小野薬品工業やオプジーボの話をまとめ。<小野薬品工業、日本だけ高いオプジーボで荒稼ぎ 英国の5倍の価薬価>、<日本の言い訳「海外より先に決めたから参考にできなかった」>、<小野薬品工業からの賄賂で薬剤発注増加…教授に有罪判決>などをまとめています。
2023/09/26まとめ:
●小野薬品工業からの賄賂で薬剤発注増加…教授に有罪判決 【NEW】
新薬創製 日本発の革新的医薬品の源泉を探るオプジーボ、アクテムラ、ブロプレス、…
日本で生まれた、12の画期的新薬
その開発の過程を当事者へのインタビューを基に徹底分析


●小野薬品工業、日本だけ高いオプジーボで荒稼ぎ 英国の5倍の価薬価
2016/10/7:
ノーベル医学・生理学賞候補、本庶佑の学歴・経歴 オプジーボ(小野薬品)に貢献で書いたように、オプジーボはノーベル賞級の研究に関わるもので、日本が自慢できそうなものでした。ところが、小野薬品工業がその日本でボロ儲けしていたという、全く美しくない話があるようです。
こうした話があったのは、
オプジーボ 「高いのは日本だけ」 :日本経済新聞(2016/10/6 6:30(企業報道部 野村和博)[日経産業新聞10月6日付)という記事。海外でも高いのであれば「やむを得ない」という主張はわかるのですが、日本だけ高いみたいですね。開発国なのに!と思ってしまいます。
<「これほど高い薬価は日本だけ。受容できるわけがない」。医師で構成する全国保険医団体連合会(保団連)の住江憲勇会長は語気を強める。
保団連は8月、米国と英国におけるオプジーボの薬価を調べた。日本では100ミリグラム当たり約73万円であるのに対し、米国では同約30万円、英国では約14万円だった。同じ薬の値段が米国では日本の約4割、英国に至っては約2割でしかなかったのだ。>
●日本の言い訳「海外より先に決めたから参考にできなかった」
ある程度仕方がないものがありそうですが、ひとつ目の理由は、納得できなかったもの。”オプジーボが日本で初めて承認されたから""薬価を決めるときに他国の事例を参考にできなかった"というのは、ひどい話。我が国は他国を真似することでしか決められない…というアホな言い訳です。
これが事実だった場合、別な意味で「日本ひどい」という話になります。どちらに転んでも日本はおかしいという話。ただ、もう一つの<最初に悪性黒色腫という珍しい皮膚がんの薬として承認されたことだ。患者が少なくても開発費が回収できるようにするため、高い薬価が付く計算法が適用された>はまだマシな説明でした。
ところが、以下のイギリスの説明を読むと、日本の決め方に根拠がなさすぎるのでは?と、再び日本のやり方に疑問が湧いてきます。イギリスの考え方は、論理的でなるほどというもの。むしろこうでなくてはいけない!というものでした。先ほどの他国の事例を参考にしないと適切な薬価が決められないというのも、日本が論理的に考えて薬価を設定できないということを表しています。
<日本の約2割の価格でオプジーボを販売する英国では、さらなる価格引き下げが現実味を帯びている。焦点は患者数が多い肺がん向け価格だ。英国では、NICE(ナイス)という政府機関が
薬の費用対効果を計算し、薬を推奨できるか決める。価格に見合う価値があるのか、効果や副作用などのデータから見極める。NICEが推奨しないと、実質的に医療現場で使うことはできない。(中略)
NICEは患者が少ない悪性黒色腫向けには、日本の薬価の5分の1にあたる14万円強(100ミリグラム)が妥当と判断し推奨している。だが同じ価格では「肺がん向けには費用対効果の基準に達していないと判断された」(東京大学大学院薬学系研究科・特任准教授の五十嵐中氏)のだ>
●論理的な英国に対し、日本は「緊急値下げ」でもまだバカ高い
…といった感じで、イギリスではさらに下がりそうなのですけど、日本は全くの別世界。来春までというゆっくりとした「緊急値下げ」でもたった25%減るだけ。25%引きなら55万円程度ですから、イギリスの現在の薬価約14万円より高いだけでなく、アメリカの約30万円の2倍近い高さ。依然として、圧倒的に高いことには変わりありません。
<高額な新型がん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は薬価を緊急的に最大で25%引き下げる方向で調整に入った。オプジーボの値段は1人あたり年3500万円程度だが、利用者が急増。販売額に応じて薬価を下げる仕組みに基づき、来春までに値下げに踏み切る。
販売額が想定より大幅に伸びた薬は販売額などに応じて最大25%か50%値下げする仕組みがある。厚労省は5日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の専門部会で、こうした考え方を適用する方針を提案。大きな異論はなかった。オプジーボの今年度の売上高は約1260億円の見込みで、厚労省内では最大25%の値下げ幅を適用する検討を進めている>
(
高額がん治療薬オプジーボ、最大25%値下げへ:朝日新聞デジタル 生田大介 2016年10月5日20時53分より)
これは制度的な不備でしょう。そして、制度的な不備というのは仕方がないってものではありませんので、政治の問題です。結局、私たちの選んでいる政治家らが一番悪いってことなんでしょうね…。
●小野薬品工業からの賄賂で薬剤発注増加…教授に有罪判決
2023/09/26まとめ:別件で書いていた話ですけど、小野薬品工業が絡む話でしたので、こちらにも転載しておきます。三重大学の汚職事件で判決が出て、<三重大病院汚職事件 元教授に執行猶予付き有罪判決>(2023年01月19日 16時54分 NHK)などの記事が出ていました。
<薬剤の積極的な使用の見返りに賄賂を振り込ませた罪などに問われた、三重大学医学部附属病院の元教授の裁判で、津地方裁判所は、執行猶予の付いた懲役2年6か月の有罪判決を言い渡しました。>
<「小野薬品工業」が製造・販売する薬剤を積極的に使う見返りに、大学の口座に寄付金200万円を振り込ませたとして、第三者供賄などの罪に問われていました。
19日の判決で、津地方裁判所の柴田誠裁判長は「すでに贈賄罪が確定している製薬会社の元社員の供述などから、大学に対する寄付金は薬剤の使用量を増加させる見返りだったことは明らかだ」と指摘しました。>
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20230119/3070009702.html
新薬創製 日本発の革新的医薬品の源泉を探るオプジーボ、アクテムラ、ブロプレス、…
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