あまり知られていませんが、用水路では、自動車転落事故や人の転落事故によって、かなり方が亡くなっているようです。柵やふたがないと、用水路は事故を誘発する罠を張っているような状態であり、事故が起きるのも無理はないように見えます。ただ、転落防止策はあまり行われていないというのが実情だといいます。
2020/03/22:
●ときどき死亡事故がある用水路 覆いがなくガードレールもなしで転落
2018/11/08:
●用水路死亡事故が多いのは岡山県・富山県・熊本県・埼玉県・香川県など
●岡山県・富山県・熊本県などで用水路死亡事故が多いのはなぜ?
●転落防止策は全然されず放置…農家も反対する理由
●用水路が多いと、海から遠い地域でむしろ津波が早く来る!
●ときどき死亡事故がある用水路 覆いがなくガードレールもなしで転落
2020/03/22:用水路による事故、それも死亡事故のような大きな事故というのが、ときおり起こります。例えば、2020年3月21日に愛知県常滑市久米の用水路で自動車の転落事故が起きていました。乗っていた70代ぐらいの男女と40代ぐらいの男性計3人が病院に搬送され、死亡が確認されています。
警察や消防によると、片側1車線の市道を走っていた乗用車が、前方の軽乗用車を対向車線にはみ出して追い越し、走行車線に戻った際に市道の脇を流れる用水路に落ちたとのこと。乗用車はひっくり返って後輪のタイヤの一部が水面から出ているという、ほとんど水没した状態でした。
問題だったのは、用水路に覆いがなかったことでしょう。現場は緩やかな右カーブで、ガードレールがない区間でした。午後0時40分ごろということで深夜だったため、ひょっとしたら用水路がどうなっているかも把握できなかったのかもしれません。
●用水路死亡事故が多いのは岡山県・富山県・熊本県・埼玉県・香川県など
2018/11/08:何年か前にも用水路の話をやったと思ったのですけど、うちでは未紹介だったみたいでブログ内検索でも出てきません。そのときの話では、岡山県がヤバイ!と言われていました。柵がまったくなくてトラップのようになっており、殺人用水路的にマジで危ない用水路だったのです。
今回の記事も、
用水路での死亡、年100人超 目立つ岡山・富山・熊本:朝日新聞デジタル(岡野翔 2018年11月6日10時06分)というもので、やはり岡山県の名前が先頭に。
朝日新聞が47都道府県に用水路での死亡事例を尋ねて調べたのが、以下の数字。都道府県ごとに集計方法が異なり単純に比較できませんけど、各自治体が把握しているだけで17年度までの3年間に少なくとも計339人が亡くなっていたことなどがわかりました。
<3年間に用水路事故で亡くなった人>
岡山(73人)
富山(68人)
熊本(43人)
埼玉・香川(14人)
秋田(13人)
●岡山県・富山県・熊本県などで用水路死亡事故が多いのはなぜ?
用水路事故が多い地域は、単純に用水路が多いということがあるようで、記事ではその理由が書かれていました。以下のように用水路が多い理由というのは、各地で多少異なるようです。
岡山など瀬戸内海沿岸部 過去の干拓で張り巡らされた用水路が市街地に残る
富山 農村部などでは水田地域に住宅が点在
熊本や埼玉 農地で宅地開発が進んだ地域が目立つ
用水路は水が浅いので、それほど問題ないように見えます。ただ、浅いというのも逆に問題みたいですね。奈良県立医科大の羽竹勝彦教授は「水深が浅く幅が狭いため、側壁や底に頭や首を打ちつけて大けがを負い、倒れたまま気を失ったり体がはまって起き上がれなくなったりすると、水を多量に吸い込んで死に至る」と指摘。
●転落防止策は全然されず放置…農家も反対する理由
一方で、柵やふたの設置といった転落防止策はなかなか進まないといいます。市町村などの管理者側の担当者の多くは「全区間に対策を施すには費用がかかりすぎる」と説明。そういうときこそ国の出番だと思うのですけど、政治家はこういう実際に死亡の危険性があることにはお金を使わず、趣味みたいなことには一生懸命税金を使っています。不思議です。
ただ、用水路の場合は、なんと利用する農家らも反対するとのこと。なぜ?と不思議で予想ができませんでした。記事によると、掃除などの作業に支障があるというのが反対理由だといいます。
私は北海道の田舎出身ですが、大きな用水路の場合は子供が入れないように柵がしてありました。掃除などの作業に問題があるようには見えなかったです。北海道の場合は人口密度が低く、ゆったり作れているというのもあるんですかね?
●用水路が多いと、海から遠い地域でむしろ津波が早く来る!
なお、朝日新聞の別記事によると、岡山の用水路は別の問題もあるとのこと。岡山大大学院環境生命科学研究科の前野詩朗教授(海岸工学)と大学院生の工代(くだい)健太さんらによると、用水路網が津波被害を助長するというのです。
(
岡山)用水路網が津波被害を助長 岡山大が解析:朝日新聞デジタル 中村通子 2018年3月20日03時00分より)
岡山市南部には細かな用水路が縦横無数に通っています。用水路は周囲の土地と水面の差が小さく、堤防もないため津波による水位変動がわずかでも、水があふれる可能性があると考えられました。ただ、用水路網の影響が、津波被害想定に組み込まれていなかったため、実際にコンピューターでシミュレーション。すると、やはり影響があるとわかりました。
しかも、海や川から遠い地域の方が浸水が早い、という意外な結果になっているというので驚き。岡山は特に用水路が多いので特殊でしょうが、こうしたシミュレーションは横展開して、他の地域でも防災計画を見直した方が良いかもしれません。
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