2016/9/19:
●個人重視の日本のジブリとは逆、集団で作るアメリカ・ピクサーの強さ
●攻撃的で批判ばかりする人も他人の助言を聞かない人もどちらも失格
●今のディズニーはすでにピクサー?アニメ部門トップがピクサー出身者に
●批判ばかりする皮肉屋は低所得者に多い?それとも意外に高所得?
2021/06/03:
●「スラムダンク」「聖闘士星矢」などは中国人にとっても大切な思い出】
●日本アニメ業界「別に中国人に日本アニメを見てと頼んでいない」
●アメリカ流の中国アニメ 「天才に頼らない」戦略で日本アニメを超える
2021/07/29追記:
●スポーツこそ「チームワークの日本」と思いきやアメリカが上 【NEW】
【クイズ】ドイツ・ケルン大学のオルガ・スタブロワ博士が41ヶ国のデータを比較して皮肉屋の傾向について研究した結果として正しいものはどれでしょう?
(1)皮肉屋は高所得者に多い
(2)皮肉屋は低所得者に多い
(3)皮肉屋は所得とは関係なかった
●個人重視の日本のジブリとは逆、集団で作るアメリカ・ピクサーの強さ
2016/9/19:アメリカのドラマは全般に脚本家がたくさんいて、いいとこ取りすると聞いたことがあります。なので、ピクサー独自の手法ではないかもしれませんが、非常におもしろい作り方をしていると紹介する記事がありました。
日本のスタジオジブリが個人の力で成り立っているのとは逆に、ピクサーは集団で作品を作っており、なおかつコンスタントに傑作を送り続けているというのです。アメリカが集団で、日本が個人ってのも意外性ありますね。
渡部 幹・准教授によると、ピクサー映画におけるストーリーの秀逸さの秘密は、特定の個人に頼らず、集団討議を作品に反映させる「ブレイントラスト」にあるとのこと。以下のように説明されていました。
<「ブレイントラスト」とは、進行中のプロジェクトを随時、関係者皆でチェックし、意見を交換し、よりよいものに仕上げるための、プレインストーミングの場である。エクゼクティブプロデューサー、脚本家、技術関係者など、多い時には20人以上が集まり、皆で仕事の進行状況と内容について意見交換を行う。まず監督とプロデューサーがこれまでの仕事内容を披露し、あとは皆が自由にコメントする>
(
ディズニー映画を凌駕!ジョブズが作ったピクサーの「チーム力」|ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」ダイヤモンド・オンライン( 渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]【第55回】 2016年8月3日 )より)
●攻撃的で批判ばかりする人も他人の助言を聞かない人もどちらも失格
実質的には「プレインストーミング」なのでしょうが、 トラスト(信頼)という言葉を使った「ブレイントラスト」と呼ばれています。彼らがこれを「ブレインストーミング」と呼ばないのは、こういった場は往々にして「荒れる」可能性があるからだと説明されていました。
<人の心理として、批判されることは好まないし、自分が丹精込めて作っているものについて意見されると感情的にもなるだろう。しかし、この場では意見を言う側も言われる側も、当事者意識を持ち、その「痛み」を共有できる人々でなくてはならない。そうでないと判断される人は、ブレイントラストの場に入ることは許されないのだ>
その場では忌憚のない意見が出される一方で、同時に非常に建設的なアイディアが示されます。誰かが納得いかなければ、納得いくまで何度でも議論。しかし、その際に感情的になったり乱暴な言い回しをしたり、人格攻撃をするようなことはしないとのこと。あくまで皆で支えあい、作品をよくするための、意見交換であることを心して行うとされていました。
一方で、そこで得た意見を、作品に反映させるか否かは、プロデューサーと監督に全面的に委任されるとのこと。ここは仲良くみんなで均等に…というものではないんですね。ただし、その選択におかしな点が見られる場合は、やはり良くないとされるようです。
<だが、せっかくもらった意見を、個人的な感情などを理由に反映させなかったり、反映させるだけの能力がなかったりする人はやがて除外される。
想像してみればわかることだが、これは非常に難しい会議だ。お互いに深い信頼とリスペクトがなければ、成り立たない。だが、ピクサーはこれをシステムとして作りあげたのである>
●今のディズニーはすでにピクサー?アニメ部門トップがピクサー出身者に
なお、ピクサーは現在、ディズニーになっています。なので、ひょっとしたらディズニー映画の「アナと雪の女王」や「ズートピア」にも、こういったやり方が生かされているかもしれません。
10年契約が終了するにあたって、ピクサーとディズニーの間に軋轢が起こった。ディズニー傘下内でのピクサーの版権はディズニーに帰属することになっていたため、ピクサーとの契約終了後は、ディズニーが独自にそれらのキャラクターを自由に使って作品をつくることにしたのだ。(中略)
ピクサーとしては、これまで自分たちが丹精こめて作った作品を、他人の手でいじられるのには、我慢がならなかった。しかしディズニー側は、その意見に耳を貸さず、それまでのピクサーの「資産」を利用しようとした。
その経緯を知ったジョブズは、アクロバティックな行動に出た。ピクサーを丸ごとディズニーに売ってしまったのだ。巨大な富を得たジョブズは、なんとその金でディズニーの株を大量に買い、個人筆頭株主となった。そして株主として、ピクサーに敵対していた当時のディズニー役員をクビにしてしまったのだ。
その結果、ディズニーのアニメーション部門のトップにラセター(引用者注:ピクサーのチーフだったジョン・ラセター)が就任することになった。
●批判ばかりする皮肉屋は低所得者に多い?それとも意外に高所得?
