【クイズ】三菱商事が筆頭株主となる前のローソンの親会社は?
(1)イオン
(2)ダイエー
(3)マイカル
●意味不明な三菱商事のローソン子会社化の理由
三菱商事がローソンへの出資比率を33.4%から50%超と引き上げ、子会社化するそうです。ただ、この子会社化の理由の説明が、「信頼性」という曖昧なものになっていてピンと来ません。
1440億円で「信頼」の補強へ:日経ビジネスDigital 日経ビジネス2016年9月26日号
三菱商事によるコンビニエンスストア大手ローソンの子会社化に対して、投資家などから効果を疑問視する声が出ている。ある証券アナリストは、「既に株式の3分の1超を保有し、社長も派遣して経営に深く入り込んでいる。今さら1500億円近くを投じて、これまでと何が変わるのか」と首をかしげる。(中略)
関係者によると、子会社化の狙いは「三菱商事という後ろ盾があることを明確化することで、“逃げない”ことを示し、信頼を担保する意義が大きい」という。
●以前は全く逆だった信頼性の説明
この信頼性向上の理屈もかなりわかりづらいです。
というのも、長い間ローソンの社長だった新浪剛史さんは、"三菱商事出身ながら、商品の仕入れなどについて三菱商事グループとは一定の距離を置き続けることで、社内外からの信用を獲得、求心力を高めてい"ました。
つまり、以前は三菱商事と距離を置くことが信頼性向上であったのに、今になって三菱商事と関係が深いことになるというのが信頼性向上だと、全く逆になってしまっています。これでは理解しろという方が無理のある説明です。
一応、以前と今では状況が違うというのはあり、記事ではそう説明していました。例えば、ファミリーマートがサークルKサンクスと組んだことで、ローソンは業界第3位に転落したというのがそれ。
そして、"成長性について懸念する声が上が"る声に対して、"三菱商事による子会社化には、こうした不安を払拭する狙い"だという説明でした。
とはいえ、これもあまりきれいな説明だとは思えません。
●むしろデメリットがある可能性も?
そもそもなぜ以前は三菱商事と距離を置くことが信頼性向上だったのか?と言うと、他の取引先との関係でしょう。
これは、外交においてアジアの国がなぜ中国と縁を切って日米に忠誠を誓わないか?という話とも似ています。極端に日米に入れ込みすぎると、今度は中国から協力を得られなくなってしまいます。できれば、どちらの顔も立てて、両陣営から支援をもらった方が得なのです。
両方の選択肢があった方が良いというのは、取引先がローソンとすぐに手を切るわけではないことを示しますが、少なくとも警戒されて軸足を他のコンビニに移される危険性というのはあります。
普通に考えれば、三菱商事の子会社であるローソンが三菱グループ関連の商品を優先するのは当然です。だったら、ローソンよりも良く扱ってくれる可能性がより高いであろう他のコンビニに力を入れた方が合理的だと考えられます。
三菱色が強まることで、取引先からの信頼を担保するどころか警戒されることもあり得る。こうした危惧を意識してか、垣内社長は今春の本誌の取材で「ローソンを窓口に三菱商事の商品を売って何かいい汁を吸おうという発想ではない」と述べている。
●真の狙いはローソン強化ではなく三菱商事強化?
別記事でも、ローソンの救済というよりは、三菱商事の救済という意味合いの方が大きいのでは?とされていました。
三菱商事のローソン子会社化、よりメリットを享受できるのはどちらか? | THE PAGE(ザ・ページ)
もっとも、今回の子会社化はローソンの経営を強化するためだけに実施されるわけではありません。むしろ三菱商事の方が子会社によるメリットを享受できる可能性が高いと考えられます。
三菱商事は資源価格下落の影響を受け、2016年3月期決算において巨額赤字を計上しました。資源安は当分続くとの予想が大半ですから、三菱商事は資源に代わる新しい収益源を見つけ出さなければなりません。商社は数多くの事業部門を抱えていますが、ローソンが属する生活産業グループは、同社における重点分野のひとつとなっており、三菱商事にとっても業容拡大が必至の状況です。
ローソンは、すべての店舗を合わせると年間で2兆円ほどの売上げがあり、推定で1兆4000億円の仕入れを行っています。これまでも三菱商事あるいは関連企業から商品を仕入れてきましたが、これをさらに拡大することで三菱商事の売上げを増やすことができます。またごくわずかですが、ローソンを子会社化することで利益の一部を三菱商事の決算に組み入れ、連結利益を押し上げる効果も得られるでしょう。
うまくいけば、両社はウィン-ウィンの関係ですが、連携強化にはリスクもあります。三菱グループの商材が、ローソン側のニーズに100%合致するとは限りません。別のグループから商品を調達した方が、ローソンの販売を強化できるという状況になってしまうと、これは本末転倒です。両社の連携強化はそれほど簡単ではなさそうです。(The Capital Tribune Japan)
●総合スーパーの栄枯盛衰
クイズは、
ローソン、いつの間にかダイエー傘下から三菱商事系に変わっていたから。
【クイズ】三菱商事が筆頭株主となる前のローソンの親会社は?
(1)イオン
(2)ダイエー
(3)マイカル
【答え】(2)ダイエー
以前はダイエー系だったのですけど、今ではダイエーそのものが消滅して、懐かしい存在になってしまっています。(関連:
日本一だったダイエー イオンの完全子会社化で上場廃止,屋号消滅)
ローソンがダイエー系だったと知らなかったどころか、そもそもダイエーって何?という人も増えてきているでしょうね。
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