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歴代ノーベル賞受賞者が望む研究費増額、本庶佑名誉教授も要望


 本庶佑博士に関する話をまとめ。<小野薬品の抗がん剤「オプジーボ」に貢献した本庶佑博士>、<歴代ノーベル賞受賞者が望む研究費増額、本庶佑名誉教授も要望>などをまとめています。

2023/09/23:
一部見直し


●ノーベル医学・生理学賞候補、本庶佑博士 ロイターが予想

2016/9/30:ノーベル賞予想の本庶佑・前田浩・松村保広の経歴・学歴 トムソン・ロイター引用栄誉賞で、本庶佑さんは以前も書いた気がした…と書いたのですが、下書きであり、未投稿だった模様。2016年2月に書いてノーベル賞シーズンまで寝かせていたために、投稿順が逆になってしまいました。

 以下の好調・小野薬品は バブルで終わるか 経済界 / 2016年2月8日 13時12分(ジャーナリスト/河野順平)という記事は小野薬品が開発・販売している抗がん剤「オプジーボ」の話。「オプジーボ」はたいへん画期的なもので、この開発に貢献した本庶佑博士はノーベル医学・生理学賞候補だと言われていたのです。

<同剤は「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれる新しいタイプの抗がん剤の地平線を切り開いた画期的新薬だ。既に承認を得ている皮膚がんや肺がん、日本では承認申請段階だが腎がんといったさまざまながんで、目覚ましい治療成績を示している。
 特に、患者数約10万人に上る肺がんに、オプジーボが使えるようになった(現時点では他の抗がん剤が効かなかった患者向け)ことの意味は、医学的にもビジネス的にも、そして社会的にも非常に大きい。
 オプジーボは、がん免疫療法という、比較的古くから提唱されているがん治療に使う薬剤の一種だ。代表的な手法はがんワクチンで、人間が本来持つ免疫の力を引き出し、がんに打ち勝つという手法は数多く研究されてきたが、製品として医学的検証に耐え得る成果を出したものは皆無だった。
 抗PD-1抗体と呼ばれるバイオ医薬品を投与することで免疫のブレーキを外し、がんを「異物」として攻撃するよう誘導するオプジーボは、大規模な臨床試験で、発症後の予後が特に悪いことで知られる悪性黒色腫などで、劇的な腫瘍縮小効果を実証した点が画期的だった。ここ10年、抗がん剤開発の主流だった分子標的薬よりも、さまざまながんに効く可能性がある点も特徴だ。オプジーボの創薬に多大な貢献を果たした京都大学の本庶佑博士は、ノーベル医学・生理学賞候補に上がっている>


●小野薬品の抗がん剤「オプジーボ」に貢献した本庶佑博士

 記事自体は、"値段が高過ぎて、日本の医療費財政では賄いきれ"ないために薬価を切り下げられてしまい、普及しても思ったほど儲からないのではないかという指摘なんですかね。内容がちょっと理解しきれなかったものの、とりあえず、「オプジーボ」の効果が怪しいという主張ではありませんでした。

 それより私が興味を感じたのは、本庶佑博士のことです。さて、いつものように経歴を…と探すと、本庶佑履歴・代表論文が詳しかったです。というか、詳しすぎてたいへんだったので、まず学歴・学位だけ紹介(卒業など、多少省略しています)。ちなみに昭和17年1月27日の京都市生まれで、京都一筋な感じでした。

<学歴>
昭和35年4月1日 京都大学医学部進学課程入学
昭和37年4月1日   同 専門課程入学
昭和41年4月1日 京都大学医学部附属病院にて実施修練開始
昭和42年4月1日 京都大学大学院医学研究科(生理系専攻)
昭和42年10月17日 医師国家試験合格
昭和43年1月20日 医師免許証下付
昭和46年3月23日 京都大学大学院医学研究科修了
昭和50年1月23日 (京都大学)医学博士

<学位>
医学博士(昭和50年1月23日)


●本庶佑博士の経歴 弘前大学教授もあるが、基本京都大一筋

 経歴がまたすごい長いので、客員研究員や併任は分割して整理します。併任で弘前大学医学部教授などがあるものの、やはり京都大一筋といった感じです。

<職歴>
昭和46年4月1日 京都大学医学部副手(医化学教室)
昭和49年11月1日 東京大学医学部助手 (栄養学教室)
昭和54年12月1日 大阪大学医学部教授(遺伝学教室)
昭和59年3月1日 京都大学医学部教授(医化学教室)
平成7年4月1日 京都大学大学院医学研究科教授(分子生物学)

<併任>
昭和57年4月1日~昭和58年3月31日 京都大学医学部教授併任(免疫研究施設)
昭和63年4月8日~平成9年2月28日 京都大学遺伝子実験施設、施設長併任
平成元年10月1日~平成10年3月31日 弘前大学医学部教授併任(脳神経疾患研究施設遺伝子工学部門)
平成8年10月1日~平成12年9月30日 京都大学大学院医学研究科長・医学部長併任
平成11年4月1日~平成16年3月31日 高等教育局科学官併任 (※元の書き方が変だったので任期は間違っている可能性あり)
平成14年10月1日~平成16年9月30日 京都大学大学院医学研究科長・医学部長併任
平成16年4月1日 日本学術振興会学術システム研究センター所長併任

