みなし残業代や固定残業代は、残業しなくても貰えるものであり、本来、イコールブラック企業ということにはなりません。ただ、この制度をわざわざ採用する企業は、このわかりづらい制度を利用して、従業員を騙そうとしているケースが多く、結果的にブラック企業の目安となってしまっています。(2016/9/28)
2017/10/09:みなし残業を悪用し、社員を「年収250万で使いたい放題プラン」
【クイズ】ハローワークが積極的にPRしている労働関係法令違反をしていない優良企業を何と言う?
(1)若者応援企業
(2)若者推奨企業
(3)若者推薦企業
●みなし残業代・固定残業代は残業しなくても貰える!
2016/9/28::みなし残業はわかりにくい制度であり、このわかりづらさが問題に繋がっているのですけど、制度の理念そのものがただちに悪とは言えません。
みなし残業代や固定残業代と呼ばれるものは、残業していなくてももらえるので、従業員が得するときもあるのです。これはたぶん多くの方が誤解されている点でしょう。
みなし残業は本当に従業員にとってメリットなのか?残業代を支給給与に含む意味とは
みなし残業代が設定されている状況で毎日会社を定時に退社することができれば、理論的には残業がないことになるため、給与は多く支給されることになります。
●みなし残業の問題は残業が多いとき
ただ、まあ、現実にはあまり上記のようなお得なことは起きません。みなし残業で設定した分より長く残業してしまうことが多いと思われます。
そして、このときに会社がこのわかりづらい制度を悪用しがちです。みなし残業代・固定残業代と言われると、そのあらかじめ想定していた残業分以上は支払わなくて良いように錯覚してしまうのを利用されるのです。
実際にはそんなことはなく、みなし分より多く残業した場合は、その時間分きっちりと会社が社員に残業代を支払わねばいけません。本来、会社にとっては有利な制度ではないので、これを採用する企業の多くは悪用目的となっています。
固定残業代(みなし残業)の仕組み|適正な残業代の計算方法|厳選 労働問題弁護士ナビ
本来は、残業が少ない月も一定の給料を貰えるであろう固定残業代。しかし、現状は「固定残業代を払っているのだから、いくら残業しても給料は変わらない」という明らかに違法な言い訳をしている会社が後を立ちません。(中略)
いくら会社が固定残業代を主張したところで、違法なものは違法です。
●みなし残業採用企業はブラック企業とみなす?
あと、ブログ内検索していたら、みなし残業が200時間と異常に長い企業の例が出てきました。
■<提訴された若者応援企業「残業代という考えは捨ててください」>(
若者応援企業は本当にホワイト? 厚生労働省の説くメリットとは?にまとめています)
【クイズ】ハローワークが積極的にPRしている労働関係法令違反をしていない優良企業を何と言う?
(1)若者応援企業
(2)若者推奨企業
(3)若者推薦企業
【答え】(1)若者応援企業
本当にみなし残業の定義通りに、200時間分の残業代をあげているとしたら相当すごいんですけど、おそらく1時間あたりで計算すると最低賃金を余裕で下回るほど安い金額になっていると思われます。まあ、そもそも200時間残業を想定しているという時点であり得ない話ですけどね。
それから、みなし残業分給与を低くして、見かけ上高給なように見せかけているという企業もあるでしょう。このように、みなし残業って話が出てくる時点で、警戒しなくちゃならん企業だとみなせそうです。
●みなし残業を悪用し、社員を「年収250万で使いたい放題プラン」
2017/10/09:みなし残業代のある企業=ブラック企業説の事例がまた一つ。ツイッターで悪い企業の採用条件として、以下が挙げられていたそうです。「実質年収250万で使いたい放題プラン」とも指摘されていました。
・昨年度実績月給21万円(基本給18万円+各種手当)
・みなし残業制度(60時間)
・住宅補助1.5万円(月給に含む)
・賞与年1回(業績に応じて支給)
アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士によると、「みなし残業制度の有効性に疑義が生じる上に、時給が最低賃金を割ってしまうため違法、つまりブラック」とのこと。
「所定労働時間が不明なので正確に計算できませんが、このケースで60時間のみなし残業制度であれば、時給は900円を明らかに下回ります。東京都の最低賃金は932円ですから違法」ということで、最初の投稿時でも出てきた「最低賃金を余裕で下回る」というケースでした。
(
年収250万で使いたい放題…新卒がだまされがちなブラック企業の「待遇」話題に、専門家「違法です」 オトナンサー | ライフ・美容 | 2017年10月07日より)
【本文中でリンクした投稿】
■<提訴された若者応援企業「残業代という考えは捨ててください」>(
若者応援企業は本当にホワイト? 厚生労働省の説くメリットとは?にまとめています)
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