【クイズ】
インドビジネス40年戦記
(中島 敬二)の紹介文で、インド人の思考パターンや行動パターンとされていたものはどれ?
(1)一度決めたことは頑として変えないので、良くも悪くも考え方が変わらない。
(2)お金を貸すと返してくれないことも珍しくない。
(3)友人との関係はドライなので、仲良くなってもあまり態度が変わらない。
●インドでは「賄賂なしでは無理ですよ」とインド人がアドバイス
2016/9/10:
賄賂が通用しないなんて! 日本企業がインドでびっくりする理由では、インドは中国と違って賄賂がないという話を紹介。ただ、そちらで予告したように「やっぱりインドでは賄賂が常識」という話が、「賄賂がない」という記事を出したのと同じ日経ビジネスオンラインから出ており、なんじゃこりゃ?と思いました。
その記事はタイトルからして、
「賄賂なしでは無理ですよ」:日経ビジネスオンライン(中島 敬二 2016年7月8日)というもの。作者の中島 敬二さん自身は、"インドで賄賂を払わずに問題解決をするコンサルタント"として知られているのですが、以下のようなアドバイスを受けています。タイトルになっているように、「賄賂なしでは無理ですよ」というアドバイスです。
<インド人の友人の多くからは、「あなたの考え方は理想論であり現実的ではありません。郷に入ったら郷に従ったほうが得策。無謀なチャレンジはやめたほうがいいですよ」と親切な助言を受けましたが、どうしても納得できませんでした>
●「ひょっとして賄賂忘れてない?」役人の方から賄賂の要求も
日本食レストランの夜の営業のために、"お酒を提供するリッカー・ライセンス(LL)を取得する"必要があり、各所で"ライセンス発給について異存がないというNOC(Non Objection Certificate)を申請者自らが取得"する必要がありました。
賄賂の話が出てくるのはこのときですから、民間ではなく公的機関の賄賂の話。お役人さんから暗に賄賂を請求されるってことですから、やっぱり前回の
賄賂が通用しないなんて! 日本企業がインドでびっくりする理由で出てきた記事とは全く異なる内容。過去の別記事を考えても、今回の方が信憑性を感じます。
<ある役所からのNOC取得には大変難儀しました。書類をチェックする第二段階のところで処理が2カ月以上止まってしまったのです。
担当の役人からは、賄賂を払えば書類を上に回すとの示唆がありましたが、もちろん拒否しました。そこで私がその役所の副長官に直談判することにしたところ、書類を止めていた役人は態度を変えて、署名をもらえることになりました>
●デマだらけの記事?人よりも法を優先するインドというのも間違い
また、前回の記事ではインドは法治主義であり、中国のような人治主義ではないとも書かれていたものの、これも全く逆。人によってころころ態度を変えてくるといいます。まず、最初の申請のときは、賄賂を渡さなかったせいか、担当者は理由も言わずに書類の受理を拒絶してしまいました。
ところが、協力者が「申請者の中島氏はハリヤナ州政府の元名誉顧問であった人。理由なしに書類受付を拒否したら、あなたに問題が起こるかもしれませんよ」と強めに主張して受理。これで前に進めました。この時点で「人よりも法を優先するインド」ではなく、「法よりも人を優先」という感じです。
ただ、一筋縄ではないかないインドは、なんと最後の段階になって、ライセンス発給の対象は3つ星以上のホテルのみと断られます。法律違反だったみたいですね。早く言ってよ!という話です。この後も苦情を申し立ててるために、高級官僚に直談判。これが法治国家なら、「法律は法律。メディアを使い政府に圧力をかけたいのであれば勝手にやればいい」となりますが、そうはなりませんでした。
理不尽な対応をメディアに発表するぞと言いつつ抗議すると、法律を無視するとまでは行かなかったものの、「州の法律を改定します」ということで特別扱いしてくれました。このように人よりも法を優先するインドというイメージも間違いっぽいです。
前回の記事は別に中国叩きのような感じではなかったものの、中国と違ってインドがクリーンなんてことはなさそうですね。もともとインドは中国よりも汚職がひどいと言われていた国なのですから、最近になってもそう簡単には変わっていない…という方が納得できます。
●なぜ?日本人は戸惑うインド人の思考パターンや行動パターン
最初のクイズの回答ですが、人よりも法を優先するわけじゃないという流れでわかるように、「友人との関係はドライ」は違います。アジアって大体そうですね。
インドビジネス40年戦記
のアマゾンレビューを見ても、"友人の紹介であれば、高級官僚でも社長でも会える"とありました。
また、上記のやり取りを見ると、対応が二転三転していることでわかるように、選択肢にした「一度決めたことは頑として変えない」も逆でころころ変わるとのことです。ということで、正解は残った選択肢の「お金を貸すと返してくれないことも珍しくない」でした。
【クイズ】
インドビジネス40年戦記
(中島 敬二)の紹介文で、インド人の思考パターンや行動パターンとされていたものはどれ?
(1)一度決めたことは頑として変えないので、良くも悪くも考え方が変わらない。
(2)お金を貸すと返してくれないことも珍しくない。
(3)友人との関係はドライなので、仲良くなってもあまり態度が変わらない。
【答え】(2)お金を貸すと返してくれないことも珍しくない。
<私たち日本人には、インド人の思考パターンや行動パターンはなかなか理解しがたいところがある。
道を尋ねると口から出まかせを言い、お金を貸すと返してくれないことも珍しくない。
「考え方をころころ変える」「約束を守らない」「その場しのぎ主義」と見えることもよくある>
こうしたインドの特徴を見ていくと、ひどいことだらけな感じ。ただ、インド人バッシングというわけではなさそうで、アマゾンレビューではインドは「多様性」の国だからという理解をしていました。とはいえ、この「多様性」の理解というのが、また日本人が非常に苦手なところなんですけど…。
●賄賂で不正入学当たり前のインド、入学認める裁判官すらいる
2017/02/16追記:インドでは賄賂が多いとわかる話を追加します。
不正入学の医学生600人超、医師になれず インド最高裁が判断:AFPBB News(2017年02月14日 15:36)という記事が出ていたんですよ。これは単にインドでは不正が多いと言うだけでなく、別の特徴も見える話で良い記事でした。
記事によると、マディヤプラデシュ州で、2008~2013年に学生約630人が試験の解答のコピーを入手したり、試験で「替え玉」を使ったり、賄賂を支払ったりして一流の医科大学に入学していたことが明らかになりました。ただ、このような事件が問題になるのは特殊だとも説明されています。
賄賂が多いのに事件が問題になるのは稀なのはなぜか?と言うと、インドでは、試験問題を事前に手に入れたり不正に入学したりするために賄賂を支払うことは珍しくないが、今回の不正事件はあまりに厚かましいとして、激しい怒りを招いていた…とのこと。今回は賄賂に寛容なインド人でも許せなかったということみたいですね。
また、インド最高裁の話もインドらしいです。最高裁では当初、判断が分かれており、判事の一人は罰として学生らに兵役を科すべきだと主張。これはたぶん入学はそのまま容認という意味でしょう。裁判官ですらこうした理解なんですから、やっぱりインド人は不正に甘いんだな…とわかる話ですね。
ただ、今回は新たに審理を担当した判事らは学生らの訴えを認めませんでした。「彼らは違法に医科大学に入学したのであり、医学の学位を保有したり医療活動を行ったりする資格はない」という正論がやっと登場。こういう「当たり前だろ」という話がすんなり出てこないのが、インドの現状を示していると思われます。
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