クイズは「批判ばかり」でブログ内検索して出てきた
皮肉や批判ばかり言う人には低所得者が多い 低学歴とも関係する?から。
【クイズ】ドイツ・ケルン大学のオルガ・スタブロワ博士が41ヶ国のデータを比較して皮肉屋の傾向について研究した結果として正しいものはどれでしょう?
(1)皮肉屋は高所得者に多い
(2)皮肉屋は低所得者に多い
(3)皮肉屋は所得とは関係なかった
【答え】(2)皮肉屋は低所得者に多い
検索するまでこんな話を書いたことを忘れていましたが、ひどい内容ですね。踏んだり蹴ったりです。ただ、まあ、そういう結果になっちゃっているのですから、どうしようもないんですけどね。今回のピクサー方式でも批判ばかりしている人は職を失っちゃいますから、やがて貧しくなっていきそうです。
●「スラムダンク」「聖闘士星矢」などは中国人にとっても大切な思い出
2021/06/03:このページに関連する話かな?と思った
日本のアニメが「中国で負ける日」が来る。「天才に頼らない」戦略が、圧倒的な差を覆そうとしている | ハフポスト(2021年06月02日 07時29分)という記事。読んでみるとだいぶ違う感じで、他の投稿で使ったのですが、こちらでも紹介しておきます。
記事ではまず「スラムダンク」「聖闘士星矢」「ドラえもん」は日本人だけでなく中国人にとっても、「国民的」な存在で子供時代の思い出だと説明していました。ただし、日本のソフトパワーを象徴するアニメが今、中国で存在感を失いつつあると指摘。「待っていればチャイナマネーが入ってくる」時代の終わりが見えてきたとしていました。
東京都町田市にあり、中国IT大手・テンセントが出資する中国発のアニメ制作会社「カラードペンシル」(本社:中国重慶市)では、日本のアニメ業界関係者を「これを中国が作ったのか」と驚かせる技術の高い作品を作成。制作側の技量が向上し、中国産の原作も増え、日本アニメが徐々に淘汰されつつあるとされていました。
「カラードペンシル」の瞿史偉(く・しい)代理社長は、「日本アニメが急に無くなることはありません。ただ中国人消費者にとって、より面白いものを作れるのは中国人クリエイターです」と説明。私はよく日本流より現地化が大事としているように、地域により好みが異なりますからね。説得力ある説明です。
●日本アニメ業界「別に中国人に日本アニメを見てと頼んでいない」
実際、中国が放映権を購入するアニメは、2018年には年間192作品が配信されていたのに対し、2019年は178作品。2020年は169作品と減少傾向だといいます。また現地メディアによると、日本のサブカルチャー好きが特に多く集まる「bilibili」でも、日本アニメの視聴数は2019年に中国産に追い抜かれました。すでに日本アニメを超えている状況です。
中国の海賊版対策に第一線で関わってきた弁護士・分部悠介(わけべ・ゆうすけ)さんも「ここ5年ほどで、中国アニメ産業が底上げされていると感じます。日本アニメ産業はもう少しこの市場を真剣に見ておくべきでした」と危機感。記事ではありませんでしたが、「中国は違法アニメばかり」という認識も確か今だと事実ではなかったはずです。
一方、日本のアニメ業界では「別に中国人に日本アニメを見てと頼んでいない」といった声もあるみたいですね。分部悠介弁護士は「それも一理あります。中国に進出する・しないは企業の戦略次第です」と前置きしたうえで、「日本の市場はシュリンク(縮小)していきます」と指摘していました。
なお、2021年4月から、ネット配信される海外産アニメへの検閲も強化されたという事情もあるとのこと。せっかく日本から作品を買い取っても、検閲終了までに時間がかかるか、最悪検閲を通過しない可能性もあるために買わないという理由もあると説明していました。ただ、前述の通り、日本アニメ減少は2021年以前からですので、理由を説明できていません。
●アメリカ流の中国アニメ 「天才に頼らない」戦略で日本アニメを超える