<客員研究員>
昭和46年9月1日 米国カーネギー研究所発生学部門 客員研究員
昭和48年7月1日 米国NIH(NICHD分子遺伝学研究室)客員研究員
昭和52年4月~6月 米国NIH(NICHD分子遺伝学研究室)客員研究員


●本庶佑博士の受賞歴 ノーベル賞の登竜門ラスカー賞はなし

 あと、受賞歴がまたまた長いです。が、これは省略せずそのまま。

<受賞>
昭和53年11月 日本生化学会奨励賞
昭和56年11月 野口英世記念医学賞
昭和57年1月 朝日賞
昭和59年11月 大阪科学賞
昭和59年11月 木原賞(日本遺伝学会)
昭和60年1月 ベルツ賞
昭和63年6月 米国免疫学会名誉会員
昭和63年11月 武田医学賞
平成3年6月 フォガティースカラー(NIH)
平成4年10月 ベーリング北里賞
平成6年3月 上原賞
平成8年6月 恩賜賞・学士院賞
平成12年11月 文化功労者
平成13年5月 米国科学アカデミー外国人会員
平成15年8月 ドイツ自然科学者アカデミー・レオポルディナ会員
平成17年12月 日本学士会会員
平成24年 ドイツ ロベルト・コッホ賞
平成25年 文化勲章
平成26年 台湾唐奨教育基金会  第一回唐奨(バイオ医薬分野)
平成26年 アメリカ合衆国Cancer Research Instituteウィリアム・コーリー賞
平成26年 日本癌学会 第4回JCA-CHAOO賞
平成27年 Richard V. Smalley, MD Memorial Award, Society for Immunotherapy of Cancer

 ノーベル医学・生理学賞の登竜門ともいわれるラスカー賞の名前はなさそうです。ただ、他のお馴染みの賞の名前が多数見えていますし、有力と言われるのもわかる気がします。


●期待外れだった「オプジーボ」、臨床試験の失敗で株価が急落

 冒頭で書いたように、これは2016年2月に書いていた投稿なのですが、実はその後「オプジーボ」が期待外れだとわかって、小野薬品の株価も急落していたことがありました。小野薬株、ストップ安 抗がん剤「オプジーボ」の治験失敗  :日本経済新聞という記事などが出ています。

<8日の東京株式市場で小野薬品工業の株価が急落した。米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が5日、小野薬と共同開発する抗がん剤「オプジーボ」について、より幅広い肺がん患者に効果があるかを調べる臨床試験(治験)が失敗したと発表し、失望売りが広がった。
 8日の小野薬株は朝方から売り気配値を切り下げ、制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前週末比700円(20%)安の2881円で取引を終えた。>

 なので、本庶佑さんのノーベル賞も消えたと思っていたのですけど、日経新聞はその後も今年のノーベル賞候補だとしていました。あまり影響ないのかもしれません。


●歴代ノーベル賞受賞者が望む研究費増額、本庶佑名誉教授も要望

2018/10/13:ご存知の通り、本庶佑さんのノーベル賞受賞も決まりました。受賞するとしてももう少し先かもと思っていたので予想外でした。ということで、どこかに受賞が決まったことを書いておこうと適当にブログ内検索してみると、この投稿が出ました。こちらでは治験失敗の話を紹介していましたね。ただ、大きな影響はなかった模様。むしろその後、オプジーボが治療に使えるがんの種類は増えています。

 この内容だけじゃ…ということで、適当にウェブ検索してみると、"「研究費の増額を」 ノーベル賞の本庶氏が文科相に直訴 | NHKニュース"(2018年10月11日 14時48分)という記事が出てきました。平井IT担当大臣に「若い研究者の育成には最低10年かかり、大学でいかにサポートするかが重要だ」と要望した他、柴山文部科学大臣に以下のように要望しています。

「基礎研究で非常に広い視点から研究するには、研究費が基本なので、今後とも少しずつでよいので増やして頂くことが非常に重要だと思っている。生命科学は非常に分かりづらいが、人間が考えていなかったことが出てくるので、引き続き支援をいただきたい」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181011/k10011667291000.html

 こうした要望は、過去のノーベル賞受賞者もしてきました。しかし、日本の研究費は苦しい状態が続いており、日本の重要論文数は相対的に見てかなり低下しています。今回大臣らは協力するようなことを言っていましたが、政府は口ばかりで、実際には有効な対応をしてこなかったわけで、改善は期待できないと思われます。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ノーベル賞予想の本庶佑・前田浩・松村保広の経歴・学歴 トムソン・ロイター引用栄誉賞

【その他関連投稿】
  ■ノーベル物理学賞予想候補 梶田隆章,鈴木厚人,大野英男らの経歴・受賞歴
  ■ノーベル賞有力候補の経歴 森和俊京大教授・坂口志文大阪大教授
  ■ノーベル賞有力候補、西美緒・吉野彰の経歴 リチウムイオン電池の発明
  ■日本人ノーベル生理学医学賞候補 森和俊,坂口志文,大隅良典,水島昇
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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