『
ニュートンと贋金づくり―天才科学者が追った世紀の大犯罪』

2016/9/28:
●オカルトにハマっていたニュートン、実は錬金術に夢中だった!
●錬金術師ニュートンの目標は「賢者の石」と「エリクシル」の発見
●宗教でもオカルト…キリスト教研究や終末の日に関する計算
●そもそもニュートンは科学者ではなく「魔術師」だったから当然?
●ライバルとトラブルばかり…性格にも難ありだったニュートン
2021/04/23:
●錬金術は当時ニセ金作り扱い?ニセ金作りと戦い続けたニュートン 【NEW】
【クイズ】1か月の間隔をあけて現れた彗星が同一のものかという論争に敗れたニュートンが仕返しに嫌がらせをしまくった相手の名前は?
(1)ゴットフリート・ライプニッツ
(2)ジョン・フラムスティード
(3)ロバート・フック
●オカルトにハマっていたニュートン、実は錬金術に夢中だった!
2016/9/28:物理学などの分野で偉大な功績を残したアイザック・ニュートンさん。彼の活躍した時代に現在で言う「科学」の考え方の基礎が生まれたのですが、当時は「錬金術」の時代でもあり、実を言うと「科学」と「錬金術」は明確に区別はされていなかった…と言われています。
例えば、
アイザック・ニュートン - Wikipediaには、「錬金術研究」という項目すら存在。ニュートンは、造幣局長官の地位に隠れて錬金術の研究を行っていたそうです。20世紀になって、ニュートンの遺髪の分析により水銀が検出されたことはニュートンの錬金術にかける情熱を実証することとなったとされていました。
また、Wikipediaではタイトルからして、「ええ、ニュートンってトンデモだったの!?」と驚いてしまいそうな、
アイザック・ニュートンのオカルト研究 - Wikipediaというページがあります。このページによれば、アイザック・ニュートンのオカルト研究の大部分は、錬金術の研究であったそうです。
●錬金術師ニュートンの目標は「賢者の石」と「エリクシル」の発見
このWikipediaページでは、ニュートンはあらゆる形の自然科学・物質科学に興味を抱いており、彼のよく知られる科学への貢献はここから生まれた、とその功績には言及していました。ただ、ニュートンの時代においてはる化学(ここは科学ではなく化学の表記)は生まれたばかりの分野であったことも指摘しています。
そのため、実験研究は難解な言葉と曖昧な専門用語からなる、どちらかといえば錬金術やオカルティズムに近かったとのこと。分析化学が用語体系とともに現在知られている近代化学の形を取っていくのは、ニュートンの死後数十年後の話。これは、ラヴォアジエの先駆的な研究のもと化学量論の実験が行われるようになったためだそうです。
ニュートンの錬金術に関する著書の多くは研究所の火災によって焼失しています。そのため、錬金術師としての業績は現在知られているものより大きい可能性があります。錬金術への転向のため、ニュートンは錬金術を研究している間神経衰弱に罹っていたと考える者もいるが、実際は化学物質(水銀・鉛など)による中毒症状であったとする向きもあるとのこと。これは前述の通り、水銀を実際に研究つしています。
ニュートンが残した著書によれば、彼の錬金術師としての主要な目的はまず「賢者の石」の発見。「賢者の石」という名前の時点でオカルトっぽいんですけど、これは卑金属を金に変えると信じられていた物質ですので、やはりモロにオカルト。その次の目的がエリクシルの発見であったと考えられるそうです。
●宗教でもオカルト…キリスト教研究や終末の日に関する計算
また、ニュートンはキリスト教関係でもオカルトな研究をやっています。
アイザック・ニュートン - Wikipediaでは、以下のように書かれていました。
<ニュートンは生涯を通じてキリスト教研究にも打ち込んでいた。その結果は、1690年頃に執筆された『ダニエル書と聖ヨハネの黙示録の預言についての研究』と、死後の1728年に刊行された『改訂古代王国年代学』に纏められた。この中でニュートンは、聖書や伝説にある出来事の年代確定に天文学手法を導入しながらキリスト教的歴史観である普遍史をプロテスタント的史観で再構築し、また「ダニエル書」や「ヨハネの黙示録」を解釈した独自の終末論を展開している>
また、
アイザック・ニュートンのオカルト研究 - Wikipediaにも「聖書研究」という項目がありました。
<1704年に書いた草稿で、ニュートンは聖書から科学的情報をくみ取ろうとしているが、ここでニュートンは世界は少なくとも2060年までは滅びないと予測した。ニュートンはこの予言に関して「この指摘は、終末がいつ来るか断言するものではない。空想家による性急な当て推量と、それが外れることによって神聖な予言に疑惑が湧くことを防ぐためのものである」と言っている>
●そもそもニュートンは科学者ではなく「魔術師」だったから当然?