私がこのページと関係あるのでは?と思って気になった、タイトルの<「天才に頼らない」戦略が、圧倒的な差を覆そうとしている>は、人材の待遇に関する話でした。カラードペンシルでは、日本人と中国人、それにベトナム人などの国際的なメンバーがアニメ制作。給与は突出して高くないものの、日本では15%しかいない正社員が半分でさらに増やそうといしている…という安定性が特徴となっています。
これはアメリカ流のビジネスモデルのため。「ネットフリックスやアマゾンのように、いい作品は予算を出して購入してくれます。受注件数や金額を予測しやすいのです。ここは日本と大きく異なる点だと思います」と瞿史偉代理社長は説明していました。アニメ業界を一度諦めてから戻ってきた日本人もいるそうです。
<かつて、日本の制作会社で働いていたが「経済的な理由で脱落した」と退職。介護関係の仕事に就いていたが、去年6月に正社員として「カラード」に入社した。「普通に働いて普通にお金がもらえる。業界全体でも片手で数えるくらいです」と話す>
記事タイトルに使われていた「天才」というのは、瞿史偉代理社長の「日本には『天才』がいます。(中略)そういう存在は中国にはまだいません。トップ層は日本の方が全然強いのです。ただ天才は相応の給料をもらっていても、その下の人たちは(生活も)大変だと思います。天才たちの栄光を頼りにするのは限度があるのではないでしょうか」という発言からだったようです。
また、「天才に頼らない」戦略というのは、スッタフの待遇も踏まえている感じ。日本アニメへの思い入れを随所に滲ませる瞿史偉代理社長は日本アニメ業界の魅力を語りつつ、「若い世代が必要。そのためにはきちんとお金を出さないと。根性や愛情で頑張ろう、には限度があります。業界全体で1つのチームとなって欲しいです」とエールを送っていたそうです。
●スポーツこそ「チームワークの日本」と思いきやアメリカが上
2021/07/29追記:また「チームワークのアメリカ」という話があったので紹介。他のところでも書いた話なんですけど、ソフトボールでそういう話が出ていたんですよ。スポーツの分野こそ、「個人個人の力では負けるがチームワークで勝つ」というのが日本の良さだと言われまくっている分野なので、競技によって違う…ってことですかね。
こうした話があったのは、ソフトボール女子日本代表・宇津木麗華監督のコラム。冒頭で<五輪での米国はチーム全体が一丸となる。団結心というより、塊(かたまり)といったイメージだ。五輪で勝ったら一生困らない生活を送れる。米国の選手は実業団に所属している日本の選手と違い、五輪で勝ってなんぼ>と書いていたのです。
なお、コラムのタイトルは、
「日本代表として五輪に出る」韓国から帰化した捕手が叶えた夢 選んだ女子ソフト監督の思い|【西日本スポーツ】(2021/4/15 12:00)というもの。団結力やモチベーションだけでなく、打者のパワーやスピード、投手の球威や変化球の質でアメリカより劣る日本にとって、「韓国から帰化した捕手」を選ぶことがプラスになるため…といった説明でした。
<捕手は2人を予想していた人が多かった。実際19人による強化合宿でも最後まで悩んだ末、私は3人にした。(中略)3人目は世界選手権にも出場したことがない29歳の清原奈侑(日立)を選出した。競技に人生を懸けている彼女を選ぶことが日本のプラスになると考えた>
<2020年の年明け、オーストラリア合宿でのことだ。「東京五輪への思い」という題で生い立ちや性格を交えて全員の前でスピーチをさせた。その時に清原は「日本代表として五輪に出るのが夢」と明かした。韓国籍だった京都西山高の時に、アンダーカテゴリーの代表選考会で日本国籍でないことを理由に参加できないと告げられたことが引っ掛かっていたそうだ。園田女子大時代は韓国から代表入りを打診されている。それでも「日本で代表になり、必ず日本の力になりたい」と祖母を説得し、日本国籍を取得したと聞いた>
<19年の12月に峰を代表合宿に招集した時点で、自分が落とされると感じていたのではないか。それでも下を向かなかった。情熱的で誰よりも元気を出してきた>
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