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送電分離などはもっと議論されなくてはいけない


★2011/5/31 送電分離などはもっと議論されなくてはいけない
★2011/5/31 なぜ原発の損害賠償が国民負担になるのか


★2011/5/31 送電分離などはもっと議論されなくてはいけない

 原発問題のせいで電力に関して当然話されるであろう話題が、私の中で三つほどありました。しかし、予想に反してそれらのことを口にする人はほとんどおらず、全く盛り上がってきません。

 何度か書いていますが、先の震災を自分の利益、主張に利用するということは、してはほしくありません。そういう意味ではちょっと嫌だなとも思うのですが、これらの話は当然出てきて良いはずのことです。

 そして、「これは少しでも話題になるように何か書かなくては……」とそう思ったのが、4月の末の話です。ただ難しくて重い話であり、書き上げるに多大なエネルギーがいるため、ずっと後回しになっていました。やっとやる気になったので、ここにまとめます。


 とりあえず、三つの話題とはこちらです。

(1) 送電分離の議論
(2) 電力自由化のいっそうの推進
(3) スマートグリッドの普及

 (1)と(2)は密接でほぼいっしょ、(3)は関係しつつもちょっと趣の異なる話ですが、どれも私が当然紙面をにぎわすだろうと思った話です。

 実は4月の時点で参考にしようと思った記事が一つだけあって、ブックマークしていたつもりだったのですが、行方不明になりました。4月のその他の記事ではほとんどこれらに触れられていなかった他、(1)と(2)は当然政界で話題にならないといけないのに、それに言及したのを見たのは、自民党の変わり者河野太郎さんくらいでした。
経団連の会長や自民党の一部の議員が東電の国有化反対を唱えている。最初から東電の国有化に反対するというのはおかしい。

してはいけない国有化は、福島だけを切り離して国有化すること。これは東電救済以外の何ものでもない。これはだめだ。

東電を国有化し、送電部門を切り離して、発電部門を整理して、発電部門は民間に売却する。(原発の扱いは議論の余地がある)こういう国有化は十分に検討の余地がある。

送電と発電の分離は絶対にやるべきだ。これをやらせないように東電は経産省から天下りを受け入れてきた。送電と発電の分離をすることにより、再生可能エネルギーの導入もスムーズになる。これまで送電部門も握ることによって、東電は再生可能エネルギーが送電を利用することを拒み、再生可能エネルギーの発展を防いできた。これも与野党の電力族が経産省と一緒に守ってきたものの一つだ。

今回、電力利権を叩きつぶそうとするならば、政治家が、メディアが、経団連が、評論家が、そして学者が何を主張するか、国民は気をつけていなければならない。
東電の国有化 2011年04月14日 河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

 しかし、5月に入ってこれらの話題は少しずつですが記事になってきましたし、本気度は不明なものの、菅直人首相も言及しました。

 パフォーマンスに終わりそうな気がしますが、強力なリーダーシップを発揮して議論に取り組んでくれるなら、応援して良いと思います。少なくともこのまま終わらせることは、国民の利益になりません。


 ところで、先の三つの話題ですが、(1)と(2)については以降で長々と書きます。ここでは特殊な(3)のスマートグリッドについてだけ、軽く書いておきます。


 実はスマートグリッドという語は近頃盛んに目にするものの、毎回意味がよくわからず、苦労している単語です。

 そこで毎度おなじみWikipediaに説明してもらうことにすると、以下のような感じです。

スマートグリッド (smart grid) とは、デジタル機器による通信能力や演算能力を活用して電力需給を自律的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減及び信頼性と透明性の向上を目指した新しい電力網である。


スマートグリッドは、新しい機能を持った電力網である。最初にアメリカ合衆国の電力事業者が考案した。「スマート」という語が表すように、発電設備から末端の電力機器までをデジタル・コンピュータ内蔵の高機能な電力制御装置同士をネットワークで結び合わせて、従来型の中央制御式コントロール手法だけでは達成できない自律分散的な制御方式も取り入れながら、電力網内での需給バランスの最適化調整と事故や過負荷などに対する抗堪性を高め、それらに要するコストを最小に抑えることを目的としている。

元々、米国の脆弱な送配電網を新たに登場したコンピュータ技術によって低コストで安全に運用する手法を模索する過程で生まれた構想であり、電力網における供給者と需要者の間をデジタル通信線によって結ぶというアイデアに、家庭電化製品のネットワーク化推進に失敗していた高機能家電への進出を狙うメーカーやデジタル通信用のデバイス・メーカー、さらにはITネットワークを主導している企業までが、家庭内へデジタル回線を引き込む良い機会と捉えて大きな関心を寄せるようになった。また、米国だけに限らず多くの国で、プラグインハイブリッドカーや電気自動車、家庭用太陽電池発電などの普及が見え始めたのも、米国が官民挙げて次世代の送配電網の必要性を論じるきっかけになった。