アイザック・ニュートンのオカルト研究 - Wikipediaによると、そもそもニュートンの関心は現在で言う「科学」ではなかったと言います。なので、現在で言うオカルトな研究に夢中だったのも彼にしてみれば当然だったのでしょう。科学者ニュートンは捏造されたものだと指摘されています。
<科学者という用語や概念が登場してからは、「ニュートンは科学者」とも評されるようになり、自然科学者らによってニュートンの自然科学関連の業績ばかりが恣意的に抽出され、他の活動は無視・隠蔽する形でニュートン像が伝えられてきた(→ホイッグ史観)。だが実際には、ニュートンは現在ではオカルト研究に分類される分野の著作も多く著しており、年代学・錬金術・聖書解釈(特に黙示録)についても熱心に研究していたのである>
さらに、ニュートン自身は、現代人が言うところの"科学的"研究の成果よりも、むしろ古代の神秘的な英知の再発見のほうが重要だと考えていた、とも指摘されていました。
<これをふまえると、世界を機械論的に考察することを「ニュートン的世界観」と表現することには語弊がある、と指摘する人もいる。たとえば、1942年にニュートンの錬金術研究書を購入し、検討した経済学者のケインズは、「ニュートンは理性の時代(age of reason)の最初の人ではなく、最後の魔術師だ」と発言した>
●ライバルとトラブルばかり…性格にも難ありだったニュートン
クイズは、
性格悪いニュートン ライプニッツ、フックらとドロドロの確執から。この投稿のタイトルでわかるように、他の選択肢の方とも大いに揉めているんですね。
【クイズ】1か月の間隔をあけて現れた彗星が同一のものかという論争に敗れたニュートンが仕返しに嫌がらせをしまくった相手の名前は?
(1)ゴットフリート・ライプニッツ
(2)ジョン・フラムスティード
(3)ロバート・フック
【答え】(2)ジョン・フラムスティード
「こんなニュートン見たくない」っているかもしれませんが、私は大笑いしながら読んでいました。偉大な功績を残した方が完全無欠である必要はありませんし、これはこれでひとつの魅力なんじゃないでしょうか?
●錬金術は当時ニセ金作り扱い?ニセ金作りと戦い続けたニュートン
2021/04/23:『
ニュートンと贋金づくり―天才科学者が追った世紀の大犯罪』という書籍があると知ったのですが、オカルトニュートン的な話ではありません。また、メインはニュートンがニセ金作りをしていたということでもないようです。この書籍は、
「ニュートンと贋金づくり」書評 「怖い官僚」になった大科学者|好書好日で知ったもので、「怖い官僚」というのはニセ金作りしている人にとっての「怖い官僚」。むしろニュートンはヒーロー的な立場のようです。
ニュートンは名誉職であり実入りもいい王立造幣局監事という「閑職」に就いたと書かれているのですが、これは<厳格で完全主義者、しかも信仰あつい英国紳士ニュートン>にとって「天職」だったとされていました。
性格悪いニュートン ライプニッツ、フックらとドロドロの確執を知った後だと、「英国紳士(?)」って感じですけどね。
とりあえず、なぜ天職とされたのかというと、単なる名誉職の「閑職」だったはずが大改革に成功したため。硬貨の改鋳にとどまらず事実上の紙幣発行を軌道に乗せ、金本位制に変える方向付けを行いました。金本位制への流れを作ったというのはニセ金作りをぶっ潰すだけでなく、歴史的にも重要な決定だと言えます。革新的でしたね。
…という話がメインだったのですが、私が気になったのは、ニュートンが長年ひそかに研究したのは錬金術に関する記述です。当時の錬金術は「贋金づくり」と同義語に考えられた危ない探究だった…と書かれていたですよ。これは初耳。本当でしょうか。当初書いていた説明と大きく異なるようにも思えます。
あと、本題ではないところが気になりやすい私は、この話とともに冒頭であったもう一つの話も気になりました。<ニュートンは「金」に縁がある>として、晩年、彼は大バブル事件として有名な「南海泡沫(ほうまつ)事件」に乗っかり、長年蓄えた財産を投資してみごとに失敗した…とも書かれていました。ここらへんの逸話にも、「ニュートンらしさ」を感じてしまいます。
『
ニュートンと贋金づくり―天才科学者が追った世紀の大犯罪』

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