Appendix

広告

Entries

中国が主要分野で重要論文数世界一に 日本人のノーベル賞は将来激減する


 当初は、"日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数"(2016/10/6)というタイトルで書いていた話。ただ、続報を見ると、中国はすでにアメリカと世界一を競うレベルになっており、日本はもうライバルですらなさそうだったので、追記するとともにタイトルも変えました。(2017/06/14)

2016/10/6:
●ノーベル賞は予測可能?重要論文とノーベル賞の関係
●日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数
●分野ごとの重要論文数は、2勝6敗で日本が中国に負け越し
2017/06/14:
●中国が主要分野の半分で重要論文数世界一に アメリカと争う
2019/05/13:
●151の研究領域に分ければ日本も世界1位がある?分析の結果…
2021/08/30追記:
●文部科学省がまとめた全分野重要論文数ランキングでも中国が1位に 【NEW】


●ノーベル賞は予測可能?重要論文とノーベル賞の関係

2016/10/6:日本人がノーベル賞を取れるのは今だけ?既に中国に負けている分野もの最後に追記で書いた重要論文数の件。文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会の資料で、(PDF)科学研究のベンチマーキング -論文分析でみる世界の研究活動の変化と日本の状況- 2012年9月28日 文部科学省 科学技術政策研究所 所長 桑原輝隆というものがありました。

 日本では政府の予算削減のおかげで論文数が増えていない唯一と言って良い国になっているのですが、これは重要論文数においても状況は変わらない…というより、むしろより深刻な感じになっています。

 ここで言う「重要論文」というのは、具体的に言うと、「Top10%補正論文数」です。"Top10%補正論文数とは、被引用回数が各年各分野で上位10%に入る論文の抽出後、実数で論文数の1/10となるように補正を加えた論文数"と、ここでは説明されていました。

 被引用回数が重要というのは皆さんの大好きなノーベル賞でも同じで、ノーベル賞予想として使われるトムソン・ロイター引用栄誉賞でもこれを重視しています。今年(2016年)ノーベル賞を貰った大隅良典さんも、トムソン・ロイター引用栄誉賞の2013年の受賞者でした。


●日本人ノーベル賞受賞者は将来激減 既に中国に大敗の重要論文数

 前述のレポートでは、まず論文数の低下について示しています。

【論文数 1998年~2000年の平均】
1位 アメリカ
2位 イギリス
3位 日本

 ↓

【論文数 2008年~2010年の平均】
1位 アメリカ
2位 中国
3位 イギリス
4位 ドイツ
5位 日本

 ここでは既に2010年の時点で中国に抜かれていることがわかります。ただ、「問題は重要論文数だ、日本は中国とは質が違う」と思う人もいたかもしれません。

 ところが、先ほど言ったように、むしろ日本は重要論文数の方がむしろ順位が悪い国のようでした。ですので、もちろん中国にも既に負けています。日経新聞が書いていた「分野によっては中国に負けている」というのは現実を直視していないかなり日本に甘い見方で、実際には既に大差で負けています。

 前回も書いたように、ノーベル賞というのは過去の遺産です。したがって、このランキングを見ると、日本人のノーベル賞受賞は将来激減すると予想されます。


【Top10%補正論文数 1998年~2000年の平均】
1位 アメリカ
2位 イギリス
3位 ドイツ
4位 日本

 ↓

【Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
1位 アメリカ
2位 イギリス
3位 ドイツ
4位 中国 9,813 (日本より54%多い)
5位 フランス
6位 カナダ
7位 日本 6,375


●分野ごとの重要論文数は、2勝6敗で日本が中国に負け越し

 主な国の記載がなく、個々の正確な順位は不明なのですが、分野ごとに見てももちろん中国に負けています。ここでは、主にノーベル賞に関連しそうなところを見ていきましょう。

【化学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,006
中国 1,958 (日本より95%多い)

【物理学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,121
中国 1,246 (日本より11%多い)

 ノーベル生理学・医学賞は、該当がよくわからず。基礎生命科学あたりですかね。ここなら中国にまだ負けていませんでした。

 というか、8分野での勝敗は日本2勝、中国6勝。既にほとんどの分野で負けており、先ほどの「分野によっては中国に負けている」という言い方がおかしいことがよくわかります。「分野によってはまだ日本が勝っているところもある」が正解でしょう。

【基礎生命科学 Top10%補正論文数 2008年~2010年の平均】
日本 1,595
中国 1,360 (日本より15%少ない)

 こうやって見るとわかるように、ノーベル賞が多いって浮かれている場合じゃありませんよ。前回も書いたように、日本政府は誤りを率直に認めてやり方を改めるべきでしょう。


●中国が主要分野の半分で重要論文数世界一に アメリカと争う

2017/06/14:より新しいニュースによると、中国と日本はすでに相手にすらなっておらず、眼中にない感じ。アメリカとの争いになっているようです。科学技術の主要8分野のうち、4分野の重要論文数でアメリカを抜いて世界一となったとのこと。具体的には中国とアメリカはそれぞれ以下のような分野で世界一になっています。

