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村井眞二氏はノーベル賞・化学賞有力 日本人が得意な有機物の合成


 村井眞二氏の話をまとめ。<村井眞二氏はノーベル賞・化学賞有力 日本人が得意な有機物の合成>、<村井眞二氏「役にも立たないものをつくることは大事」と強調>、<「サイエンスの研究ができるのは日本だけ」「中国はできない」>などをまとめています。
 
2023/09/23追記:
●村井眞二氏の発見で関連研究が世界的に流行、未だ影響力 【NEW】


●村井眞二氏はノーベル賞・化学賞有力 日本人が得意な有機物の合成

2021/10/03:ノーベル賞、mRNAワクチンに注目 自然科学分野は4日から発表:朝日新聞デジタル(2021年10月2日)では、タイトルの通り、「m(メッセンジャー)RNAワクチン」関連を有力とする記事。ファイザーと共同開発した独ビオンテック社の上級副社長カタリン・カリコさんなどが候補。2021年にノーベル賞の登竜門ラスカー賞を受賞しています。

 医学生理学賞以外の話もあり、あまり法則性がない化学賞では、強いて言えば、有機化学の関連分野がこれまでおおむね4、5年おきに受賞しており、そろそろではないか…とされていました。最後の有機化学の関連分野の受賞は2016年なので、2021年に受賞なら5年ぶりということになります。

 有機化学の中でも有機物の合成は、特に日本の得意分野だとのこと。10年の化学賞を鈴木章さんと根岸英一さん(故人)、01年にも野依良治さんが受けているそうです。そして、この分野での注目は、奈良先端科学技術大学院大学の村井眞二特任教授。有機物の中にある炭素と水素の結合を切って、別の物質をくっつける合成法を発見しました。創薬や電子材料の開発への活用が期待されているともいいます。


●大阪大学出身で工学部長や奈良先端科学技術大学院大学副学長など

 村井眞二さんのWikipediaを見たら、あまり情報がありませんでした。ただ、経歴や受賞歴情報はあります。現在は、大阪大学・奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。また、科学技術振興機構上席フェロー、奈良先端科学技術大学院大学理事・副学長などを歴任したとされていました。

<学歴・職歴>
1957年 - 大阪府立住吉高等学校卒業。
1966年 - 大阪大学大学院工学研究科修了、同大学工学部助手に就任。
1967年 - 米国ウィスコンシン大学博士研究員(ロバート・ウェスト教授研究室)。
1987年 - 大阪大学工学部教授に就任。
1999年 - 大阪大学工学部長・工学研究科長に就任。
2002年 - 大阪大学名誉教授に就任。
2005年 - 日本化学会会長に就任。

<受賞歴>
2006年 - 藤原賞(キラル高分子の精密合成と機能開発)
2010年 - 第100回日本学士院賞(遷移金属分子触媒による有機化合物の骨格形成法と修飾法の開拓)
2015年 - 朝日賞(不活性結合の活性化に基づく革新的合成手法の開拓)
2017年 - 文化功労者


●村井眞二氏「役にも立たないものをつくることは大事」と強調

 朝日新聞では、創薬や電子材料の開発への活用が期待されているとされていました。ただ、この書き方だとまだ十分活用されていない…ってことですかね。最近のノーベル賞は実用化されている研究が多いので、その意味では時期尚早の可能性を感じて気になりました。で、検索したのですが、そもそも研究の説明自体がなかなか見つかりません。

 仕方ないのでそれ以外も含めて検索して、最後までやり抜く強い意志で、高みを目指して欲しい 村井眞二 - 次代への羅針盤 128|ハリマ化成グループという記事を読んでみました。すると、「役にも立たないものをつくったとしても意義がないわけではない」ということを強調されていました。

<今年の6月、日本の研究者たちによって合成された113番元素が「ニホニウム」と命名されました。(中略)
 ただこの元素は、物質として存在しないに等しいものです。単原子を物質とは言いません。もっと言えば、たとえこの原子を何十個、何百個と集めても、何の役にも立ちません。つまり、何年もかけ、それなりの予算を投じて何の役にも立たないものをつくったことになります。
 しかし、だからといって研究としての意義がないわけではありません。ないものをつくりたい、分からないことを知りたいというのは人間の本源的欲求です。そこに山があるから登るということよりも、もっとずっと根源的なものです>