このように米国が新技術による新たな電力網に"smart grid"という名を与えて産業界での新たな分野を作り始めたが、同様の動きは先進各国でも生じていて、まず欧州が米国と同じような構想で域内の電力網の再構築・向上を検討している。



 これは「米国の脆弱な送配電網」で広がった動きであり、「現行の電力網で電力供給が安定して運営されている」日本では、電力業界側は比較的消極的なようです。

 一方、「電力網全体に新技術を盛り込んだデジタル式の通信および電力制御を行う装置を配置するだけでも、巨額投資が見込めるため、電力機器メーカーや設備工事業者だけでなく、自動車メーカーやデジタル通信装置に関わる多くの関連業界が新市場と捉え、特にこうした分野に技術的優位性を持つ日本や米国などでは官民一体で推進しており、周辺産業界とも協力してまずは国際的な標準化の確立を目指している」ともあり、電力業界以外は積極的なようにも思える書き方です。


 私がなぜこの話が広がるのでは?と思ったのかと言うと、今回の電力不足、あるいは原子力発電所の操業可否にも関連して、将来までの電力消費の在り方を考える上で、スマートグリッドの目指す「省エネとコスト削減」が注目されるはずだと考えたためです。

 そういうわけで、「(1) 送電分離の議論」「(2) 電力自由化のいっそうの推進」とちょっと毛色の違う話なのですが、送電部門を握っている既存電力会社の協力が現状では必須であり、当然関連する問題でもあります。


 スマートグリッドはちょっと期待されすぎな気もして、バラ色の未来のように喧伝されるのは心配ですが、あまりにも盛り上がらないのも不思議であり、もっと議論になって良い話題です。


 では、「(1) 送電分離の議論」「(2) 電力自由化のいっそうの推進」の話です。




★2011/5/31 なぜ原発の損害賠償が国民負担になるのか

 "送電分離などはもっと議論されなくてはいけない"の続きで、「(1) 送電分離の議論」「(2) 電力自由化のいっそうの推進」に関するものですが、スタートはちょっと違う話から入ります。


 福島の原子力発電所の損害賠償は結局国民負担だという話は盛んに言われていますが、これは本来でしたらある程度当然のことだと思います。

 ただ、これは「ある程度」としたように、電力の問題というのは非常に特殊なケースになっています。


 まず、今回の問題を離れて、一般的な企業の損害賠償を考えてみます。

 企業は損害賠償に払うお金をどこから持ってくるかと言うと、日々の企業活動の利益、将来の利益、あるいは今まで貯めてきた利益から出すしかありません。

 そうすると、その損害賠償分の負担が企業の商品などにかかってくるというのは、いわば当然のことです。

 それがつまり国民負担、正確には顧客の負担となる理由です。


 この顧客は何も国内に限ったはないではないので、国民とイコールになるとは思いませんが、今回の場合は電力業界の特殊性が出てきます。

 日本の進んだ電力業界の技術(たとえば、先進的な原発技術など)を売るなどして、海外から利益を得るということも可能でしょうが、おそらくそれはごく僅かでしょう。

 電力会社というのは、国内からほとんどの利益を得ているというのが実情だと想像できます。


 そして、さらに厄介なのは、日本の電力会社が地域独占であり、選択の余地がないことです。

 これがたとえば自動車会社の損害賠償であるなら、「そんなイメージの悪い自動車会社から車など買わない!」と消費者は拒否することができます。

 値上げしてしまうとと、その自動車会社はますます儲けることができず、損害賠償を支払うのに四苦八苦するわけですが、そんなもの自業自得です。

 資産を切り崩すなり、有力事業や子会社を切り売りするなり、社員の給料を引き下げるなり、どうぞご自由にというわけで、消費者が融通してやる必要などありません。

 しかし、電力業界の場合は既に述べたとおり、事実上その電力会社から買うという選択肢しかありません。


 これが結局国がお金を出さずとも、国民負担になってしまうという原因だと思います。(これは他にそんなこと書いている人いませんので、変な見方かもしれませんけど)


 この問題は今すぐ変更はできませんが、できることなら今のうちに解消を目指して動き出し、こういったいびつな負担を許さない構造になっていることが望ましいと思います。

 ですから、当然「(1) 送電分離の議論」「(2) 電力自由化のいっそうの推進」の問題は、大いに話題になって良いと思ったのです。


 以降、二記事は5月以降になって、実際にこれを話題にした記事の紹介です。 → 発送電分離をする理由


【関連投稿】
  ■電力自由化の問題点1 ~イギリスの場合~
  ■電力自由化の問題点2 ~イギリスの電気代は安くなったか?~
  ■送電分離のメリット
  ■本当に電力は地域独占が望ましいのか?
  ■送電分離のデメリット
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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