中国が世界一 「コンピューター科学・数学」「材料科学」「工学」「化学」
アメリカが世界一 「物理学」「環境・地球科学」「基礎生命科学」「臨床医学」
(世界の科学技術 米中がけん引する時代に | NHKニュース 6月13日 18時19分より)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170613/k10011016451000.html

 これは、科学技術振興機構が、科学研究へのインパクトの指標となる論文の引用回数が、上位10%の科学研究について、アメリカ、イギリス、ドイツなど主要6か国で比較分析を行ったことで、わかりました。査を行った科学技術振興機構の伊藤裕子研究員は「『物理学』の分野でもアメリカを抜く勢いで、科学技術立国として、今のアメリカに取って代わろうとしています」としており、アメリカを抜くのも時間の問題でしょう。

 なお、日本に関しては、各分野で5位から6位と低迷しているとのこと。日本には中国やアメリカと争う力はないので、中国をライバル視するのはやめた方が良いです。ただ、今はそのレベルにすらないですね。何度も書いているように、政府の方針のせいで本来持っている力すら発揮できていません。これはたいへんもったいないとことです。


●151の研究領域に分ければ日本も世界1位がある?分析の結果…

2019/05/13:中国が躍進 論文シェア、半数首位 米と2強、日本低迷 毎日新聞2019年5月6日は、別の重要論文調査の話でした。国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)が、2015~17年の質の高い科学論文の国別シェアを分析したというものです。

 これによると、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位を占めていることが判明。残りの80領域はすべて米国が首位。これだけ多くの分野に分けて細かく見ても、米中2カ国のみ。完全にこの2カ国が中心のようです。一方、日本は上位5位以内に入る研究領域の数すら約20年前に比べ激減。相対的に研究力が低下している現状が浮き彫りになったともされていました。

 "科学論文の引用回数 米中が各分野の1位独占 日本はなし"(2019年5月12日 4時08分 NHK)によると、引用回数で世界の上位10%に入る質の高い自然科学系の論文について調べたというもの。やはり引用論文数で見ていますね。より衝撃的なのは、日本は1位だけでなく2位の分野もなかったこと。3位が最高でした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190512/k10011913021000.html

 さらに3位というのも、151もの細かな領域に分けて、たった2つだけ。そのうち1つは、がん研究。もう1つはなぜか紹介ありませんでした。日本と中国はともに1997年までの3年間平均では1位の分野はなし。以前は中国もすごかったわけではありません。しかし、中国は20年の間に、機械工学など産業に関わる分野を中心に目覚ましい躍進を遂げました。

 一方の日本は、1997年までの3年間平均では151分野のうち83分野でトップ5に入っていたのが、最新の2017年までの3年間では18分野と激減。そもそもトップ5に入っている分野がほとんどないんですね。1割ちょっとに過ぎません。中国が伸びたうんぬんの問題ではなく、日本が衰退していることがはっきりわかる結果となりました。


●文部科学省がまとめた全分野重要論文数ランキングでも中国が1位に

2021/08/30追記:日本の研究力、低落の一途 注目論文数10位に: 日本経済新聞(2021年8月29日 2:00 )という記事が出ています。文部科学省の研究所がまとめた報告書では、科学論文の影響力や評価を示す指標で日本はインドに抜かれて世界10位に落ちたのこと。一方で、中国が1位になっていました。今度は全分野の総合でのトップってことみたいですね。

<世界の科学論文の動向は文科省の「科学技術・学術政策研究所」が毎年まとめている。今回発表した最新のデータは、2018年(17~19年の3年間の平均)のものだ。1年では特殊な要因によるぶれが出かねないため、3カ年の平均値で指標を出している。
 10位になったのは、研究分野ごとに引用数がトップ10%に入る「注目論文」の数だ。研究者は研究成果を論文にまとめる際、関連する論文を参考として引用する。引用された数は社会やその研究分野へのインパクト、評価や注目度を示す指標になるわけだ。
 注目論文の国別の世界シェアをみると、中国が24.8%で米国を初めて逆転して世界一に立った。米国は22.9%で、米中で世界の50%近くを占めた。大きく離れて英国(5.4%)、ドイツ(4.5%)などが続き、日本は2.3%にとどまった>

 1990年に3位だった日本は、その後4位に転落するも長くこの順位を維持していました。ところが、2000年代半ばからはほとんど毎年のように順位を下げて急落。一気に下がりました。政府が行った2004年の国立大学の法人化が有力な理由ではないかとの声が大きいと記事では紹介。国からの交付金は年々削減されており、政府方針によって下がった感じです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本人がノーベル賞を取れるのは今だけ?既に中国に負けている分野も

【その他関連投稿】
  ■ノーベル物理学賞を逃した鈴木厚人・鈴木洋一郎・西川公一郎・戸塚洋二ら
  ■ノーベル医学生理学賞有力日本人、満屋裕明の経歴 本庶佑,遠藤章も候補者
  ■ノーベル物理学賞候補の飯島澄男の経歴 十倉好紀・大野英男も有力
  ■ノーベル化学賞候補、山本尚の経歴 吉野彰,西美緒,藤嶋昭らも有力
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由