に慣らすところから始めるというのもあるでしょうが、餌が十分あるためか母猫も子猫を呼んだ時点で満足してしまっているように見えました。
あと、関係ないですけど、母猫が子猫を呼びよせるときは普段と違う鳴き方、やけにかわいい鳴き方をしていてます。普段と違いすぎて、別の猫がいるのかと最初勘違いしたんですよ。私にはすごい威嚇するんですよね。で、お前、そんな声で鳴けたのか!と驚きました。
●血まみれの動物を足元や布団の上にまで持ってくる飼い猫の悩み
また、
高円寺アニマルクリニックでは、血まみれの動物を足元や布団の上にまで持ってくる飼い猫の悩みに対して、ほぼ同様の回答をしています。
<猫がネズミや小鳥やカエルなどの獲物を、飼い主に見せにくることがあります。
血まみれの獲物や、その一部分を持ってこられて、私たち飼い主はゾッとします。なぜ飼い主の元に持ってくるのでしょう?
わぎわざお土産を持ってきてくれた、と考える人が多いのではないでしょうか。
でも、この行動は贈り物でもなく、食事や世話に対する感謝の態度を示すものでもありません。
これは、
母猫が巣にいる子猫に食事としての獲物を持ち帰る習性からだと考えられています。
また、母猫は子猫に獲物のとどめを刺す方法を教えるため、生きたままの獲物を持ち帰ることがありますから、そのうち生きたネズミが持ち込まれるようになるかもしれません>
「母猫」という説明からすると、オス猫はやらないのかな?とも思われますが、実際のところどうなのでしょうかね。ここらへんは例外があって、納得できない人も出てくるかもしれません。
●理由はわかった…それより死骸を持ち込ませない対策はあるの?
また、こちらでは狩り自体を、「外出したときの本能的活動の一部」であると説明しています。実家の猫の場合、どうもそのような感じですね。特に飼い主に与えようといった様子は伺えないどころか、近づいてきた飼い主を威嚇する有様です。
とにかく、狩りは「外出したときの本能的活動の一部」ですので、「自宅で十分な食事を与えられているかどうか」は関係なく、解決策とはなりません。
ではどうするのか?と言うと、「完全に防ぐ方法は、狩りをさせない、つまり外出させない」とのことです。サイトではこれとともに「外出は、事故やケガ、感染のリスクを伴いますから、完全室内飼育はメリットのある飼い方」とも書いています。
外に出たがる猫を閉じ込めるのはかわいそうですが、ペットとして飼うというのは多かれ少なかれそういった代償を伴うもの。どの選択肢が良かったのかは、誰にもわかりません。
●猫の首に鈴をつけていたのは意味があった?昔の人の知恵かも…
ただ、別の対応策も提示されており、こちらがおもしろい着眼点だと思いました。それは「狩りを失敗させること」という予想外のアプローチ。具体的には、「首輪に鈴やベルを取り付ける」といった対策。鈴やベルは1つではなく、複数が望ましいともされていました。
「全く気づいていない獲物に警告を発することで、逃げるチャンスを与え、狩りを失敗させる」というわけで、「狩りが失敗すれば獲物は持ち帰れないし、失敗が続けば、猫の狩りに対する情熱も冷めていく」という寸法です。
これもまた残酷な仕打ちではありますが、賢いやり方だと妙に感心しました。それにしても、首輪の鈴にこんな役割があったとは!? 昔の人はこれを知った上で、鈴を付けていたのでしょうか?
この他、「猫専用の出入り口を外への一方通行」にして、「飼い主がいないと入れないようにすれば、獲物の持ち込みだけは防げます」という提案もありました。そうしてしまうと猫も飼い主も不便ではありますし、安全性でも劣りますが、精神的にはわりと穏便な選択肢でしょうか。いずれにしても、動物を飼うというのはたいへんだと思わせる話でしたね。
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