●「サイエンスの研究ができるのは日本だけ」「中国はできない」

 「そういう研究をできるのは、アジアでは日本だけ」とも指摘。中国は歴史があるが、日本のような余裕はないとしています。「新興国的な趣のある国ですから、何かするときにはそれが役に立つかどうかということが判断基準」「だからテクノロジーの研究はしても、サイエンスの研究はしません」としていました。

 ただし、その後、「科学技術振興機構」がまとめた重要論文数の調査では、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位に。残りの80領域はすべて米国で、日本は相手になっていません。日本では3位というのも、151もの細かな領域に分けて、たった2つだけという少なさ。少し前には予想できない状態になってしまっています。
(関連:中国が主要分野で重要論文数世界一に 日本人のノーベル賞は将来激減する)

 これは中国が予想外に伸びただけでなく、日本の重要論文数が劇的に減っているという理由もあるでしょう。日本の重要論文数の順位は予想外の勢いで下がっており、ついに10位までダウン。韓国に抜かれる心配まで出てきました。実を言うと、村井眞二さんも以下のように当時、日本について懸念。ただ、これでも見方が甘かったというほど、日本は急激に悪くなっています。

<近年、日本でも大学の研究に対して、それは何の役に立つのかという出口を求める傾向があります。国立大学に限らず私学にも税金が投入されていますから、世の中の役に立たないといけないというのはもっともなことです。しかし、役に立つようになるのは50年先かもしれない。大学とはそういう研究もするところなのです。そういうことは多くの人も分かっているはずなのですが、出口ばかりを強調するようになったのは、日本も余裕がなくなってきたということなのでしょうか>

 最近のノーベル賞で実用性が重視されるのは事実ですが、ノーベル賞級の成果は有望ではない分野での成功や偶然の発見が多いのも特徴。要するに成果主義的なやり方が合わないんですね。例外はあるものの、「この分野が有望だ」と他の分野の予算を削り、重点的に予算を配分しても成果に繋がらないということも多いのです。

 ということで、日本の重要論文数が減ったというのは、最近の政府による成果を求める方針がモロに悪く働いた感じ。また、上記で少し話があった私立大もポイントでしょう。最近の政府は国立大学を叩き、低レベル大学を含む私立大学に利益誘導する傾向があり、これも日本の研究レベル低下に繋がっていると思われます。


●村井眞二氏の発見で関連研究が世界的に流行、未だ影響力

2023/09/23追記:少し情報を追加しようと検索。あまり情報が出てこなくて参ったのですけど、(PDF)祝辞_村井眞二先生に文化功労者の顕彰(垣内史敏(慶應義塾大学理工学部教授)( 6 ) 有機合成化学協会誌)を読んでみました。

<先生はこ(中略)数々の新反応開発を行っておられますが,それらの中でも有機合成化学分野にひと際大きな影響を与えた研究として,1993 年に報告されたルテニウム触媒を用いる不活性炭素 ─ 水素結合の切断を経る高効率・高選択的分子変換反応の開発があります。先生のこのご研究が契機となり,関連研究が世界的に広く行われるようになりました。
 この反応では,反応工程数や化学廃棄物の削減が可能となるため,炭素 ─ 水素結合切断を利用する反応は,環境調和型有機合成手法としても広く研究されています。先生が見出された炭素 ─ 水素結合を合成反応へ効率的に利用するための指導原理は,他の不活性結合を合成反応へ利用する場合にも適用可能な一般性が高いものです>

 これは1993年の報告でしたが、この研究分野はこれを執筆時の平成29年時点でもまだまだ発展している…とされています。一方、具体的な応用例の話はなし。最初のとき書いたように、村井眞二さんは「役にも立たないものをつくることは大事」としていたものの、ノーベル賞の選考的には応用例が重要じゃないかと予想しています。


【本文中でリンクした投稿】
  ■中国が主要分野で重要論文数世界一に 日本人のノーベル賞は将来激減する

【関連投稿】
  ■ペロブスカイト太陽電池で宮坂力氏がノーベル賞候補 韓国人も候補で実用化では日本出遅れ
  ■韓国のノーベル賞予想で有力な玄澤煥教授が受賞が難しい理由
  ■ノーベル賞候補に中村祐輔と藤田誠…東大が期待してるのはどっち?
  ■ノーベル賞物理学賞、日本の香取秀俊(光格子時計)や佐川真人(ネオジム磁石)が有力
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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